お隣さんがパンツを見せろと言うからプロ意識を持ってそれに応える

サトー

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お休み

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生田さんと約束をしていた日なのに、工務店の雑用が長引いてしまって、その日は家へ戻ってくる時間がかなり遅くなってしまった。

バイト先の工務店は、今、古い幼稚園の建て替え工事に入っているところだ。
そもそも今日は休みだったはずが、工程会議で揉めたとかそういう理由で、工事の日程が予定より大幅に遅れているから「どうしても」と呼ばれた。
行ってみると、なかなか今日の作業は終わらず、もちろん定時で帰ることができなかった。

俺の仕事は軽トラでの買い出しと、道具の片付けといった雑用がほとんどだけど、最近釘打ちとペンキ塗りが上達したから、という理由で簡単な作業も任せて貰えるようになった。

生田さんに雇われるようになったことで収入には余裕があるし、ピザ屋とのかけもちがキツイから工務店の方は正直言って辞めたい。
けれど、仕事を覚えると「お、偉いぞ、マナト」と普段ぶっきらぼうで怖い職人さんがいっぱい褒めてくれるし、現場監督も人手不足で困っているらしいという話をチラッと聞いたからなかなか言い出せずにいる。




夕飯も食べないでシャワーを浴びて急いで生田さんの部屋へ行ったけど、結局約束の時間より10分ほど遅くなってしまった。

「生田さん、遅くなってしまってすみませんでした!」
「全然いいよ。何か予定があったの?」
「バイトが遅くなっちゃって……すみません」

ろくに乾かさないで来たから、髪がまだ少し湿っている。
お腹は空いているし、今日は作業員用の足場を組むための鉄骨を運ぶ作業ばかりしていたから全身の筋肉と腰が痛い。
本当は家で横になっていたいけど、生田さんとは一週間以上前から約束をしていたから、直前になって「今日はキャンセルさせてください」とは言えなかった。

とりあえず、勧められるままにお菓子をつまんだ後、服を脱いでベッドに横になるように言われた。

一度、横になると起き上がれなくなりそうなくらい疲れていたけど、言われたことには素直に従った。
布団がふかふかで気持ちがいい。すぐにでも目を閉じて眠ってしまいたいけど、気合いでなんとか持ちこたえている。

生田さんはもう何度も見ているであろう俺の身体を見た瞬間、目を輝かせた。
お腹がペコペコな状態で美味しいご馳走がたくさん並ぶビュッフェにやってきた人みたいに、目をキラキラさせて、俺のことを眺めている。
本当に、このままじゃ食べられてしまう、と思うほど、真っ直ぐで熱っぽい視線だった。



「本当に可愛い顔をしてる…。それにしても迷うな、パンツにぶっかけようかな…」

独り言なのか、なにやら生田さんがブツブツ言っている。
久しぶりに生田さん曰く「派手だ」というパンツを俺が履いてきたことに興奮しているのか、「パンツを汚したい」という欲求がムクムクと沸いていて、他の候補と比較してどこに精液をかけるか検討中のようだった。



「……鈴井さん、顔射させてくれたら、プラスで料金払うって言ったらどうする?」
「え……あ、はい、大丈夫ですよ」

お金が欲しいからオッケーしてみようとか、いやいややっぱり顔射はちょっと抵抗があるよとか、そういう考えよりも先に頭に浮かんだのは「とにかく横になって休みたい」だった。
頷いた後、「良いって言っちゃった……」とほんの少し不安になったけど、ひたすら乳首を吸われてイくのを我慢するよりはしんどくないかな、と自分を無理やり納得させた。

「……ちょっといいかな」
「……はい」

仰向けに寝ている俺の上に生田さんが覆い被さってくる。
整った真剣な顔がものすごく近くにあって、なんだか緊張した。
生田さんはそのまま俺の顎へ手を添えると、顔を左右に傾けたり、人差し指の腹で頬を撫でたりしている。時折うっとりしたような声で「可愛い」と漏らした後、ふうっと短くため息を吐いた。

ひょっとしたら、どこにぶっかけようか真剣に考えているのかもしれない。
俺は俺で、「いや!顔にかけないで!最低!」と生意気な態度で言われるのと、「いっぱいかけて」と甘えるように言われるのだったらどっちが喜ぶかな…ということを考えていた。
どうせだったら生田さんに喜んで欲しいし、たくさん気持ち良くなって欲しい。
とりあえず聞いてみるか、と思い「あの」と口を開いた時だった。


「鈴井さん、具合悪いの?」
「へ……」

生田さんは、そうっと俺から離れると、今度は額へこわごわと手を伸ばしてきた。生田さんの手は冷たくて気持ちよくて、目を閉じてしまいそうになる。

「大丈夫です……」

本当はどうして分かったんですか、と聞きたいけど、そうしたら疲れていると認めることになってしまう。
そんなことになれば、まだ何もしていないのに「今日はもういいよ」と言われるに決まっている。
仕事はちゃんとしたかったから「大丈夫です」「出来ます」と言ったけど、生田さんは聞いてくれなかった。

「……なんか顔色も悪いし、ぼんやりしていていつもと様子が違う。お金は払うから今日はもう帰っていいよ」
「そんな…お金は受け取れません」

「じゃあ、帰って休んで」と言われた後、手際よく脱いだ服を着せられてしまう。

「これからも体調が悪い日は絶対来なくていいよ」
「……すみません。バイトが急に入っちゃって……。でも、先に生田さんと約束してたから……」
「気持ちは嬉しいけど、無理はしないで。鈴井さんには学校とかバイトとか、優先するべき大事なことがいっぱいあるはずだろうし……」

慰めるようにして背中を擦られながら、玄関まで連れていかれる。生田さんはコンビニの袋にギュウギュウにお菓子を詰めてから「差し入れ」と言って渡してきた。

「鈴井さん、他に、もし必要なものがあったらいつでも連絡していいから」
「ありがとうございます……」

約束していたのに結局キャンセルになったのと、心配をかけて気を遣って貰ったのとで、申し訳なくて顔が上げられなかった。
生田さんは「鈴井さん、本当に大丈夫だから。早く元気になって」とずっと優しかった。

「……あの、次いつ会えますか?お金はいらないから、お詫びに何かさせてください」

本心だった。生田さんは「お金を払わないわけにはいかない」と絶対に首を縦に振らないうえに、なんだか難しい顔をしている。

「うーん……ちょっと仕事がな……忙しいから」
「そんな……どうしてもダメですか?俺、本当に申し訳なくて、生田さんに何かしたいんです!お願いします!時間のある時に会ってください…!」
「…………ごめん。本当は全然暇で、鈴井さんに「会いたい」とせがまれる状況に酔いしれてた。ごめん」
「なんだあ……」

そんなことが嬉しくて、「仕事が……」と言いつつ難しい顔を作っていたのか、と思って笑ってしまった。生田さんも照れ臭そうにしている。


「そんなこと言ってくれればいつでも言うのに……俺は生田さんにすっごく会いたいです」
「…………うん」
「……あの、今日は本当にごめんなさい。
俺、いつも生田さんのためにちゃんと仕事が出来るよう元気な身体でいようと思って、ご飯もたくさん食べてるし、それから、ええと……オナニーも我慢してるんです。
言い訳にしか聞こえないと思いますけど……」

モジモジとそう伝えている間、生田さんはずっと真面目な顔でこっちを見ていた。
酔いしれているわりには、あんまり嬉しくなさそうだな、と思って生田さんの顔を見返すと急に生田さんがガバッと抱き付いてきた。

「えっ……」


驚いて声をあげた俺に対して、生田さんは「ごめん」と苦しそうな声でそう言うだけだった。
どうして俺なんかに謝っているんだろう、謝るのは俺の方なのに、と思いつつ、身体に腕を回していいのか迷って、生田さんの着ている服を遠慮がちに掴むことしか出来なかった。
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