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第三十夜 背徳の宴 前編
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鮎川家の当主になってしまった夜を終えて、朝日を浴びた。
随分と久しぶりかもしれない、朝日をこうして浴びる事すら満足にできなかったから──。
昨夜の淫楽の時間の濃密さを思い出し、身震いをした。
今、俺はダブルサイズのベッドの上で起き上がり、眩しそうに太陽を仰いだ。
こんな当たり前の事ができるって事は実は幸せな事だと心底、身に沁みて想う──。
叫び声も、不平不満も、苛立ちも無い静かな部屋──心が落ち着く。
すると──
「旦那様──お着替えをお持ちしました」
亜美さんの声が聞こえた。
彼女は会釈をすると着替えを持ち、俺の部屋に入ってきた。
表情はどことなく明るいし、彼女も嬉しそうな空気を出していた。
「おはよう。亜美」
「おはようございます、旦那様」
「……何か変な感覚だね。こんな風に挨拶を交わしたのは初めてだよ」
「今に慣れます。でも……初々しい旦那様って素敵です」
「直美は?」
「まだ、お眠りになっております」
「昨夜は本当に限界まで彼女を酷使してしまったからね。寝かせておいてあげよう」
「──はい」
「あれから日が昇ったけどあいつら、きちんと集落を見つけたのだろうか?」
「気がかりですよね」
「太陽があるだけでだいぶマシになると思うんだが……」
「その時が来るまでは少なくとも松下様は鮎川家の旦那様です」
着替えながらそんな会話を交わす。
白いシャツに灰色のズボン、灰色のチョッキを着て、軽く髪の毛を梳かす。
身支度が終わると亜美さんは食堂へ案内してくれた。
朝の『黒猫館』はそれでも薄暗い。
まるで永遠に晴れない宵闇に包まれているかのようなそんな雰囲気だ。
食堂に来ると和食が運ばれてくる。
白いご飯に、鮎の焼き魚に、味噌汁に、ほうれん草のおひたしに、沢庵。
落ち着くな、こういう食事は。
洋食も悪くないが、やはり和食は落ち着く。
そうして朝食を摂っていると雪菜さんも遅れて食堂に現れる。
彼女は俺のすぐ横のテーブルに座ると出された朝食を上品に食べる。
食事風景は品のある人物なのに、夜になると一気に淫らになる落差は観ていて飽きない。
朝食を終えると、庭へ出て、彼らが来ないかと遠くの景色をぼんやり眺めた。
いつの間にか地面の雪は溶けかけていた。そして風も暖かい。春の足音が近づいている事に痛感する──そんな長い間、地下の世界に居たのか──と痛感していた。
そうして穏やかな昼の時間を終えて──また狂った性の狂宴が始まる──。
「旦那様ぁ、旦那様ぁ──私を抱いてぇ……」
「君がまた昨夜みたいに何回も逝ったらね」
「──そんな……」
直美は絶対に俺に抱かれたがる。真っ先に、そして捕らえたら離さない蛇のような女だ。
だから、わざと放って置いて、雪菜さんと亜美さんとで愉しむ。
見せつけてするまぐわいの愉しさは数倍の快楽を俺に与える──頭が常に快楽の事しか考えられなくなる程に。
雪菜さんも熱烈に俺に奉仕をする。
亜美さんも久しぶりに俺とする愛の交換に喜び、俺の息子に接吻をして自らも指で花びらを刺激していた──。
直美は実は今は椅子に荒縄で拘束して、下半身を露出させて両手両足を固定してある。
散々、俺のことを性行為で殺そうとしたんだ。屈辱的な仕打ちはこれくらいでは終わらせはしない──!
俺と亜美さんは見せつけるようなセックスに溺れていく──。
亜美さんを全裸で直美に見えるように俺に座らせて、嗜虐的な視線を送りながら、亜美さんの花びらを穿つ。
亜美さんは俺の顔を手で寄せて、激しい接吻をしながら、腰を艶めく動かし、花びらから綺麗な液を零していく。
呼応するように直美の花びらから快楽を求める蜜が溢れ出す。
自分自身でそれをなぐさめる事が出来ないのは苦痛だろう──その苦痛を味あわせてやる……!
「直美? どうだい? お前もこうされたいだろう?」
「旦那様に抱かれたい……! もう──疼いて、疼いて、仕方ないのぉ!」
「──暫く、その地獄に喘いでいろ」
腰を大きく動かし、更に奥へ入れると亜美さんは綺麗に喘いで自らの快楽の為に自分自身も腰を動かす。
頬を赤くしながらそれをする亜美さんが可愛らしい。
「そんな──気持ちいい──気持ちいいっ! 旦那様に抱かれるのがこんなに気持ちいいなんて」
「もっと催促してごらん? この際だから君の今までの疼きを晴らして」
「向かい合わせに座らせてください──旦那様」
「ああ」
亜美さんが向かい合わせの座位になると俺の唇を舐めるように重ねて──両腕を肩に絡めて、腰を動かす。
俺も中を掻き回すように腰を回して、彼女の快楽を操る。
傍目では雪菜さんが床に座って、俺と亜美さんのセックスを観て、興奮して自慰に耽る──。
直美は堂々と見せつける俺達のまぐわいで、更に白い液が溢れる。
懇願する──執拗に。
「抱いてぇ、旦那様ぁ。きちんと奉仕をするから私も抱いてぇ……」
「その態度、気に喰わないな」
俺は亜美さんとまぐわいながら直美を叱りつける。
「いくら元女主人と言えど特別扱いはしないぞ。人にものを頼む時は礼節を尽くすべきだと思うね」
「言葉にすら気をつけられない女を抱くなんて冗談キツイね」
亜美さんはその間も激しく唇を重ねて、潤んだ瞳で俺を見つめて、腰を動かす。
「アン! あハァ! 旦那様ぁ…旦那様ぁ…気持ちいいです……旦那様が好きっ」
「ウン…ウフゥ…俺も好きだよ……亜美」
対照的な扱いの直美と亜美さんを見つめて、雪菜さんはその夜は、亜美の為に自慰でその身体の疼きを晴らしていく。
「アアッ! あハァ! 旦那様ぁ──っ!」
亜美さんの絶頂に合わせて、俺も愛の塊を花びらへ一気に注ぎ込む。
──背徳の宴はまだ、これからだ。
随分と久しぶりかもしれない、朝日をこうして浴びる事すら満足にできなかったから──。
昨夜の淫楽の時間の濃密さを思い出し、身震いをした。
今、俺はダブルサイズのベッドの上で起き上がり、眩しそうに太陽を仰いだ。
こんな当たり前の事ができるって事は実は幸せな事だと心底、身に沁みて想う──。
叫び声も、不平不満も、苛立ちも無い静かな部屋──心が落ち着く。
すると──
「旦那様──お着替えをお持ちしました」
亜美さんの声が聞こえた。
彼女は会釈をすると着替えを持ち、俺の部屋に入ってきた。
表情はどことなく明るいし、彼女も嬉しそうな空気を出していた。
「おはよう。亜美」
「おはようございます、旦那様」
「……何か変な感覚だね。こんな風に挨拶を交わしたのは初めてだよ」
「今に慣れます。でも……初々しい旦那様って素敵です」
「直美は?」
「まだ、お眠りになっております」
「昨夜は本当に限界まで彼女を酷使してしまったからね。寝かせておいてあげよう」
「──はい」
「あれから日が昇ったけどあいつら、きちんと集落を見つけたのだろうか?」
「気がかりですよね」
「太陽があるだけでだいぶマシになると思うんだが……」
「その時が来るまでは少なくとも松下様は鮎川家の旦那様です」
着替えながらそんな会話を交わす。
白いシャツに灰色のズボン、灰色のチョッキを着て、軽く髪の毛を梳かす。
身支度が終わると亜美さんは食堂へ案内してくれた。
朝の『黒猫館』はそれでも薄暗い。
まるで永遠に晴れない宵闇に包まれているかのようなそんな雰囲気だ。
食堂に来ると和食が運ばれてくる。
白いご飯に、鮎の焼き魚に、味噌汁に、ほうれん草のおひたしに、沢庵。
落ち着くな、こういう食事は。
洋食も悪くないが、やはり和食は落ち着く。
そうして朝食を摂っていると雪菜さんも遅れて食堂に現れる。
彼女は俺のすぐ横のテーブルに座ると出された朝食を上品に食べる。
食事風景は品のある人物なのに、夜になると一気に淫らになる落差は観ていて飽きない。
朝食を終えると、庭へ出て、彼らが来ないかと遠くの景色をぼんやり眺めた。
いつの間にか地面の雪は溶けかけていた。そして風も暖かい。春の足音が近づいている事に痛感する──そんな長い間、地下の世界に居たのか──と痛感していた。
そうして穏やかな昼の時間を終えて──また狂った性の狂宴が始まる──。
「旦那様ぁ、旦那様ぁ──私を抱いてぇ……」
「君がまた昨夜みたいに何回も逝ったらね」
「──そんな……」
直美は絶対に俺に抱かれたがる。真っ先に、そして捕らえたら離さない蛇のような女だ。
だから、わざと放って置いて、雪菜さんと亜美さんとで愉しむ。
見せつけてするまぐわいの愉しさは数倍の快楽を俺に与える──頭が常に快楽の事しか考えられなくなる程に。
雪菜さんも熱烈に俺に奉仕をする。
亜美さんも久しぶりに俺とする愛の交換に喜び、俺の息子に接吻をして自らも指で花びらを刺激していた──。
直美は実は今は椅子に荒縄で拘束して、下半身を露出させて両手両足を固定してある。
散々、俺のことを性行為で殺そうとしたんだ。屈辱的な仕打ちはこれくらいでは終わらせはしない──!
俺と亜美さんは見せつけるようなセックスに溺れていく──。
亜美さんを全裸で直美に見えるように俺に座らせて、嗜虐的な視線を送りながら、亜美さんの花びらを穿つ。
亜美さんは俺の顔を手で寄せて、激しい接吻をしながら、腰を艶めく動かし、花びらから綺麗な液を零していく。
呼応するように直美の花びらから快楽を求める蜜が溢れ出す。
自分自身でそれをなぐさめる事が出来ないのは苦痛だろう──その苦痛を味あわせてやる……!
「直美? どうだい? お前もこうされたいだろう?」
「旦那様に抱かれたい……! もう──疼いて、疼いて、仕方ないのぉ!」
「──暫く、その地獄に喘いでいろ」
腰を大きく動かし、更に奥へ入れると亜美さんは綺麗に喘いで自らの快楽の為に自分自身も腰を動かす。
頬を赤くしながらそれをする亜美さんが可愛らしい。
「そんな──気持ちいい──気持ちいいっ! 旦那様に抱かれるのがこんなに気持ちいいなんて」
「もっと催促してごらん? この際だから君の今までの疼きを晴らして」
「向かい合わせに座らせてください──旦那様」
「ああ」
亜美さんが向かい合わせの座位になると俺の唇を舐めるように重ねて──両腕を肩に絡めて、腰を動かす。
俺も中を掻き回すように腰を回して、彼女の快楽を操る。
傍目では雪菜さんが床に座って、俺と亜美さんのセックスを観て、興奮して自慰に耽る──。
直美は堂々と見せつける俺達のまぐわいで、更に白い液が溢れる。
懇願する──執拗に。
「抱いてぇ、旦那様ぁ。きちんと奉仕をするから私も抱いてぇ……」
「その態度、気に喰わないな」
俺は亜美さんとまぐわいながら直美を叱りつける。
「いくら元女主人と言えど特別扱いはしないぞ。人にものを頼む時は礼節を尽くすべきだと思うね」
「言葉にすら気をつけられない女を抱くなんて冗談キツイね」
亜美さんはその間も激しく唇を重ねて、潤んだ瞳で俺を見つめて、腰を動かす。
「アン! あハァ! 旦那様ぁ…旦那様ぁ…気持ちいいです……旦那様が好きっ」
「ウン…ウフゥ…俺も好きだよ……亜美」
対照的な扱いの直美と亜美さんを見つめて、雪菜さんはその夜は、亜美の為に自慰でその身体の疼きを晴らしていく。
「アアッ! あハァ! 旦那様ぁ──っ!」
亜美さんの絶頂に合わせて、俺も愛の塊を花びらへ一気に注ぎ込む。
──背徳の宴はまだ、これからだ。
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