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62話 

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「アンネはどこにいるの? 無事なのかしら?」
「無事で王城の尖塔にいたよ。世界で一番安全と言えるから大丈夫だよ」
「んんっ?」

 王城の尖塔……ビクターの居室だ。彼は珍しい空間魔術師で、この国に守護結界を張っている美貌・・の監禁魔だ。美貌・・が無くてはただの犯罪者である。自身を時間の経過しない結界で包み、300年余り生きてると言う設定だ。実際の年齢は誰も知らないし、存在自体も王族と辛うじて陛下の側近であるお父様が知っているかも知れない程度の御方だ。
 ビクターがいいなんて…………アンネ、趣味わるぅー。

「どうかしたの?」
「いえ大丈夫ですわ。案内してくれる?」
「尖塔って言ってもびっくりしないよね……!? なんでかな?」
「!!」

――しまった! 尖塔は立ち入り禁止区域で、なんでアンネがいるか疑問に思って然るべきなのに。


「あっ、そうね、なんで尖塔なんかにいるのかしら?」
「…………嫌われたくないから、聞かないでおくよ」
「べっ、別に平気だし……」

 今世も嘘は下手みたい。

 私達は王城に向かった。今度はきちんと馬車に乗って。

 従者の顔をしたアリスが私を見つめ、顔を近づけた。

「ちょっと待って!」
「えっ……なんで?」

 アリスを押しのけると、不機嫌そうに眉を寄せた。
 顔は違えど、この表情はアリスで、彼に似て見えるから少し笑ってしまう。

「なんだかアリスじゃない顔だから、罪悪感が……」

 アリスが指輪を外した。指輪には乳白色の魔力石が嵌っていて、中にオレンジ色の魔法陣が描いてある。魔法陣は古代の失われた魔法で、昨今著名な学者たちが競って解読している。これはお金では買えない国宝級の魔道具だろうと思う。

「これでいい?」

 頷くと、アリスは私の顎を掴み、上を向かせ情熱的なキスをした。まるで待たされて待ちきれなかったみたいに……。性急に舌を入れられ、口内を弄られる。いつもどう舌を動かせばいいのかわからず、いつものように彼の舌に擦りつけた。

「んっ……ん゛ん゛っ」

 アリスの胸を叩いた。
 彼が唇を離した。キスに、いまだ慣れていない私は息継ぎをどうすればいいのかわからず、長く濃厚な接吻にいつも酸欠になってしまう。

「はぁはぁはぁはぁ………」

 急いで新鮮な空気を肺に送り込んだ。

「くすっ……、アルちゃんかわいい。やばっ、したくなっちゃた」

 アリスは私を持ち上げて、アリスの上に座らせた。
 彼の硬くなったものが、内股に当たる。それだけで恥ずかしい。なんて思ってる場合じゃなく、胸にあった服をずり降ろされその先端を舐られた。この世界の服は脱がせやすさ重視で出来ていて、防御力は皆無である。

「やっ……」
やなの・・・!?」

 急に真顔で氷点下の声で言われ、焦ってしまう。

「ちっ違うの! あまりにも素早いからびっくりして……あっ」

 反対側の胸の先を指で擦りあげられ、その気持ちよさに声を上げてしまう。腕や背中がぞくぞくしてくる。

「やだって禁止だよ。アルちゃんに拒絶されたら、世界ぶっ壊したくなるから。でも……それもいいね。アルちゃんと世界に二人だけ」

――ひゅっ……

 心臓が縮こまった気がする。笑えない。世界が本当に崩壊する。

「いたっ……。アリス痛いよ」

 胸がじんじんと痛む。乳輪の周りにくっきりと歯型がつけられてた。

「お仕置きだよ」

 黒い笑みで言われて、お腹の奥がキュンとするなんてドMかと自身を罵ったが、痛みと再び乳首を刺激された快感が混ざって、痛みも気持ちよくなって……どうでも良くなってしまった。このエロゲ仕様の体はすぐに気持ちよくなって、我慢がきかない。前世ではそんなこと無かったのに。

「キモチイイ……もっとして」

 下腹部がジンジンして、もどかしい。アリスの肉棒に私の秘所を押しつけた。ヌルリと湿った感覚が布越しに伝わる。
 激しく乳首を弄られて、気持ちよくて背筋がゾクゾクして、絶頂に達した。それでもまだまだ足りなくて…………

「ありすぅ……ねぇ、早くちょうだい」
「何を」
「アリスのを……」
「だから何を?」

 すぐぐちょぐちょになってイッちゃうド淫乱な体でも、言うのは恥ずかしい。

「アリスの……ち、ち…んぽほしいの」

 顔が熱くなって、赤面したのがわかった。

「どこに? お口かな?」
「ちがうよ。わかるでしょ?」
「わかんない」
「いじわる……」

 ニコニコと楽しそうに笑うアリスに不満げに口を尖らせて見せた。

「で? どこ?」
「まんこだよ」
「ねぇ早くして」

 じれったくて腰を揺らして、擦りつけた。

「誰のかな?」

 わかってるくせに、首を傾げるアリスが少しだけ恨めしい。

「アリスのちんぽを……私のまんこにください!」

 我慢できなくて、勢いよく言ってしまった。

「よくできました」

 いつもとは逆でアリスが私の頭を優しく撫でる。カチャカチャとベルトの金具を外す音を、待ち遠しいく思いながら聞いていた。まるでプレゼントを欲する子供みたいに……。
 固く天を仰ぐ剛直を、待ちきれずに自ら進んで受け入れた。焦らされて、歓喜に身を震わし、そのままイッた。

「あ!!……あんっ! アンッ! いいぃぃ……すごくキモチイイ。あーっ、また、イッちゃう……うーイクイクイク……あ゛ーーーっイクッ!!!」

 アリスが下から突き上げるから――馬車の揺れも気持ちよくて――またすぐに達してしまった。対面座位から反転させられて、今度は後ろから突かれた。腕を捕まれ奥のきゅんきゅんする所までグイグイ突かれて、突かれる度に目がチカチカする。

「ぞこ、きもちいい……」
「はぁ……アルちゃんはここがいいんだっ」

 一際強く穿たれ、快感が大きくなる。不思議だ快感とは結びつかないのに、アリスが愛おしい気持ちが強くなる。

「アリス……好き。大好き! アリスもきもちいい?」
「うっ……ナカ、うねって、すっごい絡んで、キモチイイ……顔、見せて」

 私は振り返って、アリスと視線を交わす。

「んっ、アルちゃんのアヘ顔かわいい。大好き……」
「ああ゛っ……きもちいいよぅ、アリス、キスしてぇ……」

 アリスと舌を絡ませる。二人の間に銀糸が伝って滴る。

「アルちゃんのナカ、アツイ………キモチイイ」
「あっ、イクッ……一緒にイキたい」
「うん……出すよ」
「うぅん、いっぱいだして……あっ……あっあっ……イクイク「イクッ!!」」

 同時に達した。お腹の中があったかいもので満たさせれ、子宮のうずきが収まってくる。アリスは私をお姫様抱っこみたいにして膝の上に乗せ、指で髪を分けておでこにキスをした。
 少し物足りないかもと思ったのは、アリスに内緒だ。そんなことを言ったら、朝まで抱き潰されて、アンネに会えなくなりそうだから。

 アリスの腕に抱かれ幸福に満たされたまま、ウトウトと眠くなって、目を閉じた。
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