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14 クラウス 3

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「ま、と言うわけで」クラウスはニッコリ笑って俺の手を取った。
「みんな公認ですしね。僕たち両想いですし。」
「あばばばば」何だか、まともな言葉が出てこない。

「僕は、兄上のように甘くはありませんよ。絶対にあなたを逃さない」
そう言うと、クラウスは目に力を込めて俺の手をぎゅっと握った。

「で、でも、俺!」
俺だって、言いたい!なんか負けてるみたいじゃんか。
「俺、クラウスのこと、好きって言ってない!!」

クラウスが目をすがめる。「ふうん?」

「俺、領地に帰るんだもん。クラウスだって俺のこと好きって言わなかったもん。急になんだよ」

クラウスの表情がすっと抜け落ちる。あ、やばいか?これ。

「そういうこと言うんだ‥‥‥せっかく邪魔な兄上が、僕たちの間から退場してくれたのにね。僕たち、10年も待ったのにね。‥‥‥ふうん、そう‥‥‥」

クラウスはすっと目を伏せた。
「このまま、穏便に、さっさと既成事実を作ろうと思ってたんですけどね。あなたがそのつもりなら仕方ありませんね。」
そう言うと、ガチャっと俺の手首に手枷のようなものを嵌めると、何か呪文のようなものを口の中で呟いた。

「な、何するんだよ!」
「素直じゃないからですよ。ま、予想はしてましたがね。準備しておいてよかった」
「お、お前・・・!!!」
「おやおや、もう完璧な婚約者ごっこは終わりですか?まあ、だいぶメッキが剥げてましたからね。どっちでもいいですよ。何をしてても可愛いから」
「むーーー!!!」こいつ、だから嫌なんだよ。調子狂うったらない。

「僕は7歳で一目あなたを見た時から、僕のために産まれてきた人だって分かってましたよ。あなただって本当はわかってるんでしょ?」
「何で、そんなこと分かるんだよ!」
「まあ、それは、確信がありますから」
「ふ、ふん!そんなのお前の勝手な思い込みだろ!」お、俺にだってプライドがあるんだからな。
「ふうん‥‥‥あまり面白くありませんね。そういえば、あなたは何回か僕以外の人間と抱き合おうとかしたことありましたっけね‥‥‥」
「!!!何で知ってるんだよ!」

クラウスは心底不快そうな顔をして俺を見た。

「あなたのことなら、なんでも知ってますよ。まあ、気持ち悪くてどうせ何もできなかったでしょうが」
「!!!」

こ、こいつなんで俺が娼館で筆下ろしに失敗したこととか、ヨミと抜き合いすらできなかったことを知ってるんだよ。

「愛ですよ、愛。まあ、強いてゆうなら、愛の呪い‥‥‥いやおまじない?」
「の、呪い?」
「ま、いいや。どうせ気持ちはわかってますからね。ルーリク、あなた、孕み腹は本当は15歳になれば婚姻してもいいって知ってますよね?僕はあなたより一つ下だけど、孕み腹のあなたとならもう婚姻することができるんです」

う、それは知っている。
俺が15歳になった時にレイモンドから一度襲われかけたことがあったからだ。
丁度、ローリアが下手くそなレイモンドに愛想を尽かしかけていた頃だ。

「孕み胎は15になれば結婚できるのだろう?」と鼻息荒く俺にのしかかってきたレイモンドに「婚姻前の性行為はご法度ですよ」とか言って大暴れしていたらレイモンドが突然気を失って、俺はとっとと逃げ出したんだが。
あいつ、なんか病気持ってんのかな?

「それにね、可愛いルーリク。そろそろ、クスリが効いてきたんじゃない?」

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お気に入り登録、1,680名様を超えました。(2022年2月8日公開時)
ありがとうございます。

みなさま、楽しんでいただけましたか?
更新を追ってくださっている方もいらっしゃるようで、感謝しています。

さて、明日からいよいよ ※背後注意です。
タイトルは「ピンクのおクスリ」です。お楽しみに!
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