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何気ない日々の中で
①
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午前中、そのやり取りの後、常務から呼ばれて、部屋を訪れた。おそらくぼくは、一応看護師を集める人事グループに属してる。なのになぜ、事務職の人財の面接をしなければならないのか…。そこを説明してくれるのだろう。
「失礼します。常務。明日の面接よろしくお願いします」
「うん。よろしく頼むよ。でも成田くん。なんでぼくが事務職の人財の面接をしなければならないんだって感じてるだろ?」
「はい。それの経緯を確認したいです。なぜなんですか?」
「しばらくの間、兼任してもらいたい。成田くんの人柄を買っててね。各看護部長からも高評価でね。それで、少し事務職ももっと強化して行きたくてね。そこで矢が刺さったのが、成田くんなんだ。ぼくも、少し手には負えないくらいの案件がきていてね。ぼくのサポートもして欲しいんだよ。やってくれるかい?」
蒼井常務とは、前職の時からの師弟関係で、お世話になりっぱなし。今のこの仕事も、誘ってくれたのも常務である。その常務から頭を下げられたら断る理由は何一つない。喜んで受けたい。
「喜んで。もちろん…させていただきます。ここに来たのも、常務の激務を少しでも無くしたいと思い入職してますので」
「そう言ってくれると信じてたよ。よろしく頼むね」
そうちゃんと説明をしてくれるのも、常務が尊敬するポイント。なかなか、上からの指示なので、説明なしに動くパターンが多い中、しっかりと説明をしてくれる。そんなのがあるからこそ、常務の仕事をほんの少しでも担いサポートしていきたい。
「ところで、明日の事務職の面接だが、成田くんはどうみてる?」
「明日の面接される方ですが、申し分ないですよ。人事の経験はないですが、人事部に欲しいです。事務職での応募なんですよね?」
「そうなんだよ。事務職での応募なんだよね。自分は、人事部に入れてみたいのかぁ。うーん。ぼくもね実はそうなんだよね。人事クラークとかでやらせてみたい。そうだ。これから、成田くんの仕事量も増えてくる。自分の下につけてもいいぞ。」
明日の面接される人がぼくの下につく。人事部はチームでそれぞれ動いているので、部下というものは意識はなかったが、ぼくにも上司というポジションで仕事を任されるようになるのかぁ。益々頑張らなきゃだな。
「でも、常務。もちろん明日の面接次第ですので、なんとも言えませんが…。一次面接で合否出すんですか?」
通常は、ぼくたちが、まず一次面接をして常務たちの二次面接で、採否が出される。だから、普段なら一次面接で採否を出すのは異例だ。そのくらいの逸材。プロ野球で言うなら、ドラ1の候補者くらい。複数指名のくじ引きになりかねない。
そう思いながら、蒼井常務の『眉毛』を確認して部屋を見て後にした。
何か企んでいる時や、なんか閃いた時は、必ず眉がピクピク動くことがある。今の常務の『眉』は、動いていた。何を考えてるのかは分かったもんじゃないが、明日何かが動き出すことは確かだ。その流れに振り落とされないように、やっていかなければと感じた。
しばらくして、近くの定食を食べて、若葉病院へ向かう。
「堀さん。1A病棟の職員配置情報まとめてくれてるかな。」
もう一人の人事クラークの本部職員。元気明瞭で、明るいムードメーカー的な存在。堀さんが有給休暇で居ないと、2段階程、全体の明るさが変わって来るくらいの人財である。彼女もまた、ドラ1候補の職員の一人。
「はい。出来てますよ。この前、現場に行ったときに、なんか不穏なムードが炸裂してると、主任さんが言ってました。成田さん、覚悟して行った方がいいかもですよ。ヒアリングもしなきゃですね」
「そうなんだ。大変じゃん。山本師長。その辺敏感やもんな。あそこの病棟は、ベテランクラスの看護師と、ルーキーの看護師とがいて、真ん中の看護師がいないんだよね。確か。」
「はい。そうなんですよね。あっ、居ましたよ。わたしみたいな明るい看護師が一人。」
「成田さんだ。成田淳子。彼女が居た。ぼくと同性の彼女。」
「失礼します。常務。明日の面接よろしくお願いします」
「うん。よろしく頼むよ。でも成田くん。なんでぼくが事務職の人財の面接をしなければならないんだって感じてるだろ?」
「はい。それの経緯を確認したいです。なぜなんですか?」
「しばらくの間、兼任してもらいたい。成田くんの人柄を買っててね。各看護部長からも高評価でね。それで、少し事務職ももっと強化して行きたくてね。そこで矢が刺さったのが、成田くんなんだ。ぼくも、少し手には負えないくらいの案件がきていてね。ぼくのサポートもして欲しいんだよ。やってくれるかい?」
蒼井常務とは、前職の時からの師弟関係で、お世話になりっぱなし。今のこの仕事も、誘ってくれたのも常務である。その常務から頭を下げられたら断る理由は何一つない。喜んで受けたい。
「喜んで。もちろん…させていただきます。ここに来たのも、常務の激務を少しでも無くしたいと思い入職してますので」
「そう言ってくれると信じてたよ。よろしく頼むね」
そうちゃんと説明をしてくれるのも、常務が尊敬するポイント。なかなか、上からの指示なので、説明なしに動くパターンが多い中、しっかりと説明をしてくれる。そんなのがあるからこそ、常務の仕事をほんの少しでも担いサポートしていきたい。
「ところで、明日の事務職の面接だが、成田くんはどうみてる?」
「明日の面接される方ですが、申し分ないですよ。人事の経験はないですが、人事部に欲しいです。事務職での応募なんですよね?」
「そうなんだよ。事務職での応募なんだよね。自分は、人事部に入れてみたいのかぁ。うーん。ぼくもね実はそうなんだよね。人事クラークとかでやらせてみたい。そうだ。これから、成田くんの仕事量も増えてくる。自分の下につけてもいいぞ。」
明日の面接される人がぼくの下につく。人事部はチームでそれぞれ動いているので、部下というものは意識はなかったが、ぼくにも上司というポジションで仕事を任されるようになるのかぁ。益々頑張らなきゃだな。
「でも、常務。もちろん明日の面接次第ですので、なんとも言えませんが…。一次面接で合否出すんですか?」
通常は、ぼくたちが、まず一次面接をして常務たちの二次面接で、採否が出される。だから、普段なら一次面接で採否を出すのは異例だ。そのくらいの逸材。プロ野球で言うなら、ドラ1の候補者くらい。複数指名のくじ引きになりかねない。
そう思いながら、蒼井常務の『眉毛』を確認して部屋を見て後にした。
何か企んでいる時や、なんか閃いた時は、必ず眉がピクピク動くことがある。今の常務の『眉』は、動いていた。何を考えてるのかは分かったもんじゃないが、明日何かが動き出すことは確かだ。その流れに振り落とされないように、やっていかなければと感じた。
しばらくして、近くの定食を食べて、若葉病院へ向かう。
「堀さん。1A病棟の職員配置情報まとめてくれてるかな。」
もう一人の人事クラークの本部職員。元気明瞭で、明るいムードメーカー的な存在。堀さんが有給休暇で居ないと、2段階程、全体の明るさが変わって来るくらいの人財である。彼女もまた、ドラ1候補の職員の一人。
「はい。出来てますよ。この前、現場に行ったときに、なんか不穏なムードが炸裂してると、主任さんが言ってました。成田さん、覚悟して行った方がいいかもですよ。ヒアリングもしなきゃですね」
「そうなんだ。大変じゃん。山本師長。その辺敏感やもんな。あそこの病棟は、ベテランクラスの看護師と、ルーキーの看護師とがいて、真ん中の看護師がいないんだよね。確か。」
「はい。そうなんですよね。あっ、居ましたよ。わたしみたいな明るい看護師が一人。」
「成田さんだ。成田淳子。彼女が居た。ぼくと同性の彼女。」
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