初恋△(トライアングル)

存在感の薄い者

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追究編

そこからは延長料金頂きまーす

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開かずの間を開けた闖入者は、なんと私の友達だった
あれから事態を収拾した後、改めて3人は事情説明のため話し合いに移るために私は彼から離れて彼女と向かい合った

「それで、何してるの?こんなところで」
「それはもちろんユリをこの男から遠ざけるためよ」
「なんで彩ちゃんがそんなことを?」
「それはまぁ後でね・・・それよりも、こんな展開になるなんてつまんないわね。でもまっ、合格といった所かしら」
「彩ちゃん合格って一体何のこと?」

ところが彼女が口を開く前に如月君が先に問いを投げかけてきた

「ところでさ、君達知り合い?ユリちゃん僕に彼女を紹介してよ」
「そうだね、こちらは私の友達の笹塚彩乃ささづかあやのさんです」
「どうも初めまして、親友・・の笹塚彩乃です」
「こちらこそ初めまして。如月祐司です」

だがこの男に普通の自己紹介などできるハズも無かった
彼はこの後彩乃にガバッと抱きついた
それからは時間が一瞬で飛び去った

「なにすんだこのド変態がぁっっ!!!」

気づくと彼は床に伸びていた
どうやら彩乃が彼を突き飛ばした後彼の後ろにあった棚の角に頭を打ち付けて、打ちどころが悪かったらしい
そして彼に1つ言い忘れていたことがあったのに気づいた

「そういえば彩ちゃんって男嫌いだったよね・・・」
「はっ!いきなり抱きついてくるからでしょ!自業自得ね」
「でも、もし打ちどころが悪かったら・・・・・・・・・」
「――とりあえずこのクズ、保健室に運ぼう」
「でも、彩ちゃん男の人に触れないでしょう?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「仕方ない、私が運ぶよ」
「ゴメン」
「よいっしょ!っと」

普通の女子ならば同年代の男子をおんぶとは言え持ち上げるという行為は到底無理だが、ユリにはそれができた

「あーよかった、常に鍛えておいて」

そして誰かがその異様な姿を見たのならきっとドン引きしただろうが今は幸いにも授業中だった
3人は、揚々と保健室に向かった――――――

放課後、私達は彼が目覚めるまで待った

「あれ・・・なんで寝てるんだろう?」
「おはよう、寝坊助さん」

すると、彼は私の存在に気づきこちらに顔を向けた

「あぁ、起きてすぐにユリちゃんの顔が見れて幸せだよ」
「そ、その調子なら大丈夫そうね」

私は彼との距離をとりながら返答した
それから寝起きの発言に私は答えを与えた

「なんで寝てたか知りたい?それはねあなたが彩ちゃんに抱きつくからよ」
「・・・・・どうして?」
「それは、彼女がとってもていうか超がつく程男の人が苦手だから」
「苦手どころじゃなくて大嫌いなの」

カーテンが開かれ、横からぶっきらぼうな声が割って入って来た

「先生、如月君が目を覚ましました」

彩乃がそういうと後ろから2~30代の女性が顔をのぞかせた

「顔色はいいけど、気分が悪いとかない?」
「ええ、問題ありません。お手数かけました」

彼はベッドからいつもより2割増しの儚げな笑顔で応答した
先生はその笑顔に中てられて顔を真っ赤にしてあたふたとしていた

「そっそう、じゃあ先生はこれから会議があるから。皆気をつけて帰るのよ」
「「「はーい」」」
「あっ、これ如月君のカバン教室から持って来たよ」

私が自分のカバンと一緒に置いてあることを指で示しながら言った

「あー、ありがとう」

するとその時、彩乃が彼に向かってのどに物を詰まらせたように小さな声で謝罪した

「えっと、さっきはゴメン・・・」
「えっ、なんて?」

彼は体を起こし、ニヤニヤしながら彩乃の言った言葉を聞き返した

「だだだから、今度は初対面の女子に抱きつくなって言ったのよ!!」

顔を赤くさせながら彩乃は彼に向かって叫んでから保健室を出て行った
彼女の反応を見てから次に私達は同時に同じ台詞を吐いた

「「かわいいなぁ」」

それを聞いて同時に互いの顔を見合いそれから一緒に笑った

「・・・っぷははっはは、なんだあのかわいいツンデレー」
「ふふふふ、そうだね」

どちらかともかく笑いやむと今度は2人の間に沈黙が落ちた

「如月君やっぱり最初の彩ちゃんの言ったこと聞こえてたんだ・・・」
「もちろん、女の子の全ての行動、全ての言葉において僕が逃すことは無いからね。あっ、もちろんユリちゃんのことも逃さずしっかり見てるよ」
「キモッ!!」

私はすぐに彼との距離をさっきよりも更に開けた
そんな反応を楽しんでいるかのように彼はベッドから降りながら笑った

「ひどいな~女の子を大切にしてるって言う意味だよ」
「へーソウデスカ」

ここまでくると真面目に返すのも面倒なので遠い目をしながら棒読みで返した
その後、なんとなく沈黙が落ちた

「――――じゃ、私そろそろ帰るね」

ベッドの近くに置いていたカゴの中の自分のカバンをとろうとした私の手が次の瞬間カバンではなく彼の手を掴んでいた
正確には掴まれていた

「―――っ!?」

屈んだ姿勢のまま私は胡乱な目で彼を見た
しかし、彼も彼でなぜか戸惑ったような様子だった
それを誤魔化すかのように彼は私に顔を近づけてきた
そして私はと言うと、この緊急事態にも関わらず彼の黒瞳に囚われたかのように動けずにいた
そんな時、いつぞやのように保健室の扉が開いた

「はい!そこからは延長料金頂きまーす」
_____________________________________
またまた長い文章にお付き合いいただきありがとうございます!!

次回は明日!
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