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13 クラウス 2
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クラウスはにっこり微笑むと口を開く。
「まず、いつから居たのか?でしたっけ?」
「うん」
「うーん、最初から?」
「最初?」
「あなたが部屋に入ってきてゲラゲラ笑いだした時にはもう居ましたね。」
「‥‥‥」
俺のクールなイメージ、崩れちゃうじゃん?ほ、ほら傾国の美女‥‥‥美少年?いやそろそろ美青年?とかさあ‥‥‥
俺は今更ではあるが、ゴホンと咳払いをして「完璧な元婚約者」の演技を再開することにした。
とりあえず、対外的には仮面便利だしな。
「私は男子ですが、未婚の孕み腹です。婚約者でもない方と二人きりで同じ部屋に同席するなど‥‥‥」
「ぷはっ」
クラウスが吹き出した。
「今更ですか!」
え、それ、どっちのこと?
「ははは、どっちもですよ。本当に可愛い人だなあ。あのね、あなたは僕の前だと時々その演技忘れてましたよ」
「え、うそっ」
俺は動揺した。そんなことってあるか?
俺はいつだって「完璧な婚約者」だっただろう?完璧な、完璧な・・・カンペキってなんだっけ?
「それにこれまでだって、散々二人で会ってたでしょ」
「いやそれはクラウスが勝手に‥‥‥」
「よく言うよ。目で探してたくせに」
「‥‥‥」
こ、この野郎‥‥‥!!!言わせておけば‥‥‥でも、反論が出てこない‥‥‥畜生‥‥‥!!!
「あと、どこから入ってきたか?でしたよね。玄関からに決まってるでしょ。」
「な、なんで婚約者でもないのに、玄関から入って俺の部屋に入れるんだよ‥‥‥おかしいだろ‥‥‥」
俺は息も絶え絶えだが、反論した。
俺だって、俺だって‥‥‥!!!年上なんだからなあああ、1歳だけだけど。
「何か忘れているようですが」
クラウスはニッコリと笑った。
「あなたは兄上の婚約者ということにはなっていましたが、それよりも先に王家の妃候補なんですよ。兄上の婚約者をやめたからって、妃候補を降ろされたわけではありませんし。」
「え、そうなのか?」
俺の起業計画は一体どうなっちゃうんだよ。ちょっと不安になってきた。
「まあ、兄上があのピンク髪と結婚したいならすればいいし、どうでもいいですけどね。僕としては、あなたに興味が向かないのなら、何でもよかったんで」
「えー・・・」
「あなただって、兄上には氷みたいな表情しか向けないのに、僕の前ではいつもモジモジしたりソワソワしたり、本当に可愛いったらないです。気がついてなかったんですか?公爵も公爵夫人もあなたのお兄様たちも、皆僕たちのことを応援してくれていたんですよ」
「‥‥‥!!!!」
な、なんて恥ずかしい‥‥‥!!!!
俺、俺、どっか入る穴ない?
頭の先からつま先まで血が沸騰したように駆け巡り、頭からは湯気が出るわ、顔はゆでダコのように真っ赤になるわでこのまま消え去りたい。
だ、誰か助けて~~~!!!
__________________________________
お気に入り登録 1,510名様ありがとうございます。
読者の皆様への感謝を拙作エッセイに記載しました。
「藍音のたわごと 第11話 読者様への感謝」
もしお時間があればお読みください。
今回も楽しんでいただけましたでしょうか。ありがとうございました。
「まず、いつから居たのか?でしたっけ?」
「うん」
「うーん、最初から?」
「最初?」
「あなたが部屋に入ってきてゲラゲラ笑いだした時にはもう居ましたね。」
「‥‥‥」
俺のクールなイメージ、崩れちゃうじゃん?ほ、ほら傾国の美女‥‥‥美少年?いやそろそろ美青年?とかさあ‥‥‥
俺は今更ではあるが、ゴホンと咳払いをして「完璧な元婚約者」の演技を再開することにした。
とりあえず、対外的には仮面便利だしな。
「私は男子ですが、未婚の孕み腹です。婚約者でもない方と二人きりで同じ部屋に同席するなど‥‥‥」
「ぷはっ」
クラウスが吹き出した。
「今更ですか!」
え、それ、どっちのこと?
「ははは、どっちもですよ。本当に可愛い人だなあ。あのね、あなたは僕の前だと時々その演技忘れてましたよ」
「え、うそっ」
俺は動揺した。そんなことってあるか?
俺はいつだって「完璧な婚約者」だっただろう?完璧な、完璧な・・・カンペキってなんだっけ?
「それにこれまでだって、散々二人で会ってたでしょ」
「いやそれはクラウスが勝手に‥‥‥」
「よく言うよ。目で探してたくせに」
「‥‥‥」
こ、この野郎‥‥‥!!!言わせておけば‥‥‥でも、反論が出てこない‥‥‥畜生‥‥‥!!!
「あと、どこから入ってきたか?でしたよね。玄関からに決まってるでしょ。」
「な、なんで婚約者でもないのに、玄関から入って俺の部屋に入れるんだよ‥‥‥おかしいだろ‥‥‥」
俺は息も絶え絶えだが、反論した。
俺だって、俺だって‥‥‥!!!年上なんだからなあああ、1歳だけだけど。
「何か忘れているようですが」
クラウスはニッコリと笑った。
「あなたは兄上の婚約者ということにはなっていましたが、それよりも先に王家の妃候補なんですよ。兄上の婚約者をやめたからって、妃候補を降ろされたわけではありませんし。」
「え、そうなのか?」
俺の起業計画は一体どうなっちゃうんだよ。ちょっと不安になってきた。
「まあ、兄上があのピンク髪と結婚したいならすればいいし、どうでもいいですけどね。僕としては、あなたに興味が向かないのなら、何でもよかったんで」
「えー・・・」
「あなただって、兄上には氷みたいな表情しか向けないのに、僕の前ではいつもモジモジしたりソワソワしたり、本当に可愛いったらないです。気がついてなかったんですか?公爵も公爵夫人もあなたのお兄様たちも、皆僕たちのことを応援してくれていたんですよ」
「‥‥‥!!!!」
な、なんて恥ずかしい‥‥‥!!!!
俺、俺、どっか入る穴ない?
頭の先からつま先まで血が沸騰したように駆け巡り、頭からは湯気が出るわ、顔はゆでダコのように真っ赤になるわでこのまま消え去りたい。
だ、誰か助けて~~~!!!
__________________________________
お気に入り登録 1,510名様ありがとうございます。
読者の皆様への感謝を拙作エッセイに記載しました。
「藍音のたわごと 第11話 読者様への感謝」
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