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第7話 反省
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初陣してから翌日。
今日の俺のスケジュールはウエイトトレーニングからのスタートだった。
腕立て伏せ、スクワット、ランニング、機械を使った超重量での筋トレに加えて、司令官がもっと声出せと叫んでいる。
そして、不思議なことに司令官も俺たちと混ざりウエイトトレーニングを行っていた。
ゴツい肉体と日常的に険しい顔をしているせいか全ての工程を涼しいようにやっているように見えた。
しかし、俺はそんな事風にできるはずもなく休憩と叫ばれてから水を口に含みながらその場に座り込んだ。
「昨日はよくやったな。」
視界に影が落ちた。
ふと、前を見ると目の前に司令官が立っていて、やばいと思い立ちあがろうとするも「そのままでいい」と言われ、「わかりました」と一言入れて再び地面に腰を下ろした。
「戦闘記録映像から見させてもらったが初陣としては上出来だ。
まあ、小川未来と行動し、そんな事ないと感じているだろうが彼女は別格だ。
気に止むことはない。
しかし、改善点はまだまだある。」
司令官はタブレットを俺に向ける。
そこには俺の戦闘をシーン別に分けたファイルに分けられていて、その中の一つをタップする。
「まず、君は戦闘時の視野の狭さが課題だ。
一体目の敵の背後にもう一体いることが君のところからも本来なら見えていたはずだ。
今回は彼女がうまく掻っ攫っていったが彼女がいなかった場合どうなるか、わかるか?」
記録映像から敵も俺の事を視野に入れている。証拠として、前足を振りかぶっていた。
俺は一度突き刺した後にもう一度突きにいった。それにその後、足を止めているのと記録映像からわかる。
「やられていました。」
「反省点は?」
その俺の一言に間髪入れず、対処法を求められ、さっき思った事をそのまま言おうと出そうと口を動かす。
「目の前の敵だけでなく、その周辺。
それと倒して安堵し、足を止めず周辺の確認を行う。」
「そうだ!命を守るためには足と視界を止めるな。そして、もう一つだが最後の00を倒す時、上に逃げていたがなるべく横に逃げ、足を地面から離すな。
いつでも、その場から動ける状態にいることを常に意識しろ。」
「わかりました!」
ウゥーーーーーー……
時刻は午前11時、警報が鳴り響くのと同時に任務のメールが入り、小川部隊作戦室に集合という事だ。
すぐに立ち上がり、部屋のある方向に体を向けた。
「くれぐれも気は抜くなよ。」
「はい!」
見た目は怖いがしっかり心配はし、世話も焼いてくれるんだなと思いつつ、反省点を脳裏に刻み込みながら俺は足速に作戦室に向かった。
それでも、11時10分と遅い到着をしてしまう。
「ジャンケン!ポン!
しゃあぁあああ!!勝ったぁあああ!!」
扉を開けての鼓膜に飛び込む第一声。
廊下にも響いたのか他の部隊の人達もびっくりしたようにこちらを振り向く。
俺を見ているわけではないのに恥ずかしく、足速に作戦室に入り扉を閉めた。
作戦室はどこかの講義室を思わせるような風景だが、椅子は8人分と2人分の幅がある長机が用意されているものの狭い部屋だった。
3人とも既に到着していてて、入口から一番近い椅子に座った。
「えー、今回は僕が任務の説明をします。」
「ふふん、勝った。」
未来がチョキの手をブラブラとさせながら、俺の隣に座る。
綾人はゴホンと咳払いし、部屋の明かりを消すとプロジェクターに映像が転写される。
そこには木々の間でエッグ・コアの黒い影がゾロゾロと蠢いている。
「今回の任務は壁の外周現れた、エッグ・コアの撃退。到着までは1時間。
迎撃地点は壁から300メートル離れた場所。
昨日と同じく、対魔獣鉄鋼弾での迎撃が最初に行われた後に僕らが残りを処理する。」
「実戦訓練期間様々だねー。
てことは、手合いのエッグ・コアの処理だけの任務なの?」
「いや、4体ほどNo.01 ドラッグ・エッグの存在が確認されている。」
プロジェクターの映像が切り替わる。
左にはエッグ・コアの画像があるが右にも全く同じ見た目の魔獣の姿をしたNo.01と書かれた魔獣が映し出される。
「この2体の見分ける方法は前の2本足の色がオレンジ色に変色していること。
この前足から分泌されている液体は酷く甘い香りがドラッグという名前の通り、中毒性と幻覚作用を持った液体だ。
この前足に引っ掻かれたり、液体が目や口の粘膜に入ったりした場合はすぐに解毒剤を服用すること。
軍の方からその解毒剤も支給された。」
綾人が机の上に小さい白いケースを置いていく。中を開けるとカプセル型の薬が5粒ほど入っていた。
戦闘中にこれを飲む暇を与えられてくれるのかと疑問に思っていると目の前に液体の入った容器に針がついた物が置かれた。
「もし飲む暇がない時、症状が現れてしまったときは直接これを体に打ち込む事。」
「これは、ちょっとカンベン……。」
イズミがそう言い、正直俺も同意見だった。
自分で注射なんてしたことあるはずがない。
ありがたいことに打ち方の解説書まで付いている。
なんとしてでもカプセルの方を服用したいが一々ケースを開けたり、している暇などあろうはずもないから胸ポケットに2錠だけしまった。
「それと、ドラッグ・エッグの対処は昨日初陣したヒロと未来に頼みたい。」
「私は良いよー。基本ベースはエッグ・コアと同じでしょ。1発ももらわず退してあげるよ。ね!ヒロ!」
「昨日、ああ言ったからには頑張るよ。」
「ありがとう。正直、今僕は怖い。
初陣とかそういう言い訳もしない。
ただ、全力で援護させてもらうよ。」
「じゃあ、私からも。
2人とおんなじで近接型で肩並べさせてもらうわけだけど負けないからね。
まあ、手負いを相手にするわけだから負けもクソもないだろうけど。
気を抜かず、頑張ってみる!
よろしくね。未来ちゃん。ヒロ君。」
******************
魔獣
世界中に現れた異形の姿をした生物。
とても好戦的であり、その攻撃理由は捕食するためと思われる。
排泄器官は存在せず、魔獣の持つ核は高エネルギー物質である事から高効率でのエネルギー変換器官を持つと言われている。
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今日の俺のスケジュールはウエイトトレーニングからのスタートだった。
腕立て伏せ、スクワット、ランニング、機械を使った超重量での筋トレに加えて、司令官がもっと声出せと叫んでいる。
そして、不思議なことに司令官も俺たちと混ざりウエイトトレーニングを行っていた。
ゴツい肉体と日常的に険しい顔をしているせいか全ての工程を涼しいようにやっているように見えた。
しかし、俺はそんな事風にできるはずもなく休憩と叫ばれてから水を口に含みながらその場に座り込んだ。
「昨日はよくやったな。」
視界に影が落ちた。
ふと、前を見ると目の前に司令官が立っていて、やばいと思い立ちあがろうとするも「そのままでいい」と言われ、「わかりました」と一言入れて再び地面に腰を下ろした。
「戦闘記録映像から見させてもらったが初陣としては上出来だ。
まあ、小川未来と行動し、そんな事ないと感じているだろうが彼女は別格だ。
気に止むことはない。
しかし、改善点はまだまだある。」
司令官はタブレットを俺に向ける。
そこには俺の戦闘をシーン別に分けたファイルに分けられていて、その中の一つをタップする。
「まず、君は戦闘時の視野の狭さが課題だ。
一体目の敵の背後にもう一体いることが君のところからも本来なら見えていたはずだ。
今回は彼女がうまく掻っ攫っていったが彼女がいなかった場合どうなるか、わかるか?」
記録映像から敵も俺の事を視野に入れている。証拠として、前足を振りかぶっていた。
俺は一度突き刺した後にもう一度突きにいった。それにその後、足を止めているのと記録映像からわかる。
「やられていました。」
「反省点は?」
その俺の一言に間髪入れず、対処法を求められ、さっき思った事をそのまま言おうと出そうと口を動かす。
「目の前の敵だけでなく、その周辺。
それと倒して安堵し、足を止めず周辺の確認を行う。」
「そうだ!命を守るためには足と視界を止めるな。そして、もう一つだが最後の00を倒す時、上に逃げていたがなるべく横に逃げ、足を地面から離すな。
いつでも、その場から動ける状態にいることを常に意識しろ。」
「わかりました!」
ウゥーーーーーー……
時刻は午前11時、警報が鳴り響くのと同時に任務のメールが入り、小川部隊作戦室に集合という事だ。
すぐに立ち上がり、部屋のある方向に体を向けた。
「くれぐれも気は抜くなよ。」
「はい!」
見た目は怖いがしっかり心配はし、世話も焼いてくれるんだなと思いつつ、反省点を脳裏に刻み込みながら俺は足速に作戦室に向かった。
それでも、11時10分と遅い到着をしてしまう。
「ジャンケン!ポン!
しゃあぁあああ!!勝ったぁあああ!!」
扉を開けての鼓膜に飛び込む第一声。
廊下にも響いたのか他の部隊の人達もびっくりしたようにこちらを振り向く。
俺を見ているわけではないのに恥ずかしく、足速に作戦室に入り扉を閉めた。
作戦室はどこかの講義室を思わせるような風景だが、椅子は8人分と2人分の幅がある長机が用意されているものの狭い部屋だった。
3人とも既に到着していてて、入口から一番近い椅子に座った。
「えー、今回は僕が任務の説明をします。」
「ふふん、勝った。」
未来がチョキの手をブラブラとさせながら、俺の隣に座る。
綾人はゴホンと咳払いし、部屋の明かりを消すとプロジェクターに映像が転写される。
そこには木々の間でエッグ・コアの黒い影がゾロゾロと蠢いている。
「今回の任務は壁の外周現れた、エッグ・コアの撃退。到着までは1時間。
迎撃地点は壁から300メートル離れた場所。
昨日と同じく、対魔獣鉄鋼弾での迎撃が最初に行われた後に僕らが残りを処理する。」
「実戦訓練期間様々だねー。
てことは、手合いのエッグ・コアの処理だけの任務なの?」
「いや、4体ほどNo.01 ドラッグ・エッグの存在が確認されている。」
プロジェクターの映像が切り替わる。
左にはエッグ・コアの画像があるが右にも全く同じ見た目の魔獣の姿をしたNo.01と書かれた魔獣が映し出される。
「この2体の見分ける方法は前の2本足の色がオレンジ色に変色していること。
この前足から分泌されている液体は酷く甘い香りがドラッグという名前の通り、中毒性と幻覚作用を持った液体だ。
この前足に引っ掻かれたり、液体が目や口の粘膜に入ったりした場合はすぐに解毒剤を服用すること。
軍の方からその解毒剤も支給された。」
綾人が机の上に小さい白いケースを置いていく。中を開けるとカプセル型の薬が5粒ほど入っていた。
戦闘中にこれを飲む暇を与えられてくれるのかと疑問に思っていると目の前に液体の入った容器に針がついた物が置かれた。
「もし飲む暇がない時、症状が現れてしまったときは直接これを体に打ち込む事。」
「これは、ちょっとカンベン……。」
イズミがそう言い、正直俺も同意見だった。
自分で注射なんてしたことあるはずがない。
ありがたいことに打ち方の解説書まで付いている。
なんとしてでもカプセルの方を服用したいが一々ケースを開けたり、している暇などあろうはずもないから胸ポケットに2錠だけしまった。
「それと、ドラッグ・エッグの対処は昨日初陣したヒロと未来に頼みたい。」
「私は良いよー。基本ベースはエッグ・コアと同じでしょ。1発ももらわず退してあげるよ。ね!ヒロ!」
「昨日、ああ言ったからには頑張るよ。」
「ありがとう。正直、今僕は怖い。
初陣とかそういう言い訳もしない。
ただ、全力で援護させてもらうよ。」
「じゃあ、私からも。
2人とおんなじで近接型で肩並べさせてもらうわけだけど負けないからね。
まあ、手負いを相手にするわけだから負けもクソもないだろうけど。
気を抜かず、頑張ってみる!
よろしくね。未来ちゃん。ヒロ君。」
******************
魔獣
世界中に現れた異形の姿をした生物。
とても好戦的であり、その攻撃理由は捕食するためと思われる。
排泄器官は存在せず、魔獣の持つ核は高エネルギー物質である事から高効率でのエネルギー変換器官を持つと言われている。
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