初恋△(トライアングル)

存在感の薄い者

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追究編

親友と彼の闘い

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何かが聞こえてくる・・・・
それはとても知っているもので、はやくその声に答えようと意識を浮上させた

「・・・・・リ、ユ・・・・ユリ!」

その呼び掛けに私はまぶたをゆっくりと開けた

「彩・・・ちゃん・・・?」
「ユリ!良かった!!」

視界にいきなり親友の顔が入ってくる
その顔には涙のあとがあり、今も瞳が潤んでいる

「心配したんだから!いきなり倒れて・・・それでっ・・・」
「ごめんね・・・」

『そうだ私は朝から頭が痛くてなんとか学校に行って彩ちゃんと如月君と帰ってたらそれで・・・・』

事の経緯を思い出した私は、心配をかけたことに申し訳なく思った

「そう言えば、如月君は?」

その言葉に親友は一気に不機嫌になった

「あぁ、あのカスね?
あれは今飲み物買ってくるって言って外に出てるわ」
「そ、そう」

私はあまりの言い草にいつものこととはいえ、苦笑しながら相槌をうった

「そうだ、ユリが起きたこと伝えて来るね」
「うん、ありがとう」

親友はそう言って席から立つのだった
周りを見回すとどこかの病院らしく、どこからか人のざわめきが聞こえるがカーテンで仕切られている為カーテンの外のことまでは分からなかった
しばらく横になったまま周囲を観察していると、間を置かずにカーテンが開いたので親友がもう帰ってきたのかとそちらを見る
しかし、そこには親友ではなく如月君がいた

「彩乃ちゃん、僕の女神──君の為に命の水を・・・・・」

腕にペットボトルを3つ抱えてカーテンを引いた状態で固まる姿があった
いつもと変わらず変なことを言っていたが、その相手が居なかったため彼は今命拾いをしたと思う

「えっと、おはよう?」
「・・・ああ、おはよう。体調はいかがかな?僕の子猫ちゃん」
「体調は大丈夫です。そして私はあなたのものでも子猫でもありません・・・・」

前言撤回、私は今から目の前の変態を抹殺することにした
その決意から私は上体を起こしながら親友の分も上乗せしようと拳を握った

「そして、歯食いしばれ?」
「君からの愛の鞭ならいくらでも歯でもなんでも食いしばって耐えられるよ!」

その言葉に私は一気に脱力した
しかも奴はペットボトルを椅子の上に置き、いつでもどうぞと言わんばかりに両手を広げ受け入れ態勢をとった
逆に私の方がクリティカルヒットを受けたようだ
そして、HPが0になる前に私は視界から奴を消し、放置を決めた

「おや?まさか放置プレイで僕の気を惹こうとしている?それはそれでいいけれど、やはり男は追われるより追う生き物だよね!ということで、さあユリちゃん!僕がフガッ!?」
「黙れ変態、死ね」

危ない方向に行きそうだったので私は条件反射で枕を奴の無駄に綺麗な顔に投げつけた
私は今日も犯罪の芽を1つ摘みとった
親友がいないとこの変態はどこまで突き進むのかわからない
やはり持つものは親友である
すると、そこに私のヒーロー親友が現れた

「おい、カスいやゴミてめぇ人の親友に何してんだ?あ゙あ゙ん?調子こいてっとマジ潰すぞ・・・!」

カーテンを開けて入ってきた親友は彼にガンを飛ばしながら低いドスのきいた声で脅しつけていた
それはさながらヤのつく方のような脅し方であった

「やあ、麗しの女神!これは挨拶の一環であって僕のアイデンティティーでもあるからいつものことさ!」

だが、彼は親友のその脅しにも屈しずに爽やかな笑顔&流し目それに加えウィンクまでつけた椀飯振舞で対抗していた

「だったらそのアイデンティティーごとそれ・・潰してやろうか?」

今度は氷の女王も裸足で逃げ出すような氷の笑顔で、彼の男として大事なある一点を視線と指で指し示しながら問いかけた

「あははは、彩乃ちゃんは冗談が上手だな~!だがしかし!そんなツンデレな彩乃ちゃんも素敵だよ!」

私は段々と激化している闘いにそろそろやめさせるべきか悩み始めた
そんな時、親友と彼の闘いは彼のそれはそれはイケメンなスマイル(笑)を最後に急遽終結した
なぜならそれを遮る声が親友の後ろに立っていた人物によってもたらされたからだ

「お二人とも院内ではお静かに!!」

そうそれは白衣の天使の異名を持つ看護師さんだ
彼女は般若のような顔で二人を叱りつけた

「「はい、ごめんなさい」」

ケンカするほど仲が良いとはこのことだろうか
二人の息がぴったり合った謝罪によって不毛な闘いは終わりを告げる

「よろしい。さて、加藤さん具合はどうかしら?気分が悪いとかない?」
「あっ、はい大丈夫です」
「そう、それは良かったわ。さっきあなたが眠っている間にお母さまがいらっしゃって、今は先生からお話を伺っている最中なのよ。だからもうすぐいらっしゃると思うけれど・・・」

彼女は表情を般若の顔から天使の微笑みに変え、私の体調を確認してきた

「そうですか、わかりました。ありがとうございます。」

そうお礼を述べた時、丁度噂をすれば母が他の若い看護師さんに案内されてやってくるのがカーテンの隙間から見えた

「ゆり!いきなり倒れたって聞いたけど大丈夫なの!?」

母は倒れた私よりも顔色が悪く、とてもやつれた様子だった
そんな状態に本人は気づいていないのか、私の元に来た途端無事を確認する

「うん、大丈夫。もしかしたら寝不足だったのかも・・・」

私は安心させるように母に微笑みかけた

「そう、それなら良いけど・・・」

そう言ったが母はまだ心配だというかのように眉を八の字にして私を見つめていた
そんな母を安心させるかのように彼女を案内してきた看護師さんが声をかけた

「大丈夫ですよ、先生もただの貧血だとおっしゃってましたし!」
「そう・・よね・・・ただの貧血よね・・・」

その言葉はまるで自分に言い聞かせるように言った母の様子が気になったがすぐにそれも意識の彼方へ飛んでいった
なぜなら最初にいた看護師が次なる話題を提供したからだ

「コホン、浜崎さん?あなたいつまでここで休憩しているのかしら?案内が終わったら他の患者さんのバイタル見てきなさい!」
「はいっ、師長すみませんでした~!!」

般若再び、まさかこの看護師さんが師長だとは思わなかった
しかし、若い看護師さんも叱られているにも関わらずイタズラがばれたこどものような笑顔で去っていった

「まったく、あれほど廊下は走るなって注意したのにしょうがない子ね」

そんな言葉を言いながらも彼女の口元には微笑みが浮かんでいた
私はそれを見てこの病院の看護師さん達はとても強い信頼関係で繋がっているのだと感じた
そう思うと心が温かくなった
だからその時私は気付かなかったのだ、この暖かい雰囲気の中一人思い詰めるような顔をしていた人が居たことに───

「早く、どうにかしないと・・・・・・」

そして、その呟きにも────────
____________________________________________________
ありがとうございました!

今回は珍しく筆がのった為更新が通常よりはやくできました!

こんな不定期更新ですが、これからも宜しくお願い致します。

それでは皆様また(いつになるか分かりませんが(汗))お会いしましょう~!
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