【完結】運命の宝玉~悪役令嬢にはなりません~

らんか

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誕生~幼少期

6.乙女ゲームの世界とは

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 それから私は、この世界の事を聞いた。
 
 その小説は乙女ゲームの世界を模した小説で、主人公は聖属性魔法の使い手。男爵令嬢で家族共に仲良く、可愛くて優しい女の子。
 聖属性魔法の使い手として認められ、特待生として王立学園に入学し、そこで王太子殿下を始め、それぞれ秀でたものを持っている素敵男子との恋愛が繰り広げられる。
 そして、その聖属性魔法は女神の祝福を受けたものだと判明し、聖女として大切な存在となる。
 その聖女を敵視して、色々と邪魔するのが悪役令嬢。
 どんな男子との恋愛を繰り広げても邪魔をする悪役令嬢は、最終的には主人公の命を狙い、断罪後に処刑される運命にあるとの事だった。
 
 ラケシス様は、その小説を間近で見たい為に、その運命をこの世界にそのまま持ってきたと言った。
 
 
「はぁ~~」
 
 大きなため息を吐いた私にラケシス様は、涙目で言う。
 
『ほら~! そんな感じになって怒られると思ったから、映像で反論は聞きませんっていう風を装ったのに~』
 
 いや、全然装えてませんでしたから。
 
「この場合、私が悪役令嬢のように邪魔しなければいいのでは?」
 
 そう言う私に悲しそうにラケシス様は言った。
 
『それじゃあ、小説が間近で見れない……』
 
「私に18歳で死ねと!?」
 
 お母さんから貰った大切な命なのよ!
 そう簡単に死ねるわけないじゃない!
 しかも18歳だなんて!
 
『い、いえ! 好きに動いてもらって大丈夫!
 貴女を早くに死ぬ運命にしたってディオーネ様に知られたらわたくしも不味いし!』
 
 この女神、本当に大丈夫なの?
 
『あ、あのね、もう1つ言い難い事が……』
 
「まだ、何かあるのですか?」
 
『主人公の子が持っている宝玉を取り戻して欲しいの。あれは本来わたくしの物なんだけど、転生時にそれも一緒に奪われちゃって……』
 
「はぁ~!? 貴女、一体何なんですか!」
 
『だって! 低迷期の時に無理やり祝福を捧げろって脅されて力使ったらヘロヘロになっちゃって。そんな時に、世界の流れを記録した宝玉があの子に見つかっちゃって!』
 
 祝福まで授けたのか、このバカ女神!
 
『バカって言わないでよ! 低迷期は本当に無理なんだから! 他の女神のお姉様達に修行が足りないって言われるけど、ほら! 生理の重い人と軽い人がいるでしょ? あれと同じなのよ! 低迷期の辛さは他の女神より重いのよ~!』
 
 あぁ、駄目だこの女神。
 ディオーネ様。私は貴女の世界に転生したかった。
 
 
『ディオーネ様には言わないでね! 大丈夫!
 あの子の祝福は低迷期の時にかけたものだから、凄く弱いの。でも、貴女にはフルパワーの時にかけた祝福だから、全然力が違うわよ!』
 
「そうなのですね。じゃあ、別に小説のような動きさえしなければ問題ないのでは?」
 
 そう言う私に、ラケシス様は、またモジモジとしながら言いにくそうに伝えてきた。
 
『その宝玉ね、わたくしが本来決めた通りの運命をこの世界が辿るように記録された物だから、その宝玉がこの世界にある限り、強制力が働いて、どう足掻いても最終的には決められた運命を辿る事になるの。だからね、その宝玉をわたくしの元に取り戻して欲しいの。その宝玉はわたくしでないと壊せないから』
 
 
 
 本当に余計な物を作ったわね、このバカ女神!
 
 
 
 でも私はふと、ある事に気付く。
 
「その宝玉、直接ラケシス様が取り返しに行けば良いのではないですか? こうして、この世界に出てこれるわけですし、その子とも面識があるんだから、返してって言えば……」
 
『無理無理無理! 本来はこの世界の人間に直接関わったらいけない規則なのよ。だから始めは貴女にも映像越しで会ったのだし……。会話するだけで精一杯だから、宝玉を直接私が取り返しに行く事は出来ないわ。
 それに……』
 
「それに?」
 
『あの子と話すなんて嫌! トラウマになってるのよ! あの子の事を考えただけで、あの低迷期の時の最悪な状態が思い出されるの! だから無理!』
 
 ……本当に使えない女神だわ。
 
「でも、私も無理ですよ。人が持っている物を奪ったりしたら、それこそ断罪ものです」 
 
 そういう私に、ラケシス様は勢いよく言う。
 
『その為のケット・シーよ! 貴女は、あの子が何処に宝玉を隠し持っているかの場所を探り出してもらうだけでいいの。場所され分かればあとはケット・シーに取りに行ってもらうわ。そうすれば貴女に疑いはかからないでしょ?』
 
 確かにそれなら、私は犯罪者にならなくて済む。
 けれど、その宝玉って、どんな物なのかさっぱり分からない。
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