初恋△(トライアングル)

存在感の薄い者

文字の大きさ
16 / 32
追究編

襲われる!!!

しおりを挟む
授業が始まって人気のない廊下に1つの悲鳴が響いた

「誰かー!ここを開けて~!!!」

しかし、この悲鳴は空しくも誰の耳にも届かなかった

「はい、おつかれさま♪」

他人事のように笑顔で言う人物を睨みつけ、本日何度目かの溜息を吐いた
資料室の中には今2人の生徒が閉じ込められていた
誰かが中に人がいると知らずに鍵をかけたからだ

『なんで私がこんな目に遭わなくちゃいけないのよ!!』

私はイライラのあまり思わず頭をかきむしった

「とりあえず落ち着きなよ。人間平常心を失うと醜いよ」

その言葉で私の中で何かがブチっと切れた音がした

「こんな時になって平常心なんて無理に決まってるでしょ!!それになんであんたはそんなに飄々としてるのよ!?信じらんない」
「だって僕今最高に楽しんでるから。それにパニクるなんてもったいない!女の子と密室で2人きりだなんてこんな光栄なことはないね!!」

私にはもう何も返す言葉がない・・・
この瞬間場の空気は完全に彼の物になった

「・・・ソレハヨカッタデスネ・・・・・・・」

もうどうにでもなれのモードに入ってしまった私は仕方なく体育座りで膝に頭を預けた

『あーもしこのままだったらどうしよう・・・』

自分が段々とネガティブ思考になってゆくのに気づき、なるべく明るいことを思うことにした

『そうだ!ここから出られたときのことを考えよう!』

それから考えを巡らせて行くと教室に帰った時のことで問題が1つ発生することが発覚した
下手したら彼と2人っきりでしかも密室でしたっていうことがばれたらクラスの女子やさっきの昼休みの女子達が何て言ってくるか分かったものではない
あまりのことに私は愕然とし、またしても頭を抱えてしまった

「私の高校生活お先真っ暗・・・・・・・・」

落ち込んでいるとどこからともなくクスクスという笑い声が聞こえた
彼を睨むと余計に笑いが増幅された
何で神様はこんな人に命をお与えになったのかしら
世が理不尽で不公平であるのは常であるがこれはあまりにもひどいと思っていると、笑いを納めた彼がこちらを見た

「ころころと表情が変わるから面白くって、それにしても一体何を考えていたんだい?」

その質問にすぐには答えられなかった

「っ!えっと・・・それはそのー・・・」
「なに?」

すごい眩しいほどの笑顔のはずなのに私にとっては悪魔の微笑みにしか見えなかった
それによく見てみると最初に座り込んだ時より彼との距離が近くなっている気がした

『まさかね。きっ気のせいよ、そう気のせい・・・
――――――ってんなわけあるか!!!
明らかに近い!いつの間にこんなに近づかれていたのだろう!?彼との距離は今・・・拳5つ分!忍者か!!』

おどおどしているとさらに彼は顔を近づけてきた

「で、何考えてたの?」
「――ひっ・・・そのー・・・ここから出て教室に戻った時のことを・・・」

最後は尻すぼみになってしまったがこの距離なら聴こえただろう

「なんでそこでさっきの言葉が出で来るわけ?」

悪魔の微笑みが3割増しに輝いた
さすがにそろそろ白状しないとこの悪魔に何をされるか分からない
ここにきてやっと腹を決めた

「それは、あれよ。あなたと私がこんなところにいたって知られたらそのー・・・変な噂が立つんじゃないかなーとかを・・・」
「変な噂?」
「変な噂ったら変な噂なの!クラス中いや学校中の女子から迫害を受けちゃいそうなこと!!」
「例えば僕とユリちゃんが付き合ってるとか?」

あんまりな例えばなしに私は顔から火が出そうなほど真っ赤なになりながら声にならない悲鳴を上げた

「―――――――っ!!」

すると、おもむろに彼がもとから無かった距離をさらに詰めてきた

「ななななな何をするつもり!?」
「いや、ただその噂通りにしてみたらどうかなと思って・・・」
「どどどどうかなってどういうこと?」

ショートした思考ではこの質問が限界だった
でもこの状況が非常にヤバイということだけは頭の片隅で分かっていた

「こんなに可愛いユリちゃんに僕からとっておきのご褒美をと言う意味で」

『どどどうしよう!!誰かこの人を止めてぇ~!』

そんな心の叫びも空しく彼が目の前まで近づいてくる
私は思わず目をつぶった
もうダメだ・・・さようなら私の青春―――――
______________________________________
ここまでありがとうございました!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...