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オマケ
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しおりを挟む「ほんとうはグレン様に似せて作ろうとしてたんですけど、わたしのお裁縫技術だとまだそこまでは無理で、でも代わりに犬は! 上手に!! できました!」
「そうね! わたしこんなに大きなぬいぐるみは作れないもの! ポリーったらすごいわ!!」
ポリーのテンションにつられてフェリシアの声も弾んでしまう。いやでも待って、それよりもなによりもこれって
「グレン様の代わり?」
「はい、いつもグレン様のお帰りが遅くて、フェリシア様しょんぼりなさっているので、少しでもお慰めになればと思って」
ポリーに気づかれてしまう程に自分はしょんぼりしているのかとか、犬のぬいぐるみで慰めにってどうやって? とフェリシアはどこから突っ込んだらいいのか分からない。そんなフェリシアをよそにポリーはてきばきと準備を進める。本棚から適当に本を取り出してソファに重ね、その上に犬のぬいぐるみを座らせる。
「ソファに座ったグレン様って、これくらいの高さでしょうか?」
「もう少し高いかも?」
「わあ、さすがフェリシア様! じゃあわたしが本を積むので、そこで高さの確認をお願いしますね!」
謎の勢いにのまれてしまった。気づけばポリーと二人で細かく高さの調整をし、それが終われば仕上げとばかりにグレンの上着を羽織らせた。
「これでグレン様っぽくなりました!」
よくわからないけれど、しかし小さなメイドの心意気はよくわかった、と、思う。フェリシアもすっかり楽しんでしまったし、言われて見るとたしかにグレンに見えなくもない。そんな気がする。
こうして、グレンの姿に似せたと言い張る犬のぬいぐるみは、フェリシアの部屋のソファに常駐するようになった。
「グレン様とお会いできなくて寂しかったのはあるんですけど……ポリーの発想が可愛すぎるし、ポリーが作ってくれたこのぬいぐるみも可愛いし、グレン様の服を着せたらかっこいいしで楽しくなって……」
「うん……ポリーもこの犬もフェリシアも全部が可愛すぎてつらい」
可愛いイキモノがこぞってグレンの心臓を直撃してくる。人間はこんなにもときめきで死にそうになるのかと、息も絶え絶えだ。はあああ、と長く深いため息しか出てこない。
「なんだか……よくわからないけどごめんなさいグレン様」
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