処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

聖騎士の信念

「来い、聖騎士レオ。俺の美学を超えてみせろ」
蒼銀の魔剣が煌めき、ゼフィルが高速の斬撃を繰り出す。

だが、レオは一歩も退かず、全身でその一撃を受け止めた。

「俺が守るのは……美学じゃない。仲間だ！」

激突。
剣と剣、魂と魂がぶつかり合う一瞬。

ゼフィルの光速剣閃が唸り、レオの聖剣が火花を散らす。

「なぜだ！なぜ、お前の剣は鈍らない！」

「それはお前が“勝つこと”に囚われているからだ。俺は、“守るべきもの”のために戦っている！」

ゼフィルの動きが、一瞬、揺らいだ。

その隙を逃さず、レオの剣が彼の胸元へと滑り込む。

「ぐっ……！」

激突の衝撃にゼフィルは吹き飛ばされ、柱に激突したまま動かなくなる。

静寂。

風に舞う塵の中、ゼフィルは剣を取り落とし、膝をつき、そして――意識を手放した。

「……悪いな。まだお前には負けてやれん」

レオは剣を納め、倒れたゼフィルを見下ろしながら、そう呟いた。