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65. 可愛いリオン 〈クリフ視点〉
しおりを挟むレオナのお姉さんの嫁ぎ先まで来たけど…お姉さんの子供のリオンって何だか自分に似てる…。
髪の色、瞳の色、全体的な作りが僕の幼い頃に似すぎている。
それとは逆にレリアさんには全然似ていない。
旦那が僕と似ているのだろうか?
いや、確か以前に見かけた事があるが髪色も瞳の色も違っていたはず…。
じゃあ…この子は誰の子供なんだ?
「失礼ですけど…レリアさんには似ていませんね。ご主人に似ているのですか?」
レリアさんの様子も先程からおかしいんだよね。
オドオドした感じ…。
前に何回も会った事があるけど、もっと落ち着いた感じだったんだけどな。
「…い、いえ。…実は…この子は養子…なのです」
「え?養子…ですか?」
レリアさんは結婚してどれくらいになるんだったかな?
でもまだ、養子をもらう決断をするには早くないか?
「この子とはご縁がありまして…引き取ったのです。…ですが、実家にはまだ報告していませんのでこの事は内密にお願いいたします」
レリアさんの手が微かに震えているのがわかる。
まあ、あの両親に知られるとどうなるかわからないと考えているのかもしれない。
「わかりました。ご実家には話しませんよ」
「キラキラ…」
リオンが僕の髪を触って笑っている。
「これ、リオン。髪の毛を引っ張ってはいけませんよ」
レリアさんが慌ててリオンを止めにきたが、僕は構わないと制止した。
「僕の髪を気に入ったのかい?君も同じ色だと思うけど…」
リオンはキャッキャッと喜んで僕の髪を光にかざして遊んでいる。
僕に子供がいたらこんな感じなのかな、と考えてしまう。
そうだ!
本題を忘れていたよ。
レオナの事をお願いに来たんだ。
「今日、公爵はいつ頃ご帰宅される予定ですか?」
「今日はお昼過ぎに帰って来ると申しておりましたから、もうそろそろ帰って来ると思います」
「そうですか…。リオンそれまで私と遊ぼうか」
リオンは「あい!」と手を挙げた。
本当に可愛いな…。
レリアさんは王子様にそんなことはさせられませんと言ってきたが、僕が一緒に遊びたいんだよと伝えた。
レオナはリオンに会った事がないのかな?
実家には知らせていなくても、姉妹は仲が良かったと思うんだけどな…。
帰ったら聞いてみよう。
きっと、僕がリオンと遊んだと言うと驚くだろうな…。
驚いたレオナを見るのが楽しみだ。
リオンと遊んでいると時間が経つのが早かった。
公爵が帰宅される時間になっていた。
さあ、これからが本番だ。
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