自分では満足出来ない旦那様へ

りこりー

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第一章

捩じ切れる感情

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 商会に着くと受付が自分の顔を見て、明らかに慌てていた。何をそんなに慌てることがあるのかしら?まさか何か横領とかやってるのかと目線が鋭くなる。とりあえず、ベンジャミンに会わなくてはと奥の執務室へ向かう。

 向かってる間も従業員が慌ててお茶でもどうか?この商品の売り上げがどうのとどうにか引き留めようとしてくる。

 怪しい、明らかに執務室で何かある。思いたくはないが、ベンジャミンが何か加担しているのだろうか。嫌な考えが浮かぶ。

 なんとか従業員の引き留めと嫌な考えを振り払い、執務室の前へとやってきた。もちろん、ダニエルもいる。ダニエルは何か感じ取っているようで明らかに不機嫌だった。

 ノックしようとしたけれど、ダニエルがそれを止めた。そのまま行こうと消えるような小声で語りかけてきた。確実に証拠を取ろうってことなんだと分かって静かに頷いた。

「ベン、もっとよぉ…あれ?奥様にバレちゃったみたいね、ふふっ」

「え?キャシー…え?なんで?」

 ドアを開けた瞬間、自分の世界は一瞬にして凍り付いた。

 乱れた服装で交わう二人。部屋の中には、何回も交わったことを表すように嗅いだことのない生々しい匂いがたちこめていた。

 とろんとした悦に浸った表情で見つめるこの女は誰?

 慌てて交わうのを止めたけれど、私は見逃さなかった。

 自分は見たことのない膨張した状態のベンジャミンの物。

 息が出来ず、空気を吸い込んでるいるのに苦しい。

 胸が痛い。何かの鈍器で殴られたようだ。

 なんなの?これはなに?どういうこと?

 私で勃たないくせに、その女には反応するの?

「ひっ、ひっ」

「キャシー?大丈夫?おい、キャシー!!」

 過呼吸を起こし、上手く息が出来ない。薄れゆく意識の中でずっとダニエルの声が聞こえる。ぎゅうと抱きしめられて安心した自分は意識を完全に手放した。
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