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ライアンが自然に赤髪の女をエスコートした。
その後ろでは、ダンゼルも緑髪の女をエスコートしてる。
ありがとう!2人とも!
俺は2人に感謝しながらティアリーゼ嬢に腕を差し出す。
戸惑いながらもそっと俺の腕に彼女の手がそえられる。
ドキドキと心臓の音がうるさい。
カッコイイところを見せるはずが無言になってしまう。
前の2組は自然な会話をしているようで、たまに笑い声も聞こえてくる。
ダメだ!このチャンスを無駄にはできない!
それにさっきからいい匂いがする。ふわふわの思考で発した言葉が「ティア」と口に出して言っていた。
これは1人でシュミレーションという名の妄想をしている時に呼んでいた愛称だ。
やってしまった!恐る恐る彼女の顔を伺うと
真っ赤になった彼女が俺を見ていた。
慌てて「すまない、自己紹介もまだなのに」
落ち込んだ俺を見て「この学園に入って愛称で呼んでもらえることがなくて少し驚きましたが、そう呼んでもらえると嬉しいです。」と照れくさそうに笑ってくれた。
やった!ティアから許可を貰えた!
「俺はこの国の第2王子でルイ・シャリディアだ。ルイと呼んでくれ。」「「「え?」」」
前の2組もだが、ティアも大きな目をまん丸にしてるがその顔も可愛い!
「是非ティアにはそう呼んで欲しい」と伝えると「ル・・・ルイ様?」
また夢が叶った!
お互い無言のまま食堂まで行ったが、俺の心は満たされている。

食堂に入るとざわつきが止まった。
当たり前だ!誰も簡単には声をかけられない高位貴族の令嬢を王子である俺がエスコートしてるのだから。

食堂では俺の隣にティアが座って小さい口で上品に食べてる。
ライアンもダンゼルも自己紹介は済ませたようで会話が弾んでいる。
ティアが今日のデザートのチョコレートケーキに目を輝かせたのを見逃さなかった。
「ティアは甘いものが好きなのか?」
「はい 、甘いものは何でも好きです」恥ずかしそうに答えたティアは本当に可愛い!
所々から「っう」「か、かわ・・」と聞こえるがティアは気にしてもいない。
「俺は甘いものは苦手なんだ、よかったら俺のデザートも食べて」と差し出すと「え、でも」とモジモジしながら上目遣いで俺を見る。「いいから」と少し強引にティアの前に差し出すと今日1番の笑顔で「ありがとうございます。じゃ遠慮なくいただきます」と言ってくれた。
もう!もう!なんて可愛いんだ!
ずっと食べている様子を眺めながら次の作戦を考えるを忘れない。

そんな至福の時間も予鈴によって終わりをつげた。

またここでライアンのファインプレーが炸裂する。「こうして学年も校舎も違うのに知り合えた縁だ、またご一緒しようか」と続いてダンゼルも「また会って話したい」と緑髪の女に言っていた。
やるな2人とも!
俺も続くぜ!
「ティアまた会えるかな?ティアと一緒に食べる食事はすごく美味しいよ」言えた!
「はい!またご一緒したいです」笑顔で言ってくれた!
後ろ髪引かれながらティア達と別れたが、俺はあの笑顔をとルイ様と呼んでくれた声が頭の中でずっとリピートしてる。

今日1日で随分と近ずけた気がする。
俺、幸せすぎて今日死ぬのかな?
いやまだ死ねない!

まだすべての願いは叶っていない!
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