上 下
12 / 13

第12話 最終合格発表イベント~新グループ結成!

しおりを挟む
2023年10月7日

『おはようございます
花です☺︎︎︎︎✨️
この間のネイル完成しました🖤🤍⋆͛*͛
最後はアイドルオーディションカラーにしました!
今日も晴れて良かった~☺️
1日頑張りましょう(*^^*)』
という花のネイル💅🏻の画像付きトゥイートからこの日の朝は始まった。

「おはようございます☀
ホントだね!晴れてよかった😆
今日花子のアイドル姿楽しみにしてるね♪(*˘︶˘*).。.:*」

『おはようございます☀️!
よかったです✨
ありがとうございます(*^^*)』

昨日とは打って変わっていつも通り元気な花だ。

そして今日はついに
アイドルオーディション最終合格発表当日だ。
今回もYouTubeでのライブ配信がされる。
候補者達は
『合格発表にお越しいただける方いらっしゃいますかー?』とか
『オーディションも最後なので発表会場に会いに来てくださると嬉しいです!』など
オーディションに受かっても落ちても自分の晴れ姿を応援してくれたファンに見てもらえるのはこの日が最後。

だが俺は会場への観覧応募はせずに、またYouTube配信で観ようと思っていた。
誰が受かってもどんな結果になっても
絶対泣く自信が1000%あったし、目の前で当落の結果など見ていられないからだ。

そして時間になりライブ配信が始まった。
「皆様、本日はアイドルオーディション最終合格者発表にお集まりただきまして誠にありがとうございます。」

「まずはこのオーディションがどのようなオーディションなのかご説明をさせていただきます。」
「今年の4月から始まったアイドルオーディションプロジェクトは国民的アイドルグループを手がけてきた秋山智が総合プロデューサーを務める新規アイドルグループ創造プロジェクトです」
「オーディションの応募総数はおよそ1万人で様々な審査を通過したファイナリストは今日登場する40名となりました。
本日はその40名の中から最終的に11名の発表を行い半年間のオーディション期間を経て、ついに新アイドルグループが誕生します。」

「それではアイドルオーディションプロジェクト最終合格者11名の発表に参りたいと思います。まずはこちらのVTRからご覧下さい。」

するとステージが暗くなり、1次オーディションから候補者のお披露目会、合宿オーディションそしてファーストオーディションと今はもう居ない懐かしい候補者の顔ぶれとともに笑顔で語る姿、レッスンに勤しむ姿、またファーストで名前が呼ばれ仲間と抱き合い涙する姿など、今までの彼女達の軌跡が大スクリーンに映し出される。
この時点で俺はもう泣きそうだ。
今まで彼女達がどれだけ頑張りどれだけ苦悩してきたかを毎日見てきている。

「それではアイドルオーディションプロジェクトファイナルステージを通過したファイナリスト40名に登場して頂きましょう!」
舞台の袖から1人づつ名前が呼ばれ登場してくる。
「以上40名がアイドルオーディションプロジェクトのファイナリストとなります!皆さま盛大な拍手をお願いします!」

候補者のみんなは緊張でガチガチなのかなと思っていたが、みんな意外と余裕のある表情で俺は安心した。ちゃんとみんな気持ちを固めてきているようだ。

「それでは最終合格者11名そして新アイドルグループ『STAR☆TUP』のメンバー発表へと参ります!」

「ここでファイナリストの方には別室にご移動お願いします」
1度ファイナリスト達はステージから別室に移動する。
合格発表で呼ばれた候補者だけがこのステージに戻ってこれるシステムのようだ。
続いて司会の人が
「先日ファンによる40名のファイナリストへの投票が行われました。
その票数による上位11名が最終合格者となり新アイドルグループ『STAR☆TUP』のメンバーとして活動します」
「それではお待たせいたしました。合格者1人目の発表です!
それでは発表します!合格者1人目は!
マリーさんです!」
会場から悲鳴にも似た歓喜の声と拍手がが巻き起こる!
おおー!マリー受かった‼️👏✨
その瞬間俺は涙が溢れ出した。
「おめでとうございます🎉それではステージの方へお願いします!」
「今のお気持ちをお聞かせください!」
『えっと、ホントに呼ばれると思ってなかったので素直に嬉しいです!ありがとうございます!』

「続きまして合格者2人目の発表です!
合格者2人目は!ショコさんです!」
これにもまた盛大な拍手と歓声が巻き起こる!
そして3人、4人、5人と発表されていき、残るメンバーの枠は5人にまでなっていた。
えっ!?花も呼ばれてないし、真希ちゃんも呼ばれてないし、ウランちゃんもココアやマリナちゃんやネエちゃんも呼ばれてない。
もちろんここまで合格した候補生達は素晴らしいパフォーマンスの持ち主でアイドルとして申し分ないほど素晴らしい容姿だ。ただ俺は全員が推しなのだ。
いやもう今の時点では今名前を挙げた候補生を明らかに贔屓目で見ているのかもしれないが。
だが非情にも発表は止まらない。

「続きまして合格者7人目の発表です!
合格者7人目は!ココアさんです!」
やっとココアが呼ばれた。
俺はほっと胸を撫で下ろした。

「ココアさん今のお気持ちをお聞かせください!」
『Bグループのキャプテンのマリーちゃんが先に合格して、今までずっと同じグループで一緒にやってきて、私も合格してデビューしてこれからも一緒に頑張りたいなぁって気持ちで座っていたので呼ばれた瞬間はほんっとに嬉しかったです🥲』
「ココアさんおめでとうございます!」

そしてそのあと8人目、9人目、10人目と発表されついに最後の1人が発表される。
「続きまして最後の合格者11人目の発表です!
合格者11人目は!アンナさんです!」
最後の1人はファイナリストの中で最年少14歳のアンナが呼ばれた。
後に新グループのセンターを務めることとなるファイナリストの中でも逸材の候補生だ。

俺は涙でスマホの画面がよく見えなくて、しばらく呆然としてライブ配信の内容も何も頭に入ってこなかった。

「花子が呼ばれなかった、、、」

俺は114人全員が推しだし、新グループのメンバーが決まって喜ぶべき時なのに。
ただ自分ではなぜだか理解できなかったがずっと涙が止まらなかった。
そのあとのライブ中継のことは俺はあまり覚えていない。

こうして新アイドルグループ『STAR☆TUP』のメンバーを決める約半年間の壮絶なオーディションが幕を閉じたのであった。

しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

世界を統べる禁忌

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:142pt お気に入り:0

あなたは知らなくていいのです

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:74,592pt お気に入り:4,047

漂流物

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:149pt お気に入り:0

私に必要なのは恋の妙薬

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:3,408pt お気に入り:1,557

処理中です...