晴明、異世界に転生する!

るう

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第三章 鉱山都市マリザン

3-3 マリザンのギルド  

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「では、セイン様。こちらへ、ギルドマスターがお会いになります」

 ――なぜ、ギルドマスター!?

 いや、診療所へ案内を……と言いかけたセインを、受付嬢は強引に奥の部屋へと連れて行った。穏便に用事だけを済ませたかったが、そうは問屋が卸さなかったようだ。結局のところ注目を浴びてしまったセインであった。
 あまり人がいなかったことだけが、唯一の救いである。

「え……犯罪、奴隷ですか?」

 ギルドマスターのもとへ呼ばれたのは、例の奴隷の子供の処遇についてだった。
 ソファーの向こうに座っているのは、いかにもハンターという体格の男だ。年の頃は四十そこそこ、顎髭のある逞しい顔つきで、見るからに強そうな印象である。
 名はギルバート、本人は平民だが、父親は一代限りの騎士爵の称号を持っていた。
 
「現在の所有者はセイン様ですが、今の状態のまま解放されるとなれば、彼女は犯罪奴隷となります」
「どういうこと……いや、は? か、彼女? ええっ、女の子?!」

 ギルバートが話した本題と、まず違うところでセインが盛大に引っかかった。
 年齢も、セインと同じで十歳だと聞いてますます驚いた。自分も相当に貧弱だと思っていたが、それに輪をかけて彼女は小さかった。
 しかも、薄着だったその身体には、目に見える場所に、戦闘による傷が無数にあった。きっと、その他の原因の傷もあったに違いない。

「……で、その子がなんで犯罪奴隷に?」

 気を取り直して、セインは話を戻した。

「あの奴隷を解放なさるつもりだと、デオル様より聞きましたので」

 ギルバートの問いに、その通りだと頷いて「なぜ?」と、すぐに首を傾げることになる。
 セインが譲り受けたものを、セインの権限で解放したのに、どうして犯罪奴隷になってしまうのかわからなかった。

「彼女は、戦闘奴隷です。主人を過失により死なせたペナルティが課せられます」
「でもあれは……」
「わかっております。けれど、奴隷の彼女にとっては、結果がすべてです。それこそ今回のことで、処分されても文句は言えない身分なのです」

 前世では、身分制度がある時代を生きてきたので、ある程度の理不尽は理解できた。それでも、理解できたからといって納得できるかというと、そんな単純なことはないのだ。それこそ、いつの時代だろうと。
 セインが黙って聞いているので、ギルバートはそのまま続けた。

「ですので、彼女の身分は戦闘奴隷ではなく、犯罪奴隷です。セイン様が手放すのであれば、犯罪奴隷として扱われることになるでしょう」

 セインはここへ来るまで、あの獣人の身の振り方として、ハンターとして身を立てられるように援助しようと考えていたのだ。
 けれど犯罪奴隷は、ハンターギルドに基本的には所属できない。
 行き場としては、せいぜい重労働の現場に二束三文で売られるか、闇市で犯罪者に引き渡されるかのどちらかだ。
 セインはまたしても頭を抱えることになった。
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