17 / 24
17 全員集合
しおりを挟む
私がマグカップを持って食堂に入ると、グレッグと大兄ちゃん以外は全員集まっていた。
お姉ちゃんはいつもの通りの広がった髪だったけど、目元が赤くなってて、いつもよりちょっと可愛い感じ?
家族会議はいつもホール真ん中にある大きな丸いテーブルでやることになってるの。
上座にお父さん、その右隣に、サム兄ちゃんとお姉ちゃんがもう座っていた。
左隣には大兄ちゃんがいつも座る。
私はお父さんの向かい側。そして今日はもう一つ椅子が用意されていた。グレッグ用だ。
大兄ちゃんに連れられたグレッグが入ってきて椅子に腰掛けると、家族会議が始まった。
お父さんはまさに苦虫を噛み潰したような顔をしている。
虫って苦いのかな?とか余計なことを考えちゃった。
「さて、話を聞こうか」
大兄ちゃんが優しい声で口火を切った。
「夕べこの酒場で、冒険者にいくらだって言われて‥‥‥」
ガタガタガタ!!!
「なんだとお!」
「どいつだ!」
「どう言うことだ!」
「ぶっ殺す!」
男たちが全員立ち上がり、口々に叫んだ。一番最後の物騒なの、グレッグだよね?
「いや、待て、落ち着こう」
お父さんが言う。男たちはまた椅子に腰掛けた。
「その時にグレッグが間に入って助けてくれたの」
「そうか」
「悪かったなグレッグ」
「ありがとなグレッグ」
「いや、いいんだ」
また、男たちが口々に言う。
「で、その後部屋に送ってもらったの」
「・・・そうか」
今度はみんな同じような反応。グレッグは黙っている。
「そもそも、なんだって酒場になんか居たんだよ」
あら、大兄ちゃん余計なツッコミ‥‥‥
「あのー、お姉さんたちに教えを請おうと‥‥‥」
「なんだとお!」
「はああ?」
「どう言うことだ!」
「クラリス!」
最後の悲鳴みたいに私の名前を叫んだのがお姉ちゃん。
「説明しろ」
お父さんからもの凄く強い圧を感じる。こ、怖い‥‥‥
「あ、あの‥‥‥恋人の作り方を‥‥‥」
「恋人の作り方ぁ?」
「娼婦にか」
「娼婦にかよ?」
「クラリス!」
またまた、悲鳴みたいに私の名前を叫ぶお姉ちゃん。
「私だって、もうすぐ大人だもん!みんな怒ってばかりで何にも言えないじゃん!ちゃんと、理由があるんだもん!」
「なんだよ理由って」
サム兄ちゃんがぶすっとして言う。
「お姉ちゃんの悪口言われたくなかったんだもん!恋人の作り方が分かれば解決すると思ったんだもん!」
「ちょっと一体何を言ってるのかわからないな」
冷静な大兄ちゃん。
「娼婦の真似事とエラの悪口になんの関係があるんだ?」
私はやけっぱちになって言ってやった。
「みんなが悪いんだよ!特にサム兄ちゃんなんてひどいじゃん。いつもいつもお姉ちゃんのこと褒める人がいると食堂から追い出したりしてさあ。
お姉ちゃんがお客さんに嫌なこと言われるのが嫌だったんだもん!
それに、この間路地裏でもお姉ちゃんのことバカにするようなこと言った人たちがいたんだよ?。
だからお姉ちゃんに恋人を作ってあげれば、あんな変なこと言われないと思ったんだもん!
いつもいつもお姉ちゃんや私に少しでも近づく人がいると追い払って、そんなんじゃ私たちいつまで経ったって恋人なんてできるわけないじゃん。お父さんもお兄ちゃん達も馬鹿あああああ!!!」
言ってやった言ってやった!
すっきりした。もうずっと不満に思ってたんだからね!
サム兄ちゃんが固まってる。
お父さんは気まずそうに目をキョロキョロしていた。
みんなの顔を見回すと大兄ちゃんが口を開いた。
「もう、いいんじゃない?」
お父さんが頷いた。
サム兄ちゃんが俯いて頭をかく。
「あのな、クラリス。エラの恋人はな、あー、俺だ」
えっ?
えええっ?
お姉ちゃんはいつもの通りの広がった髪だったけど、目元が赤くなってて、いつもよりちょっと可愛い感じ?
家族会議はいつもホール真ん中にある大きな丸いテーブルでやることになってるの。
上座にお父さん、その右隣に、サム兄ちゃんとお姉ちゃんがもう座っていた。
左隣には大兄ちゃんがいつも座る。
私はお父さんの向かい側。そして今日はもう一つ椅子が用意されていた。グレッグ用だ。
大兄ちゃんに連れられたグレッグが入ってきて椅子に腰掛けると、家族会議が始まった。
お父さんはまさに苦虫を噛み潰したような顔をしている。
虫って苦いのかな?とか余計なことを考えちゃった。
「さて、話を聞こうか」
大兄ちゃんが優しい声で口火を切った。
「夕べこの酒場で、冒険者にいくらだって言われて‥‥‥」
ガタガタガタ!!!
「なんだとお!」
「どいつだ!」
「どう言うことだ!」
「ぶっ殺す!」
男たちが全員立ち上がり、口々に叫んだ。一番最後の物騒なの、グレッグだよね?
「いや、待て、落ち着こう」
お父さんが言う。男たちはまた椅子に腰掛けた。
「その時にグレッグが間に入って助けてくれたの」
「そうか」
「悪かったなグレッグ」
「ありがとなグレッグ」
「いや、いいんだ」
また、男たちが口々に言う。
「で、その後部屋に送ってもらったの」
「・・・そうか」
今度はみんな同じような反応。グレッグは黙っている。
「そもそも、なんだって酒場になんか居たんだよ」
あら、大兄ちゃん余計なツッコミ‥‥‥
「あのー、お姉さんたちに教えを請おうと‥‥‥」
「なんだとお!」
「はああ?」
「どう言うことだ!」
「クラリス!」
最後の悲鳴みたいに私の名前を叫んだのがお姉ちゃん。
「説明しろ」
お父さんからもの凄く強い圧を感じる。こ、怖い‥‥‥
「あ、あの‥‥‥恋人の作り方を‥‥‥」
「恋人の作り方ぁ?」
「娼婦にか」
「娼婦にかよ?」
「クラリス!」
またまた、悲鳴みたいに私の名前を叫ぶお姉ちゃん。
「私だって、もうすぐ大人だもん!みんな怒ってばかりで何にも言えないじゃん!ちゃんと、理由があるんだもん!」
「なんだよ理由って」
サム兄ちゃんがぶすっとして言う。
「お姉ちゃんの悪口言われたくなかったんだもん!恋人の作り方が分かれば解決すると思ったんだもん!」
「ちょっと一体何を言ってるのかわからないな」
冷静な大兄ちゃん。
「娼婦の真似事とエラの悪口になんの関係があるんだ?」
私はやけっぱちになって言ってやった。
「みんなが悪いんだよ!特にサム兄ちゃんなんてひどいじゃん。いつもいつもお姉ちゃんのこと褒める人がいると食堂から追い出したりしてさあ。
お姉ちゃんがお客さんに嫌なこと言われるのが嫌だったんだもん!
それに、この間路地裏でもお姉ちゃんのことバカにするようなこと言った人たちがいたんだよ?。
だからお姉ちゃんに恋人を作ってあげれば、あんな変なこと言われないと思ったんだもん!
いつもいつもお姉ちゃんや私に少しでも近づく人がいると追い払って、そんなんじゃ私たちいつまで経ったって恋人なんてできるわけないじゃん。お父さんもお兄ちゃん達も馬鹿あああああ!!!」
言ってやった言ってやった!
すっきりした。もうずっと不満に思ってたんだからね!
サム兄ちゃんが固まってる。
お父さんは気まずそうに目をキョロキョロしていた。
みんなの顔を見回すと大兄ちゃんが口を開いた。
「もう、いいんじゃない?」
お父さんが頷いた。
サム兄ちゃんが俯いて頭をかく。
「あのな、クラリス。エラの恋人はな、あー、俺だ」
えっ?
えええっ?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
32
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる