反芻

にっしょん

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ご飯をつくる前に

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「疲れたから休憩しよう」

そう言って雑にベッドに仰向けになる。
つられて、横に添うように身体を倒す。
彼がグズグズと身体をずらし、頭を私の胸にあててくる。

彼の頭を撫でながら、巻きついている腕が窮屈に感じた。
ふと、上体を起こし、ぷちぷちとシャツのボタンを外していく。袖はそのままに、中着の黒いTシャツをまくり上げる。ブラジャーの上までたくし上げ、鮮やかなオレンジの花柄を薄明かりにさらした。

「かわいい」

長い指が花柄の曲線をなぞる。
私の腕を引っ張り、上体をたぐり寄せる。
カップに支えられ、やわらかく盛られた肌に唇を寄せる。

指でふにふにと押したり、唇で吸ってみたり、舌を這わせたり…優しくもてあそんでくる。私の背中に両腕を回し、きつくしめながら、顔を胸に埋めてくる。足先を絡ませて、最大限に肌を合わせる。

太腿に固く盛り上がった熱の塊を感じた。
左手で彼の髪を撫でながら、右手の指先で熱を確かめる。

「おくちでしてもいい?」
「いいよ」

薄い布越しに脈打っている。

「しなくてもいい?」

胸に埋められた顔が下を向いてしまった。

「して欲しい?」

顔を上げ、細めた目が潤んでいる。
訴えるように見つめる目に微笑みを返しながら、くるくると指を回す。
にっこりとした口元に唇を近づける。
閉じた瞼を薄目で眺めながら、舌を絡ませる。

唇を離し、ゆっくりと息をつく。
両手を彼から離して身体を起こした。
ゆっくりと下着をずらしていく。
足先まで布を通し、手で両足を開かせ、間に身体をねじ込み、太腿に指を沿わせながら、熱くそそりたったそれに、顔を近づける。

上からゆっくりと、形を確かめるように唇をあてていく。頭、溝、芯…と唇を沿わせ、根元から先まで一気に舌先を這わせる。

一呼吸離して、頭だけを咥える。
口の中で舌先を回して、頭を舐めあげる。
もう少し、咥える。
溝に舌先をあて、頭を吸う。
また、一度離して軽く唇をあてる。

彼の右手が髪を撫でるのを感じながら、何度も繰り返した。じゅるじゅると唾液で濡れた中に、ほんのりと粘度の濃い苦味を感じた。

ゆっくりと、喉奥に突き当たるまで咥える。
一度離して大きく息を吸う。
また、奥にあたるまで咥え込み、喉奥の壁に、大きく固くなったそれを擦りあてる。
また離して息を吸い、喉をしめながら擦りあてる回数を増やしていく。
離す度に、彼のそれは大きくなる。

「気持ちいい?」
「気持ちいいよ」

優しく撫でながら、私のか細い声に、低く穏やかな声で返してくる。
何度も喉奥に擦りあて、喉をしめ、苦しくて涙があふれてしまう。軽度の嘔吐感が気持ち良くて、興奮してしまう。

はやる衝動を抑えながら、あくまでもゆっくりと吸い上げ、舐め上げ、締め付ける。根元を支えるだけの右手に、トロリとつゆが伝わっていく。

力を入れないように気をつけながら、右手を軽く芯に沿わせる。ゆっくりと、舌と指を上下に動かす。
手による刺激が追加されたことで、彼が甘い嬌声を漏らす。

少しずつ、指の力を強めていく。
口を離し、右手を動かしたまま顔を上げ、彼の表情を窺う。切ないような、耐えるような表情が見つめ返してきた。

もう一度咥え、手の動きと併せて速めていく。
彼の息が上がっていき、髪を撫でていた手は私の腕を強く掴んでいる。
口先で頭を、右手で芯を上下していたところを、口を離し頭を指で包み込むように、速度を上げて上下させる。

彼の腰が浮きそうなところで、ふっと力を抜き、唇で芯まで覆い込む。ねっとりと舌を這わせ、丁寧にゆっくりと吸い上げる。甘えたような、絶望するような、言葉にならない呻きをあげている。

再度手に力を加えていき、少しずつ上下する速度を上げる。
彼の息も上がっていく。
そしてまた、力を抜いて口の中で転がす。
何度も繰り返していると、彼が頭を上げて泣きそうな目を向けてきた。

右手で強く握り、ぐちゃぐちゃと音を立てるように上下させる。彼は息を跳ね上がらせ、腕を掴んでいた手は私の頭を押さえようとしている。

「もう、だめっ、でる…っ」

「だしていいよ」

そうささやいて、押さえられるままに、芯まで口で包み込んだ。手も口も動かさずとも、どぴゅどぴゅと、トロリとした液体が口の中で暴れている。
止まらないまま、舌で頭を絡め取りながら、液体の出る割れ目を舌先でチロチロとつつく。
躍動が止まったところで、思いっきり吸い付いて、液体を全て口に含んだ。

それから口を離し、どろどろの液体を暫く口の中で転がしながら、手のひらで芯を掴み、指先で頭と割れ目をなぞる。指と指の間で糸を引くのを目線の高さで遊びながら、口の中のどろどろを、ごくんと飲み込んだ。

「のんじゃった」

息を弾ませ、仰向けに倒れている彼に声をかけると、上体を起こし、座っている私に体重を預けてきた。どろどろになった口周りや手が触れないよう、慎重に抱き寄せる。ぐったりと項垂れる彼は、弾む吐息の合間に、ありがとうと呟いた。

カウンターでケータイがバイブを鳴らしている。
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