初恋△(トライアングル)

存在感の薄い者

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追究編

あんた、誰?

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ユリが倒れ、あいつを病室から追い出した後、あたしは寝ている彼女の手を握った

「このまま目を覚まさないってこと無いわよね・・・」

そう呟きながらあたしはじっと安らかに眠る彼女の顔を見つめた
すると、その想いが通じたのか彼女の目蓋が震えた

「ユリっ!!このまま目を覚まさなかったらどうしようかと思ったのよ!」

思わずそう叫んでしまったあたしは座っていた椅子から立ち上がり、彼女の顔を覗き込んだ
すると、彼女はニッコリとあたしに微笑みかけた
それを見て、あたしは少し違和感を感じたが、それよりも彼女が無事に目を開いてくれたことに安堵した

「ごめんね、彩ちゃん・・・」

そう言われた瞬間あたしはさっきから頭の片隅で感じていた違和感が確信へと変わった
あたしは彼女の顔の横に手をついて問いかけた

「あんた、誰?」

そう言った瞬間ユリの顔をした誰かは浮かべていた微笑みを消し、かわりに見たもの全てを震えさせるほどの冷笑を浮かべた

「なぜわかった?」

そう問う者は、獲物をなぶり殺すかのような冷たい声だった

「なぜって、ユリだったら謝るときは悲しそうな顔をするのに、あんたはずっと表情を変えずに微笑んでた。だからよ」

その答えを聞いた相手は楽しそうに顔を歪め、こちらを見つめた

「ふふふ、ユリを真似ているつもりだったが、さすが親友。そうでなくては面白くない。それとも・・・監視者とでもいった方がいいのかな?」
「なっ・・・!」

あたしは、そう言われ思わず絶句した

「ワタシが知らないとでも?ユリがお前をお前として認識する前からお前を知っているワタシが知らないはずないだろう、なあ彩香?いや、今は彩乃だったか?ふふふふ」
「そ、そんな人知らないっ・・・だから私はいいえ、あたしの名は彩乃よっ・・・!」

あたしは、声が震えないようにするので精一杯だった

「まあ、そういうことにしておいてやろう。そう言えば、自己紹介がまだだったな。ワタシの名はユラ、ユリが作り出した最初の人格だ。」

その言葉は、あたしにとって衝撃的だった
そのため、思わず彼女の顔についてた手をベッドから離し、飛び退いてしまった

「最初の人格っ・・・!」
「ああ、そうだ。その様子だと、お前の主から何か吹き込まれているようだな。ワタシが一体何者であるかを・・・」

あたしの反応を楽しむかのようにユラは、嘲笑を浮かべた
あたしは、立っていることができずに先程まで座っていた椅子にもう一度座った
そして、全身から冷や汗が吹き出しているのがわかる

「なに、今ここでお前をどうすると言うわけではない、それでは面白くないからな」
「っ・・・!」

それを聞いて、つかの間安心したが油断は出来なかった

「いっ、一体何をするつもり?それに、ユリはどうしたの?」

声を出すのがこんなにも難しい事だとは知らなかった
一生こんなこと知りたくなかったが・・・

「今言ってしまっては面白味に欠けるだろう?それと、お前のお姫様は懸命に闘っているよ。もうそろそろいい頃合いかな」

そう呟きながら彼女は目を閉じた

「そ、それってどういうこと・・・?」

あたしは、震える声で彼女に問いかけたが、その答えは得られなかった
かわりに違うことを最後に言った

「最後に良いことを教えてやろう、ワタシが出てくる機会が増えるということはユリがユリでなくなってしまうということだ・・・」
「それって、どういう・・・」

目を開かずに彼女はそう言ったきり、沈黙してしまった
あたしはもう一度立ち上がり、その不吉な言葉を残した彼女の肩を揺すったが、その時には既に何事も無かったかのように安らかな寝息が聞こえた
それを聞いてあたしは、極度の緊張状態から解放されたためか、思わず涙が頬を伝った

しかし、すぐにまた彼女の目蓋が震えた
それに気付いたため、涙を袖で拭い、再度彼女の顔を覗き込んだ

「ユリ!ユリ!ユリっ!」

あたしは、今度こそユリであることを願って先程と同じく、今度は心の中で祈り、呼び掛けながら目が開くのを待った

その後、あたしは何事も無かったかのように振る舞った
その代わり、己の中で一つの決意を胸に秘めながら
──────────────────────────────────────────────
ここまで読んで頂きありがとうございました!

亀更新ですみません!(;>_<;)

やっと大御所登場させられました!
今後彼女は大変重要な鍵となるので、活躍にこうご期待!

それでは、またいつの日かお会いできることを楽しみにしています~
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