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二章 御伽の国
60 武闘会(2) side王
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……余は第十三代目国王である。
聖女と戦い、余は負けた。国民も貴族も巻き込んで起こした争いだった分、負けた責任を追求され、国内での力はどんどん弱まってきている。
幸いにも、息子には内政の才がある。女癖は悪いし、戦いには滅法弱いが……ただ、余が隠居したとしてもなんとか今の王家を維持していけるだけの力はあるだろう。
王家を維持するためには、国民の怒りや貴族の反発を抑えるために、余をこの世から消すという手段もある。息子にはその手段を選ぶ権利もあるだろう。
そして、それが実行されたとして恨むことはない。それで息子や、妻が生き残れるのならば。
「あなた、入ってもいいですか?」
着替えを終えた妻が入ってくる。
なぜ着替えたのかは、言わないでおこう。
最初は群れる悪魔を見た時、次は魔狼を見た時、最後は魔王を見た時に着替えている。最後は余も危なかったぞ。
まさか伝説の魔王が子狼を愛でているとは思わなかった。
本当に人類の敵なのだろうか? とてもそんなようには見えなかったが……。
「これ、外にある屋台で貰ってきましたよ。あなた」
「む、これは……何の肉だ?」
「わかりませんが……とてもいい匂いでしたから。毒味は済ませてますよ」
連れてきた僅かな護衛が毒味をしてくれたのか。ありがたい。
たしかに、とてもいい匂いだな……頂こう。
む?! なんだこれは?!
「とても美味しいですね」
「うむ、王城でも味わえないほど美味だな」
「……あなた、もらってかえれないかしら?」
ここが王国内の貴族の領地ならば、一声かけるだけでいいのだが、この村での余の立場はただの客人に過ぎない。
表上では、国王としてこの村の独立を認めるかどうかの視察ではあるが、いざとなれば人質として捕まり、余の命を使って独立するなんてこともあるだろう。
つまりだな……
「難しいだろう。これはかなりいいものだ。簡単にはくれないだろう」
「やはりそうですか……」
「そもそも、帰れるかどうかも怪しい……余は、もう息子の顔も見れないのかもしれんな」
「……あなた」
妻には辛い思いをさせるが、その命だけは守ろう。あの聖女ならば、余の命と引き換えという条件を出せば協力してくれるはず。
「悲しい事を言わないでください。私は、貴方と運命を共にします」
「馬鹿なことを言うな。余の過ちに、お前まで巻き込むわけにいかん」
「馬鹿はあなたです。結婚式で誓ったのを忘れましたか? あなたと私は、死す時まで共に居ます」
……こんなにいい女性を妻にしたことが、余の人生の中で最もいい選択だったかもしれんな。
うむ、余は死ぬ訳には行かぬようだ。妻を幸せにしなければ。
「それに、この村は少し怖いですが……まるで御伽の国です。様々な種族が、まるで生まれた時からそうであったかのように共に生きています」
御伽の国、か。言い得て妙だな。
帝国は良くも悪くも力を求める。この村の戦力を見れば気に入るだろう。傘下に置くと考えるかもしれない。
神聖国は……あの国の排他的思想を考えると衝突は避けられないだろう。
「王家も、国も忘れて、こんな素敵なところに住めたらなんて幸せなことか……」
妻は、絶対に叶わない願いだと言わんばかりに、そう口に出した。
「なんて、ごめんなさい。無理なことを言ってしまいましたね」
「……うむ」
叶わない願いか……これまで、願いを人に押し付けてばかりだったが、妻の願いは叶えて見せよう。
「難しい顔をしないでください。明日は武闘会だそうです。楽しみましょう」
「そうだな。そうするとしよう」
そんな会話を行った次の日、いよいよ武闘会が始まった。
「……なんだこれは」
最初の試合、強大な悪魔と、白魔狼の戦いを見たが……あれはなんなのだ?
街のひとつやふたつ、簡単に滅ぼせるような二体が楽しそうに戦っているなど、人からしてみれば悪夢でしかない。
いや、夢ですらこのような光景は見ないだろう。
だが、この村ではそれが違和感なく受け入れられている。勝った方には拍手の嵐が送られ、負けた方にもまた、賞賛が送られている。
「凄いですわね、あなた!」
そう思うぞ、妻よ。だがな、盛り上がって応援するのはいいのだが、ずっと食べてないか?
いくら昨日の肉が美味かったと言っても、少し食べ過ぎではないのか……。
「妻よ、それ以上は太ーー」
「は?」
「なんでもない。む? 次は人間が出るようだぞ」
妻から殺気が放たれていた。こういう時の女性は怖い。王といえども大人しく退くべきだ。
次の戦いはどうやらエルフと人の戦いらしい。
うーむ、余には戦いの才能はあまり無いから、戦力がわからん。
護衛に聞いてみるとするか。あの二人はどうなのだ?
「エルフの女性は、かなりの腕前かと。金髪の人間はおそらく、義賊のブッチャーではないでしょうか」
ブッチャー? あぁ、そんな義賊がいるという報告が昔あったような気がする。
この村に住んでいたとは。
「はい! シルフィ 対 金髪 の試合……始め!」
聖女の声とともに、試合が始まった。
「あのエルフ、凄まじい技量です。予備動作の中にもフェイントが混ざっていますし、なにより矢の軌道が予測不可能です」
む、そうなのか。たしかに目を凝らしてみると、矢が途中で曲がっているような。
金髪は必死に避けているものの、追い詰められているな。
「一方的だな」
「そうでもありませんよ! あの男、必死ながらもまだ一度も攻撃を受けていません。魔法を使ってるみたいですが……うぅ、私の技量では見抜けない!」
ご、護衛よ……興奮してきてるのはわかるが、一応は余の護衛だからな? 試合に集中しすぎて余の事忘れてないか?
「うっ。さらにエルフの攻撃が加速した?! いや違う、矢を同時に何本も放ってるんだ! しかも金髪を追うようにして矢が曲がっているのか?!」
余には全然見えないが、護衛の解説があれば試合の内容もわかるな。
「金髪は勝てそうなのか?」
「なにかしらの魔法で矢を弾いていますが……持久戦になれば間違いなく負けるでしょう」
そうなのか。人としては金髪に頑張って欲しいものだが。
泥臭くも、必死に戦っている姿を見ると、応援したくなるというもの。妻はどうだ?
うむ、美味しそうにしているな。良きことだ。
「お、動いた?!」
「金髪がか?」
「ええ。矢を食らってはいますが、エルフに接近戦を仕掛けられる距離まで詰めました。だけど金髪は武器がない。どうするんだ……って、いつの間に剣を?!」
これは余にも見えたぞ! 何も持たずに戦いに挑んでいたはずの金髪が、いつのまにか手に剣を握っていた。どういうことだ?!
観客席にどよめきがひろがる。
エルフも虚をつかれたのか、体制を崩してそのまま金髪の剣がエルフの首元にあてられ、勝負はついた。
番狂わせだったのか、大きな拍手と歓声があがるものの、疑問が残る。
どうやって武器を得たのだ? 魔法で作ったのか?
「金髪がまさかの逆転勝利です! 皆さん盛大な拍手を!」
その声でもう一度拍手が送られる。だがやはり気になるな。
「ですが、気になる点がありますね。どうやって金髪は武器を得たのでしょう? 最初は何も持っていない様子でしたが……魔法で作ったのでしょうか?」
「いえ、金髪にゼロから武器を作れるほどの魔力はありません。ですが、金髪はその少ない魔力をある事に使ったんです」
「ある事? それはなんですかマーガレット様」
なんなのだ。余も気になる。というか観客席全員が気になっているだろう。
「実践するのが早いでしょうか。みんな見ててくださいね」
そういって聖女は指を鳴らす。
な、なに?! 聖女の姿が消えた!
「……はい。私の姿が一瞬消えたでしょう? このように、金髪は武器を最初から見えないようにしていたのです」
「な、なるほど! 最初から武器を隠すことで何も持っていないかのように思わせ、ここぞという場面で使ったということですね?」
「そういうことです。ですが、この魔法はかなり高度ですから、誰にも気づかれずに、そしてあれだけ動き回っていても尚、魔法を維持した技量は素晴らしいです。金髪の作戦勝ちですね」
なるほど……素晴らしい戦いだったという事だな。
タネを理解した観客はふたたび金髪に歓声を送る。余も拍手を送るとしよう。
ほら、妻よ。拍手を送るのだ。え、食べてばかりで見ていなかった? すごく、いい試合だったぞ。
さて、次の試合はどのようになるのだ?
年甲斐もなく、わくわくしている。余の技量では戦いの全貌を追うことはできないが、護衛の解説と、試合後の聖女の話があれば楽しむことが出来る。
妻よ、次こそは見るのだ! その肉は一度置くのだ!
聖女と戦い、余は負けた。国民も貴族も巻き込んで起こした争いだった分、負けた責任を追求され、国内での力はどんどん弱まってきている。
幸いにも、息子には内政の才がある。女癖は悪いし、戦いには滅法弱いが……ただ、余が隠居したとしてもなんとか今の王家を維持していけるだけの力はあるだろう。
王家を維持するためには、国民の怒りや貴族の反発を抑えるために、余をこの世から消すという手段もある。息子にはその手段を選ぶ権利もあるだろう。
そして、それが実行されたとして恨むことはない。それで息子や、妻が生き残れるのならば。
「あなた、入ってもいいですか?」
着替えを終えた妻が入ってくる。
なぜ着替えたのかは、言わないでおこう。
最初は群れる悪魔を見た時、次は魔狼を見た時、最後は魔王を見た時に着替えている。最後は余も危なかったぞ。
まさか伝説の魔王が子狼を愛でているとは思わなかった。
本当に人類の敵なのだろうか? とてもそんなようには見えなかったが……。
「これ、外にある屋台で貰ってきましたよ。あなた」
「む、これは……何の肉だ?」
「わかりませんが……とてもいい匂いでしたから。毒味は済ませてますよ」
連れてきた僅かな護衛が毒味をしてくれたのか。ありがたい。
たしかに、とてもいい匂いだな……頂こう。
む?! なんだこれは?!
「とても美味しいですね」
「うむ、王城でも味わえないほど美味だな」
「……あなた、もらってかえれないかしら?」
ここが王国内の貴族の領地ならば、一声かけるだけでいいのだが、この村での余の立場はただの客人に過ぎない。
表上では、国王としてこの村の独立を認めるかどうかの視察ではあるが、いざとなれば人質として捕まり、余の命を使って独立するなんてこともあるだろう。
つまりだな……
「難しいだろう。これはかなりいいものだ。簡単にはくれないだろう」
「やはりそうですか……」
「そもそも、帰れるかどうかも怪しい……余は、もう息子の顔も見れないのかもしれんな」
「……あなた」
妻には辛い思いをさせるが、その命だけは守ろう。あの聖女ならば、余の命と引き換えという条件を出せば協力してくれるはず。
「悲しい事を言わないでください。私は、貴方と運命を共にします」
「馬鹿なことを言うな。余の過ちに、お前まで巻き込むわけにいかん」
「馬鹿はあなたです。結婚式で誓ったのを忘れましたか? あなたと私は、死す時まで共に居ます」
……こんなにいい女性を妻にしたことが、余の人生の中で最もいい選択だったかもしれんな。
うむ、余は死ぬ訳には行かぬようだ。妻を幸せにしなければ。
「それに、この村は少し怖いですが……まるで御伽の国です。様々な種族が、まるで生まれた時からそうであったかのように共に生きています」
御伽の国、か。言い得て妙だな。
帝国は良くも悪くも力を求める。この村の戦力を見れば気に入るだろう。傘下に置くと考えるかもしれない。
神聖国は……あの国の排他的思想を考えると衝突は避けられないだろう。
「王家も、国も忘れて、こんな素敵なところに住めたらなんて幸せなことか……」
妻は、絶対に叶わない願いだと言わんばかりに、そう口に出した。
「なんて、ごめんなさい。無理なことを言ってしまいましたね」
「……うむ」
叶わない願いか……これまで、願いを人に押し付けてばかりだったが、妻の願いは叶えて見せよう。
「難しい顔をしないでください。明日は武闘会だそうです。楽しみましょう」
「そうだな。そうするとしよう」
そんな会話を行った次の日、いよいよ武闘会が始まった。
「……なんだこれは」
最初の試合、強大な悪魔と、白魔狼の戦いを見たが……あれはなんなのだ?
街のひとつやふたつ、簡単に滅ぼせるような二体が楽しそうに戦っているなど、人からしてみれば悪夢でしかない。
いや、夢ですらこのような光景は見ないだろう。
だが、この村ではそれが違和感なく受け入れられている。勝った方には拍手の嵐が送られ、負けた方にもまた、賞賛が送られている。
「凄いですわね、あなた!」
そう思うぞ、妻よ。だがな、盛り上がって応援するのはいいのだが、ずっと食べてないか?
いくら昨日の肉が美味かったと言っても、少し食べ過ぎではないのか……。
「妻よ、それ以上は太ーー」
「は?」
「なんでもない。む? 次は人間が出るようだぞ」
妻から殺気が放たれていた。こういう時の女性は怖い。王といえども大人しく退くべきだ。
次の戦いはどうやらエルフと人の戦いらしい。
うーむ、余には戦いの才能はあまり無いから、戦力がわからん。
護衛に聞いてみるとするか。あの二人はどうなのだ?
「エルフの女性は、かなりの腕前かと。金髪の人間はおそらく、義賊のブッチャーではないでしょうか」
ブッチャー? あぁ、そんな義賊がいるという報告が昔あったような気がする。
この村に住んでいたとは。
「はい! シルフィ 対 金髪 の試合……始め!」
聖女の声とともに、試合が始まった。
「あのエルフ、凄まじい技量です。予備動作の中にもフェイントが混ざっていますし、なにより矢の軌道が予測不可能です」
む、そうなのか。たしかに目を凝らしてみると、矢が途中で曲がっているような。
金髪は必死に避けているものの、追い詰められているな。
「一方的だな」
「そうでもありませんよ! あの男、必死ながらもまだ一度も攻撃を受けていません。魔法を使ってるみたいですが……うぅ、私の技量では見抜けない!」
ご、護衛よ……興奮してきてるのはわかるが、一応は余の護衛だからな? 試合に集中しすぎて余の事忘れてないか?
「うっ。さらにエルフの攻撃が加速した?! いや違う、矢を同時に何本も放ってるんだ! しかも金髪を追うようにして矢が曲がっているのか?!」
余には全然見えないが、護衛の解説があれば試合の内容もわかるな。
「金髪は勝てそうなのか?」
「なにかしらの魔法で矢を弾いていますが……持久戦になれば間違いなく負けるでしょう」
そうなのか。人としては金髪に頑張って欲しいものだが。
泥臭くも、必死に戦っている姿を見ると、応援したくなるというもの。妻はどうだ?
うむ、美味しそうにしているな。良きことだ。
「お、動いた?!」
「金髪がか?」
「ええ。矢を食らってはいますが、エルフに接近戦を仕掛けられる距離まで詰めました。だけど金髪は武器がない。どうするんだ……って、いつの間に剣を?!」
これは余にも見えたぞ! 何も持たずに戦いに挑んでいたはずの金髪が、いつのまにか手に剣を握っていた。どういうことだ?!
観客席にどよめきがひろがる。
エルフも虚をつかれたのか、体制を崩してそのまま金髪の剣がエルフの首元にあてられ、勝負はついた。
番狂わせだったのか、大きな拍手と歓声があがるものの、疑問が残る。
どうやって武器を得たのだ? 魔法で作ったのか?
「金髪がまさかの逆転勝利です! 皆さん盛大な拍手を!」
その声でもう一度拍手が送られる。だがやはり気になるな。
「ですが、気になる点がありますね。どうやって金髪は武器を得たのでしょう? 最初は何も持っていない様子でしたが……魔法で作ったのでしょうか?」
「いえ、金髪にゼロから武器を作れるほどの魔力はありません。ですが、金髪はその少ない魔力をある事に使ったんです」
「ある事? それはなんですかマーガレット様」
なんなのだ。余も気になる。というか観客席全員が気になっているだろう。
「実践するのが早いでしょうか。みんな見ててくださいね」
そういって聖女は指を鳴らす。
な、なに?! 聖女の姿が消えた!
「……はい。私の姿が一瞬消えたでしょう? このように、金髪は武器を最初から見えないようにしていたのです」
「な、なるほど! 最初から武器を隠すことで何も持っていないかのように思わせ、ここぞという場面で使ったということですね?」
「そういうことです。ですが、この魔法はかなり高度ですから、誰にも気づかれずに、そしてあれだけ動き回っていても尚、魔法を維持した技量は素晴らしいです。金髪の作戦勝ちですね」
なるほど……素晴らしい戦いだったという事だな。
タネを理解した観客はふたたび金髪に歓声を送る。余も拍手を送るとしよう。
ほら、妻よ。拍手を送るのだ。え、食べてばかりで見ていなかった? すごく、いい試合だったぞ。
さて、次の試合はどのようになるのだ?
年甲斐もなく、わくわくしている。余の技量では戦いの全貌を追うことはできないが、護衛の解説と、試合後の聖女の話があれば楽しむことが出来る。
妻よ、次こそは見るのだ! その肉は一度置くのだ!
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