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契約更新
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早速、以前ゴルマフに連れてこられたビルへ四人でやってきた。
「街の中心地じゃないですか。こんな立派なビルまで……」
「確か、マスルク商会だったな」
「よく聞く商会ですね。奴隷商だけでなく、不動産なども扱っていたりと手広くやっている印象があります」
奴隷商だけじゃなかったのか。相当儲けていそうだな。
建物の中に入ると綺麗なお姉さんが対応してくれた。
「ナカムラ様、本日はお越しくださりありがとうございます」
一度しか来てないのにこんな人まで名前を覚えているのか。
「今日は奴隷の譲渡を行ってもらいたい」
「畏まりました。こちらへどうぞ」
エレベータに乗せられて十階で降りる。廊下が左右に伸びていて、左に進んでひとつ目の部屋に通された。縦に長い部屋だ。
中央には長テーブル。そして、それを挟んで五人ほどがかけられる黒のソファーが置いてあった。
そこに座って待っていると奥のドアから執事服を着た男がカートを押して入ってくる。テーブルの近くでカートを止めると一礼。カップをテーブルの上に置いて飲み物を注ぎだす。このサービスは前に来た時もあったな。
執事服の男が仕事を終えて部屋から出て行くの見送り、カップに口をつけた。うん、覚えのあるハーブティだ。
それから少しして再びドアが開く。入ってきたのはゴルマフだった。
「ナカムラ様、お待たせいたしました」
いつもここにいるのか。ゴルマフから下っ端オーラはまったく感じられない。客対応を考えればビルにこもっておくのが正解なのかもな。
「それでは早速、奴隷譲渡の手続きに入りたいと思いますが」
「私ですね。ほら、師匠も」
「まだご主人様だ」
ふたりは立ち上がるとゴルマフに左手をとられる。すると、鎖でつながれた鉄っぽい腕輪が現れた。続けてその鎖が断ち切られ、腕輪もろとも消え去った。
「これでお二人の奴隷関係は解消されました」
「師匠としか呼べなくなりましたね」
「ローダセン様と呼べ」
おっぱいの名前か。そういえば知らなかった。
次は俺の番だな。
「俺の死後、ビオラはローダセンへ譲渡されるようにしようと思うが、ふたりともそれで構わないな?」
「私に断る理由はない」
「いきなりですね。普通は信用を得た奴隷相手にするものでは?」
「俺を殺すつもりでもあるのか?」
「そんなことしませんけど」
「なら問題ない」
「はあ、そうですか」
これで少しは罪悪感が減るというもの。俺が死んだら死ぬとかあまりにもな。
「プリムラは解放でいいか?」
「このままでいい」
「……」
「何か問題あるの?」
「いや、別に……」
プリムラの考えることはよくわからない。ひとつ咳をしてゴルマフに頼む。
「そういうことだ」
「はい、畏まりました」
俺とビオラの間に鎖がつながると、ローダセンとビオラの間にも再び鎖がつながった。
「これでナカムラ様の死後、ローダセン様の元に奴隷が譲渡されます」
魔法なんだろうけれど、よく考えなくても不思議だ。
「すまないが今日はこれだけだ。いくらになる」
「いえいえ、お代は結構でございます」
こういう場合は払わせてくれたほうが気楽なのだが。つまらない用事で相手をさせたのもあるし、のることにしよう。
「助かる。入用になったらまら来る」
「はい、お待ちしています」
用は済んだので四人でビルを出た。
「俺たちは買い物をしてから帰ろうと思っているが」
ビオラの生活に必要な諸々もあるし。
「私は帰る。ここでお別れだ」
「あ、師匠。私が使っていた工具をそのまま使いたいんですけど」
そうか、おっぱい、もといローダセンの奴隷だった以上、その時の持ち物はビオラではなくローダセンの物になるのか。
「餞別だ。持って行って好きに使え」
「太っ腹ですね。ありがとうございます」
ローダセンは背を向けて歩いていった。男前でい良い性格をしている。
「さて、まずはビオラの服か」
「別につなぎでいいですよ。あ、でも二着は欲しいです」
正直、つなぎも悪くない。上をはだけさせて、下にタンクトップでも着れば最高だ。しかし、もっとエロい、じゃなくて似合う服をご主人様としては選んでやるべきだろう。
「それにしても、プリムラが奴隷だったとは思いませんでした。てっきり奥さんかと」
お、奥さんって……そんなにラブラブな空気出てた?
「良い服も着ていますし、大事にされているのがわかります」
「ビオラのことも大事にする」
「直球で恥ずかしいことを言いますね」
「……」
確かに。こんな恥ずかしいことをさらっと言ってしまうだなんて。プリムラといちゃいちゃすることでイケメン度が上がってしまったのか? 調子に乗ってるとも言うな。
プリムラを見るといつものジト目。今の俺にはわかる。ビオラのことを大事にすると言ったからだ。つまり、嫉妬と見た。いやぁ、モテる男は辛い。
相手が奴隷ということを考えればぬか喜びの可能性が非常に高いけれど。プリムラの腰を抱き寄せてキスをしてみた。
「んっ……」
軽く反応は返ってきたが、胸を押されてストップをかけられる。
「こんなところでするものじゃ、ないでしょ。続きは戻ってからしてあげる」
プリムラはそう言って俺の股間を握り、頬にキスをしてきた。俺のツボを心得ていらっしゃる。
「見せつけますね」
「ビオラにもしてもらうが」
「あー、まあそうなりますか。お手柔らかにお願いします」
お手柔らかにとは難しいことを。興奮マックスで今すぐにも帰りたいが、とにかく買い物だ。先に下着としゃれ込もう。
「街の中心地じゃないですか。こんな立派なビルまで……」
「確か、マスルク商会だったな」
「よく聞く商会ですね。奴隷商だけでなく、不動産なども扱っていたりと手広くやっている印象があります」
奴隷商だけじゃなかったのか。相当儲けていそうだな。
建物の中に入ると綺麗なお姉さんが対応してくれた。
「ナカムラ様、本日はお越しくださりありがとうございます」
一度しか来てないのにこんな人まで名前を覚えているのか。
「今日は奴隷の譲渡を行ってもらいたい」
「畏まりました。こちらへどうぞ」
エレベータに乗せられて十階で降りる。廊下が左右に伸びていて、左に進んでひとつ目の部屋に通された。縦に長い部屋だ。
中央には長テーブル。そして、それを挟んで五人ほどがかけられる黒のソファーが置いてあった。
そこに座って待っていると奥のドアから執事服を着た男がカートを押して入ってくる。テーブルの近くでカートを止めると一礼。カップをテーブルの上に置いて飲み物を注ぎだす。このサービスは前に来た時もあったな。
執事服の男が仕事を終えて部屋から出て行くの見送り、カップに口をつけた。うん、覚えのあるハーブティだ。
それから少しして再びドアが開く。入ってきたのはゴルマフだった。
「ナカムラ様、お待たせいたしました」
いつもここにいるのか。ゴルマフから下っ端オーラはまったく感じられない。客対応を考えればビルにこもっておくのが正解なのかもな。
「それでは早速、奴隷譲渡の手続きに入りたいと思いますが」
「私ですね。ほら、師匠も」
「まだご主人様だ」
ふたりは立ち上がるとゴルマフに左手をとられる。すると、鎖でつながれた鉄っぽい腕輪が現れた。続けてその鎖が断ち切られ、腕輪もろとも消え去った。
「これでお二人の奴隷関係は解消されました」
「師匠としか呼べなくなりましたね」
「ローダセン様と呼べ」
おっぱいの名前か。そういえば知らなかった。
次は俺の番だな。
「俺の死後、ビオラはローダセンへ譲渡されるようにしようと思うが、ふたりともそれで構わないな?」
「私に断る理由はない」
「いきなりですね。普通は信用を得た奴隷相手にするものでは?」
「俺を殺すつもりでもあるのか?」
「そんなことしませんけど」
「なら問題ない」
「はあ、そうですか」
これで少しは罪悪感が減るというもの。俺が死んだら死ぬとかあまりにもな。
「プリムラは解放でいいか?」
「このままでいい」
「……」
「何か問題あるの?」
「いや、別に……」
プリムラの考えることはよくわからない。ひとつ咳をしてゴルマフに頼む。
「そういうことだ」
「はい、畏まりました」
俺とビオラの間に鎖がつながると、ローダセンとビオラの間にも再び鎖がつながった。
「これでナカムラ様の死後、ローダセン様の元に奴隷が譲渡されます」
魔法なんだろうけれど、よく考えなくても不思議だ。
「すまないが今日はこれだけだ。いくらになる」
「いえいえ、お代は結構でございます」
こういう場合は払わせてくれたほうが気楽なのだが。つまらない用事で相手をさせたのもあるし、のることにしよう。
「助かる。入用になったらまら来る」
「はい、お待ちしています」
用は済んだので四人でビルを出た。
「俺たちは買い物をしてから帰ろうと思っているが」
ビオラの生活に必要な諸々もあるし。
「私は帰る。ここでお別れだ」
「あ、師匠。私が使っていた工具をそのまま使いたいんですけど」
そうか、おっぱい、もといローダセンの奴隷だった以上、その時の持ち物はビオラではなくローダセンの物になるのか。
「餞別だ。持って行って好きに使え」
「太っ腹ですね。ありがとうございます」
ローダセンは背を向けて歩いていった。男前でい良い性格をしている。
「さて、まずはビオラの服か」
「別につなぎでいいですよ。あ、でも二着は欲しいです」
正直、つなぎも悪くない。上をはだけさせて、下にタンクトップでも着れば最高だ。しかし、もっとエロい、じゃなくて似合う服をご主人様としては選んでやるべきだろう。
「それにしても、プリムラが奴隷だったとは思いませんでした。てっきり奥さんかと」
お、奥さんって……そんなにラブラブな空気出てた?
「良い服も着ていますし、大事にされているのがわかります」
「ビオラのことも大事にする」
「直球で恥ずかしいことを言いますね」
「……」
確かに。こんな恥ずかしいことをさらっと言ってしまうだなんて。プリムラといちゃいちゃすることでイケメン度が上がってしまったのか? 調子に乗ってるとも言うな。
プリムラを見るといつものジト目。今の俺にはわかる。ビオラのことを大事にすると言ったからだ。つまり、嫉妬と見た。いやぁ、モテる男は辛い。
相手が奴隷ということを考えればぬか喜びの可能性が非常に高いけれど。プリムラの腰を抱き寄せてキスをしてみた。
「んっ……」
軽く反応は返ってきたが、胸を押されてストップをかけられる。
「こんなところでするものじゃ、ないでしょ。続きは戻ってからしてあげる」
プリムラはそう言って俺の股間を握り、頬にキスをしてきた。俺のツボを心得ていらっしゃる。
「見せつけますね」
「ビオラにもしてもらうが」
「あー、まあそうなりますか。お手柔らかにお願いします」
お手柔らかにとは難しいことを。興奮マックスで今すぐにも帰りたいが、とにかく買い物だ。先に下着としゃれ込もう。
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