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浜町トゥインクルスパークル
浜町トゥインクルスパークル(5)
しおりを挟む車と車の間を縫いながら、モジャコはコルヴェナの攻撃を躱していく。
頭上では、ビルの上を移動しながら、リグナとデッサが戦闘を続け、光弾が乱れ飛ぶ。
(感覚が戻ってきた……)
モジャコは右手首をぐるぐると回した。
(あと少しか……)
コルヴェナの攻撃は不規則でまるで予想がつかない。
身を低くして、まるで、かき取ろうとするかのように接近してきたかと思えば、次の瞬間にはハイキックを飛ばしてくる。
モジャコは体を反らして逃れる。
後退しながら清洲橋通りを渡る。
その先は浜町公園へ続く遊歩道で、左手は大衆演劇で有名な明治座。
(よし、戻ったっ!)
モジャコは、コルヴェナの攻撃をバク転で躱し、着地したところで一気に反撃に転じようとした。
コルヴェナの電撃をまとった左脚が飛んで——こない。
(フェイント……!?)
代わりに、右脚のローが転ばしにくる。
バランスを崩されたところへ、予想とは反対方向から紅いスパークに襲われた。
「ぐっ!!」
ガードした左腕に激痛が走って感覚が無くなる。
しかも、いつの間にか立ち木に追いつめられ、逃げ場を失っていた。
コルヴェナは、ガントレットの右腕でモジャコの首をつかんで押しつけた。
まるで表情も変えず、無感情に黙ったままだ。
モジャコは息ができない。
「ぐぐ……!!」
「モ、モジャコ!!」
叫んだハルの真横にリグナが降り立った。
「リグナ……!?」
リグナはコルヴェナへ急速に迫った。
完全に真後ろからの攻撃に、コルヴェナはモジャコを離し、ガントレットの右腕で反応した。
受け止める——が。
「……!?」
紅い閃光が炸裂し、コルヴェナは弾き飛ばされた。
「だだだ、だいじょぶ、モジャコ!?」
ハルはモジャコに駆け寄った。
「なんとか……」
モジャコは咳き込んで、右手で喉をさすった。
リグナは2人を守るように、仁王立ちになって周囲を警戒する。
その背中には、確かに機能本位な装置が取り付けられていて、開口部にあるボタンが、額の装身具がそうであったように、碧く柔らかく明滅していた。
ボタンは9つの角を持つ星形。
共通の中心を持つ正三角形を3つ、40度ずつ角度をずらして重ねたもの。
(背面拡張コンソール……)
「ミコ殿! いまでござるっ!」
ジシェが頭の上で指さした。
ハルは決心がつかない。
「で、でも……」
「ど、どうしたでござる!?」
離れたところで、ガラガラと何かが崩れる音が聞こえた。
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