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追究編
上等だ!
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会場に向かうと、開始10分前だった
急いで控室に行こうとすると、後ろの彼から声をかけられた
「ユリちゃん、君は今日ここにいる誰よりもキレイだからきっと優勝間違いなし!」
「いや、優勝狙ってないし」
不安げな私を励まそうとしたのかはたまた自分の魔法を過信しているのか
どちらにしろ私は無駄な肩の力が抜けた気がした
「そして、優勝した暁にはこの僕とのデートが待ってるよ!」
「人の話を聞け、そしてそんなこと言われると余計優勝したくないわ」
「そんなクールなユリちゃんも好きだ!」
前言撤回、無駄な力以上のものが抜けた
「時間ないから行くね」
「会場でしっかりユリちゃんの晴れ姿見守っとくよっ」
「あー、はいはい」
そんな適当な返事でも満面の笑みで手を振って送り出してくれたので、私も小さく手を振ってから控室に入った
控室に入ると一気に視線が集まり、ピリピリとした空気が漂っていた
その時、数人が一瞬驚きの表情を浮かべていた
もしかしたらその中の誰かもしくは全員が私の服を切り裂いた犯人なのかもしれない
しかし、そんな中気にせず私は壁際に向かい、呼ばれるまで過ごした
時間になると、係の生徒が呼びに来て全員舞台に並んで名前が呼ばれるまで待つ
「さぁ!今年もこの時がやって来たぁ!!皆特に野郎ども準備はいいか!!」
司会の人の盛り上げに会場の熱気は爆上がりである
『ええー、そんなテンション上がらないんですけど』
会場の熱気を感じた私はそれとは反対にテンションが下がる
しかし、ここまで来たのだし場を白けさせない程度には頑張ろうと思った
「じゃあ盛り上がったところで、今年の美少女達を紹介していくぜ!」
それからルール説明に入った
「ここでルールのおさらいだ!去年と同様番号を呼ばれた美少女から前に出てマイクの前で自己紹介と特技を一個披露するっていう簡単なコンテストだ!じゃあ始めていくぜ!!」
それを聞いて私は内心冷や汗をダラダラと流す
『えっ、特技披露って何?何も聞いてないんですけどっ!?』
その時会場にいるクラスメイトの女子が悪い顔でニヤニヤしているのが視界に入った
『あんのクソアマっっ!!』
思わず怒りのあまり叫び出しそうになるのを拳を握りしめることで何とか耐えた
そして、その時私の中の何かがぷっつり切れ代わりに闘志の炎がメラメラと燃え上がる
『上等だ!やってやろうじゃないか!』
私は控室に入る時渡されたナンバープレートの番号が呼ばれるまでのわずかな間に算段をつけた
そこで思い付いたのはいつもの私だったら絶対にやらないものだった
しかし、その時の私はある意味何かが振り切れていたため躊躇なくその案を採用した
やることが決まれば私は自分でも気が付かずに顔に笑顔を浮かべた
後に親友から聞いた話によると、その時の私はとっても妖艶な笑みを浮かべて誰もが息を飲んで私に釘付けだったという
「8番の美少女どーぞ!」
私の番が回ってきたのでゆっくりと歩いていきマイクの前に立った
「加藤百合羅です。特技はこれと言ってないのですが、体を鍛えているので、力が強いです。なので・・・」
そこで私は後ろを振り返り、私に一番敵意のある視線を送っていた彼女の前に立つ
それから、あのナルシストな彼を参考にしながら彼女の前に膝をつき、手をとった
その瞬間会場の熱気が嘘のようにシンとなり、次の瞬間にはザワザワとし出す
それは彼女も同様で胡散臭げでこちらを見ていたが、私が膝をついた瞬間驚きに目を見開いた
「美しい方、どうか私に協力してもらえないだろうか?」
「・・・・・・」
中々返事を貰えないので、もう一押しとして彼女の目を見つめながら持っていた手に顔を近づけると彼女ははっとして顔を真っ赤にして自身の手を奪い返した
「な、なにをしたらいいのっ!?」
「ありがとうございます。ではこちらに」
許可を貰ったので私は立ち上がってエスコートするかのように彼女の手を引いてマイク前に再び立った
「では、失礼します」
「えっ、きゃあ!」
私は彼女をお姫様抱っこした
彼女は落ちないように私の肩や首にすぐにしがみついた
そんな彼女に一つ微笑みかけると、なぜか彼女は顔を赤くした
「このように、私は力が強いので彼女のように軽い方であればお姫様抱っこができます。もちろん男性の方でもおんぶであればできますが、それはまたの機会に」
異様な空気が会場に流れる中、私は丁寧に彼女を腕から降ろした
「お手伝いいただいた優しい彼女にも皆さん一票お願いしますね」
私のこの締めの言葉により会場は息を吹き返したかのように熱気が戻り、拍手は他の候補者同様に叩いて貰えた
それから優勝狙いではないので最後に敵に塩を送っておくのも忘れなかった
そして、最後も彼女をエスコートして列に戻った
「あーと、次!次の美少女どーぞ!」
さすがは司会者立ち直りも早く、場を回すためにイベント進行を続けた
そうして、全員の紹介が終わったので会場にいる全員で投票することとなった
20分~30分ほどかかるとのことで出場者達は控室に戻ったり会場にいる知人、友人と話したりと様々である
私も会場にいるであろう親友や魔法使いを探すため控室から出た
舞台裏を歩いていると、後ろから名前を呼ばれたので振り返ると会場で嫌な笑みを浮かべていたクラスメイトの女子達がいた
ちなみにトイレでの会話は彼女達である
3対1だったが、決着をつけるべく私は相対した
「加藤さん、最近ちょっと調子にのってるんじゃない?」
「は?」
リーダー格の彼女はいきなり難癖をつけてきた
それに加え他の2人も同調するかのようにそうだと加勢する
「ブスの癖に如月君に近づかないで!」
「ブスかどうかは否定しませんが、彼の交友関係は彼が決めることでしょう。彼女でもないあなた達が決めることでは無いんじゃないでしょうか?」
相手がヒートアップしてきたので私はいらっとしながらも冷静に返したつもりだった
後から考えるともっと他に言い方があっただろうと思った
「うるさい!うるさい!うるさい!!」
「えっ・・・」
激昂した彼女が私を突き飛ばした
女子の力とは思えない強さで押され、尚且つヒールの靴といった悪条件のため踏ん張ることが出来なかった
更に運が悪いことに後ろにはコンテストの次にある演劇部が使う予定の舞台の骨組みであるパイプがあった
『・・・あっ、ヤバい』
パイプがぶつかった拍子に地面に倒れた私の上にパイプの雨が降る瞬間パイプと私の間に何かが滑り込んできた
「ユリちゃんっ!!!」
その正体はそういって私の上に覆い被さり、私をパイプ達から守った自分を犠牲にして
ガラガラガシャン!!
そうして出来上がったのはパイプに下敷きにされながらも私を衝撃から守るように抱き締めたメイドさんだった
─────────────────────────────────────────────
ありがとうございました!
急展開!
恋する乙女は時に恐ろしくもなり可愛くもなりますよね~
では、皆さん良いお年を!
急いで控室に行こうとすると、後ろの彼から声をかけられた
「ユリちゃん、君は今日ここにいる誰よりもキレイだからきっと優勝間違いなし!」
「いや、優勝狙ってないし」
不安げな私を励まそうとしたのかはたまた自分の魔法を過信しているのか
どちらにしろ私は無駄な肩の力が抜けた気がした
「そして、優勝した暁にはこの僕とのデートが待ってるよ!」
「人の話を聞け、そしてそんなこと言われると余計優勝したくないわ」
「そんなクールなユリちゃんも好きだ!」
前言撤回、無駄な力以上のものが抜けた
「時間ないから行くね」
「会場でしっかりユリちゃんの晴れ姿見守っとくよっ」
「あー、はいはい」
そんな適当な返事でも満面の笑みで手を振って送り出してくれたので、私も小さく手を振ってから控室に入った
控室に入ると一気に視線が集まり、ピリピリとした空気が漂っていた
その時、数人が一瞬驚きの表情を浮かべていた
もしかしたらその中の誰かもしくは全員が私の服を切り裂いた犯人なのかもしれない
しかし、そんな中気にせず私は壁際に向かい、呼ばれるまで過ごした
時間になると、係の生徒が呼びに来て全員舞台に並んで名前が呼ばれるまで待つ
「さぁ!今年もこの時がやって来たぁ!!皆特に野郎ども準備はいいか!!」
司会の人の盛り上げに会場の熱気は爆上がりである
『ええー、そんなテンション上がらないんですけど』
会場の熱気を感じた私はそれとは反対にテンションが下がる
しかし、ここまで来たのだし場を白けさせない程度には頑張ろうと思った
「じゃあ盛り上がったところで、今年の美少女達を紹介していくぜ!」
それからルール説明に入った
「ここでルールのおさらいだ!去年と同様番号を呼ばれた美少女から前に出てマイクの前で自己紹介と特技を一個披露するっていう簡単なコンテストだ!じゃあ始めていくぜ!!」
それを聞いて私は内心冷や汗をダラダラと流す
『えっ、特技披露って何?何も聞いてないんですけどっ!?』
その時会場にいるクラスメイトの女子が悪い顔でニヤニヤしているのが視界に入った
『あんのクソアマっっ!!』
思わず怒りのあまり叫び出しそうになるのを拳を握りしめることで何とか耐えた
そして、その時私の中の何かがぷっつり切れ代わりに闘志の炎がメラメラと燃え上がる
『上等だ!やってやろうじゃないか!』
私は控室に入る時渡されたナンバープレートの番号が呼ばれるまでのわずかな間に算段をつけた
そこで思い付いたのはいつもの私だったら絶対にやらないものだった
しかし、その時の私はある意味何かが振り切れていたため躊躇なくその案を採用した
やることが決まれば私は自分でも気が付かずに顔に笑顔を浮かべた
後に親友から聞いた話によると、その時の私はとっても妖艶な笑みを浮かべて誰もが息を飲んで私に釘付けだったという
「8番の美少女どーぞ!」
私の番が回ってきたのでゆっくりと歩いていきマイクの前に立った
「加藤百合羅です。特技はこれと言ってないのですが、体を鍛えているので、力が強いです。なので・・・」
そこで私は後ろを振り返り、私に一番敵意のある視線を送っていた彼女の前に立つ
それから、あのナルシストな彼を参考にしながら彼女の前に膝をつき、手をとった
その瞬間会場の熱気が嘘のようにシンとなり、次の瞬間にはザワザワとし出す
それは彼女も同様で胡散臭げでこちらを見ていたが、私が膝をついた瞬間驚きに目を見開いた
「美しい方、どうか私に協力してもらえないだろうか?」
「・・・・・・」
中々返事を貰えないので、もう一押しとして彼女の目を見つめながら持っていた手に顔を近づけると彼女ははっとして顔を真っ赤にして自身の手を奪い返した
「な、なにをしたらいいのっ!?」
「ありがとうございます。ではこちらに」
許可を貰ったので私は立ち上がってエスコートするかのように彼女の手を引いてマイク前に再び立った
「では、失礼します」
「えっ、きゃあ!」
私は彼女をお姫様抱っこした
彼女は落ちないように私の肩や首にすぐにしがみついた
そんな彼女に一つ微笑みかけると、なぜか彼女は顔を赤くした
「このように、私は力が強いので彼女のように軽い方であればお姫様抱っこができます。もちろん男性の方でもおんぶであればできますが、それはまたの機会に」
異様な空気が会場に流れる中、私は丁寧に彼女を腕から降ろした
「お手伝いいただいた優しい彼女にも皆さん一票お願いしますね」
私のこの締めの言葉により会場は息を吹き返したかのように熱気が戻り、拍手は他の候補者同様に叩いて貰えた
それから優勝狙いではないので最後に敵に塩を送っておくのも忘れなかった
そして、最後も彼女をエスコートして列に戻った
「あーと、次!次の美少女どーぞ!」
さすがは司会者立ち直りも早く、場を回すためにイベント進行を続けた
そうして、全員の紹介が終わったので会場にいる全員で投票することとなった
20分~30分ほどかかるとのことで出場者達は控室に戻ったり会場にいる知人、友人と話したりと様々である
私も会場にいるであろう親友や魔法使いを探すため控室から出た
舞台裏を歩いていると、後ろから名前を呼ばれたので振り返ると会場で嫌な笑みを浮かべていたクラスメイトの女子達がいた
ちなみにトイレでの会話は彼女達である
3対1だったが、決着をつけるべく私は相対した
「加藤さん、最近ちょっと調子にのってるんじゃない?」
「は?」
リーダー格の彼女はいきなり難癖をつけてきた
それに加え他の2人も同調するかのようにそうだと加勢する
「ブスの癖に如月君に近づかないで!」
「ブスかどうかは否定しませんが、彼の交友関係は彼が決めることでしょう。彼女でもないあなた達が決めることでは無いんじゃないでしょうか?」
相手がヒートアップしてきたので私はいらっとしながらも冷静に返したつもりだった
後から考えるともっと他に言い方があっただろうと思った
「うるさい!うるさい!うるさい!!」
「えっ・・・」
激昂した彼女が私を突き飛ばした
女子の力とは思えない強さで押され、尚且つヒールの靴といった悪条件のため踏ん張ることが出来なかった
更に運が悪いことに後ろにはコンテストの次にある演劇部が使う予定の舞台の骨組みであるパイプがあった
『・・・あっ、ヤバい』
パイプがぶつかった拍子に地面に倒れた私の上にパイプの雨が降る瞬間パイプと私の間に何かが滑り込んできた
「ユリちゃんっ!!!」
その正体はそういって私の上に覆い被さり、私をパイプ達から守った自分を犠牲にして
ガラガラガシャン!!
そうして出来上がったのはパイプに下敷きにされながらも私を衝撃から守るように抱き締めたメイドさんだった
─────────────────────────────────────────────
ありがとうございました!
急展開!
恋する乙女は時に恐ろしくもなり可愛くもなりますよね~
では、皆さん良いお年を!
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