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三章 龍の花嫁
88 大ピンチです
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「……泣く覚悟だと? 自分が所詮ただの人間であるということを忘れてはいないか? 人間!」
やけに強気じゃないですか。フォーレイ。
一回目にあった時は一瞬で魔界に返しましたし、二回目に会った時も殴り飛ばしたんですよ? 忘れましたか?
「ぐぉぉぉぉ!」
フォーレイが炎を吐いてきますが、魔力で壁を作って防ぎます。その程度の攻撃で勝てると思ってるんですか。
もう、私は怒ってるんですよ。バレンタインをぼろぼろにしたことも、アナスタシアさんを攫ったことも、怒っています。
何より、その行為を許してしまった自分に腹が立ちます。もっと対策をしておくべきでした。
いきますよフォーレイ……まずはマーガレットの本気パンチです。
身体強化を本気で使って、一気にフォーレイとの距離を詰めます。よーく振りかぶってー!
「えいっ!」
「ぐぼぁ?!」
ミシミシという音ともにフォーレイが吹き飛びます。中々の巨体ですから、木々がなぎ倒されていきますね。
「森を荒らしちゃだめじゃないですか」
「ぐふ……お前がやったんだろう……」
まだまだ元気そうですね。よーし、一気に行きますよ。
「な、なんだその魔力は……」
「大丈夫ですよ。殺したりはしませんから」
そういうことはしません。大丈夫です、威力は高めますが、ある程度のダメージで抑えるようになってます。
「覚悟してくださいね?」
「待て待て待て、そんなもの撃ったらここら一帯が吹き飛んでもおかしくないぞ!」
私はそんなミスをしたりしませんよ。ちゃんと地形は変わらないよう魔法にイメージをこめてます。
よし、魔力が貯まりました! 行きます!
「ぐっ……! 今だ、勇者!」
「え?」
魔法を打とうとした瞬間、フォーレイがとんでもないことを叫びました。勇者?
勇者はアナスタシアさんを攫って逃げたはずじゃ……。
「ナイス囮だフォーレイ。よぉ聖女、悪いがあんたが元気なままだと厳しいんでね」
いきなり背後をとられました。まったく気配がしなかったですよ?!
下にいるフェンたちも驚愕の表情を浮かべています。
私も、魔法の制御に手一杯で勇者を抑えられません。
勇者は、手にもった魔道具を私に向けます。
「『器を満たせ』」
「っ?!」
勇者がそう唱えると、撃とうとしていた魔法が消えます。そして、身体に掛けられた身体強化も解かれ、空を飛ぶために使っていた魔法も消えてしまいます。
「魔力が……!」
「よし、よしよしよし! フォーレイ、ずらかるぞ!」
身体を支えていた魔法が解かれ、私の身体は地面へと落ちていきます。
勇者とフォーレイの姿は、空気に溶け込むようにして消えていきます。何かしらの魔道具ですか。
ていうか、落ちてます! やばいです!
魔法が使えない状況で、この高さからの落下はほんとに死にます!
だ、誰か!
「主!」
「フェン!」
フェンが空を駆けてきます。フェン、空飛べたんですね。
空中で必死にもがいて、なんとかフェンに近づきます。
「あと少しだ……!」
あと少し! あと少しでフェンのふわふわの毛をを掴めます。あ……やばい地上が目の前です!
「むぅ、最後の手段!」
だめです! 間に合いません!
やばいです、本気で死んじゃうんじゃないですか?!
やけに強気じゃないですか。フォーレイ。
一回目にあった時は一瞬で魔界に返しましたし、二回目に会った時も殴り飛ばしたんですよ? 忘れましたか?
「ぐぉぉぉぉ!」
フォーレイが炎を吐いてきますが、魔力で壁を作って防ぎます。その程度の攻撃で勝てると思ってるんですか。
もう、私は怒ってるんですよ。バレンタインをぼろぼろにしたことも、アナスタシアさんを攫ったことも、怒っています。
何より、その行為を許してしまった自分に腹が立ちます。もっと対策をしておくべきでした。
いきますよフォーレイ……まずはマーガレットの本気パンチです。
身体強化を本気で使って、一気にフォーレイとの距離を詰めます。よーく振りかぶってー!
「えいっ!」
「ぐぼぁ?!」
ミシミシという音ともにフォーレイが吹き飛びます。中々の巨体ですから、木々がなぎ倒されていきますね。
「森を荒らしちゃだめじゃないですか」
「ぐふ……お前がやったんだろう……」
まだまだ元気そうですね。よーし、一気に行きますよ。
「な、なんだその魔力は……」
「大丈夫ですよ。殺したりはしませんから」
そういうことはしません。大丈夫です、威力は高めますが、ある程度のダメージで抑えるようになってます。
「覚悟してくださいね?」
「待て待て待て、そんなもの撃ったらここら一帯が吹き飛んでもおかしくないぞ!」
私はそんなミスをしたりしませんよ。ちゃんと地形は変わらないよう魔法にイメージをこめてます。
よし、魔力が貯まりました! 行きます!
「ぐっ……! 今だ、勇者!」
「え?」
魔法を打とうとした瞬間、フォーレイがとんでもないことを叫びました。勇者?
勇者はアナスタシアさんを攫って逃げたはずじゃ……。
「ナイス囮だフォーレイ。よぉ聖女、悪いがあんたが元気なままだと厳しいんでね」
いきなり背後をとられました。まったく気配がしなかったですよ?!
下にいるフェンたちも驚愕の表情を浮かべています。
私も、魔法の制御に手一杯で勇者を抑えられません。
勇者は、手にもった魔道具を私に向けます。
「『器を満たせ』」
「っ?!」
勇者がそう唱えると、撃とうとしていた魔法が消えます。そして、身体に掛けられた身体強化も解かれ、空を飛ぶために使っていた魔法も消えてしまいます。
「魔力が……!」
「よし、よしよしよし! フォーレイ、ずらかるぞ!」
身体を支えていた魔法が解かれ、私の身体は地面へと落ちていきます。
勇者とフォーレイの姿は、空気に溶け込むようにして消えていきます。何かしらの魔道具ですか。
ていうか、落ちてます! やばいです!
魔法が使えない状況で、この高さからの落下はほんとに死にます!
だ、誰か!
「主!」
「フェン!」
フェンが空を駆けてきます。フェン、空飛べたんですね。
空中で必死にもがいて、なんとかフェンに近づきます。
「あと少しだ……!」
あと少し! あと少しでフェンのふわふわの毛をを掴めます。あ……やばい地上が目の前です!
「むぅ、最後の手段!」
だめです! 間に合いません!
やばいです、本気で死んじゃうんじゃないですか?!
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