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2章
66:フレッドとお出掛け
しおりを挟む今日からは夏休み
と言うわけでダンジョンにやってきました
「なんか、地味だね」
「なー」
「確かに」
上から俺、ソウマ、フレッドだ。今日はこの3人でダンジョンの攻略とフレッドのレベル上げだ
ダンジョンの場所は、アルクスから徒歩で1時間の所にある森の中にある
ダンジョンの外観は石で出来た教会。色は赤茶色で窓ガラスとかは付いていない。周りは木々に囲まれている。冒険者が入るピークではないのか人の姿は疎らだ
「確かここ名前あったよね。何だったっけ?」
「そうだったか?」
「ストーンパレスって名前だよ」
「おお、それそれ。興味ないと直ぐ忘れちゃうんだよね」
「右に同じ」
ミネラの塔型ダンジョンの名前も覚えてないんだよな
「まあ、2人はそれで良いんじゃないかな?」
ちょっと呆れ気味なフレッド
「その話は置いといて。早く行こうぜ」
生徒会のお仕事も今日は無く、今までのストレスを戦いで発散したくてしょうがない様子
「お昼もアンザさんが作ってくれたからね。行こうか」
「おうよ!」
「うん」
俺を先頭にダンジョンの入り口へと入っていった
因みにアンザさんって言うのは食堂のおばちゃんだ。40代だが元気一杯で、作る料理はとっても美味しい
入り口から中へと入ると、その内装は街にある教会と同じで横椅子がいくつか並んでいて奥にはここのダンジョンを作ったと思われる大きな神の石像
ダンジョンへの入り口は神様の石像の足元にある下への階段だ
石造りの階段をコツコツと足音を響かせながら降りていく。周りの壁も足元も全て石材で整えられている
階段が終わり、広めの広間に出た。そこでは商人の人が冒険者にポーションや食材を売っていたり、鍛冶師が出張整備に来ていた。そんな人達が広間の右側に集まっていて、左側には2つの魔法陣。恐らく片方は転移で戻って来るときのもので、もう片方が指定の階層に跳ぶものだろう
特に用はないので気配を消してささっと通り抜け、奥の通路に進んだ
そのまま通路を進んでいるとフレッドが話しかけてきた
「急に気配消したけど何かあったの?」
ああ、そういえばフレッドに何も言わずにやってしまっていた
「絡まれたりすると面倒だから、ああいうところは気配を消して素通りするに限るんだよ」
「ああ、そういうことね。何かあったのかと心配したよ」
「ごめんごめん。次からはちゃんと前もって言うよ」
「うん、そうして」
それじゃ、どんどん進もうか
「来る時に話した通り、10層までは進むこと優先でそこからは殲滅優先ね」
「オッケー」
「了解」
「それじゃあ、出発!」
そうして俺達は10層目指して駆け出した
てな訳でグングンとばしてやってきました第5階層
ここストーンパレスは全40階層の5階層ごとのボスが待ち構えているダンジョンだ。出て来る魔物は全て石に関連している。レベル帯は1階層が40~45
そして、最初のボスが目の前にいます
そいつは石像だ。数は3。真ん中の像が一際大きく、少しだけ造りが違う。見た目は一対の翼を背中から生やし、少しだけ突き出た口、全身と頭に毛は無く角が2本生えている。足と比べて手の方が長く、より発達していて鋭利な爪まで備えている
こいつの名前はガーゴイル
真ん中の一体だけは1つ上のグレーターガーゴイル
俺達はそんな石像のガーゴイルを確認しながら歩を進める。ある程度近づいたところでガーゴイルに変化が訪れた
白っぽい色の石だったその表面が生き物らしい物へと変わり、その赤い瞳を開きこちらをその瞳に捉えた
ギャアアアアアアアア!
発せられた絶叫に似た咆哮がこの空間に響き渡る
「此奴らならフレッド1人で行けるよね」
「えっ!?」
嘘でしょ!? といった顔で見てきた
「だって、フレッドのレベル上げだよ?」
「いやいや、それでもあれを1人は少しばかり骨がおれるから助けてよ!」
む、時間がかかり過ぎるのは嫌だな
「じゃあ、俺とソウマが押さえとくからちゃちゃっとやっつけてね」
「善処します」
てな訳で目前まで迫っていたガーゴイルの鋭い爪を右手に持つ剣で受け流す
今の俺の装備は全て父さんとリンガの作った物だ。リンガが生産系の総合的なスキルを獲得してしまったので服もリンガ製となっている。しかも当初気にしていたサイズの自動調節機能付き
上が黒の長袖に青色ベースのロングコート、下は黒の長ズボン。防具は服自体が丈夫な上に高性能なのであまり着けていない。銀色の胸当てと籠手、それと最初の頃と少し変わったグリーヴ。防具や服は全てマジックアイテムとなっている。グリーヴは最初の頃は刃が付いていたが、今は消したり出したりが任意に変わっている。武器に関してはこちらも色々と変化があるのだが、今使っているのは初めてしっかりと作ってもらった時の魔鉱石製の剣。その性能は初期とは格が違う。それを2本装備している
攻撃は全てフレッドのお仕事なので反撃をせずに受け流す、又は弾くことのみに専念する
迫り来る爪には剣の上を滑らして流し、続けて突き出された尻尾を峰で弾く。そこへ噛みつきをしてきたので顎を膝でカチあげる。今のは攻撃に換算しません
と攻防を続けている間にソウマの方のガーゴイルが倒され、フレッドがこちらのガーゴイルへと狙いを変える
もう1体のグレーターガーゴイルは咆哮をあげた位置で何やら魔力を練り上げて詠唱をしている
フレッドの戦闘スタイルはスピードで撹乱、隙をついて攻撃の徹底だ。今回は俺かソウマが押さえている間に素早く攻撃を加えて仕留めるといったもの。使用武器は、近接では短剣、中遠距離ではクロスボウと魔術といった感じ。ここに召喚獣で遠距離型のシロアが加わる形だ
そんなフレッドが死角からガーゴイルへと迫り、心臓へと鋭い一撃を放った。その一撃は吸い込まれるようにして急所である心臓を穿ち、その一撃でガーゴイルは絶命した
「残りは1体!」
とフレッドが歓声を上げた瞬間に魔力の奔流
どうやら詠唱が終わってまあまあ強力な魔術を発動したようだ
魔物でも一定の強さと知能を持ち、適正属性を持っているならば魔術と魔法は使うことが出来る
グレーターガーゴイルが完成させたのは風属性第6階梯魔術ストームスラッシュ
俺達3人に向かって渦を巻くようにして膨大な風の刃が放たれた
数が多いくて消すのは手間だから障壁だな
「ソウマ」
対処しようとしたソウマを制止して、魔力障壁を1枚展開する。ソウマがやるとそのまま相手を倒しちゃいそうだからね
張られた障壁が1枚だけなのを認識してフレッドが身構え、グレーターガーゴイルが笑ったように見えた
渦を巻いて迫る膨大な風の刃が障壁に衝突し、障壁にヒビすら入れることなく消えていく。残ったのは展開された時と変わらぬヒビ1つ入ってなどいない綺麗な障壁
かなりの自信があったと見える魔術を呆気なく消された事で怒ったらしく、咆哮をあげながら障壁に突撃してきた
ガィイーン!
障壁にグレーターガーゴイルが打つかり音を立てる
けれども障壁は壊れず健在。それを見てグレーターガーゴイルは更に激昂し、突撃を繰り返す
「フレッド、早く」
そんなに驚く事ではないと思ったのだが、呆けていたフレッドを現実に引き戻す
「わ、わかった」
どもりながらも素早く行動を開始する
というか、ソウマよ。暇だからって挑発するのはやめなさい
ソウマの挑発で更に頭に血を登らせている隙だらけなグレーターガーゴイルの背後をフレッドが取り、助走をつけて後ろから心臓をグサリ
グレーターガーゴイルの胸部を突き破り、動きが止まる。最後の悪足掻きとばかりにジタバタと手や足、尻尾を振り乱すも既に離脱したフレッドには当たらず、障壁があるので俺達にも当たらない
少しの間暴れていたが次第にその動きは遅くなり、力尽きた
「うん、お疲れ。戦闘中に呆けるのは良くなかったけどね」
ガーゴイル達の死体を収納してフレッドに駄目出しをする
「いや、それはクウガが」
ビーッビーッビーッ
突然なりだしたかなりの大きさの音。その発生源はソウマ
ソウマはその音を立てていた学生証に似た物をマジックポーチから取り出し確認する
「ナキアからだ!学園に敵襲!」
緊急事態が発生したみたいだ
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