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第二章
黙っていろと言う事
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数日後、公爵家から大量のお金が振り込まれた。手紙も何もない。これは、黙って受け取って何も言うなという圧力だろう。
そのお金を持っているのも怖かったし、さっさと使ってしまう事にした。やってみたかった薬草事業。莫大なお金がかかる為、諦めていた事業だった。しかし、これが当たれば商会としても一層上を目指せる。
さっそくそのお金で薬草の買い占めと薬学士を雇い、医療や薬に自分の商会の名を売り出した。
すぐに効果は出始めて、三か月もすると薬学の方でかなりの進展があり、初めて子供用の薬の開発と大きな熊さえ一発で殺せる毒薬の開発に成功した。元々薬草事業する所が少なかったのが良かったのだと思う。なんだかんだベンジャミンも役に立ってくれたのねと思う様にしている。
「じゃ、結婚式は盛大にしよう」
「ダニー、結婚式はあげないわよ?もう一回あげているし、ウェデングドレスに何も興味ないもの」
「えーなんでさ、僕はキャシーのウェデングドレスをもう一度見たいよ?僕の奥さんとしてのウェデングドレスを」
「だって…貴族も来るのよ?貴方が何か言われたら私毒薬をばら撒いてしまうかもしれないわ」
「え?僕の奥さん、怖いなぁ」
そんな笑い話も出る家の中に幸せを感じ、使用人達もそんな二人を暖かな視線を送ってくれている。ララなんか、早く一緒になって下さいなと毎日言ってくるくらいだ。
私も早くそうしたいわと痛む腰を擦りながら今日も商会へと足を向けた。
「あんたさっきから腰擦ってるけど大丈夫かい?」
目の前にどんっと広がる豊かな胸元にびっくりして視線をあげた。際どい洋服を見る限り、どこかの娼婦みたいだった。隣の男は客だろうか。腕を組みながら、自分の腰をトントンと叩いてくれる。
「えぇ、大丈夫ですから…」
旦那に腰砕けにされて腰が痛いんですとは口が裂けても言えない。羞恥心で無理矢理笑顔を作って笑った。
「そう…あれ?あんた!覚えてる?私の事!」
「…あ!ローズさん!」
「やだ、こんな所で会うなんて運命じゃないのさ~」
彼女は、なんとかベンジャミンと閨を共にしたいと思っていた時に閨教育してくれた娼婦だった。娼婦なんてと皆が蔑んだ目を向ける中、彼女は逞しく、そして非常に美しい。
「どうなったの?旦那は!あたしのテクニックを教えて勃たない男なんて不能野郎よ」
「それが…」
事の真相をだいぶ端折って説明すると、もの凄く怒ってくれてなんだか恥ずかしい。ただの教え子というだけで、そこまで深い仲じゃないのに自分の事のように怒ってくれるローズにくすぐったさを覚えた。
そもそも、最初から姉貴分というか彼女は面倒見がいいのだ。だから、説明も分かりやすかったし、恥ずかしいはずの閨教育も冗談を混ぜて素直に受けることができた。
「なんだかすいません、無駄になってしまったようで…」
「何言ってんのさ。浮気する男はね、一生するのよ。何度も繰り返す。病気よ、あれは」
「そうなんですね…気を付けます!」
「あはは!でも、今のあんたは良い顔してるじゃない?愛されてんだろ?今の男に」
「へぁ!?…まぁ、その…」
「やだね~生娘でもあるまいし、初心な反応しちゃって!ま、またなにかあったら言いなよ!」
胸元の鬱血痕を指差しながら、ニヤニヤしてるローズはバシバシと自分の背中を叩いたあとにご機嫌でその場を後にした。嵐のような人だったな…なんだか疲れた。
そのお金を持っているのも怖かったし、さっさと使ってしまう事にした。やってみたかった薬草事業。莫大なお金がかかる為、諦めていた事業だった。しかし、これが当たれば商会としても一層上を目指せる。
さっそくそのお金で薬草の買い占めと薬学士を雇い、医療や薬に自分の商会の名を売り出した。
すぐに効果は出始めて、三か月もすると薬学の方でかなりの進展があり、初めて子供用の薬の開発と大きな熊さえ一発で殺せる毒薬の開発に成功した。元々薬草事業する所が少なかったのが良かったのだと思う。なんだかんだベンジャミンも役に立ってくれたのねと思う様にしている。
「じゃ、結婚式は盛大にしよう」
「ダニー、結婚式はあげないわよ?もう一回あげているし、ウェデングドレスに何も興味ないもの」
「えーなんでさ、僕はキャシーのウェデングドレスをもう一度見たいよ?僕の奥さんとしてのウェデングドレスを」
「だって…貴族も来るのよ?貴方が何か言われたら私毒薬をばら撒いてしまうかもしれないわ」
「え?僕の奥さん、怖いなぁ」
そんな笑い話も出る家の中に幸せを感じ、使用人達もそんな二人を暖かな視線を送ってくれている。ララなんか、早く一緒になって下さいなと毎日言ってくるくらいだ。
私も早くそうしたいわと痛む腰を擦りながら今日も商会へと足を向けた。
「あんたさっきから腰擦ってるけど大丈夫かい?」
目の前にどんっと広がる豊かな胸元にびっくりして視線をあげた。際どい洋服を見る限り、どこかの娼婦みたいだった。隣の男は客だろうか。腕を組みながら、自分の腰をトントンと叩いてくれる。
「えぇ、大丈夫ですから…」
旦那に腰砕けにされて腰が痛いんですとは口が裂けても言えない。羞恥心で無理矢理笑顔を作って笑った。
「そう…あれ?あんた!覚えてる?私の事!」
「…あ!ローズさん!」
「やだ、こんな所で会うなんて運命じゃないのさ~」
彼女は、なんとかベンジャミンと閨を共にしたいと思っていた時に閨教育してくれた娼婦だった。娼婦なんてと皆が蔑んだ目を向ける中、彼女は逞しく、そして非常に美しい。
「どうなったの?旦那は!あたしのテクニックを教えて勃たない男なんて不能野郎よ」
「それが…」
事の真相をだいぶ端折って説明すると、もの凄く怒ってくれてなんだか恥ずかしい。ただの教え子というだけで、そこまで深い仲じゃないのに自分の事のように怒ってくれるローズにくすぐったさを覚えた。
そもそも、最初から姉貴分というか彼女は面倒見がいいのだ。だから、説明も分かりやすかったし、恥ずかしいはずの閨教育も冗談を混ぜて素直に受けることができた。
「なんだかすいません、無駄になってしまったようで…」
「何言ってんのさ。浮気する男はね、一生するのよ。何度も繰り返す。病気よ、あれは」
「そうなんですね…気を付けます!」
「あはは!でも、今のあんたは良い顔してるじゃない?愛されてんだろ?今の男に」
「へぁ!?…まぁ、その…」
「やだね~生娘でもあるまいし、初心な反応しちゃって!ま、またなにかあったら言いなよ!」
胸元の鬱血痕を指差しながら、ニヤニヤしてるローズはバシバシと自分の背中を叩いたあとにご機嫌でその場を後にした。嵐のような人だったな…なんだか疲れた。
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