17 / 66
王都~学園入学前
16.母からの呼び出し
しおりを挟む
騎士団への治癒魔法練習を兼ねた見学は、あれからも時々行なっていた。
第2騎士団長に絞られたのか、あの日以降はそんなに救護室に駆け込んでくる団員の数も減り、おかげでゆっくりとアストナ先生に指導を受けながら治癒魔法の練習が出来ている。
今日は授業はないので、部屋でゆっくりお茶を飲んでいた。
私付きのメイドのマリーも、もちろん私と共に王都の屋敷に戻っており、今も変わらず私の世話をしてくれる。
「お嬢様、お寂しいのではありませんか?」
マリーにそう言われて、首を傾げる。
「どうして?」
「だって! 領地ではあんなにお嬢様の傍に居たグレイ様と会えないから……」
あ、そうか。マリーもグレイが姿を消して付いてきている事を知らなかった。
「そ、そうね。うん、でもきっとグレイは元気にしていると思うよ」
「そりゃ、幻獣様だからお身体はお元気だとは思いますが……」
うん。マリーもグレイの事、大好きだったもんね。いつもこっそりお菓子をあげてたの、知ってるよ。
「大丈夫だよ。グレイの事だからその内こっそりと会いに来てくれると思うよ」
「そうだといいですねぇ。本当にグレイ様は見ているだけで、有難い存在でしたから」
グレイはきっと何処かでこの会話を聞いているだろうな。
案外ツンデレだから、今頃照れながらも、そっぽ向いて何処かで丸まって寝ているだろう。
そう思うと自然と笑いが込み上げてくる。
そうしてお茶を楽しんでいると、珍しく母が呼んでいると母付きのメイドが私に告げにきた。
何だろう。
本当に珍しい。
不思議に思いながら、私は母の待つリビングに向かう。
「お母様、お呼びだとお伺いしました」
母は、そこでお茶会に招待された封筒を数枚取り出し、私に見せてきた。
「貴女ももうすぐ学園に入学するのですから、ベルイヤ侯爵家の娘として、他の貴族の方達と顔合わせくらいはしておかなければなりません。
選定しておきましたので、これらのお茶会にわたくしと共に参加しますよ」
そこには、公爵家や同じ侯爵家、伯爵家からの数枚の招待状があり、更には王妃様からの招待状まであった。
「お茶会用のドレスは最近作ったドレスが何枚かあったわよね。後でもう何枚か作るから、商会が持ってきているデザイン本からデザインを選んでおきなさい」
あぁ、道理で最近急にドレスを数枚新調したのね。珍しいと思ってたのよ。
「分かりました」
私は返事をした後、デザイン本を部屋に持って帰り、何枚かデザインを選んだ。
流石にお茶会デビューを学園前にさせなければと思ったのだろう。
しかし、母と2人で出掛けるなんてした事がないから気が重い。
「はぁ~」
思わず溜め息をこぼしてしまった。
『貴族とは大変だなニャ』
今はマリーが席を外している為、グレイが姿を現して直接話しかけてくる。
「母と2人で出掛けるのが何より気が重いのよ」
机に突っ伏した状態でグレイに返事した。
『それよりも、その中に王妃主催のお茶会があるニャ。
きっとそこに、例のヒロインや恋愛対象者が集まるだろうニャ』
「あ、そうか。学園入学前に1度会っちゃうのか」
『ちゃんとヒロインの様子を見ておくんだニャ。
きっと宝玉は肌身離さずに持っていると我は考えているニャ。
もしチャンスがあれば早めに奪い返すに限るからニャ』
グレイは物騒な事を平然と言っている。
そんな簡単に奪い返せるなら、そっちで見つけて早く返してもらってほしい。
ビー玉サイズの宝玉なんて、身体に身に付けていたとしても、そう簡単に見つけられる訳ないじゃん。
そんなふうに考えていると、マリーが戻ってきてドアをノックした。
『我はまた消えるニャ』
そう言ってすぐにグレイは姿を消す。
それを確認してからマリーに返事をした。
「お嬢様。誰かと話しているような声が聞こえましたが?」
部屋に入ってきたマリーが、不思議そうに部屋の中を見回しながら話しかけてくる。
「独り言をつい言っちゃってたのよ。
母とのお茶会参加が気が重すぎて」
私の言葉にクスッとマリーは笑う。
私と母との関係を知っているから、マリーはすぐに納得してくれた。
「確かに奥様と一緒にお出掛けだなんて、今までに無かったことですものね。
お嬢様、大丈夫ですか?」
「ええ。何とか乗り切るわ。お茶会は王妃様主催のもあるから、ドレスの新調をするの。他のお茶会もドレスが重ならないように準備しといてくれる?」
そう伝えると、マリーは気合いを入れながら頷く。
「勿論です! 腕が鳴りますわ!
お嬢様はあまり着飾らせてくれないのですもの!」
今まで他家に出向く事も、何処かに出掛ける事もなかったから、着飾る必要がなかったのよね。
この前の騎士団の見学はあくまで治癒魔法の練習だから、逆に動きやすい服装でないといけなかったし。
「マリーの腕にかかってるのよ。よろしくね」
そう言って、お茶会に向けての準備を行なう事にした。
第2騎士団長に絞られたのか、あの日以降はそんなに救護室に駆け込んでくる団員の数も減り、おかげでゆっくりとアストナ先生に指導を受けながら治癒魔法の練習が出来ている。
今日は授業はないので、部屋でゆっくりお茶を飲んでいた。
私付きのメイドのマリーも、もちろん私と共に王都の屋敷に戻っており、今も変わらず私の世話をしてくれる。
「お嬢様、お寂しいのではありませんか?」
マリーにそう言われて、首を傾げる。
「どうして?」
「だって! 領地ではあんなにお嬢様の傍に居たグレイ様と会えないから……」
あ、そうか。マリーもグレイが姿を消して付いてきている事を知らなかった。
「そ、そうね。うん、でもきっとグレイは元気にしていると思うよ」
「そりゃ、幻獣様だからお身体はお元気だとは思いますが……」
うん。マリーもグレイの事、大好きだったもんね。いつもこっそりお菓子をあげてたの、知ってるよ。
「大丈夫だよ。グレイの事だからその内こっそりと会いに来てくれると思うよ」
「そうだといいですねぇ。本当にグレイ様は見ているだけで、有難い存在でしたから」
グレイはきっと何処かでこの会話を聞いているだろうな。
案外ツンデレだから、今頃照れながらも、そっぽ向いて何処かで丸まって寝ているだろう。
そう思うと自然と笑いが込み上げてくる。
そうしてお茶を楽しんでいると、珍しく母が呼んでいると母付きのメイドが私に告げにきた。
何だろう。
本当に珍しい。
不思議に思いながら、私は母の待つリビングに向かう。
「お母様、お呼びだとお伺いしました」
母は、そこでお茶会に招待された封筒を数枚取り出し、私に見せてきた。
「貴女ももうすぐ学園に入学するのですから、ベルイヤ侯爵家の娘として、他の貴族の方達と顔合わせくらいはしておかなければなりません。
選定しておきましたので、これらのお茶会にわたくしと共に参加しますよ」
そこには、公爵家や同じ侯爵家、伯爵家からの数枚の招待状があり、更には王妃様からの招待状まであった。
「お茶会用のドレスは最近作ったドレスが何枚かあったわよね。後でもう何枚か作るから、商会が持ってきているデザイン本からデザインを選んでおきなさい」
あぁ、道理で最近急にドレスを数枚新調したのね。珍しいと思ってたのよ。
「分かりました」
私は返事をした後、デザイン本を部屋に持って帰り、何枚かデザインを選んだ。
流石にお茶会デビューを学園前にさせなければと思ったのだろう。
しかし、母と2人で出掛けるなんてした事がないから気が重い。
「はぁ~」
思わず溜め息をこぼしてしまった。
『貴族とは大変だなニャ』
今はマリーが席を外している為、グレイが姿を現して直接話しかけてくる。
「母と2人で出掛けるのが何より気が重いのよ」
机に突っ伏した状態でグレイに返事した。
『それよりも、その中に王妃主催のお茶会があるニャ。
きっとそこに、例のヒロインや恋愛対象者が集まるだろうニャ』
「あ、そうか。学園入学前に1度会っちゃうのか」
『ちゃんとヒロインの様子を見ておくんだニャ。
きっと宝玉は肌身離さずに持っていると我は考えているニャ。
もしチャンスがあれば早めに奪い返すに限るからニャ』
グレイは物騒な事を平然と言っている。
そんな簡単に奪い返せるなら、そっちで見つけて早く返してもらってほしい。
ビー玉サイズの宝玉なんて、身体に身に付けていたとしても、そう簡単に見つけられる訳ないじゃん。
そんなふうに考えていると、マリーが戻ってきてドアをノックした。
『我はまた消えるニャ』
そう言ってすぐにグレイは姿を消す。
それを確認してからマリーに返事をした。
「お嬢様。誰かと話しているような声が聞こえましたが?」
部屋に入ってきたマリーが、不思議そうに部屋の中を見回しながら話しかけてくる。
「独り言をつい言っちゃってたのよ。
母とのお茶会参加が気が重すぎて」
私の言葉にクスッとマリーは笑う。
私と母との関係を知っているから、マリーはすぐに納得してくれた。
「確かに奥様と一緒にお出掛けだなんて、今までに無かったことですものね。
お嬢様、大丈夫ですか?」
「ええ。何とか乗り切るわ。お茶会は王妃様主催のもあるから、ドレスの新調をするの。他のお茶会もドレスが重ならないように準備しといてくれる?」
そう伝えると、マリーは気合いを入れながら頷く。
「勿論です! 腕が鳴りますわ!
お嬢様はあまり着飾らせてくれないのですもの!」
今まで他家に出向く事も、何処かに出掛ける事もなかったから、着飾る必要がなかったのよね。
この前の騎士団の見学はあくまで治癒魔法の練習だから、逆に動きやすい服装でないといけなかったし。
「マリーの腕にかかってるのよ。よろしくね」
そう言って、お茶会に向けての準備を行なう事にした。
147
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された公爵令嬢マレーネは、音楽会で出会った聖女様とそっくりさんだった。え?私たち双子なの。だから、入れ替わってまだ見ぬ母に会いに行く
山田 バルス
恋愛
ベルサイユ学院の卒業式。煌びやかなシャンデリアが吊るされた大広間に、王都中から集まった貴族の若者たちが並んでいた。
その中央で、思いもよらぬ宣告が響き渡った。
「公爵令嬢マレーネ=シュタイン! 今日をもって、君との婚約を破棄する!」
声の主は侯爵家の三男、ルドルフ=フォン=グランデル。茶色の髪をきれいに整え、堂々とした表情で言い放った。場内がざわつく。誰もが驚きを隠せなかった。
婚約破棄。しかも公爵家令嬢に対して、式典の場で。
「……は?」
マレーネは澄んだ青い瞳を瞬かせた。腰まで流れる金髪が揺れる。十五歳、誰もが憧れる学院一の美少女。その彼女の唇が、震えることなく開かれた。
「理由を、聞かせてもらえるかしら」
ルドルフは胸を張って答えた。
「君が、男爵令嬢アーガリーをいじめたからだ!」
場にいた生徒たちが、一斉にアーガリーのほうを見た。桃色の髪を揺らし、潤んだ瞳を伏せる小柄な少女。両手を胸の前で組み、か弱いふりをしている。
「ルドルフ様……わたくし、耐えられなくて……」
その姿に、マレーネはふっと鼻で笑った。
「ふざけないで」
場の空気が一瞬で変わった。マレーネの声は、冷たく、鋭かった。
「私がいじめた? そんな事実はないわ。ただ、この女がぶりっ子して、あなたたちの前で涙を浮かべているだけでしょう」
アーガリーの顔から血の気が引く。だが、ルドルフは必死に彼女を庇った。
「嘘をつくな! 彼女は泣きながら訴えていたんだ! 君が陰で冷たく突き放したと!」
「突き放した? そうね、無意味にまとわりつかれるのは迷惑だったわ。だから一度距離を置いただけ。あれを“いじめ”と呼ぶのなら、この場の誰もが罪人になるんじゃなくて?」
会場に小さな笑いが起きた。何人かの生徒はうなずいている。アーガリーが日頃から小芝居が多いのは、皆も知っていたのだ。
ルドルフの顔に焦りが浮かぶ。しかし、彼は引き下がらない。
「と、とにかく! 君の性格の悪さは明らかだ! そんな女とは婚約を続けられない!」
「……そう」
マレーネの笑顔がふっと消え、青い瞳が鋭く光った。その瞬間、周囲の空気がピリピリと震える。
彼女の体から、圧倒的な魔力があふれ出したのだ。
「な、なに……っ」
ルドルフとアーガリーが同時に後ずさる。床がビリビリと振動し、会場の壁が一部、音を立てて崩れ落ちた。魔力の衝撃にシャンデリアが揺れ、悲鳴が飛び交う。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?
時
恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。
しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。
追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。
フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。
ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。
記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。
一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた──
※小説家になろうにも投稿しています
いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
【完結】 笑わない、かわいげがない、胸がないの『ないないない令嬢』、国外追放を言い渡される~私を追い出せば国が大変なことになりますよ?~
夏芽空
恋愛
「笑わない! かわいげがない! 胸がない! 三つのないを持つ、『ないないない令嬢』のオフェリア! 君との婚約を破棄する!」
婚約者の第一王子はオフェリアに婚約破棄を言い渡した上に、さらには国外追放するとまで言ってきた。
「私は構いませんが、この国が困ることになりますよ?」
オフェリアは国で唯一の特別な力を持っている。
傷を癒したり、作物を実らせたり、邪悪な心を持つ魔物から国を守ったりと、力には様々な種類がある。
オフェリアがいなくなれば、その力も消えてしまう。
国は困ることになるだろう。
だから親切心で言ってあげたのだが、第一王子は聞く耳を持たなかった。
警告を無視して、オフェリアを国外追放した。
国を出たオフェリアは、隣国で魔術師団の団長と出会う。
ひょんなことから彼の下で働くことになり、絆を深めていく。
一方、オフェリアを追放した国は、第一王子の愚かな選択のせいで崩壊していくのだった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる