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その後、今後の計画について話し合った。
エリーさんはマルク様のことに関しては全て自分に任せてほいしと言うので、必ず週末にしっかりと経過報告する事で渋々アロンが了承した。
実行期限は長くて、エリーさんが卒業するまで。
エリーさんは2ヶ月も有れば大丈夫と言っていましたが…
焦りは禁物です。
なんたって相手は腐っても王族ですから。
マルク様から無事婚約破棄をされた際、マルク様を奈落に突き落とす為の情報収集はアロンが中心となり、温室の管理者として働きながら裏で情報屋をしている双子のモンモール兄弟、エリック(兄)とマリック(弟)…そしてリナが行う事となった。
「リナ…カロリーナの身の回りの情報を中心に頼んだぞ」
「はい。お任せ下さい」
「俺たちの情報もリナがまとめてくれたらありがたい」
「俺たちにまとめた情報を渡してくれたら助かる」
「わかりました」
「…」
んっ?…んん???
色々な情報過多で頭が正常とは言えない状況だったから自然とスルーしてたけど…
なんで、私の侍女が自然とアロンのメンバーに馴染んでる?
「ごめんなさい。話を中断してしまうのですが……リナ…あなたアロンと繋がっていたの?」
私の疑問にみんなが『あぁそういえば…』という表情をしている。
「アローン様。私からカロリーナ様に私の事をお話して良いでしょうか?」
リナは私に対して少し困った表情をすると、チラリとアロンの方を見る。
アロンは何かを考えるように軽く頭を掻いて、リナを見てから私に視線を向ける。
「いや…僕から話そう」
アロンは少し気まずげな表情をすると、私に対して軽く頭を下げる。
「カロリーナ…話すのが遅くなってすまない。…その…リナも僕の商会のメンバーの1人だ」
「…」
「…」
「…」
「………えぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎⁉︎⁉︎」
思いもよらない現実にまともな声が出せなかった。
「えっ?えっ…いつから???」
アロンとリナがつながっていたなんて全く気づかなかったわ…
「リナは…ハウル商会で昔から贔屓にしている家令と侍女頭の間にいる7人の子供の内の末子だ。リナは優秀な人材だったけど、年の離れた上の子達に埋もれ、中々評価がされなかった。だから、僕が独立を考えた際に一番最初に引き抜いた。」
リナがアロンに対して頭を深く下げる。
その姿に、明確とした侍従関係を感じる。
信用していたリナに騙されていたようで胸がズキリと痛む。
「で…引かないで欲しいんだが……カロリーナが第2王子と婚約が決まったと聞いて、いてもたってもいられず…その…僕がリナをミスドナ伯爵家に送り込んだ…」
「……は…ぃ?」
「カロリーナ様…今までお伝え出来ず申し訳ございませんでした」
リナが深々と私に頭を下げる。
リナはアロンがミスドナ伯爵家に送り込んだ?
「ごめんなさい。上手く理解できないのですが…」
いや…理解できないのではなくて、理解することを頭が拒否する。
「要は、アローンはリナを通じて公にカロリーナさんをストーカー行為をしていたわけですよ」
混乱する私にエリーさんが爆弾を投下する。
「ちょっ…ココット言い方っっ」
「いや。隠すことはできないけど、アローンさんがやってきた中でカロリーナさんに一番知られたくない真実だよね」
「ストーカーじゃない。全てはカロン…カロリーナを守るための手段だ。」
「リナさんに色々逐一報告させてたじゃん。」
「っっ…」
アロンは明らかに気まずそうな表情を浮かべる。
「リナがアロンが送った人だということをお父様は…お父様はどこまでご存じなのでしょう?」
「伯爵はリナが僕の手の内の人間である事はしっている。…リナをカロリーナの侍女としてもらう為に、僕の気持ちの全て伯爵には打ち明けてある。」
「アロンの気持ちをお父様に?」
私が聞き返すと、アロンは耳を真っ赤にさせて私から目を逸らす。
「…その…“いつか、カロリーナを迎えに来る。それまでリナをカロリーナの近くに置いて欲しい”…と、それ以外は伯爵には話していない。」
2年前にそんなやりとりを?
全く気づかなかった。
お父様…次あった時は覚えておいてくださいよ…
「カロリーナ様…長く使える中で真実をご報告できずに申し訳ありません。ただ、わたくしはアローン様の命でカロリーナ様の元へと参りましたが、現在、わたくしはお優しいカロリーナ様を心底お慕い申し上げております。
今現在、アローン様とカロリーナ様どちらかの味方に付けと言われたら迷わずカロリーナ様の味方となります。なので、これからも変わらずカロリーナ様の側付として職務を全うしたいと思っております」
リナがいつも以上に真剣な眼差しで伝えてくる。
「おい。リナ…裏切るな…」
「本心でございます」
「……」
この状況は喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか…
このなんともいえない複雑な気持ちはどうしたら良いのでしょう。
エリーさんはマルク様のことに関しては全て自分に任せてほいしと言うので、必ず週末にしっかりと経過報告する事で渋々アロンが了承した。
実行期限は長くて、エリーさんが卒業するまで。
エリーさんは2ヶ月も有れば大丈夫と言っていましたが…
焦りは禁物です。
なんたって相手は腐っても王族ですから。
マルク様から無事婚約破棄をされた際、マルク様を奈落に突き落とす為の情報収集はアロンが中心となり、温室の管理者として働きながら裏で情報屋をしている双子のモンモール兄弟、エリック(兄)とマリック(弟)…そしてリナが行う事となった。
「リナ…カロリーナの身の回りの情報を中心に頼んだぞ」
「はい。お任せ下さい」
「俺たちの情報もリナがまとめてくれたらありがたい」
「俺たちにまとめた情報を渡してくれたら助かる」
「わかりました」
「…」
んっ?…んん???
色々な情報過多で頭が正常とは言えない状況だったから自然とスルーしてたけど…
なんで、私の侍女が自然とアロンのメンバーに馴染んでる?
「ごめんなさい。話を中断してしまうのですが……リナ…あなたアロンと繋がっていたの?」
私の疑問にみんなが『あぁそういえば…』という表情をしている。
「アローン様。私からカロリーナ様に私の事をお話して良いでしょうか?」
リナは私に対して少し困った表情をすると、チラリとアロンの方を見る。
アロンは何かを考えるように軽く頭を掻いて、リナを見てから私に視線を向ける。
「いや…僕から話そう」
アロンは少し気まずげな表情をすると、私に対して軽く頭を下げる。
「カロリーナ…話すのが遅くなってすまない。…その…リナも僕の商会のメンバーの1人だ」
「…」
「…」
「…」
「………えぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎⁉︎⁉︎」
思いもよらない現実にまともな声が出せなかった。
「えっ?えっ…いつから???」
アロンとリナがつながっていたなんて全く気づかなかったわ…
「リナは…ハウル商会で昔から贔屓にしている家令と侍女頭の間にいる7人の子供の内の末子だ。リナは優秀な人材だったけど、年の離れた上の子達に埋もれ、中々評価がされなかった。だから、僕が独立を考えた際に一番最初に引き抜いた。」
リナがアロンに対して頭を深く下げる。
その姿に、明確とした侍従関係を感じる。
信用していたリナに騙されていたようで胸がズキリと痛む。
「で…引かないで欲しいんだが……カロリーナが第2王子と婚約が決まったと聞いて、いてもたってもいられず…その…僕がリナをミスドナ伯爵家に送り込んだ…」
「……は…ぃ?」
「カロリーナ様…今までお伝え出来ず申し訳ございませんでした」
リナが深々と私に頭を下げる。
リナはアロンがミスドナ伯爵家に送り込んだ?
「ごめんなさい。上手く理解できないのですが…」
いや…理解できないのではなくて、理解することを頭が拒否する。
「要は、アローンはリナを通じて公にカロリーナさんをストーカー行為をしていたわけですよ」
混乱する私にエリーさんが爆弾を投下する。
「ちょっ…ココット言い方っっ」
「いや。隠すことはできないけど、アローンさんがやってきた中でカロリーナさんに一番知られたくない真実だよね」
「ストーカーじゃない。全てはカロン…カロリーナを守るための手段だ。」
「リナさんに色々逐一報告させてたじゃん。」
「っっ…」
アロンは明らかに気まずそうな表情を浮かべる。
「リナがアロンが送った人だということをお父様は…お父様はどこまでご存じなのでしょう?」
「伯爵はリナが僕の手の内の人間である事はしっている。…リナをカロリーナの侍女としてもらう為に、僕の気持ちの全て伯爵には打ち明けてある。」
「アロンの気持ちをお父様に?」
私が聞き返すと、アロンは耳を真っ赤にさせて私から目を逸らす。
「…その…“いつか、カロリーナを迎えに来る。それまでリナをカロリーナの近くに置いて欲しい”…と、それ以外は伯爵には話していない。」
2年前にそんなやりとりを?
全く気づかなかった。
お父様…次あった時は覚えておいてくださいよ…
「カロリーナ様…長く使える中で真実をご報告できずに申し訳ありません。ただ、わたくしはアローン様の命でカロリーナ様の元へと参りましたが、現在、わたくしはお優しいカロリーナ様を心底お慕い申し上げております。
今現在、アローン様とカロリーナ様どちらかの味方に付けと言われたら迷わずカロリーナ様の味方となります。なので、これからも変わらずカロリーナ様の側付として職務を全うしたいと思っております」
リナがいつも以上に真剣な眼差しで伝えてくる。
「おい。リナ…裏切るな…」
「本心でございます」
「……」
この状況は喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか…
このなんともいえない複雑な気持ちはどうしたら良いのでしょう。
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