乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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4.王宮でのお茶会はイベント発生的な何かですか?

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 居間に到着すると先に準備を終えてソファに座って優雅にカップを傾けているお母様の姿。
その美しさにノックアウトされました。

更に美しくなったお母様の満面の笑みはそこらの人なら一撃で落とせる力を持っています!

ソファに座っていたお母様だけど私達の姿を見ると立ち上がって両手を広げて抱きしめてきました。

「私の天使達!とっても美しいわ!」

ギュムッとね。
苦しいですお母様…。
お胸が…。
そして髪型が崩れてしまいますが…。


「く、くるしいです…」

「あら?ごめんなさいね。ふふ」


あー美人って何しても美人!


「トマス、ニナ、準備はよろしくて?」

「「はい。奥様」」

「よろしい。では、クリス、リリィ、行きますわよ?」

「はい、お母様」

「はぁい」


玄関ではセバス、家政婦長のサラ、トマス、ニナが並びその後ろに下僕さんとメイドさんがズラリと並んでる。
一斉にお辞儀をしながら

「行ってらっしゃいませ」

と見送ってくれた。
とんでもなく爽快な光景!
皆さん一糸乱れる事なくお辞儀するんだよ!スゴイ!

「いってきます」

ニッコリ微笑んでお母様の後を歩いて外に出ると、4頭立ての豪奢な馬車が止まってた。

御者のオディロンが扉を開けてくれてエスコートしてくれるんだけど…
このエスコートっていうのがまた慣れないんだよね。この世界はとにかくレディファーストが過ぎるくらいに女性に対して優しいんだ。

中身が生粋の日本人だから、照れくささが抜けなくて毎回困っちゃう。


「ありがとう」


笑顔で返事して、馬車に乗り込む。

馬車に乗ったら王宮まで片道10分程なのかな?
ガタガタ音はするんだけど、馬車の中は快適に過ごせるようになってて、お尻が痛いなんて事にはならないの。

この世界、移動は基本的に馬か馬車。
車なんてハイテクな物は無いからイメージ的には中世ヨーロッパの時代くらいなのかな?

なんてつらつら考えてたら王宮に到着しました。


えーと、凄いんです。
お城って凄い大きくて綺麗!何部屋くらいあんの?どうなってるの?って冒険したくなるようなサイズだよ!


「リリィ?大丈夫?」

お兄様が心配して覗き込んできて、びっくりしちゃった!

「あ、だいじょうぶ…」

口がポカンと空いてたみたい。
お兄様がサッと顎に手を添えてくれた。
すまん…。


「ベルナー家皆様御到着されました。…こちらへ」


今日のお茶会はガーデニングパーティー形式で、外で行うそうです。
お庭も広くて丁寧に整えられている印象。

既に招待された人達は到着していたみたいで、家が最後でした。


「リリィ、王妃様と殿下たちがいらっしゃるから、ご挨拶はきちんとなさいね」


コソッとお母様がクギを刺してきました。


「はい、もちろんですわ」

よし、頑張って良い印象を残してお兄様の役に立つぞー!と気合いを入れ直した。

庭の入り口の方が騒めき始めたと思ったら、


「カミーユ王妃、テオドール殿下、ヴィクトル殿下お見えになられました」

と王宮下僕の人が声を上げた。


遠くの方でザワザワと楽しそうな声が聞こえる。


「リリィ?僕たちはご挨拶は1番最初だから、このままいらっしゃるのを待ってからご挨拶だよ」

「ここでまつの?」

「そう。普通はぼくたちがあいさつに行くんだけど、今日は王妃様達が回って下さるんだ」

へえ。そうなんだ。


「ご機嫌よう。マリア」

「ご機嫌よう。王妃殿下」

お母様のカーテシーは極上の美しさで周りの皆様釘付けになってます。

「ご機嫌よう、クリス」

「ご機嫌よう、王妃殿下」

クリスのお辞儀もスッと腰が伸びて綺麗だった。
周りの皆さんもホゥッと頬を染めて溜息。

「ご機嫌よう、リリアーヌ」

今こそあの特訓の成果を出す時よ!

「ごきげんよう。おうひでんか」

ちょこんとカーテシーを披露!
周りは3歳にしてはいいね!って感じの見守る様な緩い目で見ていただけました!
転ばなくて良かったよー。


「ふふ、可愛らしい事。リリアーヌは3歳だったわね?ヴィクトルと同じ年同士仲良くしてやってちょうだい」

「はい。よろしくおねがいいたします」

ふふと笑って殿下達の挨拶を促す。

「リリアーヌ、リリィと呼んでも良いかしら?」

「こうえいです!」

「リリィ、こちら第一王子のテオドール、そしてこちらが第二王子のヴィクトルよ」

「ジャン・テオドール・マルタンです。よろしくね」

「ジャン・ヴィクトル・マルタン…」

2人が挨拶のお辞儀をしてくれる。
こっちだって、必殺ちょこんカーテシーよ!
その後お母様直伝のニッコリスマイル。


「リリアーヌ・ベルナーですわ。よろしくおねがいいたします」


どうですか?OKかな?
チラリとお母様とお兄様を見たら、うん、と頷いていたから及第点はいただけました!


「じゃあ、ゆっくりしてらして。また後でお話しましょう」

「では、後で話そう。クリス、リリィ」


あら?テオドール殿下には愛称で呼ぶ許可は出してないけど?なんて思いながら笑顔で答える。
ヴィクトル殿下に至ってはテオドール殿下の後ろでプルプルしてるだけ。
覗き込んで見てみたけど目を逸らされてはい終了!

王妃様達は隣の方々と今度は挨拶しに行かれました。
まあ、一応粗相する事もなく第一段階クリアなんじゃないかな?
良かった良かった。


次に挨拶しているのは辺境伯のガルシア家。
奥様と息子のレオポルト。
お兄様と同じ年って事は側近候補?
あら、目があっちゃった!ニッコリ。
ふむ。なかなか好みのイケメンよ。


次は公爵家のフルニエ家。
財務省長官の奥様と息子のローラン。
ここもお兄様と同じ年。
なかなかのイケメンだわ。


次が侯爵家のモロー家ね。
法務省長官の奥様と息子のマティアス。
あら、ここもお兄様と同じ年だわ。
おっとりした雰囲気の柔らかい方ね!


で、次が伯爵家のロベール家。
騎士団団長の所だわ。奥様と息子のクレマン。
あら!ここはお兄様の1つ年上ね。
かなり勝気なタイプだわ。
さすが騎士団団長の息子!って感じ。


その他数名の挨拶があって今度は女の子がいるお家ね、婚約者候補の方々って事ね。


侯爵家のデュボア家。
執務長長官の奥様と娘のアデライト。
あ!私と同じ年だって!
ちょっと生意気そうなツンとした顔してるけど、
シルバーブロンドの髪にサファイアの瞳、可愛いな。
え?テオドール殿下の婚約者候補筆頭なんだ。
お友達になれないかなぁ。
なりたいなぁ。

よし決めた!後で声かけよう!


そんなこんなで挨拶が続いた後、席に着いてお茶会スタート!


目の前のカラフルでおいしそうなお菓子達!
私に食べられたがっていると思うの!
お上品に食べれば問題無いはず。
小さいお口を意識して、目の前のクッキーを一つつまんでみた。


おいしーーーっっ!コレ!!
上品な甘さのホロリとした口溶け!
もう一口食べて満足。

次は給仕のメイドさんに一口サイズに切り分けてあるケーキを何個か取ってもらってお皿に綺麗に盛り付けてもらった。

キラキラ宝石みたいなケーキ達!
あーん!食べるのがもったいない!!
でも、パクリと一口。
コレもおいしーーーっっ!!

頬っぺた落ちてないか?大丈夫か?
スリスリ頬を押さえながらニマニマしてしまう。

隣に座っているお兄様に肘でチョイと突かれた。


ーーハッ!

お母様の視線が痛い…

二、ニコ…

あ、すごい溜息つかれちゃった。
でも、仕方ないと思うの。目の前にこんなに美味しそうなお菓子を並べられたらさ…
子供じゃなくても食べたくなるのよ。
それが人間の性ってやつ。


うーん。思うように食べれないし、じっと座ってるのも疲れてきたな…。

あ、子供達だけで集まってお話ししてもいいんだって!
ヨシ。
さっきの可愛子ちゃんをナンパしに行こう。


子供たちが集まっている場所に動こうと席を立とうとすると、隣に座っているお兄様の周りに女の子達が沢山集まってきた。

あ、そうか。第一王子の婚約者候補選びでもあるけど、側近候補も集まってる訳だから、イケメンハイスペック達がわんさかいるって事か。
少しでもお近付きになりたいからか、皆さん鼻息も荒く目が鋭い…


コワッ。


えーと、お兄様が取り囲まれちゃって私身動き取れませんが…
えーん。あの女の子とお話したいのに!
あれ?あの子いないじゃん!どこ行っちゃったんだろ。


それにしてもこの女の子達の香水と白粉の匂いが…キツイ。
子供なのにこんなに塗りたくったら肌荒れるんだけどな…
囲まれてるからか外なのに空気が薄く感じてくる。
ヤバい。気持ち悪くなってきたな…。
と思ってたら救いの声が聞こえた。


「ご令嬢方、あちらで皆でお話ししませんか?もちろん、クリスも一緒に。いいよな?クリス」

「あ、ああ。もちろんだよレオ。皆さん、あちらのお花もきれいに咲いているみたいですよ?行きましょう」


きゃあきゃあ言いながら令嬢達は席を離れて行く。

お兄様が振り返ってゴメンと謝ってきて、助けてくれた辺境伯の息子のレオポルト様と目が合ってウィンクされた。

うぉー!助け方もスマートですね!
貴族の子息ってすごい。
イケメンはやっぱり内面もイケメンなんだ。
ありがたやありがたや。


…さて。
あの女の子は何処へ?



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