167 / 171
妖精迷宮《フェアリー・ラビリンス》編
新たな可能性
しおりを挟む
リュシアの連絡を受け、バニッシュの館に皆が集まっていた。
かつては数人が集まるだけで手狭に感じていた部屋も、今では様変わりしている。
広い会議室の中央には、大きな机が据えられ、周囲を囲むように椅子が並んでいた。
席に着いているのは、長であるバニッシュ、街の相談・解決を努めるリュシア、バニッシュの秘書としてセレスティナ、大工房を仕切るグラド、建築・飲食組合からそれぞれの代表としてザイロ、メイラ。
母のメイラに付き添うようにフォル、今回の相談者兼医療施設に従事するライラ。
そして、獣盟官ツヅラと樹守官フィリア。
いずれも、拠点の発展の中心となってきた者たちだ。
「……セラにも声かけてただけど、またあの子……忘れてるわね」
一つ空いた席を見て、リュシアが小さく溜め息をついた。
「まあ、仕方ないさ」
バニッシュは肩をすくめ、柔らかく微笑む。
「とりあえず、会議を進めよう」
その一言で、場の空気が引き締まった。
「そんで? 今回は、何があったんや?」
真っ先に口を開いたのはツヅラだった。
「ああ」
バニッシュは頷き、話し始める。
「今回、ライラから相談を受けてな。どうやら、医薬品が不足し始めている。ここも規模が大きくなって、人が増えた。暮らしや環境も、確実に変わってきている」
バニッシュはゆっくりと言葉を重ねる。
「だが、それ以上に――まだ、発展途上だ。足りないものも多い。医薬品に限らず、他にも不足している物や、気になっていることはないか」
一人ひとりの顔を見渡しながら、続ける。
「それに対して、俺たちはどう対処していくべきか。今日は、その意見を皆から聞きたい」
会議室に、短い沈黙が落ちた。
「なるほどな」
グラドが腕を組み、鼻を鳴らした。
「とりあえず――大工房は、特に不足してるもんはねぇな」
設備、道具、素材、そのどれもが、現状では問題ないという自信の表れだ。
「そうか、ありがとう」
バニッシュは素直に頷き、次に視線を移す。
「ザイロの方は、どうだ?」
ザイロは一言も発さず、だがはっきりとした仕草で頷いた。
問題なし――それだけで十分だった。
バニッシュも、その意図を正確に受け取り、軽く頷き返す。
「食料に関しては、今のところ不足は出ていないようにしているが……」
今度は、メイラへと視線を向けた。
「足りない物や、気になっていることはあるか?」
「そうだねぇ……」
メイラは少し考えるように間を置いてから、穏やかに口を開いた。
「食べ物そのものが足りない、ってことはないよ。今のところはね」
だが――そこで、言葉を続けた。
「ただ、一つ……いいかい?」
メイラは隣に座るフォルへ手を伸ばし、優しくその頭を撫でる。
フォルはくすぐったそうに身をすくめながらも、どこか誇らしげだった。
「人も増えて、子供も増えてきたでしょう」
会議室にいる大人たち全員へ向けた言葉。
「だからね……この子たちに、学びの場を設けてあげたいんだよ」
それは切実で、そして未来を見据えた提案だった。
「学びの場……か」
バニッシュは顎に手を当て、ゆっくりと息を吐いた。
生き延びること、守ること、これまで優先してきたのは、そういった今の問題だった。
「私たちだって、いずれ年を取るでしょう? この先の未来を考えるならね、子供たちに正しい知識を持たせてあげないといけないんだよ」
メイラは穏やかに続ける。
それは、母として子供たちの未来を考え、クラウゼリアの未来を考えた言葉だった。
クラウゼリアは、曲がりなりにも都市として発展している。
ならば、この先の未来に向けての担い手を育てていかなければならないのだ。
「……確かに」
バニッシュは静かに頷く。
「それも、今後の課題として考えていこう」
今すぐ着手するべきか、体制を整えてからか――それは判断が必要だ。
だが、後回しにしていい問題ではない。
視線を巡らせる。
「ツヅラ、フィリアは何かあるか?」
「ウチはないで」
ツヅラは扇で口元を隠しながら答えた。
「流通も回っとるし、特に困っとることはあらへん」
「私もだ」
フィリアは眼鏡を押し上げながら淡々と告げる。
「現時点では、大きな懸念は見当たらない」
「分かった」
バニッシュは頷き、次にリュシアへと目を向けた。
「リュシア。住人たちの相談事で、他に何か来ているか?」
「うーん……」
リュシアは指先を顎に当て、少し考えるように視線を泳がせる。
「小さい相談事なら、いくつか来てるけど……ライラみたいに、街全体に関わる話は今のところないかな」
「そうか」
バニッシュは短く頷いた。
つまり、今この場で最も急ぐべき問題は――明白だ。
「子供たちの学び場については、もう少し状況を整理してからにしよう。まずは、医薬品だ」
視線が自然とライラへと向く。
「不足している原因、必要量、確保の方法。そこからだな」
会議の焦点が、はっきりと一つに定まった。
「現在のクラウゼリアの状況は、セレスティナが資料にまとめてくれた。まずは、それを見てくれ」
バニッシュがそう告げると、隣に控えていたセレスティナが静かに立ち上がった。
無駄のない所作で、まとめられた資料を一人ひとりに配っていく。
今やセレスティナは、正式にバニッシュの秘書として動いている。
書類整理、各種統計の取りまとめ、会議用資料の作成――バニッシュの手が回らない部分を、正確に、そして静かに補っていた。
「どうぞ」
淡々と、だが丁寧に、全員の手に資料が渡り、会議室には紙をめくる音だけが響く。
「……季節の変わり目もあって、体調を崩す年寄りや子供が多いなぁ」
ツヅラが扇の先を顎に当て、資料を眺めながら呟く。
ページには、診療件数、年齢層、主な症状、薬剤使用量――細かい数字が並んでいた。
「それに加え、怪我人も増えているようだな」
フィリアが静かに言う。
眼鏡の奥の視線は、負傷原因の項目に向けられていた。
「ああ」
バニッシュは頷く。
「身体の弱い老人や子供は、どうしても体調を崩しやすい」
食生活や住環境が整ってきたとはいえ、まだ盤石ではない。
「それに――街の発展に伴って、怪我人も増えた」
建設作業、開墾、鍛冶、交易準備、活気が生まれる裏側で、事故の数も確実に増えている。
「つまり」
バニッシュは資料の一点を指先で示す。
「需要が増えているのに、供給と人手が追いついていない」
問題の輪郭が、数字として可視化され、会議室の空気が、僅かに重みを帯びる。
「……医学に精通している者がいれば、ライラの手伝いも出来るんだが」
バニッシュは資料から顔を上げ、皆を見渡した。
「獣人やエルフの中に、そういう人材はいないか?」
問いかけに、ツヅラが扇で口元を隠しながら肩をすくめる。
「そやなぁ……ウチのとこにはおらへんな」
「私の方にもいないな。ミスティリアから移住してきた者の中には? あちらは人口も多い。可能性はあるだろう」
フィリアが続ける
だが、バニッシュは小さく首を横に振った。
「街の発展を優先したからな。最初に移住してきてもらったのは、鍛冶や建築、農耕といった技術職が中心だ」
クラウゼリアの基盤を築くための選択だった。
「今で四分の一ほどの移住は終えているが……ここで移住の順番を変えるわけにもいかない」
軽く頭をかく。
列に並ぶ者たちにも生活がある。
公平性を崩せば、必ず歪みが生じる。
「ってなると――今いる面子で、何とかしなきゃならねーわけか」
グラドが腕を組み唸る。
「魔の森の中に、薬草とか生えてないの?」
リュシアがふと思いついたように言う。
「魔紅果の実みたいに、珍しくて良いものがあるかも」
「確かに、探せばあるんだろう」
バニッシュは否定しない。
「だが――問題は知識だ」
リュシアの方へ向き、落ち着いて説明する。
「薬草は、扱いを間違えれば毒になる。調合一つでな。安易に使うわけにはいかない」
魔の森は宝庫だ。
だが同時に、危険の巣でもある。
未知の薬草を使うということは、知識なき挑戦。
それはもはや、医療ではなく博打になる。
会議室は再び静まり返る。
う~ん……と重なるように漏れた悩み声が、会議室の空気をわずかに重くした。
誰もが分かっている。
問題は明白だが、簡単に解決できる類のものではない。
「ま、これだけ考えても良い案が出ねぇならよ。ミスティリアからの人材を調整するしかねぇんじゃねーか?」
グラドは鼻を鳴らし、バニッシュに視線を向ける。
「……そうだな」
バニッシュは顎を押さえながら頷く。
「その方向で調整するしかないか」
「しかし、直ぐにとは参りません」
静かに、セレスティナが言葉を挟む。
「移住計画は段階的に進められてます。順番の変更には時間と交渉が必要です」
冷静で、的確な指摘をする。
「仕方がない」
バニッシュは小さく息を吐き、決断を下す。
「時間はかかるが、調整していこう。それまでは――俺が薬の調合をして、ライラを手伝う」
その言葉に、食い下がるようにリュシアが声を上げる。
「そんな……! それじゃ、アンタの負担が増えるだけじゃない!」
「皆、それぞれの仕事で手が回らないだろ? だったら、長である俺が頑張るさ」
バニッシュは苦笑する。
軽く言ったように聞こえるが、その実、重い責任を引き受ける言葉だった。
「……大丈夫なんですか?」
今度はセレスティナが、心配そうにバニッシュを見る。
秘書として、彼の抱えている業務量を誰よりも把握しているからこその不安だ。
「ああ、何とかなるさ」
その笑みは、強がりにも見えるし、本心にも見える。
だが――それでも誰かが背負わなければならないのなら、バニッシュは、迷わず背負う。
ミスティリアからの人材を調整する――その方針だけを決め、会議はひとまず幕を閉じた。
椅子を引く音が重なり、それぞれが自分の持ち場へと戻っていく。
グラドは大股で工房へ、ザイロは組合の方へ、メイラはフォルを連れて並んで住宅区の方へ、ライラは薬の調合の為に医療施設に向かう。
ツヅラとフィリアも何やら話し合いながら廊下を曲がっていった。
やがて会議室に残ったのは、バニッシュ、リュシア、そして資料を丁寧にまとめているセレスティナの三人だけになる。
最後の一枚を整え、セレスティナが抱え直す。
三人は並んで廊下を歩き出した。
「……さて、ミスティリアの移住調整をするとなると、ミュレアたちと話をしないとな」
歩きながら、バニッシュが言う。
「いつ帰ってくるの?」
隣でリュシアが問いかける。
「いや~……」
バニッシュは頭の後ろを掻き、気まずそうに笑った。
「いつ帰って来るか、聞いてなかったんだよな」
「何やってんのよ」
リュシアの呆れた溜め息が落ちる。
長として堂々としている時と、こういう抜けたところがある時との落差が激しい。
「確か、1週間ほどこちらを空けると聞いてましたよ」
落ち着いた声で補足したのはセレスティナだった。
「……そ、そうなのか?」
バニッシュは思わず足を止めかける。
「ええ。出立の前に確認しておりましたので」
そう言って、彼女は柔らかく微笑んだ。
秘書としての有能さが、さりげなく光る。
「流石ね!」
リュシアが感心したように頷き、それからジト目でバニッシュを見る。
「アンタもしっかりしなさいよ」
軽く脇腹を肘でつつく。
「あははは……」
バニッシュは誤魔化すように笑うしかなかった。
長として背負う重責もあれば、こうして仲間に叱られる立場でもある。
廊下の窓から差し込む夕方の光が、三人の影を長く伸ばしていた。
問題は山積みだ。
だが――こうして並んで歩く仲間がいる限り、きっと何とかなる。
そんな小さな確信が、春の空気の中に静かに溶けていた。
「とりあえず、移住してくる住人を再度洗い出さないとな」
現状を変えるには、まず情報を整理する必要がある。
「セレスティナ、頼めるか?」
「はい、わかりました」
セレスティナは抱えていた資料を整え直しながら、すでに頭の中で段取りを組み立てている様子だ。
「移住予定者の職種、技能、医療知識の有無を再確認します。必要であれば、優先順位の再調整案も作成します」
「助かる」
バニッシュは短く礼を言う。
「俺は少し、調合の方をやろう。少しでも薬品の在庫を確保したいからな」
「私はどうすればいい?」
隣でリュシアが一歩前に出る。
手伝う気満々、といった表情で、目をきらきらと輝かせていた。
「私も何かやるわ」
「そうだな……」
バニッシュは顎に手を当て、少し考える。
リュシアに任せられること、リュシアだからこそ出来ること、その答えを探していた、ちょうどその時だった。
「あ! バニッシュ~!」
元気いっぱいの声が、廊下に響く。
三人が振り向くと――こちらへ駆け寄ってくるセラの姿があった。
頭の上にはちょこんとパグが乗っている。
「アンタ、会議すっぽかしてどこ行ってたのよ?」
リュシアは腰に手を当て、盛大に呆れた視線を向ける。
「会議~?」
セラは顎に指を当て、きょとんとした顔で首を傾げた。
「そんなの、あったっけ?」
「あったわよ。てか、ちゃんと連絡したでしょ!」
「え~と……」
セラは慌てるでもなく、懐から可愛らしい小さな手帳を取り出した。
ぱらり、とページをめくる。
「う~ん……」
首を傾げながら真剣に覗き込み。
「そんな予定、ないね~」
――一瞬の静寂、その時、セラの頭の上にちょこんと乗っていたパグが、ぴょこんと身を乗り出し、同じく手帳を覗き込む。
「セラ様。その手帳には……何も書いておりませんよ」
真っ白なページを見つめながら、どこか呆れた調子で告げる。
「え~?」
セラは改めて手帳を覗き込み、さらに首を傾げる。
「あれ~?」
本気で不思議そうだ。
そのあまりに純粋な反応に、リュシアは深く、深く息を吐いた。
「……はぁ」
肩ががくりと落ちる。
パグも同様に、頭をカクンと落とす。
廊下に漂っていた緊張感は、完全に霧散する。
バニッシュは思わず吹き出しかけるのを堪えながら、頭を掻いた。
「……次からは、ちゃんと書いとけよ?」
「はーい!」
元気な返事だけは満点だった。
「しかし……」
セラの頭の上にちょこんと乗ったまま、パグが小首を傾げる。
「ずいぶん急な会議でしたが、何かあったのですか?」
その声音は、先ほどまでの呆れとは打って変わって落ち着いている。
「ああ、クラウゼリアの住人が増えたことで、医薬品が足りなくなってな。それで、皆の意見を聞こうと思ったんだ」
リュシアが腕を組んで続ける。
「でも、この街には医学に精通してる人がいないでしょ? だから、ミスティリアの移住者の調整をしようって話になったのよ」
「ふむ……それは、何とも気の長い計画ですね」
「だが、現状これしか手がない」
バニッシュは肩をすくめる。
「その間は俺が調合の手伝いをする」
「ふむ……」
パグは一瞬考え込むように目を細め、それからぽつりと呟いた。
「妖精族がいれば良いのですけどね」
その一言に、三人の動きが止まる。
「どういうことですか?」
真っ先に問い返したのはセレスティナだった。
「彼らは好奇心が旺盛ですからね」
パグは淡々と説明する。
「森に生える薬草や珍しい植物にやたらと詳しいのですよ。小柄ゆえに森の奥深くまで入り込めますし、調合も得意です」
「……」
バニッシュとリュシア、そしてセレスティナが、ゆっくりと互いの顔を見合わせる。
森、薬草、調合に長けた種族。
そして――魔の森の中心に築いた、この街。
「それだ!」
三人の声が、見事に重なった。
静まりかけていた廊下に、希望の光が差し込む。
気の長い計画だけではない。
今ある場所から、道を探せるかもしれない。
思わぬところから転がり込んだ可能性に、バニッシュの口元がゆっくりと吊り上がった。
かつては数人が集まるだけで手狭に感じていた部屋も、今では様変わりしている。
広い会議室の中央には、大きな机が据えられ、周囲を囲むように椅子が並んでいた。
席に着いているのは、長であるバニッシュ、街の相談・解決を努めるリュシア、バニッシュの秘書としてセレスティナ、大工房を仕切るグラド、建築・飲食組合からそれぞれの代表としてザイロ、メイラ。
母のメイラに付き添うようにフォル、今回の相談者兼医療施設に従事するライラ。
そして、獣盟官ツヅラと樹守官フィリア。
いずれも、拠点の発展の中心となってきた者たちだ。
「……セラにも声かけてただけど、またあの子……忘れてるわね」
一つ空いた席を見て、リュシアが小さく溜め息をついた。
「まあ、仕方ないさ」
バニッシュは肩をすくめ、柔らかく微笑む。
「とりあえず、会議を進めよう」
その一言で、場の空気が引き締まった。
「そんで? 今回は、何があったんや?」
真っ先に口を開いたのはツヅラだった。
「ああ」
バニッシュは頷き、話し始める。
「今回、ライラから相談を受けてな。どうやら、医薬品が不足し始めている。ここも規模が大きくなって、人が増えた。暮らしや環境も、確実に変わってきている」
バニッシュはゆっくりと言葉を重ねる。
「だが、それ以上に――まだ、発展途上だ。足りないものも多い。医薬品に限らず、他にも不足している物や、気になっていることはないか」
一人ひとりの顔を見渡しながら、続ける。
「それに対して、俺たちはどう対処していくべきか。今日は、その意見を皆から聞きたい」
会議室に、短い沈黙が落ちた。
「なるほどな」
グラドが腕を組み、鼻を鳴らした。
「とりあえず――大工房は、特に不足してるもんはねぇな」
設備、道具、素材、そのどれもが、現状では問題ないという自信の表れだ。
「そうか、ありがとう」
バニッシュは素直に頷き、次に視線を移す。
「ザイロの方は、どうだ?」
ザイロは一言も発さず、だがはっきりとした仕草で頷いた。
問題なし――それだけで十分だった。
バニッシュも、その意図を正確に受け取り、軽く頷き返す。
「食料に関しては、今のところ不足は出ていないようにしているが……」
今度は、メイラへと視線を向けた。
「足りない物や、気になっていることはあるか?」
「そうだねぇ……」
メイラは少し考えるように間を置いてから、穏やかに口を開いた。
「食べ物そのものが足りない、ってことはないよ。今のところはね」
だが――そこで、言葉を続けた。
「ただ、一つ……いいかい?」
メイラは隣に座るフォルへ手を伸ばし、優しくその頭を撫でる。
フォルはくすぐったそうに身をすくめながらも、どこか誇らしげだった。
「人も増えて、子供も増えてきたでしょう」
会議室にいる大人たち全員へ向けた言葉。
「だからね……この子たちに、学びの場を設けてあげたいんだよ」
それは切実で、そして未来を見据えた提案だった。
「学びの場……か」
バニッシュは顎に手を当て、ゆっくりと息を吐いた。
生き延びること、守ること、これまで優先してきたのは、そういった今の問題だった。
「私たちだって、いずれ年を取るでしょう? この先の未来を考えるならね、子供たちに正しい知識を持たせてあげないといけないんだよ」
メイラは穏やかに続ける。
それは、母として子供たちの未来を考え、クラウゼリアの未来を考えた言葉だった。
クラウゼリアは、曲がりなりにも都市として発展している。
ならば、この先の未来に向けての担い手を育てていかなければならないのだ。
「……確かに」
バニッシュは静かに頷く。
「それも、今後の課題として考えていこう」
今すぐ着手するべきか、体制を整えてからか――それは判断が必要だ。
だが、後回しにしていい問題ではない。
視線を巡らせる。
「ツヅラ、フィリアは何かあるか?」
「ウチはないで」
ツヅラは扇で口元を隠しながら答えた。
「流通も回っとるし、特に困っとることはあらへん」
「私もだ」
フィリアは眼鏡を押し上げながら淡々と告げる。
「現時点では、大きな懸念は見当たらない」
「分かった」
バニッシュは頷き、次にリュシアへと目を向けた。
「リュシア。住人たちの相談事で、他に何か来ているか?」
「うーん……」
リュシアは指先を顎に当て、少し考えるように視線を泳がせる。
「小さい相談事なら、いくつか来てるけど……ライラみたいに、街全体に関わる話は今のところないかな」
「そうか」
バニッシュは短く頷いた。
つまり、今この場で最も急ぐべき問題は――明白だ。
「子供たちの学び場については、もう少し状況を整理してからにしよう。まずは、医薬品だ」
視線が自然とライラへと向く。
「不足している原因、必要量、確保の方法。そこからだな」
会議の焦点が、はっきりと一つに定まった。
「現在のクラウゼリアの状況は、セレスティナが資料にまとめてくれた。まずは、それを見てくれ」
バニッシュがそう告げると、隣に控えていたセレスティナが静かに立ち上がった。
無駄のない所作で、まとめられた資料を一人ひとりに配っていく。
今やセレスティナは、正式にバニッシュの秘書として動いている。
書類整理、各種統計の取りまとめ、会議用資料の作成――バニッシュの手が回らない部分を、正確に、そして静かに補っていた。
「どうぞ」
淡々と、だが丁寧に、全員の手に資料が渡り、会議室には紙をめくる音だけが響く。
「……季節の変わり目もあって、体調を崩す年寄りや子供が多いなぁ」
ツヅラが扇の先を顎に当て、資料を眺めながら呟く。
ページには、診療件数、年齢層、主な症状、薬剤使用量――細かい数字が並んでいた。
「それに加え、怪我人も増えているようだな」
フィリアが静かに言う。
眼鏡の奥の視線は、負傷原因の項目に向けられていた。
「ああ」
バニッシュは頷く。
「身体の弱い老人や子供は、どうしても体調を崩しやすい」
食生活や住環境が整ってきたとはいえ、まだ盤石ではない。
「それに――街の発展に伴って、怪我人も増えた」
建設作業、開墾、鍛冶、交易準備、活気が生まれる裏側で、事故の数も確実に増えている。
「つまり」
バニッシュは資料の一点を指先で示す。
「需要が増えているのに、供給と人手が追いついていない」
問題の輪郭が、数字として可視化され、会議室の空気が、僅かに重みを帯びる。
「……医学に精通している者がいれば、ライラの手伝いも出来るんだが」
バニッシュは資料から顔を上げ、皆を見渡した。
「獣人やエルフの中に、そういう人材はいないか?」
問いかけに、ツヅラが扇で口元を隠しながら肩をすくめる。
「そやなぁ……ウチのとこにはおらへんな」
「私の方にもいないな。ミスティリアから移住してきた者の中には? あちらは人口も多い。可能性はあるだろう」
フィリアが続ける
だが、バニッシュは小さく首を横に振った。
「街の発展を優先したからな。最初に移住してきてもらったのは、鍛冶や建築、農耕といった技術職が中心だ」
クラウゼリアの基盤を築くための選択だった。
「今で四分の一ほどの移住は終えているが……ここで移住の順番を変えるわけにもいかない」
軽く頭をかく。
列に並ぶ者たちにも生活がある。
公平性を崩せば、必ず歪みが生じる。
「ってなると――今いる面子で、何とかしなきゃならねーわけか」
グラドが腕を組み唸る。
「魔の森の中に、薬草とか生えてないの?」
リュシアがふと思いついたように言う。
「魔紅果の実みたいに、珍しくて良いものがあるかも」
「確かに、探せばあるんだろう」
バニッシュは否定しない。
「だが――問題は知識だ」
リュシアの方へ向き、落ち着いて説明する。
「薬草は、扱いを間違えれば毒になる。調合一つでな。安易に使うわけにはいかない」
魔の森は宝庫だ。
だが同時に、危険の巣でもある。
未知の薬草を使うということは、知識なき挑戦。
それはもはや、医療ではなく博打になる。
会議室は再び静まり返る。
う~ん……と重なるように漏れた悩み声が、会議室の空気をわずかに重くした。
誰もが分かっている。
問題は明白だが、簡単に解決できる類のものではない。
「ま、これだけ考えても良い案が出ねぇならよ。ミスティリアからの人材を調整するしかねぇんじゃねーか?」
グラドは鼻を鳴らし、バニッシュに視線を向ける。
「……そうだな」
バニッシュは顎を押さえながら頷く。
「その方向で調整するしかないか」
「しかし、直ぐにとは参りません」
静かに、セレスティナが言葉を挟む。
「移住計画は段階的に進められてます。順番の変更には時間と交渉が必要です」
冷静で、的確な指摘をする。
「仕方がない」
バニッシュは小さく息を吐き、決断を下す。
「時間はかかるが、調整していこう。それまでは――俺が薬の調合をして、ライラを手伝う」
その言葉に、食い下がるようにリュシアが声を上げる。
「そんな……! それじゃ、アンタの負担が増えるだけじゃない!」
「皆、それぞれの仕事で手が回らないだろ? だったら、長である俺が頑張るさ」
バニッシュは苦笑する。
軽く言ったように聞こえるが、その実、重い責任を引き受ける言葉だった。
「……大丈夫なんですか?」
今度はセレスティナが、心配そうにバニッシュを見る。
秘書として、彼の抱えている業務量を誰よりも把握しているからこその不安だ。
「ああ、何とかなるさ」
その笑みは、強がりにも見えるし、本心にも見える。
だが――それでも誰かが背負わなければならないのなら、バニッシュは、迷わず背負う。
ミスティリアからの人材を調整する――その方針だけを決め、会議はひとまず幕を閉じた。
椅子を引く音が重なり、それぞれが自分の持ち場へと戻っていく。
グラドは大股で工房へ、ザイロは組合の方へ、メイラはフォルを連れて並んで住宅区の方へ、ライラは薬の調合の為に医療施設に向かう。
ツヅラとフィリアも何やら話し合いながら廊下を曲がっていった。
やがて会議室に残ったのは、バニッシュ、リュシア、そして資料を丁寧にまとめているセレスティナの三人だけになる。
最後の一枚を整え、セレスティナが抱え直す。
三人は並んで廊下を歩き出した。
「……さて、ミスティリアの移住調整をするとなると、ミュレアたちと話をしないとな」
歩きながら、バニッシュが言う。
「いつ帰ってくるの?」
隣でリュシアが問いかける。
「いや~……」
バニッシュは頭の後ろを掻き、気まずそうに笑った。
「いつ帰って来るか、聞いてなかったんだよな」
「何やってんのよ」
リュシアの呆れた溜め息が落ちる。
長として堂々としている時と、こういう抜けたところがある時との落差が激しい。
「確か、1週間ほどこちらを空けると聞いてましたよ」
落ち着いた声で補足したのはセレスティナだった。
「……そ、そうなのか?」
バニッシュは思わず足を止めかける。
「ええ。出立の前に確認しておりましたので」
そう言って、彼女は柔らかく微笑んだ。
秘書としての有能さが、さりげなく光る。
「流石ね!」
リュシアが感心したように頷き、それからジト目でバニッシュを見る。
「アンタもしっかりしなさいよ」
軽く脇腹を肘でつつく。
「あははは……」
バニッシュは誤魔化すように笑うしかなかった。
長として背負う重責もあれば、こうして仲間に叱られる立場でもある。
廊下の窓から差し込む夕方の光が、三人の影を長く伸ばしていた。
問題は山積みだ。
だが――こうして並んで歩く仲間がいる限り、きっと何とかなる。
そんな小さな確信が、春の空気の中に静かに溶けていた。
「とりあえず、移住してくる住人を再度洗い出さないとな」
現状を変えるには、まず情報を整理する必要がある。
「セレスティナ、頼めるか?」
「はい、わかりました」
セレスティナは抱えていた資料を整え直しながら、すでに頭の中で段取りを組み立てている様子だ。
「移住予定者の職種、技能、医療知識の有無を再確認します。必要であれば、優先順位の再調整案も作成します」
「助かる」
バニッシュは短く礼を言う。
「俺は少し、調合の方をやろう。少しでも薬品の在庫を確保したいからな」
「私はどうすればいい?」
隣でリュシアが一歩前に出る。
手伝う気満々、といった表情で、目をきらきらと輝かせていた。
「私も何かやるわ」
「そうだな……」
バニッシュは顎に手を当て、少し考える。
リュシアに任せられること、リュシアだからこそ出来ること、その答えを探していた、ちょうどその時だった。
「あ! バニッシュ~!」
元気いっぱいの声が、廊下に響く。
三人が振り向くと――こちらへ駆け寄ってくるセラの姿があった。
頭の上にはちょこんとパグが乗っている。
「アンタ、会議すっぽかしてどこ行ってたのよ?」
リュシアは腰に手を当て、盛大に呆れた視線を向ける。
「会議~?」
セラは顎に指を当て、きょとんとした顔で首を傾げた。
「そんなの、あったっけ?」
「あったわよ。てか、ちゃんと連絡したでしょ!」
「え~と……」
セラは慌てるでもなく、懐から可愛らしい小さな手帳を取り出した。
ぱらり、とページをめくる。
「う~ん……」
首を傾げながら真剣に覗き込み。
「そんな予定、ないね~」
――一瞬の静寂、その時、セラの頭の上にちょこんと乗っていたパグが、ぴょこんと身を乗り出し、同じく手帳を覗き込む。
「セラ様。その手帳には……何も書いておりませんよ」
真っ白なページを見つめながら、どこか呆れた調子で告げる。
「え~?」
セラは改めて手帳を覗き込み、さらに首を傾げる。
「あれ~?」
本気で不思議そうだ。
そのあまりに純粋な反応に、リュシアは深く、深く息を吐いた。
「……はぁ」
肩ががくりと落ちる。
パグも同様に、頭をカクンと落とす。
廊下に漂っていた緊張感は、完全に霧散する。
バニッシュは思わず吹き出しかけるのを堪えながら、頭を掻いた。
「……次からは、ちゃんと書いとけよ?」
「はーい!」
元気な返事だけは満点だった。
「しかし……」
セラの頭の上にちょこんと乗ったまま、パグが小首を傾げる。
「ずいぶん急な会議でしたが、何かあったのですか?」
その声音は、先ほどまでの呆れとは打って変わって落ち着いている。
「ああ、クラウゼリアの住人が増えたことで、医薬品が足りなくなってな。それで、皆の意見を聞こうと思ったんだ」
リュシアが腕を組んで続ける。
「でも、この街には医学に精通してる人がいないでしょ? だから、ミスティリアの移住者の調整をしようって話になったのよ」
「ふむ……それは、何とも気の長い計画ですね」
「だが、現状これしか手がない」
バニッシュは肩をすくめる。
「その間は俺が調合の手伝いをする」
「ふむ……」
パグは一瞬考え込むように目を細め、それからぽつりと呟いた。
「妖精族がいれば良いのですけどね」
その一言に、三人の動きが止まる。
「どういうことですか?」
真っ先に問い返したのはセレスティナだった。
「彼らは好奇心が旺盛ですからね」
パグは淡々と説明する。
「森に生える薬草や珍しい植物にやたらと詳しいのですよ。小柄ゆえに森の奥深くまで入り込めますし、調合も得意です」
「……」
バニッシュとリュシア、そしてセレスティナが、ゆっくりと互いの顔を見合わせる。
森、薬草、調合に長けた種族。
そして――魔の森の中心に築いた、この街。
「それだ!」
三人の声が、見事に重なった。
静まりかけていた廊下に、希望の光が差し込む。
気の長い計画だけではない。
今ある場所から、道を探せるかもしれない。
思わぬところから転がり込んだ可能性に、バニッシュの口元がゆっくりと吊り上がった。
10
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。
チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!?
“真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
異世界では地味な俺が、なぜか神々に最愛されて無双してる件
fuwamofu
ファンタジー
平凡な高校生・桐生ユウは、女神の手違いで異世界に転生した。
チートもスキルも貰えず、冒険者登録すらままならない落ちこぼれ……のはずだった。
しかし周囲の異常な好感度、意味不明な強運、そして隠された神格スキルによって、ユウは「無自覚に全能」な存在へと覚醒していく。
気づけば女神も姫騎士も魔王娘も彼に夢中。誤解と崇拝が加速する中、ユウの“地味な日常”は世界を揺るがす伝説になっていく。
笑いあり、胸キュンあり、ざまぁありの最強(なのに本人だけ気づいてない)異世界ファンタジー開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる