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貴女のいる時間の中で
⑥
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あれから、7年。叱咤されながら、千葉と笑いながら、怒りながら、時には励ましあいながら、医療法人の非生産性の中枢部署で、頑張ってきた。今や、互いに主任というポジションで更なる高みへ切磋琢磨しながら頑張っている。また、あとで昼ごはんを食べながら、その辺を思い出していたことを話してみようと思う。同僚であり、親友であり、同志でもあり、互いに恥ずかしいがリスペクトし合ってるヤツだ。
全体の朝礼後、課長とぼくとで、早朝の電話連絡の通りに、蒼井常務の部屋へと向かった。
「課長。さっきから、なんなんですか?ニヤニヤしてるじゃないですか。さっきも、なんか歯がゆいことを話しておられましたし。」
「成田くん。その辺は本当にぼくもわからないんだよ。でも、よくがんばってるよ。ちゃんと見てくれてないようで、ちゃんと見てくれてるんだな。よくがんばってるよな。成田くん。」
「絶対なんかこれからの話の内容を知ってるんだな。これは。なんなんだろう。」
課長と蒼井常務の部屋に行く途中、歩きながら何度も肩を叩かれていた。これは確実に確信に付いていて、何か知ってるに違いない。まぁ、怒られたり、注意されることはないだろう…。なので、まぁ何か良い事を言われるんだろうと少し期待しながら、部屋のドアを3回ノックした。
どうぞという中からの声かけがしたので、部屋の中に入った。
蒼井常務は、ニッコリして僕に近寄り、肩をポンと叩いて、握手を求めてきた。なにか言いたいようであるが決して悪いことではなさそうだ。
「成田くん。舞浜さんのことは、森田常務に報告したら了承されたよ。なので早急に稟議書を作成して受理してもらう流れで進めて欲しい。それで、舞浜さんを先週話したように、成田くんの部下としてしっかり指導して、早く一人前にしてくれよ。頼んだぞ。」
「成田くん。今までよく頑張ったね。これまで頑張って来たことが報われたんだと思うよ。みとめてくれたようだね。良かったじゃないか。」
二人の上司はベタ褒めで賞賛してくれた。これほどまで褒めてくれたことがあっただろうかと思うくらいであるが、それがまたこそばゆい感じがする。
「いえいえ。ぼくはまだまだですよ。これからもっともっと勉強しながら、進んでいきます。ありがとうございます。」
そう言って、頭を深々く下げると、また蒼井常務は話し出した。
「それでね。成田くん。今回もう一つ話に続きがあってね。今回舞浜さんが新たに部下につくこともあってね。森田常務と話したんだけどね。オールマイティに看護部とか総務とかの垣根を超えて人事のことに携わってもらいたいんだよ。そこでね。今までなかったんだけど、総務人事部特任課を作ることにしたんだ。僕が責任を持つんだけど、日出課長を特任課長として、成田くんにその特任課係長としてより一層頑張ってほしいんだ。昇進だ。引き受けてくれるかい?」
ん?係長?昇進?僕が?どうなってるんだ?
「常務。少し待ってください。特任課ってなんですか?」
少し状況が読めていない。特任課で、ぼくが係長?そもそも特任課ってなんだ?
「成田くん。今まで通り、業務内容については変わらないんだそうだよ。舞浜さんの入職を境に、これまでは看護師の入職に尽力を注いでくれたんだけど、それを他の人財の確保にも尽力して欲しいんだということ。ぼくの業務もなかなかいっぱいになってきたから、ぼくの業務も少し手伝って欲しいんだよ。やって欲しい。」
状況はやっと飲み込めた。要は、課長の業務のキャパが超えてきたから、それを手伝うってことかぁ。それは分かったけど。それでなんで昇進なんだ?ぼくに、そんな役割をつけてできるんだろうか…。
「自分を、森田常務にかなり推薦したんだよ。ぼくも、日出くんも。だから頼むよ。もう腹を決めて頑張ってくれ。」
頑張れって言われても…。プレッシャーが半端なくて、心臓がバクバクしてるんだけとなぁ。やらなきゃいけないんだろうけど。蒼井さんと、日出さんを助けて行きたいって思ってたからなぁ。でも、いきなり過ぎて、対応に時間がかかってしまった。
やらねばならない。
たんだんと状況が判断できるようになってきて、本来の状態に戻ってきた。やるべきことはわかってる。責任感も把握した。
まだ心臓はバクバクしているが、大丈夫。がんばれ。遥人。
「わかりました。腹決めてがんばります。常務、課長。これからも引き続きご指導の程、宜しくお願いしますね。責任を持って頑張ります。」
「成田くん。頑張ってくれよ。ぼくも、日出くんも、やれると思うから言ってるから。大丈夫。」
蒼井常務は、僕の手をしっかり握って、激励してくれた。背中をいつも押してくれる。
「それでは、成田くん。舞浜さんの入職の稟議を早速作成して提出してくれるか?宜しく頼むよ。成田くんの辞令はまた作成するから、辞令の公示があるだろうよ。新たな一歩を踏み出して行こう。」
そう課長も、目一杯の激励をしてくれた。
劇的に状況は変わる。今まで通りに、人財を大事にしていきながら、新たな人財という血を法人に注ぎ込みながら、前を向いてがんばっていこう。
全体の朝礼後、課長とぼくとで、早朝の電話連絡の通りに、蒼井常務の部屋へと向かった。
「課長。さっきから、なんなんですか?ニヤニヤしてるじゃないですか。さっきも、なんか歯がゆいことを話しておられましたし。」
「成田くん。その辺は本当にぼくもわからないんだよ。でも、よくがんばってるよ。ちゃんと見てくれてないようで、ちゃんと見てくれてるんだな。よくがんばってるよな。成田くん。」
「絶対なんかこれからの話の内容を知ってるんだな。これは。なんなんだろう。」
課長と蒼井常務の部屋に行く途中、歩きながら何度も肩を叩かれていた。これは確実に確信に付いていて、何か知ってるに違いない。まぁ、怒られたり、注意されることはないだろう…。なので、まぁ何か良い事を言われるんだろうと少し期待しながら、部屋のドアを3回ノックした。
どうぞという中からの声かけがしたので、部屋の中に入った。
蒼井常務は、ニッコリして僕に近寄り、肩をポンと叩いて、握手を求めてきた。なにか言いたいようであるが決して悪いことではなさそうだ。
「成田くん。舞浜さんのことは、森田常務に報告したら了承されたよ。なので早急に稟議書を作成して受理してもらう流れで進めて欲しい。それで、舞浜さんを先週話したように、成田くんの部下としてしっかり指導して、早く一人前にしてくれよ。頼んだぞ。」
「成田くん。今までよく頑張ったね。これまで頑張って来たことが報われたんだと思うよ。みとめてくれたようだね。良かったじゃないか。」
二人の上司はベタ褒めで賞賛してくれた。これほどまで褒めてくれたことがあっただろうかと思うくらいであるが、それがまたこそばゆい感じがする。
「いえいえ。ぼくはまだまだですよ。これからもっともっと勉強しながら、進んでいきます。ありがとうございます。」
そう言って、頭を深々く下げると、また蒼井常務は話し出した。
「それでね。成田くん。今回もう一つ話に続きがあってね。今回舞浜さんが新たに部下につくこともあってね。森田常務と話したんだけどね。オールマイティに看護部とか総務とかの垣根を超えて人事のことに携わってもらいたいんだよ。そこでね。今までなかったんだけど、総務人事部特任課を作ることにしたんだ。僕が責任を持つんだけど、日出課長を特任課長として、成田くんにその特任課係長としてより一層頑張ってほしいんだ。昇進だ。引き受けてくれるかい?」
ん?係長?昇進?僕が?どうなってるんだ?
「常務。少し待ってください。特任課ってなんですか?」
少し状況が読めていない。特任課で、ぼくが係長?そもそも特任課ってなんだ?
「成田くん。今まで通り、業務内容については変わらないんだそうだよ。舞浜さんの入職を境に、これまでは看護師の入職に尽力を注いでくれたんだけど、それを他の人財の確保にも尽力して欲しいんだということ。ぼくの業務もなかなかいっぱいになってきたから、ぼくの業務も少し手伝って欲しいんだよ。やって欲しい。」
状況はやっと飲み込めた。要は、課長の業務のキャパが超えてきたから、それを手伝うってことかぁ。それは分かったけど。それでなんで昇進なんだ?ぼくに、そんな役割をつけてできるんだろうか…。
「自分を、森田常務にかなり推薦したんだよ。ぼくも、日出くんも。だから頼むよ。もう腹を決めて頑張ってくれ。」
頑張れって言われても…。プレッシャーが半端なくて、心臓がバクバクしてるんだけとなぁ。やらなきゃいけないんだろうけど。蒼井さんと、日出さんを助けて行きたいって思ってたからなぁ。でも、いきなり過ぎて、対応に時間がかかってしまった。
やらねばならない。
たんだんと状況が判断できるようになってきて、本来の状態に戻ってきた。やるべきことはわかってる。責任感も把握した。
まだ心臓はバクバクしているが、大丈夫。がんばれ。遥人。
「わかりました。腹決めてがんばります。常務、課長。これからも引き続きご指導の程、宜しくお願いしますね。責任を持って頑張ります。」
「成田くん。頑張ってくれよ。ぼくも、日出くんも、やれると思うから言ってるから。大丈夫。」
蒼井常務は、僕の手をしっかり握って、激励してくれた。背中をいつも押してくれる。
「それでは、成田くん。舞浜さんの入職の稟議を早速作成して提出してくれるか?宜しく頼むよ。成田くんの辞令はまた作成するから、辞令の公示があるだろうよ。新たな一歩を踏み出して行こう。」
そう課長も、目一杯の激励をしてくれた。
劇的に状況は変わる。今まで通りに、人財を大事にしていきながら、新たな人財という血を法人に注ぎ込みながら、前を向いてがんばっていこう。
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