5月の雨の、その先に

藍音

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第四十話 快感 ※※

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アウレリオの唇が触れた場所に小さな火が灯るように、少しずつ熱くなっていく。
くすぐったいのか、気持ちいいのか分からない。だけど、もっと触れてほしい。
リオの喉の奥から、ねだるような甘い声が漏れた。
どうしてこんなに気持ちがいいんだろう。
体温を分け合い、心を分かち合う。

(すき・・・)

言ってしまいたい。
でも、そんなことを言ったら、アウレリオに捨てられてしまうかもしれない。
主人が求める以上の感情を抱いた召使いの末路は哀れだ。
今、アウレリオ様がくださる熱だけで満足しないと。
ああ、でもなんて気持ちがいいんだろう。このまま永遠に触れ合っていたい。

アウレリオの唇はリオの体中をさまよいながら小さな痕を残している。
ちりっとした痛みとその後生まれる小さな赤い花。
もう騎士たちの前で服は脱げないな、そんなことをぼんやりと頭の片隅で思う。
でも、男の手でこんな快感を得ることができると知ってしまったら、今までと同じには出来ないだろう。

アウレリオの唇はリオの体の上をあちこちさまよったあと、リオのピンク色の乳首に戻ってきた。
急いではもったいないとでも言うように、ゆっくりとリオの乳首をこね、撫で、舌先で愛撫する。
足先まで電流が走り、リオの中心から涙がこぼれた。乳首だけでこんなに感じるなんて。足の指先にぎゅっと力を入れた。気を抜いたらいってしまいそうだ。

しつこく乳首を吸われると、だんだん他のところまで敏感になってくる。
全身が性感帯になったような気がして、ジリジリする肌をアウレリオの硬い身体に押し付け、こすりつけた。
奥底からこみ上げる快感に、思わず声が上がる。

(アウレリオ様は・・・?)

自分一人が気持ちよくなっているのかもしれない。
肌に触れる湯が冷たい。熱くなりすぎたのか湯が冷めたのか。はっと我に返る。
自分ばかりが気持ち良くなっていた?
俺だってアウレリオ様を気持ちよくしたい。
アウレリオ様の乱れた姿を見てみたい。

リオはアウレリオの身体に手を伸ばした。
リオとはちがい筋肉質なアウレリオの身体は、まるで彫刻のよう。
盛り上がった肩の筋肉から、胸筋をなで、アウレリオがしたように乳首をいじってみたが、特に反応はない。

「気持ちよくないですか?」
「うーん・・・気持ちよくないわけでは無いんだが・・・」

今ひとつ反応が鈍い。
じゃあ、ここなら、とアウレリオの中心に手を伸ばす。
ガチガチに勃ち上がったアウレリオのペニスは、すでに涙をこぼしていた。

「うわ、おっきい・・・」

同じ男なのに、身体の大きさもあそこの大きさも違う。
でも、男ならここを愛撫されれば気持ちがいいはずだ。
リオは自分を慰めた程度の経験しかないが、アウレリオを感じさせたかった。

リオを求めてだらだらとよだれをたらす先端に、指先でそっと触れ、なすりつけながら優しく握りしめる。

(俺が女だったら、受け入れる場所があるけど、男だと、上手くできるのかな・・・?)

男同士の性交では肛門を使うと、聞いたことはあった。だけど、こんな大きなモノが入る気がしない。
両手でこすると、先端からはどくどくと熱い液体が流れでた。まるで、入れてくれとねだるように。
でも、まだ怖い。
まずは手で満足してもらえないだろうか。リオは優しく、根本から擦り上げた。
ふたりの間に甘い空気が立ち上る。

「リオ」

アウレリオは身体の位置を変え、自分とリオのペニスをまとめてすり合わせはじめた。
ふたりのペニスが触れ、キスするように重なる。
アウレリオの大きなゴツゴツとした手が、巧みなテンションで快感を導き出す。
自分ひとりでするよりも遥かに強い快感が襲いかかり、もう何も考えられなかった。
はあはあと荒い息が上がり、先走りがダラダラと流れ出る。陰嚢がきゅっと上がり、つま先にぎゅっと力が入り、次の瞬間、目もくらむほどの快感と共に、ふたり同時に熱い飛沫をほとばしらせた。

胸を上下させながら、互いに目を合わせ、どちらからともなく口づけを交わす。
遠慮をなくした舌が、リオの口の中を蹂躙するように暴れまわり、その乱暴な仕草にますますリオの身体は敏感になった。

もっと、もっと。
まるで獣みたいだ。
暴れ馬のように、とどまるところを知らない。
心臓は荒れ狂い、お互いのことしか考えられない。

「脳が溶けたみたいだ」

アウレリオがぼそっと言うと、リオはアウレリオにしがみついた。
どうなってもいい。この先が知りたい。

「俺、こんなこと誰ともしたことなくて」

(当たり前だろう)アウレリオは心の中で返事をした。もし、誰かと「こんなこと」をしていたら、その相手を殺してやる。

「どうしたらいいのかよくわからないけど、アウレリオ様が教えてくださるんですか?」
「お前はどうしたい」
「俺はすごく気持ちが良かった。アウレリオ様とだったら、もっと何回でもしたいです」

アウレリオは喉の奥でうなり、頭を抱えた。
これ以上するつもりはなかったのに。だが、リオに性的な行動への興味を植え付けてしまった。
思わず、リオに自分が出した精液をなすりつけた。

「何をしているんですか?」
「その・・・誰にもお前を取られないように、印をつけている」
「なんですかそれ。獣のマーキングみたいな感じですか?じゃあ、俺もやりたい」

リオはアウレリオの胸に飛んだ精液をアウレリオの乳首にゆるゆると塗り込めた。

「くすぐったいですか?」
「そうだな。まあ、他の場所よりは・・・お前はどうだ?随分と気持ちよさそうにしていたが」

リオの顔が真っ赤になった。ごまかすように唇を舐めると、てらてら光った舌先が妙にいやらしく見える。

「それは、アウレリオ様が、舐めるから」
「もっと舐めてやろうか?」アウレリオの目が光った。
「・・・」

リオは小さく息をのみ、どう答えたらいいのかと焦ったが、考えはまとまらない。
だけど、すごく・・・気持ちが良かった。
ぞくぞくと背筋に走る期待をおさえることが出来ない。


「・・・はい。舐めてほしいです」













**************************





(お礼)

本日もお読みいただきありがとうございました。
たくさんのハートもありがとうございます。
いよいよ、仕事は明日まで、という方も多いのではないでしょうか。一足早く今日まで、って方も多いかな?

年末は交通安全とお酒に気をつけてお過ごしくださいね!
私は年末こそストックを作りたいと野望をいだいています。

それでは、また、明日お会いしましょう!


















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