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第二十五話 一人じゃ行きにくい所その一

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 次の日の朝、幸は母に連れられ車で移動する。

「幸の車、久しぶりに乗ったけど、乗り心地いいわね。今度買い替える時、これにしようかしら」

「・・・・・・所で、どこに行くの?」

「それは着いてからのお楽しみ」

「・・・・・・」

 それから、数十分後──

「着いたわよ」

「太平洋遊園地?」

「久しぶりでしょ?」

「うん。十三年ぶり。今日何かイベントでもやってるの?」  

「特にはやってないわよ。ただ、久しぶりに行きたいと思ってね。こういう遊園地って、一人じゃ行きにくいからね」

「だったら、友達と行けばよかったんじゃない?」

「ん~そうなんだけど、私の友達って、絶叫系とか苦手な人多くてね」

「そうなんだ。でも、大丈夫なの?昨日お酒、飲んでたんでしょ?あたしもだけど」

「大丈夫よ!そんな大して、飲んでないから。さあ、中に入って、ジャンジャン乗るわよ!」

「・・・・・・うん」

 数時間後──

「ごめん、休ませて」

 ベンチに座って、下をうつ向きながら、気持ち悪そうに真知が言う。

「・・・・・・だから、言ったのに!」

「はあ~歳かしらねぇ」

「・・・・・・口に何か入りそう?」
 
「・・・・・・うん」

「じゃあ、コーラ買ってくる?」

「そうね・・・・・・お願い」

「じゃあ、行ってくるね」

「・・・・・・うん。ありがとう」

 しばらくして──

 幸はコーラを自分の分も含め、二本持って歩いていた。すると、

「おじちゃん。大丈夫?」

「あ~ごめん。しばらく無理かも」

 幸はベンチに座ってる小学生くらいの男の子と気分が悪そうな二十代後半くらいの男性に目が入った。
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