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第3章 異世界レジスタンス
第9話 閉幕
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騎士団長を中心とする強盗団の追跡部隊の編制が終わったのが、その日の昼過ぎであった。
子爵は時間が掛かっていることに苛立ちを隠そうともしていなかったが、領主館の周辺の安全を確認するためにはある程度の時間を要した。
敵の規模や装備も十分にわからないため仕方がなかったのだ。
現場に残された足跡から賊の数は10人に満たないと判断された。
追跡部隊の数は約30。急いで馬をかき集めようとした。
なにせ領主館の厩舎には馬が一匹も残されておらず、近隣の貴族から馬を借りる必要があった。
ここで更なる問題が起こる。
「我々共も力になりたい気持ちはあるのですが、なにせ当方の馬は今朝から下痢ぎみでして…。」
要は貸し渋りである。
子爵はお世辞にも評判がいいとは言えない。
それは民衆だけではく、貴族内にも適用される。
朝から子爵邸が騒がしいと思えば、強盗に襲われたと聞く。必死で騎士団は隠しているが、人の口には戸が立てられないものだ。既に貴族街で知らぬものなどいなかった。
つまり子爵は失脚する可能性が高いことは皆がわかっていた。そんな子爵に好き好んで貴重な馬を提供するものなどいるはずもない。ましてや馬が無事に戻って来る保障すらないのだから。
結局、馬を民間から強制徴収することとなり、強い反発があったものの数だけは揃えることができた。
日が地平線に沈みかけていたが、追跡部隊は出発を強行した。子爵の苛立ちがピークに達していたからだ。
追跡部隊は強盗団が残した馬車の轍を目印に北上する。
辺りを暗闇が支配するのに時間は掛からなかった。
「団長、そろそろ陣を張るべきです。これ以上の追跡は不可能です。」
団長のパウエルに意見を述べるのはジョズ。騎士団一の古株である。
「わかった。」
パウエルはその意見をそのまま取り入れる。
パウエルは近隣の男爵家の次男である。
その男爵家は古くから伝わる誇り高き名門であったが、その当主であるパウエルの父はパウエルを決して愛すことがなかった。ひたすら武芸と作法と叩き込み、成人してからは自身が所属する派閥の子爵の武官に息子を押し込んだ。
「子爵様に誠心誠意お仕えするように」
10年ぶりに聞いた父の最後の言葉である。パウエルの心は遠い昔に壊れていたのだ。
翌朝、部隊は追跡を開始する。
轍は北にひたすら伸びていた。このまま続けば北のキストーラ子爵の領地に侵入してしまう。
(このままではまずい。)
一行に不穏な空気が漂い始める。
武装した部隊が前触れもなく味方とはいえ他の領地へ侵入することは侵略行為と見なされかねない。そして、その問題が解決したとしても犯罪者が領を跨いだ場合、捜査権はキストーラ子爵に移管してしまう。
そうなってしまえばキストーラ子爵が真面目に犯人探しをする保障などは無く、メリットもない。最悪を考えれば、強盗団を秘密裏に始末し金品を懐に入れる可能性も否定できないのだ。
そのようなことを彼らの主であるホップス子爵が許すはずもない。
昼を越えたあたりで領境が部隊の視界に見え始める。
一行の思考を諦めが支配し始めた時である。領境の向こうから土煙が上がっているのだ。しかもこちら側に向かってきている。
「戦闘用意。」
パウエルは一行に指示を下す。一行に異議もあるはずがなく、戦闘態勢に入る。
しばらくして目に映ったのは、大きく翼を広げた金色の鷲の旗。キストーラ子爵の騎士団であった。数は50騎ほど。
「貴様ら!!どういうつもりだ!!」
キストーラ子爵の騎士団から一騎の騎士が進み出て、部隊に怒りをぶつける。まだ領境は越えていない。むしろキストーラの部隊がこちらの領地を侵していた。非はあちらにあるはずだ。部隊の皆がそう考えていた。
「宣戦布告もなしにこちらの騎士を殺害しおって!!!」
キストーラの騎士は言葉を続ける。後ろに控える部隊も殺気立ち、今にも襲い掛かってきそうな勢いであった。
「我らは王都にこの件について告発を行う!!今すぐ武装解除をしろ!!拘束する!」
一行は意味がわからなかった。
しかし、そんな部隊の困惑を無視し、一気にキストーラの部隊が一行を包囲し終えていた。
一体を言い知れぬ緊張感が支配した。
「我々は強盗団を追跡中である。邪魔をするな。」
パウエルが挑発とも言える言葉を発する。この言葉が発端となった。
最初に手をだしたのはどちらからは分からない。しかし、双方の騎馬の衝突と小競り合いで、騎士団長のパウエルを含む数人の死者を出し、ホップス子爵の騎士団は拘束された。
==================================================
ホップス子爵の館を襲撃したアキらはそのままキストーラ子爵の領地を目指していた。
「では皆さんよろしくお願いします。」
アキの言葉を聞くとタロアやコウら4人の騎士の装いをした村人が馬を掛けさせる。
場所はキストーラ子爵の領地に侵入して直ぐの位置。
そこにパザンやパダイらがアキを出迎えた。
「坊主。やっと終わったな。」
「はい。これから別の意味で大変ですけど。」
タロアらの姿を見送るとアキはパザンらの力を借りて、盗品を西に運びだす。
アキらが悪路に苦戦しながら品物を運ぶと、そこには10mほどの幅の川と係留しているイカダが5隻準備されていた。
このイカダはラウ村の家屋を解体して作ったものであった。
一方、タロアらは騎士の装いのままキストーラ子爵の領都ヘストラーザへと到着する。ホストラと同じように城門前では、民衆が検問のために列を成していた。
「ホップス子爵様の騎士様でお間違いないでしょうか?」
民衆を無視し、ホップス子爵の旗を掲げ城門に近づくタロアら。完全防備であるタロアらに衛兵は鎧の中身が、自分らが差別している獣人族であることに気が付かない。
「……?」
タロアらは何も答えない。反応がないことを疑問に思う衛兵。
すると突然タロアが衛兵に斬りかかる。抵抗もできぬまま崩れ落ちる衛兵。同行していたコウらも弓を持ち、城壁の兵を射抜いていた。城壁の周りに響く悲鳴。即座にパニックとなった。
兵士たちは状況がつかめず、上司に判断を仰ぎ、とりあえずの防衛に努めている。
タロアらは1撃の攻撃を終えると、彼らの挙動を意に介さず、旗を地面に突き刺し封蝋をした白紙の羊皮紙を城壁の上へと投げ入れるとそのまま南へと姿を消した。
================================================
アキらが川岸で待機しているとタロアらが姿を見せる。
皆無事のようだ。
「上手くいきました?」
アキの言葉に頷きを持って返す4人。あまり表情は浮かばれない。
「すいません。辛い役割を頼んでしまって。」
「何。お互いさまだ。」
そういってアキの肩を叩き年長者の威厳を保とうとするタロア。
一行はタロアらをイカダに乗せると、係留していたロープを外す。
「さあ、村に帰りましょう。」
家族が待っている村に。
子爵は時間が掛かっていることに苛立ちを隠そうともしていなかったが、領主館の周辺の安全を確認するためにはある程度の時間を要した。
敵の規模や装備も十分にわからないため仕方がなかったのだ。
現場に残された足跡から賊の数は10人に満たないと判断された。
追跡部隊の数は約30。急いで馬をかき集めようとした。
なにせ領主館の厩舎には馬が一匹も残されておらず、近隣の貴族から馬を借りる必要があった。
ここで更なる問題が起こる。
「我々共も力になりたい気持ちはあるのですが、なにせ当方の馬は今朝から下痢ぎみでして…。」
要は貸し渋りである。
子爵はお世辞にも評判がいいとは言えない。
それは民衆だけではく、貴族内にも適用される。
朝から子爵邸が騒がしいと思えば、強盗に襲われたと聞く。必死で騎士団は隠しているが、人の口には戸が立てられないものだ。既に貴族街で知らぬものなどいなかった。
つまり子爵は失脚する可能性が高いことは皆がわかっていた。そんな子爵に好き好んで貴重な馬を提供するものなどいるはずもない。ましてや馬が無事に戻って来る保障すらないのだから。
結局、馬を民間から強制徴収することとなり、強い反発があったものの数だけは揃えることができた。
日が地平線に沈みかけていたが、追跡部隊は出発を強行した。子爵の苛立ちがピークに達していたからだ。
追跡部隊は強盗団が残した馬車の轍を目印に北上する。
辺りを暗闇が支配するのに時間は掛からなかった。
「団長、そろそろ陣を張るべきです。これ以上の追跡は不可能です。」
団長のパウエルに意見を述べるのはジョズ。騎士団一の古株である。
「わかった。」
パウエルはその意見をそのまま取り入れる。
パウエルは近隣の男爵家の次男である。
その男爵家は古くから伝わる誇り高き名門であったが、その当主であるパウエルの父はパウエルを決して愛すことがなかった。ひたすら武芸と作法と叩き込み、成人してからは自身が所属する派閥の子爵の武官に息子を押し込んだ。
「子爵様に誠心誠意お仕えするように」
10年ぶりに聞いた父の最後の言葉である。パウエルの心は遠い昔に壊れていたのだ。
翌朝、部隊は追跡を開始する。
轍は北にひたすら伸びていた。このまま続けば北のキストーラ子爵の領地に侵入してしまう。
(このままではまずい。)
一行に不穏な空気が漂い始める。
武装した部隊が前触れもなく味方とはいえ他の領地へ侵入することは侵略行為と見なされかねない。そして、その問題が解決したとしても犯罪者が領を跨いだ場合、捜査権はキストーラ子爵に移管してしまう。
そうなってしまえばキストーラ子爵が真面目に犯人探しをする保障などは無く、メリットもない。最悪を考えれば、強盗団を秘密裏に始末し金品を懐に入れる可能性も否定できないのだ。
そのようなことを彼らの主であるホップス子爵が許すはずもない。
昼を越えたあたりで領境が部隊の視界に見え始める。
一行の思考を諦めが支配し始めた時である。領境の向こうから土煙が上がっているのだ。しかもこちら側に向かってきている。
「戦闘用意。」
パウエルは一行に指示を下す。一行に異議もあるはずがなく、戦闘態勢に入る。
しばらくして目に映ったのは、大きく翼を広げた金色の鷲の旗。キストーラ子爵の騎士団であった。数は50騎ほど。
「貴様ら!!どういうつもりだ!!」
キストーラ子爵の騎士団から一騎の騎士が進み出て、部隊に怒りをぶつける。まだ領境は越えていない。むしろキストーラの部隊がこちらの領地を侵していた。非はあちらにあるはずだ。部隊の皆がそう考えていた。
「宣戦布告もなしにこちらの騎士を殺害しおって!!!」
キストーラの騎士は言葉を続ける。後ろに控える部隊も殺気立ち、今にも襲い掛かってきそうな勢いであった。
「我らは王都にこの件について告発を行う!!今すぐ武装解除をしろ!!拘束する!」
一行は意味がわからなかった。
しかし、そんな部隊の困惑を無視し、一気にキストーラの部隊が一行を包囲し終えていた。
一体を言い知れぬ緊張感が支配した。
「我々は強盗団を追跡中である。邪魔をするな。」
パウエルが挑発とも言える言葉を発する。この言葉が発端となった。
最初に手をだしたのはどちらからは分からない。しかし、双方の騎馬の衝突と小競り合いで、騎士団長のパウエルを含む数人の死者を出し、ホップス子爵の騎士団は拘束された。
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ホップス子爵の館を襲撃したアキらはそのままキストーラ子爵の領地を目指していた。
「では皆さんよろしくお願いします。」
アキの言葉を聞くとタロアやコウら4人の騎士の装いをした村人が馬を掛けさせる。
場所はキストーラ子爵の領地に侵入して直ぐの位置。
そこにパザンやパダイらがアキを出迎えた。
「坊主。やっと終わったな。」
「はい。これから別の意味で大変ですけど。」
タロアらの姿を見送るとアキはパザンらの力を借りて、盗品を西に運びだす。
アキらが悪路に苦戦しながら品物を運ぶと、そこには10mほどの幅の川と係留しているイカダが5隻準備されていた。
このイカダはラウ村の家屋を解体して作ったものであった。
一方、タロアらは騎士の装いのままキストーラ子爵の領都ヘストラーザへと到着する。ホストラと同じように城門前では、民衆が検問のために列を成していた。
「ホップス子爵様の騎士様でお間違いないでしょうか?」
民衆を無視し、ホップス子爵の旗を掲げ城門に近づくタロアら。完全防備であるタロアらに衛兵は鎧の中身が、自分らが差別している獣人族であることに気が付かない。
「……?」
タロアらは何も答えない。反応がないことを疑問に思う衛兵。
すると突然タロアが衛兵に斬りかかる。抵抗もできぬまま崩れ落ちる衛兵。同行していたコウらも弓を持ち、城壁の兵を射抜いていた。城壁の周りに響く悲鳴。即座にパニックとなった。
兵士たちは状況がつかめず、上司に判断を仰ぎ、とりあえずの防衛に努めている。
タロアらは1撃の攻撃を終えると、彼らの挙動を意に介さず、旗を地面に突き刺し封蝋をした白紙の羊皮紙を城壁の上へと投げ入れるとそのまま南へと姿を消した。
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アキらが川岸で待機しているとタロアらが姿を見せる。
皆無事のようだ。
「上手くいきました?」
アキの言葉に頷きを持って返す4人。あまり表情は浮かばれない。
「すいません。辛い役割を頼んでしまって。」
「何。お互いさまだ。」
そういってアキの肩を叩き年長者の威厳を保とうとするタロア。
一行はタロアらをイカダに乗せると、係留していたロープを外す。
「さあ、村に帰りましょう。」
家族が待っている村に。
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