最弱の俺が神の血を継いで世界を救う旅に出る(仮)

RYOアズ

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第72話:龍の猛威

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アイスフォールの村上空で、星舟アストレイアは氷嵐龍と対峙していた。凍てついた甲板に立つゼイクたちの前で、龍の咆哮が空を震わせる。翼が切り裂く風は吹雪を巻き上げ、氷壁に囲まれた村全体が白い霧に飲み込まれる。船体に埋め込まれたエーテル結晶が青白く脈打ち、クリムゾード族の技術が辛うじて星舟を支えている。だが、龍の凍てつく息吹が甲板を覆い、庭の残骸が砕けた音がまだ耳に残る。ゼイクは剣を握り締め、「やめろ!この村も俺たちの家も、お前には渡さねえ!」と叫んだ。

氷嵐龍が翼を広げ、巨大な影が星舟を覆う。その鱗はエーテル結晶の輝きに似て、古代の力が宿っているかのようだ。シエルが軽やかにステップを踏み、「何だよ、この龍!俺の風よりデカいぜ!」と指を鳴らすが、顔に汗が滲む。ガルドが盾を構え、「ガハハ!でかいほどぶっ飛ばし甲斐があるぜ!」と豪快に笑うが、盾の表面に氷が張り始める。リノアが髪をかき上げ、「燃やしてやる!こんな氷の怪物!」と炎を両手に集めるが、冷気が彼女の火を嘲笑うように弱める。

ゼイクが神紋に触れると、氷の欠片の力が微かに反応した。「エーテル結晶…クリムゾード族の遺産か?」。その瞬間、ミリエが甲板に近づき、穏やかな声で言った。「この龍…エーテル結晶の力を感じるよ。氷の神殿と同じ、古代の技術が関係してるのかも」。彼女の言葉に、仲間全員が顔を見合わせる。エルヴィが目を潤ませ、「私、聞いたことがある…エーテル結晶は神々が全文明に与えた力だったけど、魔物にも影響を与えたって…」と呟く。

ミリエが頷き、星舟の結晶を指さした。「クリムゾード族は結晶を氷に封じ、イグニス族は炎に溶かし、アクアリス族は水に溶かした。でも、エーテルの歴史はもっと古いよ。神々が世界を創った時、結晶は大地の核に宿り、生命と力を与えた。それが魔物に流れ込んだ時、こんな強大な存在が生まれたんだ」。彼女の瞳に星舟の光が映り、ゼイクが剣を握り締める。「なら、この龍はエーテルの化身なのか…?」。

その時、氷嵐龍が咆哮を上げ、翼を振り下ろした。巨大な氷の爪が星舟を襲い、ガルドが「俺が支えるぜ!」と盾で受け止める。だが、衝撃が強すぎ、盾が軋み、彼の体が吹き飛ばされる。「ガハッ!」と氷壁に叩きつけられ、雪に埋もれる。シエルが「迅風の舞」を繰り出し、「風にお任せだ!」と風圧を放つが、龍の吹雪に巻き込まれ、甲板に倒れる。「くそっ、俺が…!」と呻く。ゼイクが「シエル!ガルド!」と叫び、剣を振り上げるが、龍の尾が星舟を叩き、船体が大きく揺れた。

情景は壮大だった。氷嵐龍の翼が空を切り裂き、吹雪が山脈を覆う。氷壁が陽光を反射し、青と白の光が交錯する中、龍の咆哮が天を貫く。星舟の甲板は凍りつき、エーテル結晶が悲鳴を上げるように輝く。村の屋根が崩れ、住民たちの叫びが遠くに響く。ゼイクが拳を握り締め、「仲間が全てだ!お前なんかに負けるか!」と叫んだ。

氷嵐龍の猛威は止まらない。龍が再び息吹を吐き、星舟の船体に氷が張り付く。甲板の柵が砕け、エーテル結晶の導管がひび割れる音が響く。ゼイクが神紋から光を放ち、「貫くぜ!」と剣を振り下ろすが、龍の鱗に弾かれ、かすかな傷しかつけられない。シエルが這い上がり、「楽勝だろ、って言いたいけど…やばいぜ!」と風を操るが、龍の吹雪に押し戻される。ガルドが雪から立ち上がり、「ぶっ飛ばすぜ、まだ終わってねえ!」と盾を掲げるが、足元が震えていた。

リノアが歯を食いしばり、「負けるかよ!燃やしてやる!」と両手を広げた。彼女の炎魔法が渦を巻き、凍てつく風を押し戻す。赤い炎が龍の足元を焼き、鱗がわずかに溶ける。「今だ、ゼイク!」と彼女が叫ぶ。ゼイクは剣を握り締め、シエルの風とミリエの水を呼び込んだ。「仲間と一緒なら貫ける!」。神紋が輝き、光と風と水が融合した一撃が龍の胸に突き刺さる。龍が咆哮を上げ、後退するが、倒れはしない。

「効いた…でも、まだだ!」とゼイクが息を切らす。氷嵐龍が翼を振り上げ、空に舞い上がる。その姿はまるでエーテルの歴史そのもの――神々が創った結晶が魔物に宿り、自然の力を超えた存在となった証。エルヴィが弓を手に震えながら呟いた。「この龍…私の故郷を壊した魔物と同じ目だ…」。彼女の声に、ゼイクが振り返る。「エルヴィ…?」。

ミリエが近づき、「エーテル結晶は文明を栄えさせたけど、制御を失うと魔物を生んだ。クリムゾード族が封じたのも、イグニス族が焼いたのも、同じ理由だよ。この龍は…その残響なのかも」と静かに言う。シエルが肩をすくめ、「マジかよ!俺の巻物も危ねえってことか!?」と軽口を叩くが、瞳が真剣だ。ガルドが盾を叩き、「ガハハ!なら俺がぶっ壊すぜ、エーテルだろうが龍だろうが!」と笑う。

龍が再び咆哮し、吹雪が星舟を包む。ゼイクが剣を構え、「仲間を守る。それが俺の戦う理由だ!」。リノアの炎が龍の足を止め、ゼイクの一撃が鱗を砕く。龍が一時後退し、空に舞い上がるが、その瞳はまだ燃えている。戦場は壮大だ。氷壁が陽光に輝き、吹雪が空を埋め尽くす。龍の翼が雲を切り、咆哮が山脈を震わせる。星舟のエーテル結晶が限界を迎え、微かに悲鳴を上げる。

ゼイクが仲間を見渡し、拳を握り締めた。
「まだ終わらない。俺たちなら、この龍を倒せるぜ!」。
その声に、リノアが「燃やしてやる!」と気合いを入れ、ガルドが「俺が盾だ!」と踏ん張る。
シエルが「風にお任せだ!」と立ち上がり、
ミリエが「癒してあげる!」と水流を放つ。
エルヴィが涙を拭い、「私も…!」と弓を構えた。エーテル結晶の歴史が試す戦いは、ここからさらに熱を帯びる。

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