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王都~学園入学前
15.騎士団にて
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聖属性魔法の勉強を受け出してから数ヶ月が経った。
あれからアストナ先生は思ったよりも熱心に、ちゃんと分かりやすく教えてくれる。
今日はそのアストナ先生に薦められて、騎士団の練習の見学に来た。
ここでは必ず数人は怪我人が出るとの事で、練習を兼ねてやってきたのだ。
「まずは騎士団長に挨拶に行こう」
アストナ先生に言われて、騎士団長の部屋に一緒に挨拶に行く。
ここは、近衛第2騎士団の団長室だ。
「失礼します。先日お話した、学園に上がる前の聖属性の令嬢を連れて来ました」
「あぁ、どうぞ入りなさい」
団長の返事を受けて、アストナ先生の後を付いて部屋に入る。
「君が魔力35の聖属性と判定された、ベルイヤ侯爵令嬢か」
「エマ・ベルイヤと申します。本日は練習を兼ねての見学をお引き受け頂き、ありがとうございます」
団長に声を掛けられた私は挨拶をする。
「ジョン・ベオグラードだ。そう緊張することはない。滅多なことでは大怪我をする者もここにはいないからな」
第2騎士団長にそう言われて、私はホッと息をついた。
王宮に来た事も初めてで、ましてや近衛騎士団の練習を見学する事が出来るなんて思ってもみなかった。
「聖属性は希少だからね。少しでも早めにみんな縁を繋いでおきたいのさ」
そう言ってアストナ先生は笑っている。
「そういえば、君と同じ歳の男爵令嬢も聖属性持ちらしいよ。そちらは魔力42の火属性もある2属性持ちで、すでに聖女候補認定されているらしいけどね」
「はい、情報誌で知りました。聖女候補なんて凄いですね」
私の返答に、アストナ先生は、
「君は君で出来ることを頑張ればいいんだよ。
さぁ、行こう」
と、微笑んでそう言って、第2騎士団の練習場まで案内してくれた。
練習場に着くと、団員の視線が一気にこちらに向いてくる。
アストナ先生がスっと私の前に立って、視線からさりげなく隠してくれた。
「今日は聖属性の治癒魔法の練習を兼ねての見学者がいる。
みんなは気にせず、いつも通り練習に励んでくれればいい。
その中で怪我をした者は、彼らに名乗り出て治療を受けるように」
第2騎士団長の説明に、ようやく視線が外れ、騎士団員はまた練習に取り組み始めた。
私はアストナ先生と共に、練習場の隅にある救護室から練習を見学する。
しばらくすると、1人の団員が腕を打撲して痛めたと救護室にやってきた。
アストナ先生は私に
「練習だ。ヒールをかけてみろ」
と言った。
頷き、私は怪我をした団員に断りを入れてから治癒魔法を開始する。
「ヒール」
打撲した腕に、魔力に乗せて呪文を唱えるとキラキラした光と共に腕の打撲痕が治っていく。
その様子を他の団員たちも見ており、みんな軽く息を呑む。
ヒールは、人それぞれの光と共に掛けられるが、エマのキラキラした光を見たのは、みんな初めてだった。
「まぁ、そうだよな……」
見蕩れる気持ちが分かるジャックは、やはり連れて来るんじゃなかったかと後悔する。
しかし、自分の職場であり、実践にもってこいの場所だったから、ついここを選んでしまったのだ。
もちろん治してもらった団員もエマに見蕩れており……。
「まだ痛みますか?」
エマが話し掛けて、ハッとして慌てて大丈夫だと練習に戻っていった。
その後も何人も怪我や打撲、中には頭痛まで訴えてきては治療を求めてくる団員が続き、流石に団長も渋い顔をしている。
「あいつら、後でしっかりと絞らないと駄目だな」
そう言って、団長が一旦休憩に入る言葉を掛けようとした時だった。
「大変です! 練習に参加していたご子息が、目を損傷しました!」
そう報告を受け、他の団員達によって1人の少年が救護室に運ばれてきた。
その少年の両目からは出血しており、相当な痛みを伴っているようで激しく叫びながら暴れている。
「なっ! これはどういう事だ!」
「どうやら打ち込みの練習の際、気を逸らした瞬間に相手の木刀が運悪く顔面を直撃し、主に目の当たりに直接打ち付けたようで……」
傍で見ていた団員がそう報告し、少年の相手をしていた団員も青ざめながら訴える。
「申し訳ございません! 顔を狙うつもりは全くなかったのですが、打ち込み最中に坊ちゃんが急に顔を背けたので、打ち込んでいた木刀がそのまま顔を直撃してしまって……!」
「今はそんな事言っている時じゃない!
早く治療しないと失明するぞ!」
アストナ先生がそう言って、ヒールをかける。
だが、痛みに耐えきれず、少年は暴れ回っているから、なかなか落ち着いて治癒魔法が掛けられない。
「先生! 私も同時にヒールを掛けます!」
そう言って、先生とは反対の方向からヒールをかける。
2人がかりでヒールを掛けると徐々に痛みが収まってきたのか、大人しくなり、目に集中してヒールをかける事が出来た。
しばらくヒールをかけて魔力を流し続けていると、その少年の目から出血は止まり、腫れは引いていく。
「はぁ~。もう目を開けてもいいぞ」
アストナ先生のその言葉に少年はゆっくりと目を開ける。
「あ……」
「どうだ? 見えるか?」
アストナ先生の質問に少年は頷き、
「君、名前は?」
と、私の方を見ながらそう言ってきた。
「「「「……………………」」」」
その場に居た者たちは、その第一声の発言に言葉を無くし、団長は頭を抱えている。
少年にしっかりと見つめられながら、私の言葉を待っている事に気付き、仕方なしに答える。
「エマ・ベルイヤです」
「俺はオリバー・ベオグラード。そこの第2騎士団長の息子だ。よろしく!」
ニカッと笑うオリバーを見て、他の者達は呆れた目をしている。
もちろん父親である団長は、すぐに息子の頭をキツく小突いた。
「いたっ! 何すんだよ父上!」
「お前は当分、騎士団への練習の参加は禁止だ」
「ええ!? なんで!」
「とにかく、お前の練習相手に謝ってこい」
団長がそう言うと、慌てて練習相手をしていた団員が言った。
「怪我をさせたのは私です! 謝るのは私の方です!」
その練習相手の言葉に、ようやくオリバーは気付く。
「あ、打ち合い中に余所見をしたのは俺です。申し訳ありませんでした」
そう言ってオリバーは、練習相手に頭を下げる。
団長はそんな息子に、ようやく優しい表情を向けて諭す。
「ちょっとした気の緩みが、命の危機となる可能性がある事がこれで分かったな。
お前ももうすぐ学園に入学だ。学園でしっかり勉強してこい」
「はい」
「ちなみに、エマ嬢もお前と同じ年に学園に入学だ」
その団長の言葉を聞いたオリバーは、目を輝かせてこちらを見る。
「エマ嬢! 同級生として改めてよろしく!」
「……よろしくお願いします」
嫌な予感。
案の定、その時グレイからの念話が届く。
『そいつもヒロインの恋愛対象者だ』
やっぱりね。
あれからアストナ先生は思ったよりも熱心に、ちゃんと分かりやすく教えてくれる。
今日はそのアストナ先生に薦められて、騎士団の練習の見学に来た。
ここでは必ず数人は怪我人が出るとの事で、練習を兼ねてやってきたのだ。
「まずは騎士団長に挨拶に行こう」
アストナ先生に言われて、騎士団長の部屋に一緒に挨拶に行く。
ここは、近衛第2騎士団の団長室だ。
「失礼します。先日お話した、学園に上がる前の聖属性の令嬢を連れて来ました」
「あぁ、どうぞ入りなさい」
団長の返事を受けて、アストナ先生の後を付いて部屋に入る。
「君が魔力35の聖属性と判定された、ベルイヤ侯爵令嬢か」
「エマ・ベルイヤと申します。本日は練習を兼ねての見学をお引き受け頂き、ありがとうございます」
団長に声を掛けられた私は挨拶をする。
「ジョン・ベオグラードだ。そう緊張することはない。滅多なことでは大怪我をする者もここにはいないからな」
第2騎士団長にそう言われて、私はホッと息をついた。
王宮に来た事も初めてで、ましてや近衛騎士団の練習を見学する事が出来るなんて思ってもみなかった。
「聖属性は希少だからね。少しでも早めにみんな縁を繋いでおきたいのさ」
そう言ってアストナ先生は笑っている。
「そういえば、君と同じ歳の男爵令嬢も聖属性持ちらしいよ。そちらは魔力42の火属性もある2属性持ちで、すでに聖女候補認定されているらしいけどね」
「はい、情報誌で知りました。聖女候補なんて凄いですね」
私の返答に、アストナ先生は、
「君は君で出来ることを頑張ればいいんだよ。
さぁ、行こう」
と、微笑んでそう言って、第2騎士団の練習場まで案内してくれた。
練習場に着くと、団員の視線が一気にこちらに向いてくる。
アストナ先生がスっと私の前に立って、視線からさりげなく隠してくれた。
「今日は聖属性の治癒魔法の練習を兼ねての見学者がいる。
みんなは気にせず、いつも通り練習に励んでくれればいい。
その中で怪我をした者は、彼らに名乗り出て治療を受けるように」
第2騎士団長の説明に、ようやく視線が外れ、騎士団員はまた練習に取り組み始めた。
私はアストナ先生と共に、練習場の隅にある救護室から練習を見学する。
しばらくすると、1人の団員が腕を打撲して痛めたと救護室にやってきた。
アストナ先生は私に
「練習だ。ヒールをかけてみろ」
と言った。
頷き、私は怪我をした団員に断りを入れてから治癒魔法を開始する。
「ヒール」
打撲した腕に、魔力に乗せて呪文を唱えるとキラキラした光と共に腕の打撲痕が治っていく。
その様子を他の団員たちも見ており、みんな軽く息を呑む。
ヒールは、人それぞれの光と共に掛けられるが、エマのキラキラした光を見たのは、みんな初めてだった。
「まぁ、そうだよな……」
見蕩れる気持ちが分かるジャックは、やはり連れて来るんじゃなかったかと後悔する。
しかし、自分の職場であり、実践にもってこいの場所だったから、ついここを選んでしまったのだ。
もちろん治してもらった団員もエマに見蕩れており……。
「まだ痛みますか?」
エマが話し掛けて、ハッとして慌てて大丈夫だと練習に戻っていった。
その後も何人も怪我や打撲、中には頭痛まで訴えてきては治療を求めてくる団員が続き、流石に団長も渋い顔をしている。
「あいつら、後でしっかりと絞らないと駄目だな」
そう言って、団長が一旦休憩に入る言葉を掛けようとした時だった。
「大変です! 練習に参加していたご子息が、目を損傷しました!」
そう報告を受け、他の団員達によって1人の少年が救護室に運ばれてきた。
その少年の両目からは出血しており、相当な痛みを伴っているようで激しく叫びながら暴れている。
「なっ! これはどういう事だ!」
「どうやら打ち込みの練習の際、気を逸らした瞬間に相手の木刀が運悪く顔面を直撃し、主に目の当たりに直接打ち付けたようで……」
傍で見ていた団員がそう報告し、少年の相手をしていた団員も青ざめながら訴える。
「申し訳ございません! 顔を狙うつもりは全くなかったのですが、打ち込み最中に坊ちゃんが急に顔を背けたので、打ち込んでいた木刀がそのまま顔を直撃してしまって……!」
「今はそんな事言っている時じゃない!
早く治療しないと失明するぞ!」
アストナ先生がそう言って、ヒールをかける。
だが、痛みに耐えきれず、少年は暴れ回っているから、なかなか落ち着いて治癒魔法が掛けられない。
「先生! 私も同時にヒールを掛けます!」
そう言って、先生とは反対の方向からヒールをかける。
2人がかりでヒールを掛けると徐々に痛みが収まってきたのか、大人しくなり、目に集中してヒールをかける事が出来た。
しばらくヒールをかけて魔力を流し続けていると、その少年の目から出血は止まり、腫れは引いていく。
「はぁ~。もう目を開けてもいいぞ」
アストナ先生のその言葉に少年はゆっくりと目を開ける。
「あ……」
「どうだ? 見えるか?」
アストナ先生の質問に少年は頷き、
「君、名前は?」
と、私の方を見ながらそう言ってきた。
「「「「……………………」」」」
その場に居た者たちは、その第一声の発言に言葉を無くし、団長は頭を抱えている。
少年にしっかりと見つめられながら、私の言葉を待っている事に気付き、仕方なしに答える。
「エマ・ベルイヤです」
「俺はオリバー・ベオグラード。そこの第2騎士団長の息子だ。よろしく!」
ニカッと笑うオリバーを見て、他の者達は呆れた目をしている。
もちろん父親である団長は、すぐに息子の頭をキツく小突いた。
「いたっ! 何すんだよ父上!」
「お前は当分、騎士団への練習の参加は禁止だ」
「ええ!? なんで!」
「とにかく、お前の練習相手に謝ってこい」
団長がそう言うと、慌てて練習相手をしていた団員が言った。
「怪我をさせたのは私です! 謝るのは私の方です!」
その練習相手の言葉に、ようやくオリバーは気付く。
「あ、打ち合い中に余所見をしたのは俺です。申し訳ありませんでした」
そう言ってオリバーは、練習相手に頭を下げる。
団長はそんな息子に、ようやく優しい表情を向けて諭す。
「ちょっとした気の緩みが、命の危機となる可能性がある事がこれで分かったな。
お前ももうすぐ学園に入学だ。学園でしっかり勉強してこい」
「はい」
「ちなみに、エマ嬢もお前と同じ年に学園に入学だ」
その団長の言葉を聞いたオリバーは、目を輝かせてこちらを見る。
「エマ嬢! 同級生として改めてよろしく!」
「……よろしくお願いします」
嫌な予感。
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やっぱりね。
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