37 / 116
第三章 出会いと契約
第6話 危ない橋
しおりを挟む
急遽集められた参謀達に事情を説明すると、やはりと言うべきか困惑の声が上がった。
正直なところグーシュ皇女が五日後に来ることでそこまで基本的な計画に支障があるわけではないが、情報参謀と諜報課課長の二人がグーシュ皇女の行動を全く予期できなかったことが問題だった。
「言っておきますが、殺大佐と猫少佐が悪いって問題ではないです。むしろ逆です。二人ほどの専門家でも行動を予期できないような人物を、果たして今後の協力相手にしていいのかということです」
外務参謀のミラー大佐が一木に告げる。
一木としては異論はなかった。以前の報告からも、行動が読めない人物だとはわかっていたからだ。
「ミラー大佐の言うことにはおおむね同意するけど、自分の考えはちょっと違うな」
一木の発言を聞いてミラー大佐が怪訝な表情を浮かべた。
ミラー大佐は行動が予期できない事を問題視しているが、一木としては問題の本質は別の所にあると考えていた。
「殺大佐達が今回の判断材料としたのは、ミルシャっていうお付きの騎士の事を皇女様が溺愛していて、彼女を危険にさらすような政治的役割からは距離を置くと思っていたからだ。そうだろう殺大佐?」
一木の言葉にむっつりとした表情で殺大佐が頷く。
それを聞いて、ミラー大佐も察したようだった。
「つまり一木司令は、行動を読めない皇女様の唯一理解できる行動原理であるミルシャっていう騎士が、皇女様の手綱になりえないことを問題視しているのね?」
「そうですね……猫少佐の情報では、皇女様はミルシャっていう騎士を本当に大切にしている様子でした。ここまでなら、最悪人質にすることまで考慮に入れれば皇女様との交渉と協力を軸にするアイディアに問題はないと思ってたんですけど……いざとなればミルシャちゃんよりも自分のやりたいことを優先するとなると、鎖の繋がれていない猛犬と同じ……」
一木の発言に一同黙ってしまう。
グーシュ皇女を丸め込んで支援したうえで、皇太子一派との対立を煽り連邦への悪感情を抑えた上で帝国への影響力を持つ計画が、肝心の部分で危うくなってしまった。
もちろんグーシュ皇女が好奇心の強い人物だということは分かっているので、上手くほしいものを与えることでコントロールできないことはないだろうが、それでもいざという時に制御できる方法が欲しいところである。
騎士ミルシャがその役割を果たせないとなれば、グーシュ皇女擁立計画は命綱無しの綱渡りと同じ。
「とはいえ皇太子一派と交渉しても……」
「皇帝に訴えかければ……」
「皇帝が皇太子一派に逆らえない……」
「民衆会議を……」
「あいつら影響力ないし……」
意見が次々と出るが、堂々巡り。
皇太子一派との交渉ではまとまらず、武力衝突は避けがたい。そうなれば地球連邦は侵略者という立場に置かれることは避けられない。
皇帝との直接交渉はハードルが高い。普通の異世界なら航宙艦艇を帝都上空に並べて威圧すればいいのだが、結局地球連邦への感情悪化は避けられない。
この後北部や南部の属国との交渉や独立を餌にした支援、地方貴族をそそのかしての反乱誘発などの案も出されたが、正直現状でもオーバーワーク気味の諜報課をはじめとする現地工作部隊のキャパシティーを超える大がかりな調査が必要になる。
仮に奇跡的な情報収集力を発揮して、帝国中枢以外との交渉や支援を軸にするとしても問題がある。
一度降下してしまった状態で帝国との交渉と同時に、一歩間違えば大陸全土を全面戦争に巻き込むような危ない橋を渡ることは躊躇われた。
そもそもまとまった陸地に統一国家があるから交渉がスムーズに進むという理由で一個師団のみでこんな事をしているのに、わざわざ国家を分断させることに意味などない。
そんな停滞も深まったころ、帝都の城に帝弟の伝手で女官として潜入している猫少佐から通信が入った。
『一木司令。緊急事態です。皇太子一派がグーシュ皇女の暗殺を決定しました』
「確かなのか!?」
『皇太子は渋っていたようですが、近衛騎士のイツシズに押し切られた形です。私は暗殺計画の詳細を調べてきます』
そう言って猫少佐からの通信は途絶えた。
部屋にまたもや重苦しい空気が流れる。
こうなることはある程度分かっていたのだ。
なのになぜあの皇女様は表舞台に立つような事をしたのか。
グーシュが皇太子の事を信じている事や、基本的に判断全てを直感的にしている事を知らないこの部屋にいるアンドロイド達と一木にはそれがわからない。
無鉄砲な行動を天性の人たらしの才能とカリスマで補っているグーシュの本質は、人間が直接会うことでしか理解できない。
情報収集を現場から分析までアンドロイドに頼っている地球連邦にとって、目に見えぬ情報面の欠点だった。
そんな時だった。キュインという一木のモノアイが動く音がしたのは。
参謀達が一斉に一木を見る。
そのままモノアイをゆらゆら動かしていた一木は、何かを決心したように口を開いた。
「どうせ危ない橋を渡るなら、渡った時実入りが大きい橋を渡るか……」
「どういうことだ?」
一木の言葉に殺大佐が問いかける。
それに対し、一木は何かを決心したように答えた。
「暗殺計画を利用しよう。グーシュ皇女が殺される寸前で助けて、恩を売る」
一木の決断したが、その決断には当然の疑念が生じる。
ミラー大佐がその疑念を口にした。
「命を助けた恩があの皇女様に通じますかね?」
「正直怪しい……が、そもそもあの皇女様に限らず、人間をそこまでコントロールできるなんて考えが甘かった気がするんだよなあ……悩んでも仕方ない。ミルシャちゃん、助けた恩、欲しい物なんでもあげる。この三段構えで皇女様を懐柔して予定通りいこう」
かくして会議は終わる。
一木としてはこのような行き当たりばったりな決断は出来れば回避したかったが、一木の頭で思いつく方法などこの程度だった。
一部のすきもなく十手、二十手先を読むような作戦。いつかは考えてみたいものだ。
参謀達がそのあたりやってくれるのではと思っていたが、あの皇女様のような不確定要素が大きすぎる人間が絡んでくるとそのあたりが計算できなくなるようだ。
ジークに至っては軍事作戦じゃないからと半ば思考を放棄していた。
敵の師団を三分で壊滅させる作戦は考えられても、こういうことを考えるのは苦手なのだそうだ。
一木はそんな事を考えていると、猫少佐からショートメールが入った。
『イツシズは子爵領途中の橋を爆破してグーシュ皇女を殺害する計画』
爆殺……。さらに不確定要素がましたことに、一木のすでに無い胃がキリキリと痛み出した。
正直なところグーシュ皇女が五日後に来ることでそこまで基本的な計画に支障があるわけではないが、情報参謀と諜報課課長の二人がグーシュ皇女の行動を全く予期できなかったことが問題だった。
「言っておきますが、殺大佐と猫少佐が悪いって問題ではないです。むしろ逆です。二人ほどの専門家でも行動を予期できないような人物を、果たして今後の協力相手にしていいのかということです」
外務参謀のミラー大佐が一木に告げる。
一木としては異論はなかった。以前の報告からも、行動が読めない人物だとはわかっていたからだ。
「ミラー大佐の言うことにはおおむね同意するけど、自分の考えはちょっと違うな」
一木の発言を聞いてミラー大佐が怪訝な表情を浮かべた。
ミラー大佐は行動が予期できない事を問題視しているが、一木としては問題の本質は別の所にあると考えていた。
「殺大佐達が今回の判断材料としたのは、ミルシャっていうお付きの騎士の事を皇女様が溺愛していて、彼女を危険にさらすような政治的役割からは距離を置くと思っていたからだ。そうだろう殺大佐?」
一木の言葉にむっつりとした表情で殺大佐が頷く。
それを聞いて、ミラー大佐も察したようだった。
「つまり一木司令は、行動を読めない皇女様の唯一理解できる行動原理であるミルシャっていう騎士が、皇女様の手綱になりえないことを問題視しているのね?」
「そうですね……猫少佐の情報では、皇女様はミルシャっていう騎士を本当に大切にしている様子でした。ここまでなら、最悪人質にすることまで考慮に入れれば皇女様との交渉と協力を軸にするアイディアに問題はないと思ってたんですけど……いざとなればミルシャちゃんよりも自分のやりたいことを優先するとなると、鎖の繋がれていない猛犬と同じ……」
一木の発言に一同黙ってしまう。
グーシュ皇女を丸め込んで支援したうえで、皇太子一派との対立を煽り連邦への悪感情を抑えた上で帝国への影響力を持つ計画が、肝心の部分で危うくなってしまった。
もちろんグーシュ皇女が好奇心の強い人物だということは分かっているので、上手くほしいものを与えることでコントロールできないことはないだろうが、それでもいざという時に制御できる方法が欲しいところである。
騎士ミルシャがその役割を果たせないとなれば、グーシュ皇女擁立計画は命綱無しの綱渡りと同じ。
「とはいえ皇太子一派と交渉しても……」
「皇帝に訴えかければ……」
「皇帝が皇太子一派に逆らえない……」
「民衆会議を……」
「あいつら影響力ないし……」
意見が次々と出るが、堂々巡り。
皇太子一派との交渉ではまとまらず、武力衝突は避けがたい。そうなれば地球連邦は侵略者という立場に置かれることは避けられない。
皇帝との直接交渉はハードルが高い。普通の異世界なら航宙艦艇を帝都上空に並べて威圧すればいいのだが、結局地球連邦への感情悪化は避けられない。
この後北部や南部の属国との交渉や独立を餌にした支援、地方貴族をそそのかしての反乱誘発などの案も出されたが、正直現状でもオーバーワーク気味の諜報課をはじめとする現地工作部隊のキャパシティーを超える大がかりな調査が必要になる。
仮に奇跡的な情報収集力を発揮して、帝国中枢以外との交渉や支援を軸にするとしても問題がある。
一度降下してしまった状態で帝国との交渉と同時に、一歩間違えば大陸全土を全面戦争に巻き込むような危ない橋を渡ることは躊躇われた。
そもそもまとまった陸地に統一国家があるから交渉がスムーズに進むという理由で一個師団のみでこんな事をしているのに、わざわざ国家を分断させることに意味などない。
そんな停滞も深まったころ、帝都の城に帝弟の伝手で女官として潜入している猫少佐から通信が入った。
『一木司令。緊急事態です。皇太子一派がグーシュ皇女の暗殺を決定しました』
「確かなのか!?」
『皇太子は渋っていたようですが、近衛騎士のイツシズに押し切られた形です。私は暗殺計画の詳細を調べてきます』
そう言って猫少佐からの通信は途絶えた。
部屋にまたもや重苦しい空気が流れる。
こうなることはある程度分かっていたのだ。
なのになぜあの皇女様は表舞台に立つような事をしたのか。
グーシュが皇太子の事を信じている事や、基本的に判断全てを直感的にしている事を知らないこの部屋にいるアンドロイド達と一木にはそれがわからない。
無鉄砲な行動を天性の人たらしの才能とカリスマで補っているグーシュの本質は、人間が直接会うことでしか理解できない。
情報収集を現場から分析までアンドロイドに頼っている地球連邦にとって、目に見えぬ情報面の欠点だった。
そんな時だった。キュインという一木のモノアイが動く音がしたのは。
参謀達が一斉に一木を見る。
そのままモノアイをゆらゆら動かしていた一木は、何かを決心したように口を開いた。
「どうせ危ない橋を渡るなら、渡った時実入りが大きい橋を渡るか……」
「どういうことだ?」
一木の言葉に殺大佐が問いかける。
それに対し、一木は何かを決心したように答えた。
「暗殺計画を利用しよう。グーシュ皇女が殺される寸前で助けて、恩を売る」
一木の決断したが、その決断には当然の疑念が生じる。
ミラー大佐がその疑念を口にした。
「命を助けた恩があの皇女様に通じますかね?」
「正直怪しい……が、そもそもあの皇女様に限らず、人間をそこまでコントロールできるなんて考えが甘かった気がするんだよなあ……悩んでも仕方ない。ミルシャちゃん、助けた恩、欲しい物なんでもあげる。この三段構えで皇女様を懐柔して予定通りいこう」
かくして会議は終わる。
一木としてはこのような行き当たりばったりな決断は出来れば回避したかったが、一木の頭で思いつく方法などこの程度だった。
一部のすきもなく十手、二十手先を読むような作戦。いつかは考えてみたいものだ。
参謀達がそのあたりやってくれるのではと思っていたが、あの皇女様のような不確定要素が大きすぎる人間が絡んでくるとそのあたりが計算できなくなるようだ。
ジークに至っては軍事作戦じゃないからと半ば思考を放棄していた。
敵の師団を三分で壊滅させる作戦は考えられても、こういうことを考えるのは苦手なのだそうだ。
一木はそんな事を考えていると、猫少佐からショートメールが入った。
『イツシズは子爵領途中の橋を爆破してグーシュ皇女を殺害する計画』
爆殺……。さらに不確定要素がましたことに、一木のすでに無い胃がキリキリと痛み出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。
選んだ職業は“料理人”。
だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。
地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。
勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。
熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。
絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す!
そこから始まる、料理人の大逆転。
ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。
リアルでは無職、ゲームでは負け組。
そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる