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★ご主人様と

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「あっ……だ、だめ、ナオちゃん、そんな所……あ、んっ……!」

 いやらしい音をたてて、片方の乳首を吸われながら、もう片方は指の腹でくにくにと摘ままれる。
 こんな所を吸われて声を出してしまうのは恥ずかしい。獣でいる時はどれだけ頑張ったとしても、クークー鼻を鳴らすか、小さな声でピイピイ鳴くくらいで大きな声は出せないのに、人の体になった途端だらしない声が止まらなくなる。

「んんっ……、ん、うっ……。あっ!」

 硬く芯を持った乳首を強く吸われて、体がビクンと大きく跳ねた。ナオちゃんは美味しくもない俺の胸に夢中だった。口に含んだままの乳首を舌で転がしたり、ジュルジュルとわざといやらしい音を立てる。

「ナオちゃん、も、胸、くすぐったいよお……」

 足をモゾモゾさせて訴えると、ナオちゃんは「ごめん……! しつこかったな……!」と慌てて唇を離した。そのまま、やわやわと胸を揉まれる。ナオちゃんは労ってくれているつもりなのだろうけど、敏感になった乳首に硬い掌が触れて、それすらも気持ちいい。

「……ビビがあんまり可愛いから」
「んぅ……」
「それに……。鍛えがいのある、すごく良い胸をしてると思うと興奮して止まらなくなって……」
「……。……トレーニングはいや!」
「えっ」

 こんな時も俺の体をそんな目で見ていたなんて……! キツイトレーニングだけは絶対に嫌だから、ナオちゃんの迫力のあるポコッとした大胸筋とは違う、平坦な自分の胸を手で隠した。

「ああっ……! わかったわかった! トレーニングはしないから……」

 いっぱいビビを可愛がりたいだけなんだ、とナオちゃんが一生懸命弁解してくるから許してあげることにした。
 ナオちゃんは唇で俺の額やこめかみに触れながら、ゴツゴツした手を内腿へ滑り込ませてきた。

「可愛い……。いつも、気持ちいいって感じてくれている時、ビビはこんな顔をしていたんだな……」
「ん……くすぐったい……」

 きっと、「ナオちゃんが大好き」って、とろけきった顔をしてしまっているに違いなかった。

「なあ、ビビ……」
「うん……?」
「……これから、いろいろ……ビビの体に準備をする……。お尻、気持ちいいな、って信じて、じっとしていられるか?」
「……うん。平気、やってみる……」

 ベッドの上で尻をいっぱい撫で回された時のことを思い出す。……自分だけが獣の姿で欲情してしまったのがとても恥ずかしかったけど、今は一人じゃない。
ナオちゃんは俺の尻にぺニスを挿入したいのだと言う。ナオちゃんと愛し合うためだってちゃんとわかっていたから、「頑張る」って頷いた。
 
 てっきり四つん這いになるのかと思ったら、どうやらナオちゃんは獣姿の俺を思い出してしまうらしく「その格好は罪悪感がすごい」と俺を仰向けに寝かせた後、モゾモゾと俺の足の方へ移動した。

「……ちょっとだけ恥ずかしいけど、我慢してな」
「えっ……!? ……ぎゃっ!」

 膝を立てた状態にされた足が、ぐっと開かれる。ナオちゃんが恥ずかしい場所に顔を近付けてくる。足を閉じたら自分の股でナオちゃんの顔を挟むことになってしまうし、頑張るって約束したし……とほとんど泣きそうになりながら、おとなしくしていた。
 ナオちゃんは俺の尻を指先で撫でた後、「緊張でガチガチだ」と呟いた。

「緊張、してないしっ……」
「大殿筋がこんなに固く……。ビビ、リラックスだ、ゆっくりゆっくりするから……」
「うん……」

 ナオちゃんは俺の尻を擦りながら、何を思ったのかぱくっとぺニスを口に含んでしまった。えっ!? とビックリして、上体を少しだけ起こすと、俺の性器を頬張っているナオちゃんと思いっきり目が合った。ご主人様に口でご奉仕をさせるなんて、絶対ダメに決まっている。

「ひ……! だ、だめ……、そんなことしな、……ああっ……!」

 ぺニスを人に舐められるのももちろん初めてだった。自分の手とは比べ物にならないほどの快感。獣の体でシーツに性器を擦り付けていた時も、本当はずっとこうされたかった。
 頭の中は「ご主人様、ダメです。そんなこと、いけません……」と従順な使い魔でいるのに、体はナオちゃんの口内の温かさや舌の動きに大喜びして「気持ちいいよお……」と甘えた声で鳴くのがやめられない。
 裏筋に厚い舌を押し当てたまま、ナオちゃんが頭を上下に動かす。自分でかくかくと腰を振りたくなるのを必死で我慢しながら、俺はベッドに身を横たえていた。

「よしよし、いい子いい子……」
「う、ううっ……」

 ナオちゃんは「するんと入って、気持ちが良くなる薬」だと言って、なんだかヌルヌルした液体を俺の尻やペニスに塗り始めた。

「やっ……! なにこれ……? なんの薬……?」
「……この薬を塗ってるから、痛くないからな、大丈夫だからな」

 ヌルヌルした硬い手のひらに、ぎゅうっと手を握られる。……俺は使い魔でご主人様であるナオちゃんの言うことにはもちろん従わないといけない。だけど、それとは関係なく、ナオちゃんのことが大好きだから「うん」って返事をした。もし嫌だったらすぐ言え、と言われたけど、その言うことは聞かないで、頑張ってみようかな……と感じるくらいナオちゃんが好きだ。

「ん、……あっ」
「嫌か?」
「ヤじゃない……」

 ナオちゃんの太い指が俺の尻の穴をなぞる。薬でとろとろになった割れ目を何度もナオちゃんの指の先が往復する。くすぐったくて、もどかしい。「恥ずかしいよ」と小さな声で訴えては、足を大きく開いたまま、シーツをぎゅっと握り締めた。
 これじゃあまるで、ゆっくりじわじわと時間をかけて追い詰められた後に、一気に仕留められる小さな獣になってしまったみたいだ。逃げ出したいくらい恥ずかしいのに、ナオちゃんに「ビビ」と呼ばれると、体の力が抜ける。

「あ、んっ……んんっ……!」

 つぷ、と尻の穴にナオちゃんの太い指が挿入される。ちっとも気持ちよくなんかなくて、お腹の中に何かが入ってくる、という違和感で、なんだか気持ちが悪い。それでも「お尻、気持ちいい……」と必死で信じて堪えた。

「ビビ……? 怖いのか?」
「ん、平気……もっとして……」

 プルプル震えながら、閉じかけていた足をもう一度大きく開いた。ナオちゃんはすごく真剣な顔つきで指を咥え込む、俺のソコを見ている。自分では見えないけれど、きっとすごく恥ずかしいことになっているに違いなかった。

「あ、あんまり見ないで……恥ずかしい……」
「……まだキツイな」
「ひゃっ!? あっ、だめ……それ、だめ……」

 挿入された指が、ゆっくり抜き差しされる。穴の縁がひくひくと反応して、ナオちゃんの指を締め付けているのが自分でもわかった。ナオちゃんは結構頑張って、俺の穴をほぐそうとした。だけど、エッチの才能が無いのか、ぎゅっと目を閉じて息をするだけで、俺はいっぱいいっぱいだった。

「ご、ごめんなさい……」

 尻、気持ちいい……と何度心の中で唱えてみても、「苦しい」と体がナオちゃんの指を押し返そうとする。やっぱり一人前の体になっても、俺はダメなんだと思うと、泣きたくなった。

「ビビ、そんな悲しい顔をすんなって……。そうだ! 代わりにスペシャル気持ちいいことをしよう」
「スペシャル気持ちいいこと……?」

 散々時間をかけて丁寧に扱ったのに、エッチが出来そうもない俺のことを、ナオちゃんは怒らなかった。スペシャル気持ちいいこと、がなんなのかわからず首を傾げていると「ちょっと待ってな……」とナオちゃんはゴソゴソと下着を脱いだ。

「えっ……!?」
「ん? ビビ、どうした?」
「すっごい……。ナオちゃんの、硬くて立派だね!?」

 筋肉を称える時と同じように感想を述べたのに、ナオちゃんはバッと脱いだ下着で自分のぺニスを隠してしまった。

「どうして隠すんだよ~!? ねえねえ、触らせてよ!」
「……あんまりそういうことを軽々しく言うんじゃない」
「どうして? 俺達、エッチまでする関係なのに!?」

 筋肉を無理やり触らせては「でへー」と喜ぶくせに、どうやら男性器の事を褒められるのは嬉しくないらしい。鍛え上げられた大きな体でナオちゃんが、「やめろよ~!」と恥ずかしがる姿がおかしくて俺は笑った。

「ふ、ふふっ……! あはは……! ナオちゃんも恥ずかしいんだね」
「……当たり前だろ! 笑うなよ……」

 なんだか、面白くて可愛い。エッチが出来なくて申し訳ないと思っていた気持ちが吹き飛んで、ケタケタ笑っていたら、ナオちゃんも「……元気が出たんならいいか」と照れ臭そうにしながら頭を掻いた。

「ねえ、ナオちゃん。スペシャル気持ちいいことって何?」
「ああ……。ヌルヌルの薬を使って、一緒に擦ろうかと思って……」
「一緒に……」

 上体を起こしたナオちゃんと向かい合うような格好で抱っこをされる。ナオちゃんの大きな体に腕を回す。人の体じゃないと出来ない体勢だ、ってちょっとだけドキドキする。

「あっ……」

 ナオちゃんの薬でテラテラしている性器どうしが触れ合う。二人とも先っぽがぷっくりと膨れていて、すごくいやらしい。このまま、一緒に擦るんだってわかっていたけど、「待って」とナオちゃんの手を掴んだ。

「ビビ?」
「……あの、これ、入れてみない?」
「……指で苦しい思いをしたのに、無理はさせられない」
「無理じゃない……。指よりもずっと太いけど、これ、入れてみたいな。それに、さっき大笑いしたから、緊張も吹き飛んじゃったよ」

 見るな、と性器を隠して起こる姿は、きっとかっこよくはないんだろうけど、いつも笑わせてくれて、いっぱい愛してくれて、元気をくれるナオちゃんが好きだ、この人の側にずっといたいと俺に感じさせた。

「ね、ナオちゃん……この先っぽのぷくっとした部分だけでもいいから。俺のことを一人前の大人にして……?」

 ナオちゃんは「ぐ……」と唸った後、口をパクパクさせた。「ねー」と立派なぺニスを触っていたら、観念したのか「すぐ、抜くからな」と震えた声で返事が返ってきた。

「……無茶はさせないからな」
「はーい。……ナオちゃん、いつも俺が獣でいる時にするみたいに、抱っこしてね。それでチューもいっぱいして? そうしたら、安心出来るから……」
「そんなこと、どこで覚えてくるんだ?」

 全部ナオちゃんが俺の体に教え込んだことなのにどうして惚けるのかが、俺にはわからなかった。


「あっ……、んんぅ……」
「ビビ、もっとゆっくり……」

 ナオちゃんの首に腕を回して、ナオちゃんの言う通りに少しずつぺニスを受け入れる。初めはツルツル先っぽが逃げてしまって、上手くいかなかった。ナオちゃんに根元の方を掴まえて貰って、深呼吸をしながら、「尻、気持ちいい」って何度も自分に暗示をかけた。

「ん、んふ……」

 ナオちゃんはちゃんと約束を守ってくれて、キスをいっぱいしてくれた。普段ベッドの上で密着しているだけでも安心するのに、キスが追加されると、唇も心もとろとろになってしまう。
 ナオちゃんは片方の手で俺の乳首を摘まんだ。それに俺が口の端から唾液を垂らして感じていると、体を支えてくれている方の手が、ゆっくり腰を擦る。それが「大丈夫」の合図に感じられて、いつの間にかナオちゃんのぺニスを最後まで飲み込んでしまっていた。

「で、出来た……」

 繋がってる部分を覗き込もうとしたけど、上手くいかない。ナオちゃんの方からはバッチリ見えていたらしく「いい子いい子」っていっぱい褒めてもらえた。

「苦しくないか?」
「ん……。ナオちゃんでお腹がいっぱい……」
「ビビっ……!」
「……ぎゅーして」

 痛みは少しだけ感じているし、やっぱり変な感じもするけど、ナオちゃんと結ばれたことが嬉しい。繋がったままキツク抱き締められて、何度もキスをする。
 ナオちゃんは激しく動いたりはしなかった。ただただ、俺を安心させようと、体を支えて、「好きだ」とキスの合間に伝えてくれる。

「んぅっ……、ん、んっ……!」

 好きだ、ビビ、と耳の側で囁かれるたびに、ナオちゃんの荒い呼吸を感じる。くすぐったくて体が跳ねると、深々と挿入されたペニスが中の方で擦れる。
 何度もそれを繰り返していると、いつの間にか俺はもぞもぞと自分で腰を振ってしまっていた。

「あ、あっ……奥、当たってる……」

 あんなに立派なペニスが全部俺の中に入っている、と思うと顔が熱くなる。

「は、あっ……ん、んうっ……」

 なんだか変な感じがする。痛くもないし怖くもないのに、なんだか苦しい。「尻、気持ちいい」と信じる気持ちも忘れて、もっと他のところ……という気持ちになる。

「……ここ?」
「あっ!」

 ここ、がどこなのかはわからないけれど、ナオちゃんが下から突き上げながらぺニスを擦ってくれる。挿入だけで気持ちよくなっているわけじゃないけど、「そこ、気持ちいい」と俺は何度も首を縦に振った。

「……エッロ。ビビの、腰、揺れてる……っ」
「やだっ、言わないでっ……あっ、あっ……!」

 ぺニスを扱いてくれるナオちゃんの手の動きに合わせて、大きく足を開いて腰を振った。時々、ゾクゾクとした快感が腰からせり上がってくる。ぺニスを触って射精する時とは違う感覚。
 あれ……? これが、尻気持ちいい、なのかな……? と思いながらナオちゃんの体にしがみついた。

「あ、んっ……すき、ご主人さま……すき……」

 ずっとずっと探していた俺だけのご主人様。俺の何もかもを知ってる唯一の人、と思うと気持ちが昂って止められなかった。

「もっとしてえ……! あっ、あっ、いく……いっちゃう……お尻、気持ちいいよお……」

 ペニスへの刺激をねだっていやらしく腰を揺らしていたけれど、心はナオちゃんと繋がれたことに満足していたから、ナオちゃんの言う「尻、気持ちいい」は間違いじゃなかった。

 掠れた声で「ご主人様、大好き」と喘いでいると、ブルブルと体が震える。もう、いく、と訴えても、ナオちゃんは手の動きを止めてくれなかった。我慢できずに、達してしまうと、ナオちゃんのバキバキに割れた腹筋に、ビュッと白い液がかかった。
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