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第1章 12歳。ニンデリー王国にあるニンデリー王立学園へ行こう。大人の思惑通りに動かないのは、少女の特権。
1.マーゴット・ガラン。12歳。喋るミノカサゴと一緒に親元を離れて、外国の王立学園に入学します。
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わたしは、マーゴット・ガラン。
コーハ王国のガラン子爵家の第5子。
末っ子長女。12歳。
ガラン子爵家は、代々、小柄な体格で細身、茶色の髪と茶色の瞳、ぱっちり二重のしょうゆ顔の家系で、わたしもその特徴を受け継いでいる。
ガラン子爵家の家系は、外国のみならず、他領の人からも、小柄で小枝並みに脆そうで、気弱そうに思われがち。
侮られて、怪我をさせられたりしないように、自衛手段を身につけるのは、ガラン子爵家の家訓になっている。
ガラン子爵家の当主一族のみならず、領民も小柄で細身。
わたしは、当主の娘として、小さいうちから、自衛のために体術、武術、剣術、魔法を鍛えてきた。
身分や性別を問わず、15歳で成人する世の中。
王侯貴族の子弟、子女は、12歳から18歳まで、学生生活を送る人も多い。
わたしは、12歳になったら、親元を離れて外国の学校に通うと決めていた。
コーハ王国の王都にも貴族学校はある。
でも、12歳から18歳まで通うなら、学びたい先生がいるとか、通う楽しみがほしい。
わたしが選んだのは、コーハ王国との仲が、可もなく不可もなしの国の王立学園。
コーハ王国からの入学者が過去にも何人かいて、施設、校風、先生、どれも評判が良かった。
その名も、ニンデリー王立学園。
入学したら在籍するクラスはあるけれど、クラス単位で何かをすることはない。
授業は全て、選択制。
自分の学びたい専門分野をどんどん深められる。
貴族クラスと平民クラスがあるから、学園内で、不敬罪の心配もない。
さすがに、校舎内での斬り捨て御免は勘弁願いたい。
隣のベイモン男爵領の同い年のご令嬢キャスリーヌを誘ってみたら、わたしの父も、ご令嬢の父も、キャスリーヌも、了承してくれた。
今日は、コーハ王国の国境へ向かい、コーハ王国を出て、学校のあるニンデリー王国へ移動する日。
領地は遠くて、交流がないけれど、わたしと同じ年齢のコーハ王国のオッドア伯爵家のご令嬢とコーハ王国の王都で合流する予定。
令嬢は3人。合流する伯爵令嬢の兄が引率としてついてくる。
計4人で移動することになっている。
12歳の女子3人で旅をするなんて、初めて。
令嬢の兄は、ニンデリー王立学園のOB。
「12歳の女の子3人だけで行くなんて正気?引率するから。」
わたしもキャスリーヌも、令嬢の兄の引率はいらないんだけど、OBならではの情報を教えてくれるというから、OKしたわ。
それぞれ、付き添いとして、執事や侍女はついてくるけれど、偉い大人がいない旅路は、絶対に楽しい。
早く出発したい。
わたしは、ウエストポーチをつけて、相棒のミノカサゴに入ってもらう。
ガラン領内にいるときは、わたしの顔の近くで滞空しているミノカサゴ。
外国の海に行って、海遊びをしていたら、声をかけてきたのがミノカサゴ。
「アナタ、イイ女の素質があるわね。歴代のイイ女を育て上げてきた最高の指導者が言うんだから、間違いない。アナタ、ワタシの指導を受けなさい。」
海中で、ミノカサゴが近付いてきて、話し始めたときは驚いた。
「確認しておくけど、わたしは、海の生き物じゃないわよ。海には遊びにきていて、普段は陸で生活している。わたしの住んでいる場所は内陸部で海がないけど、ミノカサゴは平気?」
ミノカサゴは、水の中から、出て、わたしの目線の高さに並んだ。
「問題ない。ワタシは海の生き物として生まれたが、イイ女を育てる使命のために進化し、水の外でも平気になった。新しい生徒は、よく気のつく娘だこと。」
それ以来、ミノカサゴはわたしの相棒になった。
ガラン領内では、ミノカサゴがわたしの横に浮いていても、誰も気にしない。
ミノカサゴと並んで歩いていたわ。
わたしは当主の娘で、ガラン領には神獣や霊獣、幻獣などの人外が豊富。
ミノカサゴが宙に浮いているくらい、誰も疑問に思わない風土だ。
ただ、ガラン領の外は違う。
ミノカサゴとわたし、他所の人の安全のため、移動するときは、わたしの服のポケットか、カバンにミノカサゴに入ってもらう。
毒針が刺さらないように、加工したポケットやカバンなので、ミノカサゴが入っても安全。
人の視線の高さにミノカサゴがいると、視線を集めるので、カバンはウエストポーチにした。
ミノカサゴは、オシャレ好きで、ウエストポーチも何種類かある。
わたしとミノカサゴのオシャレを両立させるために、相談しながら作った。
旅装には、ウエストポーチがぴったり。
「ミノカサゴ、準備はいい?」
「ワタシの生徒の準備が出来たなら、ワタシはいいわよ。」
とミノカサゴ。
「ミノカサゴ、ウエストポーチに入って。出発する。」
ミノカサゴがウエストポーチに入って、ゆらゆら、周りを見ている。
非常時以外、ウエストポーチの蓋をしめないから、お喋りも楽しめる。
「生徒。行くわよ。」
とミノカサゴ。
「行こう、ミノカサゴ。」
コーハ王国のガラン子爵家の第5子。
末っ子長女。12歳。
ガラン子爵家は、代々、小柄な体格で細身、茶色の髪と茶色の瞳、ぱっちり二重のしょうゆ顔の家系で、わたしもその特徴を受け継いでいる。
ガラン子爵家の家系は、外国のみならず、他領の人からも、小柄で小枝並みに脆そうで、気弱そうに思われがち。
侮られて、怪我をさせられたりしないように、自衛手段を身につけるのは、ガラン子爵家の家訓になっている。
ガラン子爵家の当主一族のみならず、領民も小柄で細身。
わたしは、当主の娘として、小さいうちから、自衛のために体術、武術、剣術、魔法を鍛えてきた。
身分や性別を問わず、15歳で成人する世の中。
王侯貴族の子弟、子女は、12歳から18歳まで、学生生活を送る人も多い。
わたしは、12歳になったら、親元を離れて外国の学校に通うと決めていた。
コーハ王国の王都にも貴族学校はある。
でも、12歳から18歳まで通うなら、学びたい先生がいるとか、通う楽しみがほしい。
わたしが選んだのは、コーハ王国との仲が、可もなく不可もなしの国の王立学園。
コーハ王国からの入学者が過去にも何人かいて、施設、校風、先生、どれも評判が良かった。
その名も、ニンデリー王立学園。
入学したら在籍するクラスはあるけれど、クラス単位で何かをすることはない。
授業は全て、選択制。
自分の学びたい専門分野をどんどん深められる。
貴族クラスと平民クラスがあるから、学園内で、不敬罪の心配もない。
さすがに、校舎内での斬り捨て御免は勘弁願いたい。
隣のベイモン男爵領の同い年のご令嬢キャスリーヌを誘ってみたら、わたしの父も、ご令嬢の父も、キャスリーヌも、了承してくれた。
今日は、コーハ王国の国境へ向かい、コーハ王国を出て、学校のあるニンデリー王国へ移動する日。
領地は遠くて、交流がないけれど、わたしと同じ年齢のコーハ王国のオッドア伯爵家のご令嬢とコーハ王国の王都で合流する予定。
令嬢は3人。合流する伯爵令嬢の兄が引率としてついてくる。
計4人で移動することになっている。
12歳の女子3人で旅をするなんて、初めて。
令嬢の兄は、ニンデリー王立学園のOB。
「12歳の女の子3人だけで行くなんて正気?引率するから。」
わたしもキャスリーヌも、令嬢の兄の引率はいらないんだけど、OBならではの情報を教えてくれるというから、OKしたわ。
それぞれ、付き添いとして、執事や侍女はついてくるけれど、偉い大人がいない旅路は、絶対に楽しい。
早く出発したい。
わたしは、ウエストポーチをつけて、相棒のミノカサゴに入ってもらう。
ガラン領内にいるときは、わたしの顔の近くで滞空しているミノカサゴ。
外国の海に行って、海遊びをしていたら、声をかけてきたのがミノカサゴ。
「アナタ、イイ女の素質があるわね。歴代のイイ女を育て上げてきた最高の指導者が言うんだから、間違いない。アナタ、ワタシの指導を受けなさい。」
海中で、ミノカサゴが近付いてきて、話し始めたときは驚いた。
「確認しておくけど、わたしは、海の生き物じゃないわよ。海には遊びにきていて、普段は陸で生活している。わたしの住んでいる場所は内陸部で海がないけど、ミノカサゴは平気?」
ミノカサゴは、水の中から、出て、わたしの目線の高さに並んだ。
「問題ない。ワタシは海の生き物として生まれたが、イイ女を育てる使命のために進化し、水の外でも平気になった。新しい生徒は、よく気のつく娘だこと。」
それ以来、ミノカサゴはわたしの相棒になった。
ガラン領内では、ミノカサゴがわたしの横に浮いていても、誰も気にしない。
ミノカサゴと並んで歩いていたわ。
わたしは当主の娘で、ガラン領には神獣や霊獣、幻獣などの人外が豊富。
ミノカサゴが宙に浮いているくらい、誰も疑問に思わない風土だ。
ただ、ガラン領の外は違う。
ミノカサゴとわたし、他所の人の安全のため、移動するときは、わたしの服のポケットか、カバンにミノカサゴに入ってもらう。
毒針が刺さらないように、加工したポケットやカバンなので、ミノカサゴが入っても安全。
人の視線の高さにミノカサゴがいると、視線を集めるので、カバンはウエストポーチにした。
ミノカサゴは、オシャレ好きで、ウエストポーチも何種類かある。
わたしとミノカサゴのオシャレを両立させるために、相談しながら作った。
旅装には、ウエストポーチがぴったり。
「ミノカサゴ、準備はいい?」
「ワタシの生徒の準備が出来たなら、ワタシはいいわよ。」
とミノカサゴ。
「ミノカサゴ、ウエストポーチに入って。出発する。」
ミノカサゴがウエストポーチに入って、ゆらゆら、周りを見ている。
非常時以外、ウエストポーチの蓋をしめないから、お喋りも楽しめる。
「生徒。行くわよ。」
とミノカサゴ。
「行こう、ミノカサゴ。」
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