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菊茶と菊酒
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九月九日は、重陽の節句。または、菊の節句と呼ばれている。
夕食を終えた陽菜と祖母は、長寿と無病息災を願い、菊酒と菊茶の用意をしていた。
使うのはガクや茎がついている自然の菊ではなく、スーパーに袋で売っていた食用の干し菊。本来は酢の物やお吸い物に散らすために使われる代物だが、お手軽に菊茶や菊酒を楽しむにはちょうどよい。
干し菊を一掴み入れ、熱湯を注いだ耐熱性のガラスポット。五分が経過した頃には、にじみ出た菊の香りが周囲に漂っていた。
花が浮かんだお茶を飲むのは、織姫に入れてもらった薔薇茶以来だ。
天帝に強制送還されてしまったあの日は、結局、泣き疲れて眠りについた。翌朝には目がパンパンに腫れてしまって、大変だったことを思い出す。
そして、あの日から……向こうの世界に入り込んでしまうことは無くなった。
でも、それでよかったんだと思うことにしている。
また次があったとして、時間軸が大幅に変わって浦島太郎状態になってしまうのはイヤだ。今までは、また向こうに行けないかなぁと心の片隅で期待している部分があったけれど、天帝の話を聞いてから恐ろしくなってしまった。
「陽菜ちゃん。栗ご飯の残りで作った、栗の甘露煮も持って行こうか」
祖母に話しかけられ、陽菜は慌てて思考を切り替える。
もう、向こうの世界のことを考えてはダメなのに、菊茶のせいで思い返してしまっていた。
考えていたら、また道が繋がってしまうかもしれない。それは困る。
陽菜は思考を外に追いやって、今この瞬間だけに意識を集中させた。
祖母の手には、小鉢に盛りつけられた栗の甘露煮。祖母と陽菜それぞれが使えるように、爪楊枝が二本刺さっている。
陽菜の返事を聞かなくとも、祖母は酒のあてに、栗の甘露煮を持って行く気満々だ。それでも、一応は返事をする。
「いいと思うよ。甘くて美味しいもんね」
「うふふ、おばあちゃん栗の甘露煮が大好きなのよね。栗をたくさん買っておいてよかったわ」
祖母は黒塗りの丸盆に、小皿に入れた干し菊と小鉢を乗せ、お土産でもらった琉球ガラスの徳利と、セットになっている琉球ガラスのお猪口を用意した。冷蔵庫の中で冷やしていた酒瓶を取り出し、丸盆の隣に置く。
祖母が手にしているラベルが貼られた黒いガラス瓶は、金粉入りの純米大吟醸。
「せっかくだから、いいお酒で飲みたいわよね~」
祖母は上機嫌に酒瓶を振って中身を混ぜ、キュッポンと蓋を開ける。薄いピンクのグラデーションをしている琉球ガラスの徳利に、トクトクトク……と酒を注ぎ始めた。
透明な液体の中で、小さな金粉がキラキラと煌めきながら舞っている。ツンッと、麹の香りが鼻に届いた。
「うーん、いい香り~」
ウキウキと嬉しそうな祖母の表情を見ていて、陽菜は興味をそそられる。
まだ陽菜には日本酒の美味しさが分からないけれど、きっと大人にとっては、ジュースみたいに美味しい飲み物なのだろう。
陽菜も朱塗りの丸盆に、ガラスポットと耐熱性の透明なマグカップ、蜂蜜の瓶とティースプーンを乗せた。
これで準備は万端である。
「さて、縁側に移動しようか」
「うん!」
縁側には、あらかじめ折り畳み机を置いていた。
折り畳み机の中央には、白、赤、黄色の大菊と、黄緑色のスプレー菊が花瓶に活けて飾ってある。
黒塗りの盆と朱塗りの盆を折り畳み机の上に置き、カーテンと窓を開けた。
日中の太陽光で熱され、少しムワッとした風が、縁側に流れ込む。九月に入っても、まだ暑い。夜は少し涼しくなってきたけれど、いまだに陽菜は、ノースリーブとショートパンツで過ごしていた。
「冷房の効いた部屋で飲むのは最高だけど、イベントとしては自然の中で飲むほうが雰囲気が出ていいよね」
祖母は早速、お猪口に徳利を傾ける。お猪口の七分目くらいにまで酒を注ぎ、摘んだ干し菊を散らした。
「わ~! いい感じにステキじゃない?」
冷酒の池に浮かぶ菊の舟。
祖母は嬉しそうにお猪口を手にし、香りを確認するべく鼻に近づけた。
「はぁ……幸せな香りだわ」
ほぅ、とウットリしている祖母を横目に、陽菜はカップに菊茶を注ぐ。
薄く色づいた液体から漂う仄かな菊の香り。なみなみと注いでしまったカップに、そっと口をつける。
「あちっ」
湯気が立つ菊茶は、まだ火傷しそうなくらい熱かった。ふーふーと息を吹きかけ、唇をすぼめたまま、再び口をつける。
ズズズとすすれば、口の中に菊の香りがフワッと広がり、独特の苦味に顔をしかめた。
「やっぱり、蜂蜜入れなきゃダメだ……」
陽菜は蜂蜜が入っている瓶の蓋を捻り、ティースプーンを突っ込む。トロリとした蜂蜜を二杯入れ、零れないように気をつけながら、慎重にクルクルと掻き混ぜる。掻き混ぜたティースプーンを口に入れ、残った蜂蜜を舌で舐め取ると、蜂蜜の甘さが口の中いっぱいに広がった。
菊茶を口に含めば、苦味と甘さがちょうどいい。
「陽菜ちゃん。これで、健康で過ごせるといいね」
お猪口を空にした祖母は、もう次を注いでいる。
「そうだね。おばあちゃんには、ずっと元気でいてほしいもん」
「ふふふっ、ありがとうね。おばあちゃんも、陽菜ちゃんには元気に楽しく過ごしてほしいと思っているからね」
「いつでも私は元気だよ!」
陽菜はカップを置き、栗の甘露煮に手を伸ばす。
桃の節句のときに食べるチラシ寿司のように、菊の節句のときに食べる栗ご飯。菊の節句は栗の節句とも言われているらしい。そして十三夜は、栗名月と言うそうだ。
陽菜は甘露煮にした栗に爪楊枝を刺し、目の高さに掲げた。
栗の形は、満月に満たない十三夜の月に似ている。
(ツクヨミ様やセツちゃん達は、また地球を見ながら宴を開いてるのかな)
いけない……と、陽菜は慌てて思考を切り替えようとする。けれど、月を見ては想いを馳せることが習慣になっていたから、すぐには無理だった。
「陽菜ちゃん、甘露煮のお味はいかが?」
「あっ、えっ……と、これから食べるよ!」
様子を伺う祖母にカラ元気で答え、手にしていた甘露煮をパクリと頬張る。
甘いシロップと、ホロホロの栗の実。
咀嚼する度に崩れていく栗は、陽菜の心境に少し似ていた。
夕食を終えた陽菜と祖母は、長寿と無病息災を願い、菊酒と菊茶の用意をしていた。
使うのはガクや茎がついている自然の菊ではなく、スーパーに袋で売っていた食用の干し菊。本来は酢の物やお吸い物に散らすために使われる代物だが、お手軽に菊茶や菊酒を楽しむにはちょうどよい。
干し菊を一掴み入れ、熱湯を注いだ耐熱性のガラスポット。五分が経過した頃には、にじみ出た菊の香りが周囲に漂っていた。
花が浮かんだお茶を飲むのは、織姫に入れてもらった薔薇茶以来だ。
天帝に強制送還されてしまったあの日は、結局、泣き疲れて眠りについた。翌朝には目がパンパンに腫れてしまって、大変だったことを思い出す。
そして、あの日から……向こうの世界に入り込んでしまうことは無くなった。
でも、それでよかったんだと思うことにしている。
また次があったとして、時間軸が大幅に変わって浦島太郎状態になってしまうのはイヤだ。今までは、また向こうに行けないかなぁと心の片隅で期待している部分があったけれど、天帝の話を聞いてから恐ろしくなってしまった。
「陽菜ちゃん。栗ご飯の残りで作った、栗の甘露煮も持って行こうか」
祖母に話しかけられ、陽菜は慌てて思考を切り替える。
もう、向こうの世界のことを考えてはダメなのに、菊茶のせいで思い返してしまっていた。
考えていたら、また道が繋がってしまうかもしれない。それは困る。
陽菜は思考を外に追いやって、今この瞬間だけに意識を集中させた。
祖母の手には、小鉢に盛りつけられた栗の甘露煮。祖母と陽菜それぞれが使えるように、爪楊枝が二本刺さっている。
陽菜の返事を聞かなくとも、祖母は酒のあてに、栗の甘露煮を持って行く気満々だ。それでも、一応は返事をする。
「いいと思うよ。甘くて美味しいもんね」
「うふふ、おばあちゃん栗の甘露煮が大好きなのよね。栗をたくさん買っておいてよかったわ」
祖母は黒塗りの丸盆に、小皿に入れた干し菊と小鉢を乗せ、お土産でもらった琉球ガラスの徳利と、セットになっている琉球ガラスのお猪口を用意した。冷蔵庫の中で冷やしていた酒瓶を取り出し、丸盆の隣に置く。
祖母が手にしているラベルが貼られた黒いガラス瓶は、金粉入りの純米大吟醸。
「せっかくだから、いいお酒で飲みたいわよね~」
祖母は上機嫌に酒瓶を振って中身を混ぜ、キュッポンと蓋を開ける。薄いピンクのグラデーションをしている琉球ガラスの徳利に、トクトクトク……と酒を注ぎ始めた。
透明な液体の中で、小さな金粉がキラキラと煌めきながら舞っている。ツンッと、麹の香りが鼻に届いた。
「うーん、いい香り~」
ウキウキと嬉しそうな祖母の表情を見ていて、陽菜は興味をそそられる。
まだ陽菜には日本酒の美味しさが分からないけれど、きっと大人にとっては、ジュースみたいに美味しい飲み物なのだろう。
陽菜も朱塗りの丸盆に、ガラスポットと耐熱性の透明なマグカップ、蜂蜜の瓶とティースプーンを乗せた。
これで準備は万端である。
「さて、縁側に移動しようか」
「うん!」
縁側には、あらかじめ折り畳み机を置いていた。
折り畳み机の中央には、白、赤、黄色の大菊と、黄緑色のスプレー菊が花瓶に活けて飾ってある。
黒塗りの盆と朱塗りの盆を折り畳み机の上に置き、カーテンと窓を開けた。
日中の太陽光で熱され、少しムワッとした風が、縁側に流れ込む。九月に入っても、まだ暑い。夜は少し涼しくなってきたけれど、いまだに陽菜は、ノースリーブとショートパンツで過ごしていた。
「冷房の効いた部屋で飲むのは最高だけど、イベントとしては自然の中で飲むほうが雰囲気が出ていいよね」
祖母は早速、お猪口に徳利を傾ける。お猪口の七分目くらいにまで酒を注ぎ、摘んだ干し菊を散らした。
「わ~! いい感じにステキじゃない?」
冷酒の池に浮かぶ菊の舟。
祖母は嬉しそうにお猪口を手にし、香りを確認するべく鼻に近づけた。
「はぁ……幸せな香りだわ」
ほぅ、とウットリしている祖母を横目に、陽菜はカップに菊茶を注ぐ。
薄く色づいた液体から漂う仄かな菊の香り。なみなみと注いでしまったカップに、そっと口をつける。
「あちっ」
湯気が立つ菊茶は、まだ火傷しそうなくらい熱かった。ふーふーと息を吹きかけ、唇をすぼめたまま、再び口をつける。
ズズズとすすれば、口の中に菊の香りがフワッと広がり、独特の苦味に顔をしかめた。
「やっぱり、蜂蜜入れなきゃダメだ……」
陽菜は蜂蜜が入っている瓶の蓋を捻り、ティースプーンを突っ込む。トロリとした蜂蜜を二杯入れ、零れないように気をつけながら、慎重にクルクルと掻き混ぜる。掻き混ぜたティースプーンを口に入れ、残った蜂蜜を舌で舐め取ると、蜂蜜の甘さが口の中いっぱいに広がった。
菊茶を口に含めば、苦味と甘さがちょうどいい。
「陽菜ちゃん。これで、健康で過ごせるといいね」
お猪口を空にした祖母は、もう次を注いでいる。
「そうだね。おばあちゃんには、ずっと元気でいてほしいもん」
「ふふふっ、ありがとうね。おばあちゃんも、陽菜ちゃんには元気に楽しく過ごしてほしいと思っているからね」
「いつでも私は元気だよ!」
陽菜はカップを置き、栗の甘露煮に手を伸ばす。
桃の節句のときに食べるチラシ寿司のように、菊の節句のときに食べる栗ご飯。菊の節句は栗の節句とも言われているらしい。そして十三夜は、栗名月と言うそうだ。
陽菜は甘露煮にした栗に爪楊枝を刺し、目の高さに掲げた。
栗の形は、満月に満たない十三夜の月に似ている。
(ツクヨミ様やセツちゃん達は、また地球を見ながら宴を開いてるのかな)
いけない……と、陽菜は慌てて思考を切り替えようとする。けれど、月を見ては想いを馳せることが習慣になっていたから、すぐには無理だった。
「陽菜ちゃん、甘露煮のお味はいかが?」
「あっ、えっ……と、これから食べるよ!」
様子を伺う祖母にカラ元気で答え、手にしていた甘露煮をパクリと頬張る。
甘いシロップと、ホロホロの栗の実。
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