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第五十五話 嘘偽りないか?

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 少し時を遡ること数十分前──

「何を仕掛けたんだ!」

「さっきいた森を通ることでゴーレムと土狼がでてくるようにした。まあ、ある意味賭けに近いものだったが・・・・・・仕掛けて正解だった。今になって発動したからな」

「発動したか、分かるのか?」

「ああ、そういう仕組みになってる」

「そのゴーレムと土狼は、お前が死んだら、消えるのか?」

「いや、発動する前ならともかく、発動したら、その後、三時間は俺が死んでも、消えることはない」

「そうか・・・・・・はなから、素直に逃がすつもりはなかったのか・・・・・・」

「ったりめぇだろ?俺らの顔を知られた以上、生きて帰す理由はねえし、てめぇも俺らを騙したろ?」

 ギターノがニヤリと笑う。

「・・・・・・そうだな。俺も人のことを言えた義理じゃねぇな」

 ヒロキはギターノを睨むように見る。 

「・・・・・・お前らは今まで何人を殺してきた?」

「あ?そうだな・・・・・・分からねえ。数えたことねえし、そんなの気にしたことがねえ」

「そうか・・・・・・じゃあ、なぜ人里を襲う?」

「そりゃあ、おもしれぇからよ。人を殺すのも、女を犯すのも、奪うのもよぉ。なあ?」

 ギターノが弟達に目配せすると、弟達も笑みを浮かべながら、

「だな」

「ああ」

 と言いながら、弟達は頷く。
 
「・・・・・・それは嘘偽りないか?」

「ねえよ。そんなこと、わざわざ嘘ついて何になる?」

「そうか、そりゃあよかった」

「?」

 正直、これだけは使いたくなかったが、しかたねえか・・・・・・と思いながら、指で左腕に文字を書く。

 



 






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