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82. もっと驚いた人 〈クリフ視点〉
しおりを挟む国王様達に話をした次の日、まずはレオナの婚約者の方から話をつける事にした。
父親が経営している商店に"レオンは王家の者との婚姻の話が出ているので今回の婚約は無かったことにするように"と手紙を書いて送った。
問題は叔父上の方だ…。
私も知らなかったが叔父上は長い間レオナの事を狙っていたみたいんなんだよな。
失踪する前はレオナとの婚姻を求めていたと聞いた。
よく断れたなレオナの両親…。
そこだけは感謝するよ。
その時に結婚していたら私は大事な人を大事だと気づかずに失っていたところだった。
叔父上にはストレートに言うしかないかな…。
私は叔父上に会いに行った。
「何だ、クリフ突然やってきて。レオナの事で何かお願いでもしに来たのか」
叔父上…軽口を言えるのも今のうちですよ。
「いえ、お願いではなく報告にやって来ました」
ふんっ、思ったとおり叔父上は何も知らなかったから不思議そうな顔をしている。
「報告…レオナと別れたとか…?」
「反対です。結婚することが決まりました」
「はあ?!」
凄い顔で驚いてる。
「何で急にそんな事になるんだ?レオンがレオナだってことも王様達は知らなかったはず…。それに、レオナの婚約の件だってまだ片付いていないはずだ」
やっぱり…いろいろとレオナの事を調べて計画をたてようとしていたみたいだ。
「私も知らなかった事実がありまして…。それを知って王様達はレオナの事も結婚も許してくださいました。婚約の件も解決すると思います」
叔父上は頭をぐしゃぐしゃとかきながら話を聞いている。
訳がわからないという感じだな。
「何なんだ、そのクリフも知らなかった事実とは…」
さあ、もっと驚いてもらおうか。
「レオナに子供がいたんです」
「はあ?!誰の」
叔父上は目を見開きながら驚いている。
「もちろん私とレオナの子供です」
「なっ!お前…いつのまに…」
「私も熱があった時の出来事で…夢だと最近まで思っていました。つい先日子供に会うまでは…」
「もう産まれているのか?!」
「はい。もうすぐ2歳くらいですかね」
「なっ…。そんな…」
叔父上は呆然としている様子だ。
そうだよね、だって長い間レオナの事を思っていたのに、私にあっという間に取られたんだから。
でも、悪く思わないでくださいよ叔父上。
全ては貴方が仕掛けた事からレオナへの気持ちに気がついたと言ってもいいくらいだからね。
少しは感謝してますよ。
「では、叔父上報告はしましたので、詳しい日程が決まりましたら連絡しますね」
私は勝利宣言をしたかのような気持ちで叔父上の屋敷を後にした。
はあ~、スッとした。
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