26 / 122
26.怒りの鉄拳は収まる事を知らない?
しおりを挟む妖精の森の入り口に到着すると、森の入り口でロウとセルがドーンと待ち構えていた。
?なんか不機嫌そう…。
2人ともどうしたの??
『…フン。どうせ、我等は無駄にでかいからな』
『可愛くなくて悪かったな…生まれてこの方可愛いなんて言われた事がないからな』
ん?
『時代は精霊だからな』
『可愛いは暴力だもんな』
あ!拗ねてる?精霊に嫉妬?
『ふん!そんな事!』
『だっ、誰が嫉妬なんてするかよっ!』
フフッ、嫉妬なんて可愛い事するねぇ。
『……』
『…オレは生涯一緒だから…』
2人とも可愛い!
大丈夫!どんな可愛い精霊と契約してもずっと仲良しだからねっ!!
2人にギュムッと抱きついた。
『『リリィ…』』
あとで、一緒に包子食べようね!熱いから火傷に注意よ!2人はさ一緒に食べれるから楽しいよね。
精霊は食べれないんでしょ?かわいそうだよね…。
『リリィ我等も本当は…』
『リリィ!そうだぜぇ!一緒に食べれるのはオレ達だけだぜ!』
『…セル』
『いいんだって。オレ達特別だからなっ』
フフッ、2人とも可愛いわ。
ところで…
『オベロンの事だな』
オベロン?
『花に加護を与えたヤツだ』
そうそう。
直接行けなくなっちゃったからさ、ここに来て貰えばいいじゃん!って思ったの。
『ふむ。どうかな。奴は何もなくあの場を出る事がなかなか難しいからな』
「リリィ、ロウ様達は何て?」
「あ、ごめんなさい。ロウ、みんなにもせつめいしてくれる?」
『ああ。奴は本来湖の側を離れる事は無いんだ。ただ、まあこの間みたいに少しの間だけなら来れるかもしれない。リリィが呼べば来るかもしれないな』
「わたし?」
『ああ、お前に対する執着は結構な物だからな』
へー!何で執着されてるのとかは分からないけど、呼んだら来てくれる?
よし、では…
「えーと、おべろん?さん、ちょっとおねがいがあるのできてくださーい。いまなら、ぱおずがついてくるよ!」
「リリィって本当に…」
『オベロン様が来るの!?』
『まだ分からないがな。もしかしたら…』
『呼んだ?』
『ーー!』
一際眩しい光の塊がフワリと目の前に降り立った。
『オベロン様!』
『お前…そんな気軽に…』
『まあ、コイツ結構そういう所あるよな』
ん?この塊がオベロンっていう精霊?姿は…分からないけど声はきちんと聞こえるね。
思ってたより結構すんなり出てきたな…。
『リリィ…呼んでくれてありがとう』
「えーと、シエルがぐあいわるいので、なおしてあげてください」
『リリィの願いならいくらでもかなえてあげるよ。シエルはどこ?』
『オベロン様!シエルはここです。消えそうになってきてるんです…』
『セリカ、大丈夫だから。シエル、君に王の加護を…』
パァッと黄金のキラキラした粉?鱗粉?が舞ってシエルを包み込んで消えた。
おー、なかなか幻想的な光景だわ。
『リリィ、鱗粉っていう表現はどうかと思うが…』
え?ロウ、だって粉っぽくなかった?
『クク…精霊王の加護を粉て…』
光のシャワーとか言った方が良かったかな?
あ、シエルがふわっと飛んだ!
もう大丈夫な感じ?元気になったのかな?
『オベロン様!ありがとうございます!』
『オベロン様!本当にありがとうございました!』
シエルとセリカがオベロンっていう人の周りをキラキラと飛んで、レオの所に戻った。
「シエル…元気になって良かった…」
うんうん。
良かった良かった!
「オベロン様、本当にありがとうございました!」
『人よ、レオよ。お前の今までの行動は前人達の誤った書や知識のせいだった…と致し方無く思う。そのせいでお前も母を亡くした。これからは今までの事を肝に銘じ精進したまえよ』
「はい…」
「え?ちょっとまって!なんで?」
『え?』
「え?なんでそんなにうえからめせん?」
『え?えーと、我、精霊王…』
「いやいや、おうさまならさ、みんなのちしきとか、まちがってることきづいてたんでしょ?」
『え?あ…まあ。はい』
『ちょっと!リリィ…』
「いままでほうっておいて、こんごはしょうじんしろとかおかしくない?じぶんが、ちゃんとそれまちがってるよ!ってはやめにおしえてくれたら、こんなことになってないでしょ?」
『…はい』
『おい、リリィ少し落ち着きなさい』
「ロウは、だまってて!」
『ーーはい』
「はっきりいって、たいまんよ!あなたがすべてわるいっていってもかごんではないとおもうわ」
『え…と』
「あなたが、ただしいちしきやないようを、みんなにつたえていればこんなことにはならなかった。もしかしたらレオいがいにもくるしんでいるひとがいるかもしれないのに!」
『すみませんでした…』
「あやまってすむなら、けいさつはいらないのよ!」
「けいさつ?」
『けいさつ?』
『警ら隊?みたいなモノか?』
あ、ここには警察はいないのね。
「とにかく、おろべん!すべてはあなたのせい!
これからどうするのかしっかりかんがえて、すぐに、いままでのはまちがっていたってていせいしなさいよ!わかった?」
『は、はい。わかりました…あの名前違う…』
「わかればいいのよ!じゃあ、ぱおずあげるわっ!」
『……あ、ありがとう』
「うん。わざわざ出て来てくれて、シエルを助けてくれたのは感謝してます!ありがとうございました」
『…曲がりなりにも…精霊王に…こんな…説教するなんて…シエル見た?』
『うん、セリカ…恐ろしいね…』
『ククク!流石、オレのリリィ!!』
『セル、お前のモノではないぞ!リリィは我が初めに契約したんだ!』
『お前達!勝手なことばかり言うな!リリィは我の…』
「よし、すべておーけーねっ!じゃあ、かえるわよ!」
帰って包子温めてお兄様と食べるんだから!
楽しみ~!!
『えーと、リリィ?我…精霊王…』
「なに?おれいはしたじゃない。ぱおずじゃいやだった?だったらこまったわね…」
『ハハ…リリィよ。お前は本当に面白い。精霊王の我に対して何も思わぬか?』
「あ、せいれいおう?あ!せいれいのとっぷ?だったらね、もっとせいれいたちのことみててあげなさいよ!そもそも、せいれいたちもまちがったじょうほうもってるってどういうことよ!」
『あ、ご、ごめんなさい…』
『怒り再びだな…』
『リリィは怒らせてはいけない。これは教訓だ』
「あのね、こんぽんてきにまちがってるのだから、みんなをあつめてきちんとおべんきょうしなおしなさい!ひとにたいしてなにかいいたいなら、それからよ!」
『勉強…会…』
「そうよ!もんくあるの!?」
『ありません…』
「あ、レオとシエルとセリカにもちゃんとあやまりなさいよ!あんたのせいでたいへんなおもいしていたんだから!!」
『すまぬ』
「こころがこもってない!やりなおし!!」
『申し訳なかった。我が全ての責任を…』
『オッオベロン様!やめてください!頭なんて下げないで!』
『ボク達もきちんと調べなかったからいけなかったのです!だからっ!!』
「せいれいたちはやさしいわねっ!シエルたちはゆるしてもいいの?」
『許すも何も…ボク達の王だから。こんな直接お話できるだけでも…それに加護まで…逆に感謝しかないよ』
コクコクとセリカも頷いている。
ふーん、まあ本人達が良いなら良いけどね。
それにしても情けない!こんなのが精霊王?もっと、尊敬に値する人物かと思っていたけど残念だわ!精進しなさいよね!!
ふんだ!
ーーーーーーー
一部加筆しております。
31
あなたにおすすめの小説
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
転生したら、実家が養鶏場から養コカトリス場にかわり、知らない牧場経営型乙女ゲームがはじまりました
空飛ぶひよこ
恋愛
実家の養鶏場を手伝いながら育ち、後継ぎになることを夢見ていていた梨花。
結局、できちゃった婚を果たした元ヤンの兄(改心済)が後を継ぐことになり、進路に迷っていた矢先、運悪く事故死してしまう。
転生した先は、ゲームのようなファンタジーな世界。
しかし、実家は養鶏場ならぬ、養コカトリス場だった……!
「やった! 今度こそ跡継ぎ……え? 姉さんが婿を取って、跡を継ぐ?」
農家の後継不足が心配される昨今。何故私の周りばかり、後継に恵まれているのか……。
「勤労意欲溢れる素敵なお嬢さん。そんな貴女に御朗報です。新規国営牧場のオーナーになってみませんか? ーー条件は、ただ一つ。牧場でドラゴンの卵も一緒に育てることです」
ーーそして謎の牧場経営型乙女ゲームが始まった。(解せない)
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
せっかく傾国級の美人に生まれたのですから、ホントにやらなきゃ損ですよ?
志波 連
恋愛
病弱な父親とまだ学生の弟を抱えた没落寸前のオースティン伯爵家令嬢であるルシアに縁談が来た。相手は学生時代、一方的に憧れていた上級生であるエルランド伯爵家の嫡男ルイス。
父の看病と伯爵家業務で忙しく、結婚は諦めていたルシアだったが、結婚すれば多額の資金援助を受けられるという条件に、嫁ぐ決意を固める。
多忙を理由に顔合わせにも婚約式にも出てこないルイス。不信感を抱くが、弟のためには絶対に援助が必要だと考えるルシアは、黙って全てを受け入れた。
オースティン伯爵の健康状態を考慮して半年後に結婚式をあげることになり、ルイスが住んでいるエルランド伯爵家のタウンハウスに同居するためにやってきたルシア。
それでも帰ってこない夫に泣くことも怒ることも縋ることもせず、非道な夫を庇い続けるルシアの姿に深く同情した使用人たちは遂に立ち上がる。
この作品は小説家になろう及びpixivでも掲載しています
ホットランキング1位!ありがとうございます!皆様のおかげです!感謝します!
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる