初恋△(トライアングル)

存在感の薄い者

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追究編

決意の夕方

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「ねぇ、ホントにその女の子って実在するんでしょうね!」

目をつり上げながら隣を歩く彼に向かって彼女は詰問した

「もちろん!いるに決まってるじゃないか!」

と彼は反論する

「だったら・・・・だったらなんでこんなにも情報が無いのよ!!」

彼のその態度に更に顔を赤くさせて詰め寄る彼女ーーーー
しかし、彼女は知らない・・・・彼との距離が今までで一番近いということをーーーーーー

そんな風に私は二人の様子を後ろから眺めつつ、心の中で実況の真似事をしている
何故ならこんなことでもしていないと私も彼女までとはいかないが今の状況に対しての苛立ちを感じてきた

「二人とも仲良いね~」
「どこが!?」
「そうだろう?」

私は放置プレイを止めて二人に声をかけた
だが、二人から返ってきたのは真逆のものだった

「でもさぁ、彩ちゃんが言うことも最もだよ?こんなに情報が無いなんて変だよ・・・だからもしかして如月君の妄想なんじゃって考えずにはいられないんだよね~」
「本当にそうよね~」

私と彩ちゃんが軽くそう言うと、彼は突然立ち止まってしまった
当然歩いていた私達は彼を少し追い越してしまう
振り返って見ると彼は無表情だが、強い瞳でこちらを見つめていた

「彼女は・・・彼女はいるよ、昔も、今も・・・だから僕は探すんだ・・・・・見つかるまで、例えどんな結果であろうと・・・・」

彼はそう言って再び歩き出した
その姿はまるでさっきまでの彼とは別人のようであり、その言葉は自分に言い聞かせているようにも聞こえる
でも、それは一瞬のことで今度は私達より前を行く彼がこちらを振り返り、その顔にはいつもの笑顔が浮かんでいた

「どうしたの?早く来ないと置いてくよ~それとも僕からの迎えを待っているのかな?」
「んなわけあるか!!この変態!」
「あ~、はいはい行く行く~」

彩ちゃんはいつものように彼の言葉に対して怒鳴り付け、私はきれいに流すという最近のこの一連を行った
まるで何事も無かったかのように・・・

「・・・・・・ね」

一歩踏み出そうした時、前にいる彼女が何か呟いたのが聞こえた
私は何て言ったのか聞こえなくて彼女に尋ねた

「彩ちゃん、今なんか言った?」

そうすると彼女はこちらを振り返って笑顔を浮かべながら、返答した

「何でもないわよ~、ただあいつがうざいわねって感じのことを言っただけ、そんなことより早く行かないとまたウザイキモ男が鬱陶しいことしてくるわよ!」

私は彼女の隣に行き、一緒に歩き出した

「はは、彩ちゃんは本当に如月君のことを心底嫌ってるね~」
「当たり前でしょっ!男という時点で私にとっては敵なんだからっ!それに、あいつは私のユリを汚す疫病神なんだからっ!!」

拳を握りしめて力説する彼女に苦笑しながらも彼女が私を常日頃から大切にしてくれているのがわかるので、心ではいつも感謝の念が絶えない

「汚すって、大袈裟な~」
「いいえ、あいつはそんなやつよ!!でも、安心して!私がいる限りユリをあいつから守ってみせるから!!」
「あはは、ありがとう、私の騎士ナイト様」

私は彼女の腕に自分のものを絡めながら冗談混じりに言った
すると、彼女もそれに乗って胸に手をあてて軽く頭を下げた

「勿論ですとも我が姫、例えどのようなことがあろうとあなた様だけはこの身に変えましてもお守りいたします」
「頼りにしていますわ、私の騎士ナイト様」

そう締め括ると二人して笑いあった
そうやって二人でじゃれあっている間に前方にいた彼に追い付いた

「二人とも楽しそうだね?僕も混ぜて欲しいな~」
「ふんっ!誰があんたなんか!例え地球上の生物が私とあんただけになったとしても、仲良くなんかしないわっ」
「え~、そんなツンツンしないでちょっとはデレてもいいんだよ?さあ!」
「はぁ!?さあ!って何よキモイ!寝言は寝てから言え!!」

そこからまたぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた二人を私はさっきのように後ろについて静観するのであった
しかしそんな平穏の中、突然私の頭に痛みが走った
こめかみの部分を軽く手で押さえて痛みをやり過ごそうとしてみる

「痛っ・・・・」

私のその声に二人は同時にこちらを振り返り、異口同音の言葉を発した

「「大丈夫っ!?」」

さっきまで言い合っていた二人の全く同じ反応に私は痛いのを忘れて軽く笑ってしまった

「ふふふっ、大丈夫!きっとただの寝不足だよ」
「そう?ならいいんだけど、もし無理そうだったら言ってね?」
「うん、ありがとう」

彩ちゃんは私の顔を軽く覗き込みながら心配してくれた

「もうすぐ、リラちゃんとの入れ替わりの時間だしそろそろ帰りますか!」

如月君は、そう言って駅の方に足を向けた

「ごめんね、そう言うつもりじゃ無かったんだけど・・・」

私が謝ると彼ではなく、彩ちゃんが応えていた

「いいのよ、どうせ何にも手がかりなんか無かったんだから」
「まあ、そうなんだけどね」

そう言いながら私達は家路についた
実際、今日1日歩き回って色々な人に聞き込みをしたが誰一人として得たい情報を持っている者は居なかった
彩ちゃんとは途中で別れた
彼女は私と彼が二人きりになるのが気に入らないらしく、最後まで彼に釘をさしていた
そして家の前までくると、彼はおもむろに口を開いた

「今日は付き合ってくれてありがとう、今回あの街で30回目の聞き込みだったんだけど、ここまで何も無かったんじゃあそこにはもう何も手がかりは無いって事なのかな・・・・」

その言葉に私は絶句した

「・・・・・・・・30回目?」

私は驚きのあまり思わず聞き返してしまった

「そう、30回目・・・」

しかし、彼は何てこと無いかのようにその回数を呟いた
でも、その声は無理にそうしているように聞こえる
それから彼はこちらに背を向けて別れの挨拶をしながら歩き出した

「じゃあまた、学校で」

離れて行くその背中を見ると何故かこのままではいけないと感じて彼が家の扉に手をかけた瞬間、気付くと私の口は勝手に動いていた

「また!・・・・また探しに行こう!あの街で!何度でも!私も一緒に探すからっ、だからっ、だからっ・・・・・!!」

私のよくわからない叫びを聞いて彼は私の前まで戻ってくると私の頭の上に手を置いて優しく撫でてきた

「ちょっ・・・!」

止めて貰おうと手をあげた瞬間に彼が私の言葉を遮るかのように口を開いた

「ありがとう・・・諦めずにまたあの街に行こう、一緒に」
「うん」

この時の彼の表情は夕日によって影となり、あまりわからなかった
だが、その声はさっきのように無理をしているわけではなく、自然のまま出したと感じた
そうして、今度こそ彼とは別れた
私は部屋に入ってベッドの上に座り、リラとの入れ替わりの準備をする
そんな時、またしても頭に痛みが走った

「うっ・・・・」

しかし、先程のように痛みはひかずむしろ酷くなっていく一方だった

「うぅっ・・・!!!」

そして、外が闇に覆われるとき私の視界も一緒に暗転した
その時、誰かが私を呼ぶ声が聞こえた気がしたが私の意識は奥底へと沈んでいったーーーーーー
__________________________________________
ありがとうございました!

更新が遅れてすみません!
もうひとつの作品にかかりきりになってしまってこちらまで手が出ませんでした・・・(´д`|||)

それでも気長に待ってくださった読者様には感謝をーーーー
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