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第5章 丸付けは、全部終わってからだよ?後手に回ったからって、それが何?
93.国境の領地を治めるということ。国境の領主の娘であるということ。
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バネッサは、オッドア伯爵領の事情から話し始めた。
「オッドア伯爵領は国境の領地なんだけど、国境沿いで小競り合いがない日がないの。」
とバネッサ。
「国境だからね。」
とキャスリーヌが同意する。
バネッサの家もマーゴットの家も国境の領地を治めている。
マーゴットの家の領地の王都側にキャスリーヌの家の領地が接しているため、マーゴットの家とキャスリーヌの家は、協力して国境防衛に当たってきた。
国境のガラン領からの入国を不可にしてから、長い時間が経った。
今は、王都側に隣接するキャスリーヌの家のベイモン男爵領からの侵入して、ガラン領に入り込み、内側からガラン領を落とそうとする連中が、虎視眈々と機会を窺うようになったが、ガラン領からの出入りが不可でなかったときは、小競り合いじゃ済まなかった。
隣り合う3つの国だけではない。
ガラン家が統治するガラン領は、昔から豊かな土地として知られていた。
豊かな土地のガラン領は、常に世界中から狙われていた。
侵入者共は、略奪、誘拐、殺人などの暴虐の限りをつくし、ガラン領に居座り、強奪した豊かさを享受しようとする連中ばかり。
話し合いによる交渉をもちかけながら、最終的には、武力と暴力での蹂躙を良しとする連中も多かった。
ガラン領の領主と領民は、一丸となって戦い続け、ガラン領民以外は、最初の一歩から、ガラン領に踏み込ませないことを決めた。
最初は、悪心を抱いていなくても、ガラン領の豊かさの前に、悪心を抱くようになる。
他所から来て、勝手に羨ましがり、勝手に妬み、勝手に欲しがって、問題を起こす連中は、来なくてよろしい。
ガラン領の豊かさは、土地そのものの良さだけで成り立っていたわけではない。
ガラン家とガラン領民が長い時間をかけて、より良い暮らしになるようにと、土地と共に生きてきた賜物。
ガラン領は、何種類もの神獣が人と共生している土地。
神獣がいる土地は豊かになるという説がある。
神獣は、気に入らない土地を棲み家にはしないので、神獣が棲みたい土地が、神獣の希望とマッチして豊かになっていく。
この考え方を人との共生に落とし込んで、領民全体で実現してきたのが、ガラン領。
土地と人と神獣が丁度よいバランスを維持しているため、神獣が棲みよい土地になり、土地が益々豊かになる。
そんなガラン領の実態は、外からは分からない。
その豊かな土地を寄越せ、とか、豊かな土地で築いた富を分配しろ、とか。
ガラン家は、ガラン領にあって栄え続ける限り、狙われる。
いつ何時、戦争になっても勝てるように、ガラン家は軍隊を維持し、代々の当主の子どもは、政略結婚で外に縁を繋ぎ、経済制裁ができるぐらいに経済を発展させてきた。
ガランは、戦い抜いて、勝ち続けることを選び取った。
ガラン家当主の娘のマーゴットは、仕掛けられた戦でも、尻尾を巻いて逃げることはしない。
マーゴット自身とガラン家のために。
敗軍の将は、語ることなど出来ない。
だから。
マーゴットと、キャスリーヌは、ナユカの発言の元となった話の異常さに気づいた。
戦いを他人事のように考え、戦う者を野蛮だと罵る者に、戦いによって得た利益を分配は不要。
戦いを忌避し、戦う者を軽蔑するなら、身内ではなく、敵地に言って、説いてこい。
敵地で賛同者を得て、敵を戦意喪失させるまで、母国の土を踏むな。
マーゴットとキャスリーヌは、戦いに夢は見ない。
戦いは、日常で、現実だ。
戦いを否定し、戦う妹バネッサの悪評をばら撒き、悪評だらけにした土地に、何も知らない妹バネッサを送り込んだ兄のアレックス。
オッドア伯爵家の第3子で長女のバネッサと、第2子で次男のアレックス。
オッドア伯爵家、もしくは、オッドア伯爵領で、何があったのか、なかったのか?
「オッドア伯爵領は国境の領地なんだけど、国境沿いで小競り合いがない日がないの。」
とバネッサ。
「国境だからね。」
とキャスリーヌが同意する。
バネッサの家もマーゴットの家も国境の領地を治めている。
マーゴットの家の領地の王都側にキャスリーヌの家の領地が接しているため、マーゴットの家とキャスリーヌの家は、協力して国境防衛に当たってきた。
国境のガラン領からの入国を不可にしてから、長い時間が経った。
今は、王都側に隣接するキャスリーヌの家のベイモン男爵領からの侵入して、ガラン領に入り込み、内側からガラン領を落とそうとする連中が、虎視眈々と機会を窺うようになったが、ガラン領からの出入りが不可でなかったときは、小競り合いじゃ済まなかった。
隣り合う3つの国だけではない。
ガラン家が統治するガラン領は、昔から豊かな土地として知られていた。
豊かな土地のガラン領は、常に世界中から狙われていた。
侵入者共は、略奪、誘拐、殺人などの暴虐の限りをつくし、ガラン領に居座り、強奪した豊かさを享受しようとする連中ばかり。
話し合いによる交渉をもちかけながら、最終的には、武力と暴力での蹂躙を良しとする連中も多かった。
ガラン領の領主と領民は、一丸となって戦い続け、ガラン領民以外は、最初の一歩から、ガラン領に踏み込ませないことを決めた。
最初は、悪心を抱いていなくても、ガラン領の豊かさの前に、悪心を抱くようになる。
他所から来て、勝手に羨ましがり、勝手に妬み、勝手に欲しがって、問題を起こす連中は、来なくてよろしい。
ガラン領の豊かさは、土地そのものの良さだけで成り立っていたわけではない。
ガラン家とガラン領民が長い時間をかけて、より良い暮らしになるようにと、土地と共に生きてきた賜物。
ガラン領は、何種類もの神獣が人と共生している土地。
神獣がいる土地は豊かになるという説がある。
神獣は、気に入らない土地を棲み家にはしないので、神獣が棲みたい土地が、神獣の希望とマッチして豊かになっていく。
この考え方を人との共生に落とし込んで、領民全体で実現してきたのが、ガラン領。
土地と人と神獣が丁度よいバランスを維持しているため、神獣が棲みよい土地になり、土地が益々豊かになる。
そんなガラン領の実態は、外からは分からない。
その豊かな土地を寄越せ、とか、豊かな土地で築いた富を分配しろ、とか。
ガラン家は、ガラン領にあって栄え続ける限り、狙われる。
いつ何時、戦争になっても勝てるように、ガラン家は軍隊を維持し、代々の当主の子どもは、政略結婚で外に縁を繋ぎ、経済制裁ができるぐらいに経済を発展させてきた。
ガランは、戦い抜いて、勝ち続けることを選び取った。
ガラン家当主の娘のマーゴットは、仕掛けられた戦でも、尻尾を巻いて逃げることはしない。
マーゴット自身とガラン家のために。
敗軍の将は、語ることなど出来ない。
だから。
マーゴットと、キャスリーヌは、ナユカの発言の元となった話の異常さに気づいた。
戦いを他人事のように考え、戦う者を野蛮だと罵る者に、戦いによって得た利益を分配は不要。
戦いを忌避し、戦う者を軽蔑するなら、身内ではなく、敵地に言って、説いてこい。
敵地で賛同者を得て、敵を戦意喪失させるまで、母国の土を踏むな。
マーゴットとキャスリーヌは、戦いに夢は見ない。
戦いは、日常で、現実だ。
戦いを否定し、戦う妹バネッサの悪評をばら撒き、悪評だらけにした土地に、何も知らない妹バネッサを送り込んだ兄のアレックス。
オッドア伯爵家の第3子で長女のバネッサと、第2子で次男のアレックス。
オッドア伯爵家、もしくは、オッドア伯爵領で、何があったのか、なかったのか?
応援ありがとうございます!
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