外れスキルの屑と言われ追放された最底辺の俺が大逆襲のリスタート！ 最強賢者への道を歩み出す！「頼む、戻ってくれ」と言われても、もう遅い！

第444話「まさに神出鬼没！ まさに変幻自在！ 全く予想が出来ない動き！」

ミノタウロス3体に続き、合成魔獣キマイラ3体を瞬殺したリオネル。

そのまま引き続き、91階層を進み、階段を見つけ、地下92階層へ降りた。

リオネルは歩く際、常に、気配を消す『隠形』そして、足音を殆どたてず、
こっそり歩く『忍び足』のシーフ職スキルを行使するよう心掛けている。

それゆえ、リオネルのシーフ職スキルは、一流の域へ達し、
人間の気配には敏感な魔物達も、リオネルの接近を全く感知出来ず、
隙を見せる事が度々あった。

なのでリオネルは、索敵……魔力感知と合わせて使えば、
敵と突然出くわす事がなく、状況によっては戦いを避け、
華麗にスルーする事も可能だったのだ。

すっ、すっ、すっ、と空気の如く進むリオネル。

と、そこへ先行したケルベロス、オルトロス、ファイアドレイクから、
念話連絡が入る。

『主よ！　敵発見！　リザードマン３０体だ！』

『くくく！　主！　奴らめ！　小賢しいわ！　通路の陰に身体を隠し、通りかかる獲物へ、毒を吐きかけるよう待っているぞ』

『！！！！！』

ファイアドレイクも思念伝達で、
どうする？　俺達で殺やろうか？　と告げていた。

しかし、索敵……魔力感知で、
リザードマンの待ち伏せを察知していたリオネルは首を振る。

合わせて念話で指示も出す。

『いや、皆、考えがある。俺に任せてくれ』

対して、ケルベロス達は『了解！』の返事を戻して来た。

相変わらず、すっ、すっ、すっ、と空気の如く進むリオネル。

リザードマンまで、約５０ｍの距離まで接近する。
放つ波動でリザードマンの位置は全て特定していた。

歩きながら体内魔力を上げた、リオネルの作戦は決まっていた。
遠距離から訓練を兼ねて、魔力の軌道を変える『ムービング攻撃魔法』を放つのだ。

先ほど同様、魔力を練り、手のひらに、渦巻く硬い風の塊を６つ浮かばせる。

『風弾！　ムービング攻撃魔法！　いっけえ！』

どしゅっ！　どしゅっ！　どしゅっ！　どしゅっ！　どしゅっ！　どしゅっ！

重い音をたて、風の塊が飛んだ。

そして何と！何と！何と！

放たれた風の塊は、全て回り込むように軌道を鋭角に変え、

どちゃ！　ぶちゃ！　どっ！　ぐちゃ！　どぶっ！

ぎえ！　ぐえ！　があ！　ぎゃ！　きええっ！

死角となる通路の陰に潜んでいたリザードマンどもを、
正確に寸分違わず次々と撃ち抜いたのだ。

逃げようがなく、断末魔の悲鳴を上げ、斃れ伏す、リザードマンども。

更にリオネルは、容赦なく風弾を撃ち出す。

どしゅっ！　どしゅっ！　どしゅっ！　どしゅっ！　どしゅっ！　

どちゃ！　ぶちゃ！　どっ！　ぐちゃ！　どぶっ！

ぎえ！　ぐえ！　があ！　ぎゃ！　きええっ！

5分も経たないうちに……
リオネルを待ち伏せしていた30体のリザードマンは全滅していたのである。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

全滅したリザードマンを、葬送魔法『昇天』で塵にしたリオネル。
ちなみに、倒した魔物は不死アンデッド化しないよう、出来る限り、
葬送魔法で塵にしていた。

さてさて！
リオネルは、地下92階層の探索を続ける。
ムービング攻撃魔法の発動、制御がほぼ１００％上手く行ったので大満足である。

しばし歩くと再び、先行したケルベロス、オルトロス、ファイアドレイクから、
念話連絡が入る。

『主よ！　敵発見！　今度は、狼男ワーウルフ１０体だ！』

『くくく！　主！　奴らめ！　今度は堂々と通路の真ん中で10体全て、獲物に襲いかかるべく、立ちはだかっておるぞ』

『！！！！！』

ファイアドレイクも思念伝達で、
どうする？　俺達も手伝おうか？　と告げていた。

しかし、索敵……魔力感知で、
狼男ワーウルフの存在を察知していたリオネルは首を振る。

合わせて念話で指示も出す。

『いや、皆、今度も考えがある。俺に任せてくれ』

対して、ケルベロス達は『了解！』の返事を戻して来た。

相変わらず、すっ、すっ、すっ、と空気の如く進むリオネル。

狼男ワーウルフまで、約５０ｍの距離まで接近し、正対する。

ケルベロス達が言った通り、数は10体。

相手も、リオネルの存在を認識したようである。

歩きながら体内魔力を上げた、リオネルの作戦は決まっていた。

残っている『課題』を次々にこなすのだ。

リオネルは、転移魔法を発動する。

『転移トランジション！』

発動と同時に、リオネルの姿はかき消える。

「「「「「！！！！！？？？？？」」」」」

いきなり『獲物』が消え、慌てふためく狼男ワーウルフ10体。

瞬間！
いきなり、彼らの前にリオネルが現れる。

そして！

50ｃｍもない超至近距離から、

どが！

と右拳を急所に叩き込む。

すかさず転移魔法を神速で発動。

またも、すっと消え、

少し離れた別の個体へ、

どしゅっ！

左手で風弾を脳天真ん中へ神速発射でぶち込む！

すかさず転移魔法を神速で発動。

またもまたも、すっと消え、

これまた少し離れた別の個体へ、

右手ですっと抜剣。

愛用の強化ミスリル製スクラマサクスで、

しゅばっ！

と、鮮やかに斬り捨てる。

まさに神出鬼没！
まさに変幻自在！
全く予想が出来ない動き！

反撃する間もなく、次々に仲間が倒され、大混乱に陥る狼男ワーウルフども。

リオネルは更に転移魔法を使った、超近距離攻撃を繰り返し続けた。

その結果……
リオネルの波状攻撃で、
狼男ワーウルフ10体はあっという間に全滅したのである。