77 / 116
第三章 出会いと契約
第19話ー2 盟約
しおりを挟む
グーシュの様子を見た一木は、なんとなく嫌な予感がして尋ねた。
「また、いかがわしい儀式なのか?」
「な、なにおう! 話姫の事を言っているのか? ルーリアトの文化をいかがわしいとはなんだ!」
怒るグーシュの姿を見て、一木はつい笑い声をあげた。
「ああ、申し訳なかった。ただ、今以上にヤバい状況になったらどうしようかとね」
「やばい状況?」
本気で分かっていない様子でグーシュが言ったので、一木は指摘した。
「ルーリアトではどうかわからないが、地球では未婚の、それも十代で全裸の少女と一緒にいるところを見られたら、社会的におしまいなんだよ」
一木がそう言うと、グーシュはニヤリと笑みを浮かべた。
「そうだったのか。失敗したな。それならこの状況を利用して一木を脅せばよかった。そうすればまわりくどい確認などせずとも、わらわの思い通りに事が進んだのにな」
「そんな事を言うな。どのみち、お互いに得るべきものは得たんだ。さあ、頼むよ」
一木が促すと、今度こそグーシュは目を瞑って、盟約の言葉を述べた。
「偉大なる人の母ハイタに誓う。我グーシュリャリャポスティは一木弘和の求めに従うことをここに誓う。おお、ハイタの偉大なる息子達、スート、シュー、ラフ、ヒーダ、ミュニス、オルド・ロー。我が誓い、我らが盟約、我らの願いを守護せよ。我いつの日か地球の地を統べんとす。その後地球の地より悪しき者ども一掃せん。我が願いの日々を守護せよ。我と一木の盟約に栄光あれ。ハイタ、スート、シュー、ラフ、ヒーダ、ミュニス、オルド・ロー……」
ハイタ……シュー。
一木にはどちらも聞き覚えのある言葉だった。
まさかルーリアトの神だったとは。
いよいよ調べなければならないだろう。例の白い少女の手掛かりとなるかもしれない。
一木がそんな決心をしていると、グーシュが一木の手を取り、自分の腹に手のひらを当てさせた。
やや高めの火照ったような体温と、柔らかいぷにぷにとした感覚に戸惑いを感じる。
(全裸の未成年の少女のお腹に手を当てる……犯罪だ)
一木の感覚では結局のところいかがわしい行為のわけだが、ここで再び指摘しては真面目にやっているグーシュが今度こそ本当に怒るだろう。
何も言わずに一木はグーシュにされるがままにしておいた。
「では一木。そなた……いや、お前も自身が信じる神に誓いを立てるのだ」
「神……」
(神……仏様……天照大御神……いや違うな……天皇陛下も違うしご先祖様も違う……キリストやアラーも違う……そもそも誓いを立てるほど信仰してる神がいない……)
こういった時、日本人は不便だった。
宗教的な寛容さが利点となる事も多いのだが、異世界においてしばしば問われる神に誓え、と言われる状況において、確固たる信仰が無いというのは非常に信用を無くす行為だった。
だが、この時一木には非常にちょうどいい対象が思い浮かんだ。
「ならばグーシュ。俺にもそのハイタ様に誓わせてほしい」
一木の言葉に、さすがのグーシュも驚いたようだ。
薄い腹筋に力が入ったのが、手のひらのセンサーに感知された。
「一木はこの大陸の信仰を知っているのか?」
「いや、知らないんだが……どうもこの星に関わりだしてから、ハイタ様のご加護としか思えないような事が起きていてね。宗旨替えというわけではないけど、この誓いを立てるならハイタ様が一番だと思った」
マナとの情事を覗かれたことをご加護と言っていいのかは疑問だが、どのみち一度は命を救われたのだ。気にすることはない。
「ふーむ。一木の信仰にとやかくは言わん。一木がいいのならそれでいいだろう。安心しろ、ハイタは心の広い女神さまだ。あとでハイタ教の事を教えてやろう」
グーシュとシャルル大佐に聞けば十分な情報が集まるだろう。
一木がそう思っていると、再びグーシュが言葉を紡ぐ。
「では一木、目を瞑ってわらわの後に続けて言うのだ、いいな?」
「目を瞑れないのだが……」
「なんと!? 便利なようで意外に難儀な体だな。ならばそのままでいい。いくぞ」
グーシュが息を吸い込む。
お腹が大きく膨らむのを感じると、先ほどの言葉よりも大きな声で誓いが始まった。
「我、地球連邦の一木は誓う」「我、地球連邦の一木は誓う」
「偉大なるハイタの名において」「偉大なるハイタの名において」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティをルーリアトの主とする」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティをルーリアトの主とする」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティを地球統べる者とする」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティを地球統べる者とする」
「偉大なるハイタよ」「偉大なるハイタよ」
「我が願いの日々を守護せよ」「我が願いの日々を守護せよ」
「我の盟約に栄光あれ」「我の盟約に栄光あれ」
そこまで言葉を口にした瞬間、唐突に一木の視界は暗闇に包まれた。
「!?」
一体何が起こったのかと困惑する一木。
メインカメラが急に故障したのか、それとも脳に異常が起こって意識を失ったり、視神経周りがイカレたのか……。
「グーシュ! どこにいった!」
慌ててグーシュを呼ぶが、それも反応が無い。
焦燥から感情が恐怖へと変わり始めたとき、唐突に一木は正面から抱きしめられた。
誰かがまるで瞬間移動してきたように現れたのだ。
その相手は、今まで二回目にした白い少女だった。
白い肌、銀の髪、白銀の瞳、白い服の、どこかシキに似た少女だ。
『あなたの願いを聞き届けました』
声が聞こえる。
あまりの出来事に、一木は声も出ない。
『私の力及ぶ限り、あなたとあなたの盟約を守りましょう』
そう言うと、白い少女は一木から離れて行く。
少女が暗闇に溶ける瞬間、一木はかろうじて声を発することが出来た。
「待ってくれ! 君は一体誰なんだ! どうして俺を見ている! 助けてくれる!」
『私の名前はハイタ……アイリーン・ハイタ』
溶け行く笑顔はやはり、似ていた。
『あなた達がナンバー1と呼ぶ者……』
その言葉の意味を理解するまもなく、一木の意識はグーシュの目の前へと戻っていた。
ナンバーズのリーダーと目されていた存在。
ナンバー1を名乗った白い少女の姿はどこにもなかった。
「また、いかがわしい儀式なのか?」
「な、なにおう! 話姫の事を言っているのか? ルーリアトの文化をいかがわしいとはなんだ!」
怒るグーシュの姿を見て、一木はつい笑い声をあげた。
「ああ、申し訳なかった。ただ、今以上にヤバい状況になったらどうしようかとね」
「やばい状況?」
本気で分かっていない様子でグーシュが言ったので、一木は指摘した。
「ルーリアトではどうかわからないが、地球では未婚の、それも十代で全裸の少女と一緒にいるところを見られたら、社会的におしまいなんだよ」
一木がそう言うと、グーシュはニヤリと笑みを浮かべた。
「そうだったのか。失敗したな。それならこの状況を利用して一木を脅せばよかった。そうすればまわりくどい確認などせずとも、わらわの思い通りに事が進んだのにな」
「そんな事を言うな。どのみち、お互いに得るべきものは得たんだ。さあ、頼むよ」
一木が促すと、今度こそグーシュは目を瞑って、盟約の言葉を述べた。
「偉大なる人の母ハイタに誓う。我グーシュリャリャポスティは一木弘和の求めに従うことをここに誓う。おお、ハイタの偉大なる息子達、スート、シュー、ラフ、ヒーダ、ミュニス、オルド・ロー。我が誓い、我らが盟約、我らの願いを守護せよ。我いつの日か地球の地を統べんとす。その後地球の地より悪しき者ども一掃せん。我が願いの日々を守護せよ。我と一木の盟約に栄光あれ。ハイタ、スート、シュー、ラフ、ヒーダ、ミュニス、オルド・ロー……」
ハイタ……シュー。
一木にはどちらも聞き覚えのある言葉だった。
まさかルーリアトの神だったとは。
いよいよ調べなければならないだろう。例の白い少女の手掛かりとなるかもしれない。
一木がそんな決心をしていると、グーシュが一木の手を取り、自分の腹に手のひらを当てさせた。
やや高めの火照ったような体温と、柔らかいぷにぷにとした感覚に戸惑いを感じる。
(全裸の未成年の少女のお腹に手を当てる……犯罪だ)
一木の感覚では結局のところいかがわしい行為のわけだが、ここで再び指摘しては真面目にやっているグーシュが今度こそ本当に怒るだろう。
何も言わずに一木はグーシュにされるがままにしておいた。
「では一木。そなた……いや、お前も自身が信じる神に誓いを立てるのだ」
「神……」
(神……仏様……天照大御神……いや違うな……天皇陛下も違うしご先祖様も違う……キリストやアラーも違う……そもそも誓いを立てるほど信仰してる神がいない……)
こういった時、日本人は不便だった。
宗教的な寛容さが利点となる事も多いのだが、異世界においてしばしば問われる神に誓え、と言われる状況において、確固たる信仰が無いというのは非常に信用を無くす行為だった。
だが、この時一木には非常にちょうどいい対象が思い浮かんだ。
「ならばグーシュ。俺にもそのハイタ様に誓わせてほしい」
一木の言葉に、さすがのグーシュも驚いたようだ。
薄い腹筋に力が入ったのが、手のひらのセンサーに感知された。
「一木はこの大陸の信仰を知っているのか?」
「いや、知らないんだが……どうもこの星に関わりだしてから、ハイタ様のご加護としか思えないような事が起きていてね。宗旨替えというわけではないけど、この誓いを立てるならハイタ様が一番だと思った」
マナとの情事を覗かれたことをご加護と言っていいのかは疑問だが、どのみち一度は命を救われたのだ。気にすることはない。
「ふーむ。一木の信仰にとやかくは言わん。一木がいいのならそれでいいだろう。安心しろ、ハイタは心の広い女神さまだ。あとでハイタ教の事を教えてやろう」
グーシュとシャルル大佐に聞けば十分な情報が集まるだろう。
一木がそう思っていると、再びグーシュが言葉を紡ぐ。
「では一木、目を瞑ってわらわの後に続けて言うのだ、いいな?」
「目を瞑れないのだが……」
「なんと!? 便利なようで意外に難儀な体だな。ならばそのままでいい。いくぞ」
グーシュが息を吸い込む。
お腹が大きく膨らむのを感じると、先ほどの言葉よりも大きな声で誓いが始まった。
「我、地球連邦の一木は誓う」「我、地球連邦の一木は誓う」
「偉大なるハイタの名において」「偉大なるハイタの名において」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティをルーリアトの主とする」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティをルーリアトの主とする」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティを地球統べる者とする」
「盟約相手たるグーシュリャリャポスティを地球統べる者とする」
「偉大なるハイタよ」「偉大なるハイタよ」
「我が願いの日々を守護せよ」「我が願いの日々を守護せよ」
「我の盟約に栄光あれ」「我の盟約に栄光あれ」
そこまで言葉を口にした瞬間、唐突に一木の視界は暗闇に包まれた。
「!?」
一体何が起こったのかと困惑する一木。
メインカメラが急に故障したのか、それとも脳に異常が起こって意識を失ったり、視神経周りがイカレたのか……。
「グーシュ! どこにいった!」
慌ててグーシュを呼ぶが、それも反応が無い。
焦燥から感情が恐怖へと変わり始めたとき、唐突に一木は正面から抱きしめられた。
誰かがまるで瞬間移動してきたように現れたのだ。
その相手は、今まで二回目にした白い少女だった。
白い肌、銀の髪、白銀の瞳、白い服の、どこかシキに似た少女だ。
『あなたの願いを聞き届けました』
声が聞こえる。
あまりの出来事に、一木は声も出ない。
『私の力及ぶ限り、あなたとあなたの盟約を守りましょう』
そう言うと、白い少女は一木から離れて行く。
少女が暗闇に溶ける瞬間、一木はかろうじて声を発することが出来た。
「待ってくれ! 君は一体誰なんだ! どうして俺を見ている! 助けてくれる!」
『私の名前はハイタ……アイリーン・ハイタ』
溶け行く笑顔はやはり、似ていた。
『あなた達がナンバー1と呼ぶ者……』
その言葉の意味を理解するまもなく、一木の意識はグーシュの目の前へと戻っていた。
ナンバーズのリーダーと目されていた存在。
ナンバー1を名乗った白い少女の姿はどこにもなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。
選んだ職業は“料理人”。
だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。
地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。
勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。
熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。
絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す!
そこから始まる、料理人の大逆転。
ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。
リアルでは無職、ゲームでは負け組。
そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる