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追究編
捕まえてください~!
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駅前に8:40に着いた私は少し時間を持て余していた。
「ちょっと早く着きすぎたかなー」
日曜日だからか周りを見てみるとカップルばかりだ。
それを見ているとなんだか妙に気持ちがソワソワする。
そんな気持ちを打ち消すように私は携帯をいじることにした。
「2人とも早く来ないかな」
溜息を吐きながら呟いていると後ろから抱きしめられた。
「――――っ!?」
「そんなに僕のことが恋しかったの?」
その後に耳に息を吹きかけられた。
こんなことをする奴は今のところ私の中では一人しか思いつかない。
ガバっと彼、如月君から離れて息を吹きかけられた耳を押さえながら勢いよく振り返った。
「ななななっ、何するのよ~!!」
「何って、寂しそうな子猫がいたから抱きしめただけだけど?」
「誰が子猫よ!そっ、それに私は寂しそうになんかっ・・・!」
彼はさも自分は何も悪いことをしていないという態度と発言をした。
私は顔を真っ赤にして彼に噛みついたが、彼はそれをみて益々ニヤニヤとした笑顔をする。
しかし、すぐに辺りをキョロキョロとし出したかと思えばおもむろに内緒話をするような体勢をしながら近づいてきた。
「とろで、彩乃ちゃんはまだ来てないよね?」
「そうだけど、なんで?」
「いやー、じゃあ今のうちに僕達の親睦を深めておこうかと」
そう言いながら彼はおもむろに携帯を取り出していつの間にか彼の開いていた手には私の携帯が握られていた。
「え・・・えっ!い、いつの間に、っていうかなにするつもり!?」
「言ったじゃん、僕達の親睦を深めるって、っとはい、完了」
私は携帯を返してもらおうと必死になって背の高い彼の上にあげた手に向かってジャンプをしてみたが後ちょっとというところでどうしても手が届かなかった。
だが、私は今の状態を全く理解していなかった。
「完、了、て!な、に、がっ!」
ジャンプしながら言うと彼はこちらに顔を向けて小悪魔的な顔で笑った。
「そんなにユリちゃんは僕のことが好きなんだね!こんなにも僕にくっついてくれるなんて嬉しいよ!!」
そこで初めて自分が彼にすがり付いているかのようになっていることを理解した私は、急いで彼から離れようと思い、後ろに体重移動したがそこには溝があった。
「わっ!!?」
私は当然無様に尻もちを着くところを想像した。
しかしそれは未遂に終わった。
なぜなら、私の腰に力強い腕が回っていたからだ。
「大丈夫?怪我とかない?」
「――――あ、うん、大丈夫、ありがと・・・・」
「はい、これ。登録しといたから」
私はすぐに彼から離れると携帯を彼の手から受けとった。
画面を見てみると彼のメアドが登録されていた。
それから、1つ疑問に思った事を聞いてみた。
「親睦ってこのこと?」
「そう」
「普通にきいてくれたらいいのに・・・」
ボソッと言った言葉に彼は一瞬考えるそぶりを見せてから応えた。
「理由はいくつかあるんだけど・・・一番の理由は―――」
「理由は?」
私が問いかけると、彼は一瞬真顔になった後、満面の笑みを浮かべてこちらをじっと見てきた。
固唾を呑んで待った答えと言うのは・・・
「ユリちゃんともっと絡みたいからデ~ス!!」
それを聞いて首をガクッと下げて思わず溜息を吐いた。
「なんでそうなるのよ・・・」
「だって最近彩乃ちゃんのギラギラしたあの目が君に近付くたびに光っていたからこういうことがずっとできなかったのさ!」
なぜか決めポーズで決め台詞のように彼は宣言したが、内容は明らかに変態発言であった。
ところがキリッと決めていた彼がいきなり頭を抱え込みながらしゃがみこんだ。
「あー、警察の方~ここに変態がいまーす。捕まえてください~!!」
彼がしゃがんだ後ろに一人の人物が立っていた。
「彩ちゃん!?」
思わず呼びかけると人を一人再起不能にさせたにも関わらず、私に爽やかに笑いかけてくれた。
「おはよう、ユリ!」
「あ、おはよう・・・」
そう返すと彼女は私の腕をとって駅の改札口の方に引っ張って行った。
「じゃあ、2人だけで行きましょうか!」
すると、復活した彼が後ろから抗議をしてきた。
「ひどいな~彩乃ちゃんは、でもそれが君の愛情表現だって分かってるから、できるだけ僕はそれを受け止めるよ♪」
そう言いながら、彩乃に向かって腕を広げた彼はまたしても彼女から拳を鳩尾に食らっていた。
「死ね!このド変態がぁ!!」
今日も如月くんは彩ちゃんに怒鳴られる
でも何気に私はこの日常と化したやりとりを気に入っている。
「もう、二人ともさっさと行くよ~」
「「はーい」」
_______________________________________________
約9ヵ月ぶりの更新です。
遅れてしまい大変申し訳ありませんでした!!
(>_<)
また、お待たせするかもしれませんがどうか見捨てずに見守ってください!(T0T)
「ちょっと早く着きすぎたかなー」
日曜日だからか周りを見てみるとカップルばかりだ。
それを見ているとなんだか妙に気持ちがソワソワする。
そんな気持ちを打ち消すように私は携帯をいじることにした。
「2人とも早く来ないかな」
溜息を吐きながら呟いていると後ろから抱きしめられた。
「――――っ!?」
「そんなに僕のことが恋しかったの?」
その後に耳に息を吹きかけられた。
こんなことをする奴は今のところ私の中では一人しか思いつかない。
ガバっと彼、如月君から離れて息を吹きかけられた耳を押さえながら勢いよく振り返った。
「ななななっ、何するのよ~!!」
「何って、寂しそうな子猫がいたから抱きしめただけだけど?」
「誰が子猫よ!そっ、それに私は寂しそうになんかっ・・・!」
彼はさも自分は何も悪いことをしていないという態度と発言をした。
私は顔を真っ赤にして彼に噛みついたが、彼はそれをみて益々ニヤニヤとした笑顔をする。
しかし、すぐに辺りをキョロキョロとし出したかと思えばおもむろに内緒話をするような体勢をしながら近づいてきた。
「とろで、彩乃ちゃんはまだ来てないよね?」
「そうだけど、なんで?」
「いやー、じゃあ今のうちに僕達の親睦を深めておこうかと」
そう言いながら彼はおもむろに携帯を取り出していつの間にか彼の開いていた手には私の携帯が握られていた。
「え・・・えっ!い、いつの間に、っていうかなにするつもり!?」
「言ったじゃん、僕達の親睦を深めるって、っとはい、完了」
私は携帯を返してもらおうと必死になって背の高い彼の上にあげた手に向かってジャンプをしてみたが後ちょっとというところでどうしても手が届かなかった。
だが、私は今の状態を全く理解していなかった。
「完、了、て!な、に、がっ!」
ジャンプしながら言うと彼はこちらに顔を向けて小悪魔的な顔で笑った。
「そんなにユリちゃんは僕のことが好きなんだね!こんなにも僕にくっついてくれるなんて嬉しいよ!!」
そこで初めて自分が彼にすがり付いているかのようになっていることを理解した私は、急いで彼から離れようと思い、後ろに体重移動したがそこには溝があった。
「わっ!!?」
私は当然無様に尻もちを着くところを想像した。
しかしそれは未遂に終わった。
なぜなら、私の腰に力強い腕が回っていたからだ。
「大丈夫?怪我とかない?」
「――――あ、うん、大丈夫、ありがと・・・・」
「はい、これ。登録しといたから」
私はすぐに彼から離れると携帯を彼の手から受けとった。
画面を見てみると彼のメアドが登録されていた。
それから、1つ疑問に思った事を聞いてみた。
「親睦ってこのこと?」
「そう」
「普通にきいてくれたらいいのに・・・」
ボソッと言った言葉に彼は一瞬考えるそぶりを見せてから応えた。
「理由はいくつかあるんだけど・・・一番の理由は―――」
「理由は?」
私が問いかけると、彼は一瞬真顔になった後、満面の笑みを浮かべてこちらをじっと見てきた。
固唾を呑んで待った答えと言うのは・・・
「ユリちゃんともっと絡みたいからデ~ス!!」
それを聞いて首をガクッと下げて思わず溜息を吐いた。
「なんでそうなるのよ・・・」
「だって最近彩乃ちゃんのギラギラしたあの目が君に近付くたびに光っていたからこういうことがずっとできなかったのさ!」
なぜか決めポーズで決め台詞のように彼は宣言したが、内容は明らかに変態発言であった。
ところがキリッと決めていた彼がいきなり頭を抱え込みながらしゃがみこんだ。
「あー、警察の方~ここに変態がいまーす。捕まえてください~!!」
彼がしゃがんだ後ろに一人の人物が立っていた。
「彩ちゃん!?」
思わず呼びかけると人を一人再起不能にさせたにも関わらず、私に爽やかに笑いかけてくれた。
「おはよう、ユリ!」
「あ、おはよう・・・」
そう返すと彼女は私の腕をとって駅の改札口の方に引っ張って行った。
「じゃあ、2人だけで行きましょうか!」
すると、復活した彼が後ろから抗議をしてきた。
「ひどいな~彩乃ちゃんは、でもそれが君の愛情表現だって分かってるから、できるだけ僕はそれを受け止めるよ♪」
そう言いながら、彩乃に向かって腕を広げた彼はまたしても彼女から拳を鳩尾に食らっていた。
「死ね!このド変態がぁ!!」
今日も如月くんは彩ちゃんに怒鳴られる
でも何気に私はこの日常と化したやりとりを気に入っている。
「もう、二人ともさっさと行くよ~」
「「はーい」」
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遅れてしまい大変申し訳ありませんでした!!
(>_<)
また、お待たせするかもしれませんがどうか見捨てずに見守ってください!(T0T)
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